JPH02159596A - 磁気シールドルーム用扉 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、磁気共鳴診断装置等のような強磁場発生装置
を設置する室の扉に関し、特に扉部分から磁場が漏洩し
ないようにしたものである。

「従来の技術」 最近、病院では磁気共鳴診断装置（以下ＭＲＩと記載す
る）を設置するようになっているが、病院ではペースメ
ーカを装着した患者が居るとともに、コンピュータ等の
ように磁気で悪影響を受ける機器が多数ある。そのため
第４図に示すようにＭＨＩからの漏洩磁場を外部に漏ら
さない目的で、室の４面あるいは６面に純鉄のような強
磁性体による磁気シールドＡを設けたり、外来電波によ
る影響を遮断する目的で室の６面に電波シールドＢを設
けている。

磁気シールドＡや電波シールドＢを設けた室でも、その
室の出入口の部分などに隙間があると両シールド効果は
著しく低下してしまう、そのためＭＨＩ等を設置した室
の隙間を全溶接、全ハンダ付は等により磁気漏洩の隙間
をな（すようにしている、また室の出入口等の開口部に
も、ステンレス板やシールドガラスやフィンガーコンタ
クト等により電波シールドを施している。

しかし、磁気シールドに関しては重い磁性材を使うため
、出入口の扉部分を磁気シールド処理することが難しい
、ＭＲＩ室の出入口は、患者を乗せたストレッチャーや
治療機器が出入するため、大きさが例えば幅１４００ｍ
ｍ、高さ２１００＋ａａ＋程度になり、扉も大きなもの
が必要にになる。このように大きな扉を磁性体で作ると
磁石により引っ張られて開閉が極めて困難になる。その
ため、やむを得ず扉には磁気シールドを施さないのが実
状である。

「発明が解決しようとする課題」 従来のＭＲＩ室のように扉に磁気シールドを施さない場
合には、その扉の部分で磁場の大きな漏洩が生じる。

すなわち第４図に示すように、１．５　Ｔ　（テスラ）
のＭＨＩを設置した場合、ペースメーカ装着者の立入禁
止の管理区域、かつコンピュータ設置の目安になる５Ｇ
（ガウス）ラインが扉部分から大きく拡がり、管理上の
問題が大きかった。

また扉部分をＭＲＩからできるだけ離し、距離減衰を利
用して漏洩磁場を小さく抑えようとすると、扉の位置の
制約を受け、建築計画上の問題が生じる。さらにＭＲＩ
室の磁場分布に大きな歪が生じ、ＭＨＩの画像に歪を生
じさせないためのシムコイルによる調整が大変であった
。

なお、ＭＨＩからの磁場発生を抑えるため、扉開閉時に
はＭＨＩへの供給電力を遮断することが考えられるが１
強磁場を発生する超電導タイプのＭＨＩは超電導電磁石
を利用してそれに永久電流を流すため２４時間フル作動
となり、ＭＨＩからの漏洩磁場を抑えることはできなか
った。

そこで本発明は、ＭＲＩ室の扉に磁気シールドを施すと
ともに、扉の開閉も容易に行えるようにすることを目的
とする。

「課題を解決するための手段」 本発明の磁気シールドルーム側扉は、扉にそれとほぼ同
−平面形の強磁性体を設け、その強磁性体をキュリー温
度以上に加熱するヒータを設けるとともに１強磁性体を
冷却するための放熱装置を設けたものである。

扉を有効に加熱するとともに、扉外部への熱を遮断する
ためには、強磁性体の両面に断熱材を設ければよい、ま
た放熱装置は、例えばヒートパイプとファンとにより構
成することができる。

「作用」 上記手段の磁気シールドルーム側扉において、扉を閉じ
るときには、放熱装置を作動して強磁性体の温度をキュ
リー温度以下に下げ、強磁性体に強磁性を持たせる。こ
のように強磁性体がキュリー温度以下であれば強磁性を
有するので、扉部分の磁気シールドは保たれる。

扉を開ける場合には、ヒータを作動させて強磁性体をキ
ュリー温度以上に加熱する。キュリー温度以上になると
強磁性体は非磁性となるので、磁気シールドルーム内の
強磁場発生装置からの漏洩磁場で扉が引っ張られること
はなく、扉は容易に開閉できる。

なお、強磁性体がキュリー温度以上で非磁性になるのは
第３図に示す通りであり、キュリー温度以上では急に強
磁性を有しなくなり、強磁性体は温度状態により非磁性
と強磁性とに変更される。

