JP3339880B2 - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents

磁気共鳴イメージング装置

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JP3339880B2 JP17000992A JP17000992A JP3339880B2 JP 3339880 B2 JP3339880 B2 JP 3339880B2 JP 17000992 A JP17000992 A JP 17000992A JP 17000992 A JP17000992 A JP 17000992A JP 3339880 B2 JP3339880 B2 JP 3339880B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気共鳴イメージング
装置に係り、特に車載用のものにおいて好適な磁気共鳴
イメージング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気共鳴イメージング装置は、いわゆる
核磁気共鳴現象を利用して被検体の特定された断面から
得られるNMR信号を検出し、このNMR信号に基づい
て該断面における断層像を映像させる医用診断画像装置
である。そして、このような磁気共鳴イメージング装置
において、NMR信号を被検体の断面における位置情報
とともに得るために、静磁場に加算した傾斜磁場を該被
検体に印加するようになっている。この場合、該静磁場
は、傾斜磁場と異なって、その磁力が均一でかつ一定で
あることが要求されることから、永久磁石が多く使用さ
れている。
【0003】そして、近年では、この永久磁石は、それ
を常時目標温度に設定するために、温度調整用ヒータと
ともに断熱材で被われた構造として使用されてきてい
る。けだし、永久磁石は、その周囲の温度変化により、
その磁場強度が変化してしまい(たとえば温度が1℃上
昇するとそれに応じて磁場強度は1000ppm弱くな
る)、このため検出されるNMR信号における位置情報
に誤差が生じてしまうからである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このように永
久磁石を温度調整用ヒータとともに断熱材で被った構造
としても充分でなく、該永久磁石の目標温度設定が精度
よくなされない場合があるという問題点が生じてきた。
すなわち、永久磁石(断熱材で被ったもの)の周囲の温
度に対して、特に床面の温度が極端に低い場合があり、
これにより床面側への多量の放熱を無視できなくなると
いう場合が生じてきた。したがって、永久磁石の磁場強
度を精度よく設定することが困難となり、検出されるN
MR信号における位置情報の誤差にともなう断層画像の
歪みあるいはぼけ等を完全に除去し得なかった。
【0005】そして、このような現象は、暖房等の設備
が充分になされている病院等内の磁気共鳴イメージング
装置よりも、移動車に搭載されている磁気共鳴イメージ
ング装置において顕著に現れるようになっていた。
【0006】それ故、本発明はこのような事情に基づい
てなされたものであり、その目的とするところのもの
は、温度変化によって左右される永久磁石の磁場強度を
精度よく設定することのできる磁気共鳴イメージング装
置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明は、静磁場発生手段としての永久磁石
を備えた磁気共鳴イメージング装置において、前記永久
磁石を目標温度に設定するために、前記永久磁石を覆う
断熱材の内側に配置された第1の温度調整用ヒータと、
床面側への熱伝達を遮蔽するために前記断熱材と床面と
の間に配置された第2の温度調整用ヒータとを備えたも
のである。また、前記第1の温度調整用ヒータの温度を
制御する第1の制御器と、前記第2の温度調整用ヒータ
の温度を制御する第2の制御器とを備え、前記第1の制
御器と前記第2の制御器とはそれぞれ異なる温度制御が
なされるものである。
【0008】
【作用】このように構成した磁気共鳴イメージング装置
は、その永久磁石が断熱材で被われかつ所定温度に維持
された状態から、床面における温度が低いために該床面
側に放熱がなされようとしても、第2温度調整用ヒータ
によって該放熱による熱伝達が遮蔽されることになる。
このため、該永久磁石はその温度が低下することなく該
所定温度がそのまま維持されることになり、床面におけ
る低温度に全く影響されることはなくなる。このことか
ら、永久磁石においてその磁場強度は一定に保たれ、検
出されるNMR信号の位置情報に誤差が含まれることは
なくなる。
【0009】
【実施例】図4は、本発明が適用される磁気共鳴イメー
ジング装置を車両に搭載した場合の該車両内の各装置の
配置の一実施例を示した構成図である。同図において、
トレーラからなる車両50があり、この車両50にはR
Fシールドルームからなる撮影室51を備えている。こ
の撮影室51には、磁気共鳴イメージング装置における
磁場発生装置であるガントリ52と、このガントリ52
の開口部(図示せず)に被検体を挿入して配置させるた
めの患者テーブル53が備えられている。そして、前記
撮影室51以外の室には、画像処理装置を内臓する操作
卓54、磁場発生装置の温度を一定とするための保温制
御電源20、本実施例で特に備えた温度制御電源21が
配置され、また他に、RF送受信部および傾斜磁場電源
部を内臓する筐体55が配置されている。
【0010】図1は、前記ガントリ52の一実施例を示
す斜視図でそのガントリカバー70a,70b,70
c,70dを外した状態を示した説明図である。また、
図2は図1のII−II線における断面を示した説明図であ
る。各図において、一対の永久磁石1a,1bは、その
両者間に被検体が入り得る空隙Aを形成して上下に対向
配置されている。これらの永久磁石1a,1bは、該空
隙A内に静磁場を発生するためのもので、たとえば円盤
