JP3446973B2 - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents

磁気共鳴イメージング装置

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JP3446973B2 JP15060594A JP15060594A JP3446973B2 JP 3446973 B2 JP3446973 B2 JP 3446973B2 JP 15060594 A JP15060594 A JP 15060594A JP 15060594 A JP15060594 A JP 15060594A JP 3446973 B2 JP3446973 B2 JP 3446973B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気共鳴イメージング
装置(以下「MRI装置」という)に係り、特に傾斜磁
場コイルの発熱,外気温変化による静磁場強度の変化を
防止することができるMRI装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】MRI
装置は、磁場中に置かれた被検体の核磁気共鳴(以下
「NMR」という)現象から得られる信号を計測し演算
処理することにより、被検体中の核スピンの密度分布,
緩和時間分布等を断層像として画像表示するものであ
り、人体を被検体として各種の診断等に使用されてい
る。
【0003】NMR現象から信号を得るためには、空間
的,時間的に一様な強度と方向を持った静磁場中に被検
体を置き、高周波コイルによりパルス的に電磁波を被検
体に照射し、それによって発生するNMR信号を高周波
コイルにより受信する。さらにNMR信号に位置情報を
与えるために静磁場に傾斜磁場が重畳される。このため
MRI装置は、静磁場発生装置に加え3軸方向に直行す
る傾斜磁場発生用のコイルを備え、これらの傾斜磁場発
生コイルに所定のパルスシーケンスで電流を流すことに
よりNMR信号を得る。
【0004】このようなMRI装置の静磁場発生装置
は、永久磁石を用いたもの、超伝導コイルを用いたも
の、及び常伝導コイルを用いたものの3種に大別するこ
とができるが、本発明は永久磁石を静磁場発生装置に用
いたMRI装置に係わる。永久磁石を用いた一般的なM
RI装置の概略断面図を図5に示す。
【0005】図5に示した装置においては、被検体を挿
入する測定空間を挟んで極性の異なる一対の永久磁石4
2a,42bが設けられている。これらの永久磁石42
a,42bは、上下一対の矩形状の継鉄41a,41b
に当接保持されており、継鉄41a,41bは4本のカ
ラム47a〜47dにより所定の距離を隔てて支持さ
れ、永久磁石42a,42bの間の測定空間を確保して
いる。さらに永久磁石42a,42bの測定空間側の面
には、磁極片43a,43bが密着した状態で当接保持
されており、これらの磁極片43a,43bの相対する
面の周辺部には上下とも同一形状の環状突起部46が設
けられている。従って、被検体が入り得る有効ギャップ
は、磁極片43a,43bの環状突起部間の距離とな
る。但し、このギャップの間の空間には、被検体44の
他、イメージングに必要な傾斜磁場コイル45,RF照
射コイル,RF受信コイルが配置される。
【0006】図5の装置においては上記の要素により静
磁場発生装置が構成されており、永久磁石42a,42
bから磁束が発生し磁極片43a,43bを介して測定
空間内に静磁場を発生させる。そして継鉄41a,41
b及び磁極片43a,43bは永久磁石42a,42b
と磁気的に結合して磁束の通路となる。環状突起部46
は磁束が測定空間の周辺部に漏洩するのを抑制してお
り、磁極片43a,43bの間、即ち測定空間内部の磁
場の均一度を改善している。尚、磁場の均一度は、ある
空間の磁場変化量÷中心磁場強度×106ppmで表され
る。
【0007】上記の通り、MRI装置では静磁場に傾斜
磁場を重畳し、位置を磁場の大きさに対応させ、位置に
応じた共鳴周波数を発生させることにより位置情報が与
えられる。この位置情報を含む共鳴周波数を持つNMR
信号を検出し、位置の特定を行う。実際に観測されるN
MR信号は、多くの位置からのNMR信号が重なり合っ
た信号であり、これを周波数ごとの成分に分け、基準位
置での検出周波数を基準周波数として該基準周波数との
