JPH018872Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、例えば自動車のラジエータとして
用いられる熱交換器に関する。

従来の技術 この種の熱交換器としては、例えば実開昭56−
128985号公報に開示されているように、並列状熱
交換管と、熱交換管の両端部にそれぞれ接続され
ている一対のヘツダタンクと、両ヘツダタンクの
対応する両端部にそれぞれ渡し止められている一
対のサイドプレートとを備えており、ヘツダタン
クの端部に突起がタンクの壁を膨出させることに
よつて形成されるとともに、サイドプレートの端
部に孔があけられ、突起を孔に係合することによ
りヘツダタンクとサイドプレートの位置決めがな
されているものが知られている。

考案が解決しようとする課題 上記の熱交換器では、タンクの突起は、タンク
の壁を膨出させることによつて形成されたもので
あり、突起の加工にともなう壁の変形などによつ
てタンクから流体が洩れる恐れがあるという問題
点がある。

この考案の目的は、上記問題点を解決した熱交
換器を提供することにある。

課題を解決するための手段 この考案による熱交換器は、並列状熱交換管
と、熱交換管の両端部にそれぞれ接続されている
一対のヘツダタンクと、両ヘツダタンクの対応す
る両端部にそれぞれ渡し止められている一対のサ
イドプレートとを備えている熱交換器において、
ヘツダタンクが、断面Ｕ字状タンク本体と、タン
ク本体の開口を被覆しかつ熱交換管の端部が連通
されているエンドプレートと、エンドプレートの
周縁部に設けられかつタンク本体の開口縁部外面
に接合されている折曲げ部とで構成され、ヘツダ
タンクの両端部における折曲げ部に切欠きがそれ
ぞれ形成され、両サイドプレートの端部に膨出部
がそれぞれ形成され、切欠きに膨出部がはめ入れ
られて両サイドプレートの同端部が膨出部を除い
てフランジ外面に接合されるとともに、膨出部の
先端部がタンク本体外面に接合されていることを
特徴とするものである。

作 用 切欠きに膨出部がはめ入れられることにより、
ヘツダタンクとサイドプレートの位置決めがなさ
れている。

切欠きはヘツダタンクの折曲げ部に形成されて
おり、折曲げ部は流体を密封するというタンク機
能に直接関係しない部分であるから、折曲げ部に
切欠きの加工をすることにより、タンクから流体
が洩れるという恐れがない。

サイドプレートの端部は折曲げ部外面のみなら
ず、膨出部を通じてタンク本体外面に接合されて
いるから、タンクとサイドプレートの接合が確実
なものとなる。

実施例 この考案の実施例を図面を参照してつぎに説明
する。

熱交換器は、第２図および第３図に示すよう
に、垂直並列状熱交換管３と、熱交換管３の上下
両端部にそれぞれ接続されている上下一対のヘツ
ダタンク１と、両ヘツダタンク１の左右端部にそ
れぞれ渡し止められている左右一対のサイドプレ
ート２と、各熱交換管３の間および左右両側端の
熱交換管３と両サイドプレート２の間にそれぞれ
介在されているコルゲートフイン４とを備えてい
る。

上ヘツダタンク１にはアウトレツトパイプ６
が、下ヘツダタンク１にはインレツトパイプ５が
それぞれ設けられている。また、熱交換器の各部
材は真空ブレージング法によつて組み立てられた
ものであり、ヘツダタンク１、サイドプレート２
などはブレージングシート材よりなる。

第１図は熱交換器の頂部を左前方斜め上から見
たものであり、その底部は図示しないが、頂部と
同一の構造である。

熱交換管３は、アルミニウム押出型材によつて
偏平に形成されたものであつて、並列状流体通路
３ａを有している。ヘツダタンク１は、断面Ｕ字
状タンク本体１２と、タンク本体１２の開口を被
覆している水平方形板状エンドプレート１１と、
エンドプレート１１の周縁部にこれと一体的に設
けられている垂直立上がり状折曲げ部１４とで構
成されている。エンドプレート１１には、熱交換
管３の外面と合致する長孔１３が左右方向に並ん
で形成されており、長孔１３に熱交換管３の端部
が挿入されてその周縁部に接合されている。ヘツ
ダタンク１の左右両端部における折曲げ部１４に
は切欠き１５が形成されている。切欠き１５は上
方を開口したコの字状の輪郭をなす。サイドプレ
ート２は水平断面コの字状のもので、そのウエツ
ブ中央部上端には内方膨出部１７が形成されてい
る。膨出部１７は切欠き１５にぴつたしはまりあ
う水平断面コの字状のものであり、膨出部１７が
切欠き１５にはめ入れられた状態で膨出部１７の
先端部はタンク本体１２の外面に接触する。

第１図に示す状態から、切欠き１５に膨出部１
７をはめ入れてろう接作業を行うと、サイドプレ
ート２上端部が膨出部１７を除いて折曲げ部１４
外面に接合されるとともに、膨出部１７の先端部
がタンク本体１２外面に接合されることになる。

考案の効果 この考案によれば、タンクから流体の洩れる恐
れがなく、しかもタンクとサイドプレートの接合
が確実な熱交換器が提供される。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示し、第１図は要部
の分解斜視図、第２図は正面図、第３図は側面図
である。 １……ヘツダタンク、２……サイドプレート、
３……熱交換管、１１……エンドプレート、１２
……タンク本体、１４……折曲げ部、１５……切
欠き、１７……膨出部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 並列状熱交換管３と、熱交換管３の両端部にそ
   れぞれ接続されている一対のヘツダタンク１と、
   両ヘツダタンク１の対応する両端部にそれぞれ渡
   し止められている一対のサイドプレート２とを備
   えた熱交換器において、 ヘツダタンク１が、断面Ｕ字状タンク本体１２
   と、タンク本体１２の開口を被覆しかつ熱交換管
   ３の端部が連通されているエンドプレート１１
   と、エンドプレート１１の周縁部に設けられかつ
   タンク本体１２の開口縁部外面に接合されている
   折曲げ部１４とで構成され、ヘツダタンク１の両
   端部における折曲げ部１４に切欠き１５がそれぞ
   れ形成され、両サイドプレート２の端部に膨出部
   １７がそれぞれ形成され、切欠き１５に膨出部１
   ７がはめ入れられて両サイドプレート２の同端部
   が膨出部１７を除いてフランジ１４外面に接合さ
   れるとともに、膨出部１７の先端部がタンク本体
   １２外面に接合されていることを特徴とする熱交
   換器。