例えば鉄のキュリー温度は４９６℃であり、ニッケルの
キュリー温度は約８５℃である。

「実施例」 本発明の実施例を第１．２図により説明する。

磁気共鳴診断装置（ＭＨＩ）等のように強磁場を発生す
る装置を、磁気シールド壁Ａと電波シールド壁Ｂとを設
けた室内に設置するため、室ｌの扉２を次の構成により
磁気シールドさせた。なお、扉２を設ける室ｌの開口周
縁には、内部に断熱材を入れたステンレス枠３が設けら
れ、さらにステンレス枠３と室の開口周縁とのなすコー
ナ部に例えばアモルファスの高透磁材４を設けるととも
に、ステンレス枠３の内周面に電波シールド用のフィン
ガーコンタクト５が設けられる。

扉２は、非磁性のステンレス板２ａにより中空状に形成
され、その中空部内の厚さ方向の中央部にｎ２とほぼ同
−平面形の強磁性体６を配置した、なお本実施例では強
磁性体６を、キュリー温度４９６℃の鉄製にした６強磁
性体６の両面に、例えばニクロム線を螺旋に巻いたヒー
タ７を設け、強磁性体６をキュリー温度以上に加熱でき
るようになっている。ヒータ７は、強磁性体６の全面を
加熱できるように第２図に示すようにジグザク状に配置
し、その両端をスイッチ８を介して電源９に接続した。

また１強磁性体６とステンレス板２ａとの間には１例え
ばセラミックファイバー等の断熱材１０が充填され、こ
の断熱材１０には前記ヒータ７を配置するための凹溝１
１が設けられる。

そしてヒータ７が効果的に強磁性体６を加熱するととも
に、熱が扉外面のステンレス板２ａにできるだけ伝わら
ないようにした。

強磁性体６、の適所から扉の室外側に数個のヒートパイ
プ１２を設け、ヒートパイプ１２の外端幅広部にファン
１３を対向させて熱を放出できるようになっている。ヒ
ートパイプ１２の内端側は、強磁性体６に設けた凹所１
４に配置され、ヒートパイプ１２は断熱材１０の貫通孔
を通るようになっている。ファン１３は断熱材１０に設
けた凹所に配置され、このファン１３は扉２の外面のス
テンレスｆｆ１２ａに設けた開口１５に対向される。そ
して数個のファン１３は、第２図に示すようにスイッチ
１６を介して電源１７に接続され、ファン１３が回転さ
れたときにヒートパイプ１２を介して強磁性体６を冷却
させるようになっている。

磁気シールドルーム側扉を上記構成にして、ヒータ７の
スイッチ８と、ファン１３のスイッチ１６とを交互にＯ
Ｎ、ＯＦＦさせて１強磁性体６をキュリー温度以上と以
下に変更させ、扉部分に適宜、磁気シールド機能をもた
せることができる。

なお、本発明は上記の加熱装置（ヒータ）と放熱装置（
ヒートパイプとファン）に限定するものではなく、それ
らを他の公知の装置に変更することができる。

「発明の効果」 本発明の磁気シールドルーム側扉によれば、扉内の強磁
性体を、ヒータと放熱装置で適宜、キュリー温度以上と
以下とに変更させて、非磁性と強磁性とに変更すること
ができる。よって、人間や物が出入するような扉の開閉
時は、扉を非磁性にして磁力で引き付けられないようす
れば、扉の開閉を容易に行なうことができる。

さらに室の扉を磁気シールドできることにより扉の位置
設定の自由度が上がり、かつＭＨＩ等から生じる磁場の
距離減衰をあまり考慮しなくてよいので、ＭＲＩ室の面
積を小さく抑えることができ、かつ室内の磁場の歪が小
さくなるのでシムコイルによる調整も容易である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の磁気シールドルーム側扉の側面断面図
、第２図はヒー′夕とファンの配置を示す扉の正面図、
第３図は強磁性体の温度に対する磁性変化を示すグラフ
、第４図は従来のＭＲＩ室の磁場状態を示す説明図であ
る。 ２：扉　　　　　　　６：強磁性体 ７：ヒータ　　　　１０：断熱材 １３：ファン 第２図

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. （１）強磁場発生装置を設置する磁気シールドルームの
   扉において、扉にそれとほぼ同一平面形の強磁性体を設
   け、その強磁性体をキュリー温度以上に加熱するヒータ
   を設けるとともに、強磁性体を冷却するための放熱装置
   を設けたことを特徴とする磁気シールドルーム用扉。
2. （２）強磁性体の両面に断熱材を設けた請求項（１）の
   磁気シールドルーム用扉。
3. （３）強磁性体にヒートパイプを配置するとともに、ヒ
   ートパイプの外端部にファンを設けて放熱装置を構成し
   た請求項（１）又は（２）の磁気シールドルーム用扉。