JPH0216150Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案はいわゆるドロウンカツプといわれる積
層型の熱交換器に関し、熱交換器本体を変えるこ
となく、タンク本体のみを自由に設計変更し得る
ものに関する。

〔考案の技術的背景及びその問題点〕

従来の積層型熱交換器は、一例として第１図に
示す如く上下一対の皿状金属板を互いにその周縁
で接合し、熱交換器エレメントを構成する。そし
て、該エレメントを多数積層し、それらの間にコ
ルゲートフイン９を接触配設し、各部材間をろう
付けする。なお、各エレメントの両端部には、
夫々上下方向に互いに連通する図示しない孔を有
する。そして、最上段のエレメント両端に流体出
入用のパイプ５を嵌着接合する。而して、各コル
ゲートフイン９の間に第１の流体を流通させると
共に、第２の流体をパイプ５から流入させ、矢印
の如く各エレメント内を流通させて、それを他方
のパイプ５から流出させるものである。このよう
な熱交換器においては、パイプ５の取付け位置が
熱交換器の上端面又は下端面のいずれかのみにし
か取付けることができない欠点を有していた。そ
のため、該パイプ５が熱交換器取付け場所におい
て、他の部品と干渉することがあり、取付けスペ
ースを有効に利用できないことがしばしばあつ
た。又、第２図は、特開昭56−121996号の従来例
であり、その熱交換器本体の一部のエレメントに
膨出部を設け、そこに流体出入口用のパイプ５を
形成したものである。この従来例によれば、パイ
プ５を有するエレメントを他のエレメントと入れ
変えることにより、該パイプ５の位置を上下方向
に移動し得る。しかしながら、熱交換器本体に対
し、パイプ５の取付け面を変えることはできなか
つた。なお、それをあえて変えるには新たな熱交
換器用エレメントが必要となる。又、パイプ５は
一つのエレメントに突設されるため、比較的小さ
なものにならざるを得ず、それにより流体抵抗が
増大する虞れがある。

〔考案の概要〕

そこで、本考案は以上の問題点に鑑がみ、熱交
換器本体を変えることなく、それに嵌着接合され
るタンク本体及びパイプを適宜変え得る熱交換器
を提供することを目的とする。

縁部が互いに整合すると共に夫々平面矩形に形
成された複数の金属板１，２を有し、夫々の金属
板はその長手方向に平行な両縁を表面側に立ち上
げて溝状に形成され、幅方向に平行な両縁が立ち
下げられてタンク側壁の一部を形成し、前記矩形
の四隅部を前記長手方向に突出して長手方向両端
部がチヤンネル状に形成され、該チヤンネル状の
上下両縁の高さが前記溝状の高さ及び前記側壁の
高さに一致するように形成され、夫々の金属板
２，３を互いに逆向きに且つ前記縁部どうしを整
合して順次重合わせて複数のエレメントが形成さ
れ、積層方向の上下両端には前記チヤンネル部が
被蔽される閉塞用の金属板１４を配置し、夫々の
前記金属板１，２，１４の接触部間を互いに液密
に接合して熱交換器本体４を構成し、一端が開口
し外面の適宜位置に流体出入り用のパイプ５が突
設されたタンク本体７の前記開口縁を夫々の前記
金属板１，２，１４の前記チヤンネル状縁部に液
密に接合したことを特徴とする。