偏差周波数を求め、その偏差周波数から位置の特定を図
る。従って、磁場の強度が変化すると、その変動分に対
応して周波数が変化し、見掛け上の基準位置及び基準位
置から見た他の位置の変動が生ずる。このような位置検
出のずれは、結果として得られる画像の歪み,ぼけを生
じ、画像の正確さ及び鮮明さを損なうことになる。
【0008】このようにMRI装置においては磁場が均
一であることが重要であるが、永久磁石の磁場強度は周
囲温度の変化により変化するという問題点がある。例え
ば、永久磁石にNd−Fe−Bを用いた場合の温度係数
は−1000ppm/℃ であり、即ち温度が1℃上昇する
と磁場強度は1000ppm 弱くなる。このような磁場強
度変化は上記のように画像性能に影響を与えるので最小
限に抑える必要がある。
【0009】仮に、磁場の変化によって画像に影響を与
える限界値を5ppm /撮影時間であるとすると、撮影時
間内の温度変化は、撮影時間内に5/1000℃以内に
抑えることが必要となる。しかし、MRI装置において
は傾斜磁場発生装置のコイルの発熱等により静磁場発生
装置周辺は装置外部温度よりも温度が高くなり、装置外
部への放熱により静磁場発生装置の温度変化が大きくな
りやすい。
【0010】MRI装置の磁気回路の磁極片,永久磁
石,継鉄の温度を一定に保つ制御方法は例えば特願昭61
−185277号に提案されている。この特許出願に開示され
たMRI装置の概略斜視図を図6に、その静磁場発生装置
周辺(下部のみ)の断面図(図7のYZ方向の断面)を
図7に示す。この装置においては、図6,図7に示すよ
うに、継鉄41a,41b,永久磁石42a,42b,
磁極片43a,43bから構成される静磁場発生装置1
0の周囲は空気層61を挟んで、外側から断熱材56,
アルミニウム板58,ヒータ59の順に構成される断熱
部60で覆われている(図6においては説明のために手
前半分の断熱部60を示していない)。温度センサ(図
示せず)が静磁場発生装置10の温度を検出できる位置
に設けられ、該温度センサにより検出された温度に従
い、ヒータ59への電流を制御して静磁場発生装置10
の温度を一定に保持するものである。
【0011】しかしながら上記の従来技術では、静磁場
発生装置の温度と装置設置床面との温度差による、MR
I装置(静磁場発生装置)の脚部から設置床面への熱の
放熱について考慮されておらず、このような放熱による
永久磁石の温度変化に対しては対処するのが困難であ
る。このような脚部からの放熱は特に脚部に近い下側の
永久磁石の温度に影響を及ぼし、上下の永久磁石の温度
が異なり、静磁場均一度にも悪影響を及ぼしやすい。
【0012】また、近年のMRI装置では高速撮像法が
要求されている。この方法は従来のスピンエコー法とは
異なり、傾斜磁場を高速で切り換える方法であり静磁場
強度の変化の許容値が一層厳しいものになってきてい
る。そのため、静磁場発生装置の温度制御に従来技術以
上の精密さが要求されている。
【0013】従って本発明の目的は、MRI装置の設置
雰囲気の温度,設置床面の温度に影響されず、静磁場発
生装置の温度を高い精度で一定に保つことができるMR
I装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
る本発明のMRI装置は、永久磁石を用いた静磁場発生
装置と該静磁場発生装置を支持する脚部とを有し、更に
脚部を介して静磁場発生装置から放熱するのを効果的に
防止する放熱防止手段を備えたものである。
【0015】また本発明のMRI装置は、脚部からの放
熱を防止する放熱防止手段の1態様として、脚部を覆う
断熱材を備えたものであり、更に脚部の少なくとも一部
分を断熱性の高い材料により構成することができる。ま
た別な態様として脚部を断熱材で覆うとともに断熱材と
脚部との間に第二のヒータが設けられてもよい。第二の
ヒータは、その温度を検出する温度センサによって制御
することができる。この場合にも脚部の少なくとも一部
分を断熱性の高い材料により構成することができる。
【0016】更に別の本発明の好適な態様においては、
静磁場発生装置は断熱材で覆われるとともに、断熱材と
静磁場発生装置との間にヒータが設けられ、断熱材の内
側及び/又は外側の温度を検出する少なくとも1つの温
度センサの検出温度に応じてヒータを制御するものであ
って、温度センサは断熱材の内側に設けたヒータの温
