JPH0216689Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はベツドに関するものである。

（従来技術） 一般に、ベツドの寝床部に置いた布団は、寝て
いる人の寝返りなどによつて、外に落ちてしまう
不都合がある。

そこで、従来のベツドでは、その側部に落下防
止棚を設けて、布団の落下を防止しているが、こ
の落下防止棚がベツドの側部に対し移動不能な固
定式であると、布団をベツド上で整える場合、布
団をベツドから降ろして干す場合あるいはベツド
に寝ていた人が降りる場合に著しく邪魔になるの
で、近時では例えば実開昭59−194870号公報に示
されるように、落下防止棚を上下方向移動可能に
構成している。

ところで、このようなベツドでは、落下防止棚
を上下方向移動可能に構成するために、該棚を上
下方向に案内するガイド体、棚を上下方向所定位
置で固定するためのカム、バネ部材等種々の部品
を要し、構成が著しく複雑になるのみならず、組
立の面倒、コストの大幅な上昇といつた問題が生
じている。

また、病院などにおいては、見舞い客があるこ
とを想定して病室にベツドのほか椅子を用意して
いるが、この椅子が病室の居住空間を著しく狭く
しており、また病室内の整頓も良好に行えないと
いう問題が生じている。尚、このような居住空間
の狭小化および整頓の困難化は、病室のみなら
ず、マンシヨンあるいは一軒家の寝室、子供部屋
等においても生じている。

（考案の目的） 本考案は、このような事情に鑑みてなされたも
ので、その目的とするところは、構成が複雑とな
らず、コストも安価でありながら布団の落下を有
効に防止することができ、しかもベツドの寝床部
下方に形成される空間部を利用して椅子を整頓よ
く収納させることができ、これによつて病室ある
いは部屋内の居住空間の狭小化および整頓の困難
化を解消することができるベツドを提供すること
にある。

（考案の構成） 上記目的を達成するための本考案のベツドは、
寝床部の下方に空間部を有するベツドと、該ベツ
ドの側部に接近および離隔できるように装備され
る落下防止体とからなり、前記落下防止体は、前
記ベツドの前記空間部に収納される椅子部と、該
椅子部と一体的に形成されかつ前記寝床部より上
方に突出する落下防止棚とから構成したものであ
る。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面を参照して説明す
る。

第１図は本考案の一実施例を示す斜視図で、１
はベツドである。このベツド１は、長方形に構成
され、その上面に布団Ａ等が載置される寝床部１
０と、この寝床部１０のフレーム１０ａの長手方
向一端部１０a′に溶接又はビス等の固着手段で固
着した金属パイプ製の頭部側フレーム１１と、前
記寝床部１０のフレーム１０ａの長手方向他端部
１０a″に同じく溶接又はビス等の固着手段で固着
した金属パイプ製の足部側フレーム１２とよりな
るもので、前記寝床部１０の下方には床面Ｂとの
間に所定高さの空間部１３を有している。この実
施例のベツド１は、寝床部１０のフレーム１０
ａ、頭部側フレーム１１、足部側フレーム１２が
金属材で構成されているが、例えばこれらフレー
ムが木材で構成されているもの、あるいは頭部側
フレームが木材で構成されていて棚が設けられて
いるもの等、何れのタイプのベツドであつてもよ
く、要は寝床部の下方に空間部が形成されるタイ
プのベツドが用いられる。

２は前記ベツド１の側部に接近および離隔でき
るように装備される落下防止体である。この落下
防止体２は第２図にも示すように、ベツド１の側
部に装備させたときに寝床部１０より上方に突出
する略状の金属パイプ製落下防止棚２０と、こ
の棚２０の下端部２０ａ，２０ａに連結し前記棚
２０を寝床部１０の側部（フレーム１０ａ側）に
接近して装備させたときに寝床部１０下方の空間
部１３に収納する箱型の椅子部２１とを一体的に
具備している。この椅子部２１は、上面が開口さ
れた箱型の収納庫２１′と、この収納庫２１′の上
面に被嵌する取付け及び取外し自在の座台２１″
とからなるもので、前記座台２１″を収納庫２
１′から取外した場合には該収納庫２１′の内部か
ら或いは内部に寝具、衣類その他適宜な物を出し
入れすることができ、また座台２１″を収納庫２
１′の上面に被嵌させた場合には座台２１″の上面
に座われる椅子として機能するようになつてい
る。尚、座台２１″の上面にはクツシヨン部材２
１″ａを設けている座りこごちを良好ならしめて
いると共に、座台２１″の下面左右端部には座台
２１″を収納庫２１′の上面に被せたときにずれが
生じないように移動阻止片部２１″ｂ，２１″ｂを
収納庫２１′の左右金属棒状部材２１′ｃ，２１′
ｃ内面と当接する位置に固着している。