従つて、本考案によれば、熱交換器本体４を全
く変えることなくタンク本体７の大きさや形状及
びパイプ５の取付け位置を適宜目的に応じて変え
ることができる。

〔考案の実施例〕

次に図面に基づいて本考案の各実施例につき説
明する。

第３図は本考案の熱交換器の要部斜視図を示す
組立図である。そして、第４図はそのエレメント
を構成する金属板の斜視図である。この実施例で
は、各エレメントが第４図に示すような金属板を
モナカ状に重合わせて構成したものである。即
ち、金属板２又は３はその平面形状が担架状に形
成される。そしてその周縁が長手方向両端を除き
立ち上げられて、溝状をなす。それと共に、長手
方向両端部中央にマニホールド部１１用の欠切を
有する。さらに、該金属板の周縁に接合用フラン
ジ部１が形成されたものである。そして、一対の
金属板２，３を互いに反対向きに重合わせ、各フ
ランジ部１を衝接する。なお、この実施例ではマ
ニホールド部１１は、その横断面がコ字状に形成
されている。そして、該マニホールド部１１の高
さより低い立ち上げを有する皿状部が両端を除き
形成され、前記マニホールド部１１に連通する。
而して、上下一対の金属板２，３を重合わせるこ
とにより第３図の如く両金属板間に流路１０を形
成する。それと共に、各エレメントを多数積層
し、それらの間にコルゲートフイン９を介装す
る。そして、最上端面及び最下端面の金属板１４
はマニホールド部１１の上部又は下部が被蔽され
たものを用いる。而して、第３図に示すような熱
交換器本体４を構成する。次に、一側面が開口さ
れたタンク本体７を別個に設け、その外面の適宜
位置にパイプ５を接続する。そして、該タンク本
体７の口縁８を熱交換器本体４の両端開口縁６に
嵌着し、両者の間及び各エレメント間並びにエレ
メントとコルゲートフインとをろう付けして本考
案の第１実施例を完成する。なお、タンク本体７
は、第５図の如く、そのフランジ１３をプレス加
工等により一体的に形成することができる。次
に、第６図及び第７図は本考案の第２実施例であ
り、金属板２，３のフランジ部１がその上面側と
下面側とでその向きを異にしたものである。この
場合には一例として第６図の如く組立て、その開
口縁に枠板１２を接合し、該枠板１２を介して第
３図に示すタンク本体７を接合すればよい。な
お、第７図において上縁のフランジ部１を逆方向
に折り曲げ、上下面共にそのフランジ部を内フラ
ンジ状に形成してもよい。その場合には、タンク
本体の孔縁を熱交換器本体の開口縁外周に被嵌さ
せて互いに接合することができる。

〔考案の効果〕

本考案の積層型熱交換器は、以上のような構成
としたので、次の効果を有する。複数の金属板を
積層して成り、夫々の両端部がタンク側壁の一部
を構成し、その側壁の縁部にタンク本体の開口縁
が接合される構造を有する。そのため部品点数が
少なく製造が容易である。また、該タンク本体７
を熱交換器本体４とは別個独立に製作することが
できるから、熱交換器本体４を変えることなく、
タンクの大きさやパイプ５の取付け位置を自由に
選択し得る。それにより、本熱交換器を、各種自
動車内の比較的狭小な場所に他の自動車部品とが
干渉することなく、容易に取付けることができ
る。即ち、パイプ５の取付け位置やタンクの大き
さ（第５図において左右方向の厚み）を変更する
ことにより各自動車に応じて狭小な場所を有効に
利用し得る熱交換器となり得る。それと共に、パ
イプ５の取付け位置やタンクの大きさを変えるこ
とにより夫々の条件に適合した流体抵抗を設定し
得る。又、本考案の熱交換器は、従来の積層型熱
交換器に比し、そのタンク部構造が単純化される
ため、その分だけ熱交換器全体が軽量になる効果
を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の積層型の熱交換器を示す一例で
あり、第２図は従来の他の実施例を示す要部立面
図、第３図は本考案の熱交換器の要部を示す斜視
図、第４図は本考案の熱交換器のエレメントを構
成する金属板の斜視図、第５図はタンク本体７と
熱交換器本体４との嵌着状態を示す平面図、第６
図は本考案の第２実施例の熱交換器本体を示す要
部斜視図、第７図は同熱交換器本体のエレメント
を構成する金属板の斜視図。 １……フランジ部、２，３……金属板、４……
熱交換器本体、５……パイプ、６……開口縁、７
……タンク本体、８……口縁、９……コルゲート
フイン、１０……流路、１１……マニホールド
部、１２……枠体、１３……フランジ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 縁部が互いに整合すると共に夫々平面矩形に形
   成された複数の金属板１，２を有し、夫々の金属
   板はその長手方向に平行な両縁が表面側に立ち上
   げられて溝状に形成され、幅方向に平行な両縁が
   立ち下げられてタンク側壁の一部を形成し、前記
   矩形の四隅部を前記長手方向に突出して長手方向
   両端部がチヤンネル状に形成され、該チヤンネル
   状の上下両縁の高さが前記溝状の高さ及び前記側
   壁の高さに一致するように形成され、夫々の金属
   板２，３を互いに逆向きに且つ前記縁部どうしを
   整合して順次重合わせて複数のエレメントが形成
   され、積層方向の上下両端には前記チヤンネル部
   が被蔽される閉塞用の金属板１４を配置し、夫々
   の前記金属板１，２，１４の接触部間を互いに液
   密に接合して熱交換器本体４を構成し、一端が開
   口し外面の適宜位置に流体出入り用のパイプ５が
   突設されたタンク本体７の前記開口縁を夫々の前
   記金属板１，２，１４の前記チヤンネル状縁部に
   液密に接合したことを特徴とする積層型熱交換
   器。