度,断熱材の外側の温度及び静磁場発生装置が設置され
る床の温度をそれぞれ検出する第一,第二及び第三の温
度センサで構成され、制御手段は第二及び第三の温度セ
ンサの検出温度に応じてヒータの所定の設定値を制御
し、且つ第一の温度センサの検出温度に応じて設定値に
制御するものである。この態様においても脚部からの放
熱を防止する放熱防止手段を備えることが好ましい。
【0017】
【作用】本発明のMRI装置によれば、静磁場発生装置
を支持する脚部からの放熱を防止する手段として、例え
ば静磁場発生装置のみならず脚部が断熱材により覆われ
た構成を備えているので、脚部を通しての装置設置床面
への放熱を軽減することができ、上下の静磁場発生装置
の永久磁石の温度差が生じるのを防ぐことができる。特
に脚部の少なくとも一部分を断熱性の高い材料により構
成することにより、放熱防止効果を高めることができ
る。
【0018】また脚部と断熱材との間に第二のヒータが
設けられていることにより、例えば第二のヒータにより
脚部の温度を静磁場発生装置と略同じ温度に制御するこ
とができ、これにより脚部を介しての放熱が防止でき、
結果として静磁場発生装置の温度制御をより正確に行う
ことができる。さらに、断熱材の内側に設けられたヒー
タの作動が磁気共鳴イメージング装置内及び/または該
装置周囲の所定の位置に設けられたセンサにより検出さ
れた温度に基づいて制御されるので、ヒータ温度,周囲
温度,設置床面等の温度を勘案してヒータの作動を制御
することができ、静磁場発生装置の温度を一定に保つこ
とが容易になる。そしてこれらの特徴により、より精密
な静磁場発生装置の温度制御が可能となる。
【0019】また本発明のMRI装置の別な態様によれ
ば、MRI装置の外側の空間の温度を測定する少なくと
も1つの第一の温度センサ,ヒータの温度を測定する少
なくとも1つの第二の温度センサ,磁気共鳴イメージン
グ装置設置床面の該装置近傍の温度を測定する少なくと
も1つの第三の温度センサを備え、第一及び第三の温度
センサにより検出された温度に基づいてヒータ温度の設
定温度を算出しその温度にヒータを制御し、第二のセン
サにより検出された温度に基づいてヒータ温度が一定の
設定温度になるようにヒータを作動制御するので、装置
外部の温度,装置設置床面の温度を勘案して静磁場発生
装置温度をより精密に制御することができる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて
詳細に説明する。
【0021】図1は、本発明のMRI装置の1つの実施
例についての部分断面図であり、装置を静磁場発生装置
の中心及び脚部の1つを通る装置設置床面に垂直な面に
おいて切断した場合の、下部の静磁場発生装置より下の
部分の右半分を示している。図1のMRI装置の基本的
な構造は、図6及び図7に示した装置と同様であり、静
磁場発生装置は継鉄41の上に配置された永久磁石4
2,磁極片43,傾斜磁場コイル45から構成され、同
様の構造の極性の異なる永久磁石を用いた静磁場発生装
置が被検体の入る空隙を設けてその上部に配置される
(図示せず)。図6及び図7に示したものと同様に、継
鉄41の形状は直方体、永久磁石42と磁極片43の形
状は円盤状であり、磁極片43は磁場均一度をよくする
ために環状突起部を有する。そして上下の継鉄はカラム
(図示せず)により連結支持され、磁路を形成してい
る。静磁場発生装置の側部及び下部の周囲には空気層6
1を挟んで、ヒータ59,均熱板58が配置され、その
外側が断熱材56により覆われている。また、撮像する
際に傾斜磁場コイル45が発生し、永久磁石42の温度
に影響するので、磁極片43の傾斜磁場コイル45側の
表面にそって断熱材56が配置されている。上部に配置
される静磁場発生装置も同様な構造を有する。
【0022】本発明のMRI装置に用いられる断熱材
は、通常の断熱の目的で使用されている断熱材でよく、
メラミン樹脂,発泡スチロール,ウレタンフォームなど
の熱伝導率の低い材料を用いることができる。また、ヒ
ータ59と断熱材との間に設けられる均熱材58はヒー
タによる局所的な温度上昇を抑えるために設けられ、高
熱伝導率を有する材質からなり、通常はアルミニウム板
が使用される。尚、被検体の入る空隙側には渦電流発生
の問題等からアルミニウム板を使用することができない
ので、アルミニウム板の均熱材は空隙側を除く側面と下
側の断熱材内側に配置されている。さらに、図1に示し