また、椅子部２１の収納庫２１′は、略状に
折曲した金属パイプ製フレーム２１′ａ，２１′ａ
を左右に配置するとともに、この左右フレーム２
１′ａ，２１′ａを連結すべく該フレーム２１′ａ，
２１′ａの部位間に上下２本の金属製棒状部材２
１′ｂ，２１′ｂを前、後に配して溶接等にて固着
し、更に左右フレーム２１′ｃ，２１′ｃの夫々に
前、後上端部間を結ぶ金属製棒状部材２１′ｃ，
２１′ｃを溶接等にて固着した上、上面部を除く
これら部材間に金属製線材２１′ｄを網状に溶接
等で固着することによつて上面が開口する箱型に
構成している。

そして、前記左右フレーム２１′ａ，２１′ａの
下面部には夫々前、後キヤスタ３…を固着して、
椅子部２１を寝床部１０下方の空間部１３に対し
側部側から出し入れ可能に構成している。尚、こ
の実施例のキヤスタ３は任意方向回動自在なキヤ
スタを用いて、椅子部２１と共に移動する落下防
止棚２０を寝床部１０の側部に対し接近及び離隔
できるように装備しているのみならず、椅子部２
１を空間部１３に収納した状態で、椅子部２１と
共に横方向（寝床部１０の長手方向）に移動でき
るようにしているが、このようなキヤスタに限ら
ず、例えば任意方向回動不能なキヤスタあるいは
キヤスタの車輪の回動がストツプできるロツク機
構付キヤスタ等を用いてもよい。

また、この椅子部２１と前記落下防止棚２０の
連結は、第１図〜第３図特に第３図に詳細に示す
ように、フレーム２１′ａの後側辺部２１′a′，２
１′a′の端部近傍に内方に縮径させた段部２１′
a″を形成し、この後側辺部２１′a′，２１′a′の端
部の上面開口部２１′ａから落下防止棚２０の
下端部２０ａを挿入した上、該下端部２０ａの端
面２０a′を前記段部２１′a″に当接させることに
よつて挿脱自在に連結している。このように椅子
部２１と落下防止棚２０とを挿脱自在に連結する
と、梱包のときには両者を分離させることによつ
てその梱包および運搬を非常に容易に行え、しか
も両者の組立ても容易に行える利点がある。

また、前記落下防止棚２０の端部２０ａには
夫々吸着板４，４が設けられている。この吸着板
４は、第２図に示すように、寝床部１０のフレー
ム１０ａの側面に吸着するラツパ状の吸着板部４
ａと、その吸着板部４ａの背面に一体に形成した
略筒状の取付片部４ｂとから構成されているもの
で、前記取付片部４ｂの開口部に落下防止棚２０
の端部２０ａを押し込むことにより取付片部４ｂ
の素材の弾性締め付け圧で落下防止棚２０の端部
２０ａ外周面に固定されている。従つて、この吸
着板４の吸着板部４ａを、第２図に示す如く、寝
床部１０のフレーム１０ａの側面に吸着させれ
ば、回動自在なキヤスタ３…が椅子部２１のフレ
ーム２１′ａに固着されていても、また落下防止
棚２０に寝床部１０上の布団Ａが押し寄せて来て
も、落下防止棚２０及び椅子部２１は寝床部１０
の側部から離脱することがない。尚、前記キヤス
タ３…を、ロツク機構付キヤスタに変更すれば、
この吸着板４を設けなくてもよいことは勿論であ
る。

第１図において、５，５は左右フレーム２１′
ａ，２１′ａの上面開口部を塞ぐために挿着した
樹脂製又はゴム製のキヤツプであり、また６は落
下防止棚２０の上辺部外周に固定した樹脂製又は
ゴム製の握部である。