形状に形成されて、それぞれ継鉄2a,2bによって支
持されたものとなっている。
【0011】これらの継鉄2a,2bは、前記永久磁石
1a,1bおよび後述する磁極片5a,5bを所定の間
隔に隔てて対向配置するとともに磁路を形成するように
なっている。それらの形状は、それぞれたとえば横幅よ
りも奥行きの方が短い長方形となっている。
【0012】前記各継鉄2a,2bは、複数の継鉄3,
3,…によって所定の間隔で対向支持され、各永久磁石
1a,1bによる磁路を閉じるようになっている。ま
た、各継鉄2a,2bの内部は磁束を通しやすい部材で
形成されている。また、永久磁石1a,1bの前記空隙
A側の対向面には、それぞれ磁極片5a,5bが磁気的
かつ機械的に固着されている。これら磁極片5a,5b
は、該空隙A内の所定の領域に設定され、被検体の検査
部位が入る計測空間における静磁場の均一性を向上され
たものとなっている。それらの形状は、たとえばほぼ円
盤状をなし、その周縁部に環状の突起が設けられてい
る。
【0013】そして、前記永久磁石1a、継鉄2a、磁
極片5a、および永久磁石1b、継鉄2b、磁極片5b
をそれぞれ被って配置される断熱部(断熱カバー)6
a,6bを備えている。断熱部6a,6bのそれぞれの
永久磁石側の内壁にはいずれも、空隙A側の面を除い
て、アルミ板8a,8bが貼り付けられており、しかも
それぞれのアルミ板8a,8bには絶縁物で被われた保
温用の面状ヒータ(第1温度調整用ヒータ)7a,7b
が固定されている。この面状ヒータ7a,7bは、たと
えば図示しない温度センサの出力に基づいて、目標温度
に加熱され、各断熱部6a,6b内の温度を一定に保持
されるようになっている。
【0014】さらに、本実施例では、特に、上述したガ
ントリ下の床面にヒータ(第2温度調整用ヒータ)40
が配置されるように構成されている。このヒータ40
は、たとえば20℃以下にならないように温度制御され
るようになっており、該床面の温度が極めて低い状態に
なった際に、特に永久磁石1a側から断熱部6aを介し
ての該床面側への多量の放熱を遮断するようになってい
る。
【0015】図3は、このようなヒータ40を取り出し
て説明した説明図であり、該ヒータ40はたとえばその
内部に発熱体であるニクロム線が内臓されている。そし
て、該ヒータ40に当接されて設けられた温度センサ4
1を備え、この温度センサ41の出力に基づいて、電源
部42では該ヒータ40の温度が常時たとえば20℃に
なるように制御されるようになっている。
【0016】なお、図2においては、被検体にNMR現
象を起こさせるための照射コイル32、その照射コイル
32の内部に該被検体からのNMR信号を受信する受信
コイル33が示されている。このような実施例による磁
気共鳴イメージング装置によれば、その永久磁石1a
(1b)が断熱部6a(6b)で被われかつ所定温度に
維持された状態から、床面における温度が低いために該
床面側に放熱がなされようとしても、ヒータ40によっ
て該放熱による熱伝達が遮蔽されることになる。このた
め、該永久磁石はその温度が低下することなく該所定温
度がそのまま維持されることになり、床面における低温
度に全く影響されることはなくなる。このことから、永
久磁石においてその磁場強度は一定に保たれ、検出され
るNMR信号の位置情報に誤差が含まれることはなくな
る。
【0017】上述した実施例では、永久磁石側から床面
側への放熱を遮断するヒータ40としては、単に所定温
度以下にならないように制御しただけであるが、放熱を
遮断する機能を持たせる限りにおいてさらに複雑な制御
をするようにしてもよい。すなわち、床面の温度および
永久磁石側の温度等を温度センサで検知し永久磁石側の
温度と床面側の温度との間に急な温度勾配を持たせない
ように該ヒータ40の温度を制御するようにしてもよい
ことはいうまでもない。
【0018】上述した実施例では、車載用の磁気共鳴イ
メージング装置について説明したものであるが、必ずし
もこれに限定されることはなく、病院等に設置される磁
気共鳴イメージング装置にも適用できることはいうまで
もない。
【0019】
【発明の効果】以上説明したことから明らかなように、
本発明による磁気共鳴イメージング装置によれば、温度
変化によって左右される永久磁石の磁場強度を精度よく
設定することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による磁気共鳴イメージング装置のガン
トリの部分における一実施例を示した斜視構成図
【図2】図1のII−II線における断面を示した説明図
【図3】図1および図2に示したヒータ40のみを取り
出した説明図
【図4】本発明が適用される磁気共鳴イメージング装置
を車に搭載した一実施例を示す説明図
【符号の説明】
1a 永久磁石 1b 永久磁石 6a 断熱部 6b 断熱部 7a 保温用ヒータ 7b 保温用ヒータ 40 ヒータ

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 静磁場発生手段としての永久磁石を備え
    た磁気共鳴イメージング装置において、前記永久磁石を
    目標温度に設定するために、前記永久磁石を覆う断熱材
    の内側に配置された第1の温度調整用ヒータと、床面側
    への熱伝達を遮蔽するために前記断熱材と床面との間に
    配置された第2の温度調整用ヒータとを備えたことを特
    徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  2. 【請求項2】 前記第1の温度調整用ヒータの温度を制
    御する第1の制御器と、前記第2の温度調整用ヒータの
    温度を制御する第2の制御器とを備え、前記第1の制御
    器と前記第2の制御器とはそれぞれ異なる温度制御がな
    されることを特徴とする請求項1記載の磁気共鳴イメー
    ジング装置。
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