た本発明のMRI装置においては、装置を支持するのは
脚部48であり、この脚部48からの放熱を防止するた
めに脚部48も断熱材56で覆われている。この脚部を
覆う断熱材も、静磁場発生装置を被覆するのに使用する
断熱材と同様のものでよい。そして、脚部48の静磁場
発生装置(継鉄41)に接する部分は断熱性の高い材料
(断熱部材50)で構成されている。この断熱部材50
は、低熱伝導率でかつMRI装置の重量に耐えることが
でき、荷重による変形が少ない材料からなる。例えば断
熱部材50は、ゴム,プラスチック,樹脂等からなるも
のとすることができる。またこの断熱部材50は、ハニ
カム(蜂の巣)状の構造の部材とし、強度を保持しなが
ら継鉄41及び脚部48に接する断面積を少なくして熱
伝導率を減らすことが可能である。図1に示したMRI
装置においては脚部は加温されないので、静磁場発生装
置から脚部への放熱を防ぐために脚部48の静磁場発生
装置に接する部分、又は床面に接する部分が断熱部材5
0で構成されていることが好ましい。
【0023】図1に示す本発明のMRI装置は、ヒータ
59の温度を測定する温度センサ100,装置外部の温
度を測定する温度センサ83、及び装置設置床面の温度
を測定する温度センサ93を有し、これら温度センサに
より面状のヒータ59の高精度な温度制御をする。尚、
温度センサは三つに限られるものではなく、例えば温度
センサ100のみ、もしくは温度センサ100及び83
または温度センサ100及び93の二つの温度センサを
使用する構成としてもよい。また温度センサ100は静
磁場発生装置の下側のヒータ59に配置されているが、
側面のヒータ59、または下側と側面の両方のヒータ5
9に配置してもよい。
【0024】静磁場発生装置の温度制御は、設置された
1つ以上の温度センサにより検出された各位置の温度に
基づいて静磁場発生装置の温度の変動ができるだけ小さ
いものとなるようにヒータ59を制御作動して行えばよ
く、その方法は特に制限されるものではない。
【0025】図3に、ヒータ59の温度を検出する温度
センサ100と、装置外部の温度を検出する温度センサ
83の、2カ所の温度を検出する2つの温度センサを使
用した場合の温度制御回路の一例を示す。面状のヒータ
59の温度を検出する第一の温度センサ100で面状ヒ
ータ59の温度をある設定値になるように制御し、装置
外部、即ちMRI装置が設置された撮影室の温度を検出
する第二の温度センサ83で前述のヒータ59の温度の
設定値を制御する。図1のMRI装置においては、面状
のヒータ59は空隙61の空気を介して永久磁石42を
保温するとともに、わずかながら断熱材56を介して撮
影室内に放熱しており、その放熱量は撮影室の気温で変
化するため、その気温に応じてヒータ59の温度設定値
を変化させ、永久磁石の温度を一定に保つものである。
【0026】図3に示す温度制御回路は、2つのブリッ
ジ回路と、これらブリッジ回路に基準電圧を与える電源
70と、ブリッジ回路からの出力によって作動する差動
増幅器74,84と、差動増幅器74及び84からの出
力により作動する加算増幅器80と、加算増幅器80か
らの出力によりヒータ59の印加する電圧を決定するヒ
ータ駆動回路90とを備えている。第一のブリッジ回路
は基準抵抗71と72と第一の温度センサ100とで構
成されており、第二のブリッジ回路は基準抵抗81,8
2と第二の温度センサ83とで構成されている。温度セ
ンサ100,83は温度により抵抗値が変化する抵抗で
あり、面状のヒータ59について所望する設定温度にお
ける温度センサ100の抵抗値と基準抵抗72の抵抗値
とを同一に設定してある。またヒータ59がその設定温
度にあるときの撮影室の標準温度における第二の温度セ
ンサ83の抵抗値とブリッジ回路の基準抵抗82の抵抗
値を同一に設定してある。
【0027】このような温度制御回路において、まず第
一のブリッジ回路において温度センサ100の抵抗値が
基準抵抗72の抵抗値と同一であれば、第一のブリッジ
回路の出力である電圧V1とV2は同一になり、差動増
幅器74の出力V5は0になる。言い換えれば、第一の
温度センサ100が目標設定温度の抵抗値のとき、面状
のヒータ59は発熱しない。そして第一の温度センサ1
00の温度が設定温度以下に低下すると、第一の温度セ
ンサ100の抵抗値が上昇して、電圧V1<V2となる