また、第４図〜第６図は本考案の落下防止体の
他の実施例を示している。この落下防止体７は、
略状に折曲した金属パイプ製フレーム７０ａの
ほぼ中央部間に金属製棒状フレーム７０ｂを溶接
等で横架状に固着し、その棒状フレーム７０ｂと
金属パイプ製フレーム７０ａの上辺部７０a′間に
複数の金属製線材７０ｃを横方向に等間隔おきに
溶着した落下防止棚７０と、この棚７０の左右辺
部７０a″，７０a″の下部にビス等で固着した前方
に突出する木製の箱型椅子部７１とより構成され
ている。そして、この椅子部７１も前記実施例同
様、上面が開口された箱型の収納庫７１′と、こ
の収納庫７１′の上面に被嵌する取付け及び取外
し自在の座台７１″とで構成して椅子機能および
収納庫機能をもたせている。尚、収納庫７１′の
下面両側の前端部にはキヤスタ３，３を（図では
一方のキヤスタのみ示す）固着しているととも
に、落下防止棚７０の下端部７０ａ，７０ａ
には樹脂製の移動阻止接地体８，８を挿着してい
る。この移動阻止接地体８は、第６図に示すよう
に、載頭円柱体８０ａの外周面縦方向に、外方に
突出するリブ８０ｂを一つ又は複数（図示せず）
一体形成した挿入片部８０と、この挿入片部８０
の下面に一体形成した円板状又は方形板状等適宜
な板状（これは図示せず）の接地片部８１とから
なるもので、前記挿入片部８０を落下防止棚７０
の下端部７０ａの開口から押し込むことによつ
て、リブ８０ｂを前記下端部７０ａの内面に圧
着させて挿着している。尚、７２ａは座台７１″
の上面に設けたクツシヨン部材、７２ｂ，７２ｂ
は座台７１″を収納庫７１′の上面に被せたときに
該座台７１′がずれないようにするための移動阻
止片部を示している。

従つて、この実施例の椅子部７１を寝床部１０
下方の空間部１３に収納させた場合、第４図に示
すように、移動阻止接地体８の接地片部８１が床
面に接地されるため、前方にはキヤスタ３が設け
られているものの、椅子部７１及び落下防止棚７
０は寝床部１０の側部から離隔することなく装備
される。特に、椅子部７１に物をたくさん収納し
てかなりの重量となつた場合や、移動阻止接地体
８の接地片部８１下面に摩擦抵抗の大きな部材を
設けた場合には、落下防止棚７０に布団Ａ等が押
し寄せてきても全く移動することがない。一方、
この収納庫７１を寝床部１０下方の空間部１３に
対し出し入れする場合には、落下防止棚７０の上
辺部７０a′を手で握るとともに上方に持ち上げ
て、移動阻止接地体８，８を床面から離隔させ、
この状態で前方のキヤスタ３で椅子部７１を動か
せば、容易に椅子部７１を出し入れすることがで
きる。また、この椅子部７１の出し入れと共に落
下防止棚７０も、寝床部１０の側部に対し離隔及
び接近させて装備することができるのは勿論であ
る。

第７図〜第１１図は本考案のもう一つの落下防
止体の他の実施例を示している。この落下防止体
１００は、落下防止棚１１０の下端部１１０ａを
椅子部１１１の後側フレーム１１１′ａに対し起
立位置（第８図参照）と横倒位置（第９図参照）
に亘つて回動自在に枢着している。

即ち、この落下防止棚１１０の下端部１１０
ａ，１１０ａには第８図〜第１０図に示すよう
に、プレス加工によつて偏平な板状部１１０a′が
形成されていると共に前記後側フレーム１１１′
ａの上端部には同じくプレス加工によつて左右に
係止片部１１１′a″，１１１′a″を有する断面状
の嵌合部１１１′a′が形成されている。そして、
前記偏平な板状部１１０a′を前記嵌合部１１１′
a′の左右係止片部１１１′a″，１１１′a″間に嵌入
させると共に、嵌合部１１１′a′の一側面からボ
ルト１２０のねじ部を、嵌合部１１１′a′に穿設
した孔及び板状部１１０a′に穿設した孔を通して
外方に突出させ、一方この突出されたボルト１２
０のねじ部に螺合する金属螺合体１３０ａを有し
た樹脂製の摘み１３０を前記ボルト１２０に向け
て螺送させて、該摘み１３０の端面１３０ｂを嵌
合部１１１′a′の底面に強く押し付ければ、板状
部１１０a′は左右の係止片部１１１′a″，１１
１′a″に係止された状態で回動することなく起立
位置に保持されるのである。また、摘み１３０を
左右係止片部１１１′a″，１１１′a″の頂面より外
方までゆるめた上、板状部１１０a′を左右係止片
部１１１′a″，１１１′a″の頂面上に位置させれ
ば、第９図に示すように落下防止棚１１０の下端
部１１０ａを横倒位置まで回動させることがで
き、この横倒位置で摘み１３０をボルト１２０に
向けて締め付ければ、板状部１１０a′は左右係止
片部１１１′a″，１１１′a″の頂面に当接した状態
で回動不能に保持されるのである。尚、落下防止
棚１１０の椅子部１１１に対する回動及び固定
は、この実施例の構成に限らず、例えば前記摘み
１３０とボルト１２０でもつて落下防止棚１１０
の下端部と椅子部１１１の後側上端部に対して狭
圧保持させてもよい。尚、この椅子部１１１も、
上面が開口された収納庫１１１′と、この収納庫
１１１′の上面を開閉可能に閉塞する板状の座台
１１１′とで構成されている。

しかして、このような実施例の落下防止体１０
０によれば、第１１図に示すように、ベツド１の
寝床部１０の一側部を壁ｃに当接させている場
合、落下防止体１００の落下防止棚１１０を横倒
位置に固定しておくことによつて、複数の椅子部
１１１（図では２つ）を収納させることができ、
また一方奥の落下防止体１００の落下防止棚１１
０が壁ｃとは反対側に延出されているため、奥の
落下防止体１００（椅子部１１１）を外部に引き
出す場合にも、この落下防止棚１１０を持つこと
によつて容易に引き出すことができる。更に落下
防止棚を椅子部に対して回動可能に構成しておく
と、梱包もし易い利点がある。

尚、前記実施例の落下防止体２，７，１００
は、ベツド１の側部に対する装備の仕方として例
えば第１２図に示すように、ベツド１の両側部に
複数装備させてもよく、その装備の仕方は自由に
設定できる。

また、前記実施例の椅子部２１，７１，１１１
は、必ずしも方形形状に限らず、例えば円形形
状、多角形状等適宜な形状に形成できると共に、
内部は必ずしも収納庫として構成させる必要はな
く、単なる椅子機能をもつだけのものでもよい。

更に、椅子部２１，７１，１１１、座台２１″，
７１″，１１１は収納庫２１′，７１′，１１
１′に蝶番等を介して開閉自在にしてもよく、要
は座台は収納庫に対して開閉可能であればよい。
又、前記各実施例では落下防止棚をパイプ材や線
材で構成したが、これらのかわりにクツシヨン材
のついた木製等の板材で構成すれば、背もたれ効
果がより大きくなる。又、前記実施例では椅子部
は座台と収納庫で構成しているが、これにかわつ
て単なる脚部で座台を支持してもよい。

（考案の効果） 以上のように本考案によれば、寝床部の下方に
空間部を有するベツドと、該ベツドの側部に接近
および離隔できるように装備される落下防止体と
からなり、前記落下防止体は、前記ベツドの前記
空間部に収納される椅子部と、該椅子部と一体的
に形成されかつ前記寝床部より上方に突出する落
下防止棚とから構成してあるから、落下防止体の
椅子部をベツドの空間部に出し入れすることによ
り落下防止棚も同時にベツドの側部に対して離脱
及び装備させることができる。このため、布団の
落下を防止する落下防止棚をベツドの側部に移動
可能に固着する構成のものと較べれば、構成を著
しく簡素化することができると共に、コストも安
価にでき、それでいて布団の落下も有効に防止す
ることができる。しかも、落下防止体には、椅子
部が設けられているので座らない時は物を置くこ
とができ非常に便利であると共に、椅子部はベツ
ドの寝床部下方の空間部に収納させることができ
るので、病室、マンシヨンあるいは一軒家の寝
室、子供部屋などに設置しても場所をとらず、室
内を整頓する上で極めて良好に行うことができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す分解斜視図、
第２図は落下防止体をベツド側部に装備させた状
態を示す同実施例の概略図、第３図は落下防止棚
の下端部と収納庫の後側フレームとを連結すると
ころを示す同実施例の部分分解斜視図、第４図〜
第６図は本考案の落下防止体の他の実施例を示
し、第４図は落下防止体をベツド側部に装備させ
た状態を示す概略図、第５図は座台を収納庫から
離脱させた状態で示す落下防止体の斜視図、第６
図は移動阻止接地体を落下防止棚の下端部に挿着
するところを示す部分分解斜視図、第７図〜第１
１図は本考案のもう一つの他の実施例を示し、第
７図は落下防止体の背面図、第８図は落下防止棚
が椅子部に対して起立位置で固定されているとこ
ろを示す部分側面図、第９図は落下防止棚が椅子
部に対して横倒位置で固定されているところを示
す部分側面図、第１０図は落下防止棚が椅子部に
対して起立位置で固定されているところを示す部
分断面図、第１１図は落下防止体をベツドに接近
して装備させた使用例を示す概略図、第１２図は
落下防止体をベツドの両側部に複数装備させた使
用例を示す概略図である。 １……ベツド、２，７，１００……落下防止
体、１０……寝床部、２０，７０，１１０……落
下防止棚、１３……空間部、２１，７１，１１１
……椅子部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 寝床部の下方に空間部を有するベツドと、該ベ
   ツドの側部に接近および離隔できるように装備さ
   れる落下防止体とからなり、前記落下防止体は、
   前記ベツドの前記空間部に収納される椅子部と、
   該椅子部と一体的に形成されかつ前記寝床部より
   上方に突出する落下防止柵とからなることを特徴
   とするベツド。