ので、差動増幅器74の出力電圧V5は正電圧となる。
電圧V5が正電圧となることにより、加算増幅器80が
作動し、面状のヒータ59が発熱するように印加電圧が
決定される(ただしここでは後述する差動増幅器84の
出力電圧V6は考慮していない)。
【0028】一方、第二のブリッジ回路において撮影室
の温度が標準温度であって第二の温度センサ83の抵抗
値とブリッジ回路の基準抵抗82の抵抗値が同一である
ときには、そのときの差動増幅器84の出力電圧V6は
0になる。従って、温度制御は専ら第一の温度センサ1
00の変化により制御されることになる。そして、この
状態から撮影室の温度が上昇すると、第二の温度センサ
の抵抗値が上昇し、V3>V4より差動増幅器84の出
力V6が負電圧となる。従って、差動増幅器の出力V5
が正電圧であっても、出力V6が加算増幅器80におい
て加算されるためにV5がそのままヒータに印加されな
い。即ち、撮影室の室内の温度によってヒータの設定温
度自体が制御されることになる。
【0029】図4は、図1のMRI装置において、ヒー
タ59の温度を検出する温度センサ100及び装置外部
の温度を検出する温度センサ83の他に、装置設置床面
の温度を検出する温度センサ93を加えた3つの温度セ
ンサを使用した場合の温度制御回路の一例を示す。
【0030】この温度制御回路では、図3のブリッジ回
路に、装置設置床面の温度を検出する温度センサ93を
組み込んだ第三のブリッジ回路が加えられている。第三
のブリッジ回路も温度センサ83を組み込んだ第二のブ
リッジ回路と同様の構成を有し、ヒータ59が設定温度
にあるときの装置設置床面の標準温度における温度セン
サ93の抵抗値とブリッジ回路の基準抵抗92の抵抗値
が同一になるように構成されており、その出力は差動増
幅器94を介して加算増幅器80に入力される。
【0031】この温度制御回路において、床面の温度が
標準温度のときには差動増幅器94の出力電圧は0にな
り、温度センサ100或いは温度センサ83によりヒー
タ59の温度が制御されるが、例えば装置設置床面の温
度が上昇すると温度センサ93の抵抗値が上がり差動増
幅器94の出力が負電圧となり、差動増幅器74からの
電圧と加算される。従って撮影室の室内の温度と同様に
設置床面の温度によって、面状のヒータ59の印加電圧
に影響を与え、その設定温度を制御することができる。
図4の温度制御のように3種類の温度センサを使用した
場合には、2カ所の温度センサによる温度制御より温度
検出箇所が増える分だけ温度制御の精度が増すことにな
る。
【0032】図2は、本発明のMRI装置の別な実施例
を示す部分断面図で、図1のMRI装置と同様に右下半
分のみが示されている。このMRI装置は図1のMRI
装置と同様の構造を有するが、脚部48とそれを覆う断
熱材の間にヒータ49が配置されており、更にヒータ4
9で加温された脚部48からの放熱を防止し脚部48を
保温するために、断熱部材50をMRI装置の脚部48
と装置設置床面との間に配置してある。そしてヒータ4
9の温度を検出するための温度センサ101を備えてい
る。温度センサ101は脚部ヒータ49が脚部48に接
しているので、温度センサ101はどちらか一方または
両者の温度を検出する場所に配置すればよい。より厳密
な温度制御を行うため、脚部ヒータ49及び温度センサ
101はMRI装置を支持する各脚部ごとに配置し、それ
ぞれに独立して制御することが好ましい。
【0033】ヒータ49は脚部48は保温する働きを有
し、脚部48の一部分に接しているか、脚部48の周囲
を取り囲む形状である。この図2に示した本発明のMR
I装置においては、脚部のヒータ49はその上部にある
永久磁石42を含む静磁場発生装置からの脚部を通した
装置設置床面への放熱を防ぐために設けられるものであ
り、従って静磁場発生装置と略同一の温度になるように
制御される。脚部ヒータ49は直接脚部48を保温する
ので、温度センサ101のみでヒータ49を制御すれば
よい。例えば、脚部ヒータ49の温度制御回路は図3,
図4に示したブリッジ回路と同様のもので、温度センサ
101を組み込んだブリッジ回路を使用し、脚部48ま
たは脚部ヒータ49の温度が低くなったらヒータ49が
発熱し、温度が高くなったらヒータ49を発熱しないよ
うに制御を行う。
【0034】図2に示した装置における、温度センサ8
3,100を用いたヒータ59による静磁場発生装置の
温度制御は例えば図3に示したような制御回路を用いて
図1に示した装置と同様に行えばよい。尚、MRI装置
の静磁場発生装置の温度制御に際しては、設置床面に接
している脚部48が永久磁石42の温度変化に影響を及
ぼすので、精度よく制御するために、脚部を有しない上
部の静磁場発生装置のヒータと脚部を有する下部の静磁
場発生装置のヒータをそれぞれ独立して制御することが
望ましい。
【0035】図1及び図2に示した装置においては2〜
3個の温度センサを用いて温度制御を行った例を示した
が、撮影室の温度を検出する温度センサ,ヒータの温度
を検出する温度センサ等、各温度センサの数及び配置場
所は制限されるものではなく、温度センサの数を増やせ
ばそれだけ精密な温度制御が可能となる。例えば、温度
センサを設置場所を変えて複数使用し、図3,図4に示
したような温度制御回路において並列に接続して、撮影
室,ヒータ等の温度の平均値で制御することも可能であ
る。
【0036】本発明は、上記で説明したような対向型の
静磁場発生装置を備えたMRI装置に限定されるもので
はなく、永久磁石を静磁場発生装置に用いたMRI装置
であれば、静磁場発生装置の形状にかかわらず適用でき
るものである。
【0037】
【発明の効果】本発明のMRI装置によれば、静磁場発
生装置及び磁気共鳴イメージング装置全体を支持する脚
部からの放熱を防止する手段を設けることにより、上下
の静磁場発生装置の永久磁石の温度差が生じるのを防ぐ
ことができ、均一で安定した静磁場を発生させることが
できる。特に脚部の少なくとも一部分を断熱性の高い材
料により構成することにより脚部を通しての装置設置床
面への放熱を効果的に軽減することができる。
【0038】また本発明のMRI装置によれば、静磁場
発生装置を覆う断熱材と、ヒータを設け、このヒータの
作動を磁気共鳴イメージング装置を覆う断熱材内及び/
または該装置周囲の所定の位置に設けられたセンサによ
り検出された温度に基づいて制御することにより、ヒー
タ温度,周囲温度,設置床面等の温度を勘案してヒータ
の作動を制御することができ、より高い精度で静磁場発
生装置の温度を一定に保つことが可能になる。特にMR
I装置の外側の空間の温度を測定する温度センサと設置
床面の該装置近傍の温度を測定する温度センサとによ
り、ヒータ温度の設定温度を制御することにより、装置
外部の温度,装置設置床面の温度を勘案して静磁場発生
装置温度をより精密に制御することができる。
【0039】さらに本発明によれば、第二のヒータを脚
部と断熱材との間に設け、この第二のヒータの温度を温
度センサにより検出された温度に基づいて一定の設定温
度になるようにヒータを作動制御することにより、例え
ば第二のヒータにより脚部の温度を静磁場発生装置と略
同じ温度に制御することができ、これにより脚部を介し
ての放熱が防止でき、従って静磁場発生装置の温度制御
をより正確に行うことができる。上記のように、本発明
のMRI装置においてはより精密な静磁場発生装置の温
度制御が可能であり、歪み,ぼけ等のない鮮明な画像を
得ることが可能である。そして、高速撮影法において要
求されるより厳密な温度制御を可能とするものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のMRI装置の一実施例の部分断面図で
ある。
【図2】本発明のMRI装置の他の実施例の部分断面図
である。
【図3】本発明のMRI装置に用いられる温度制御回路
の一例を示すブロック図である。
【図4】本発明のMRI装置に用いられる温度制御回路
の他の一例を示すブロック図である。
【図5】永久磁石を静磁場発生装置に用いた従来のMR
I装置の断面図である。
【図6】永久磁石を静磁場発生装置に用い、静磁場発生
装置を断熱材で覆った従来のMRI装置の概略斜視図で
ある。
【図7】図6に示した従来のMRI装置の要部の断面図
である。
【符号の説明】
48 脚部 49 脚部ヒータ(第二のヒータ) 50 断熱部材 56 断熱材 59 面状ヒータ 83 撮影室内の温度を検出する温度センサ(第一の温
度センサ) 93 MRI装置設置床面の温度を検出する温度センサ
(第三の温度センサ) 100 ヒータの温度を検出する温度センサ(第二の温
度センサ) 101 脚部または脚部ヒータの温度を検出する温度セ
ンサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−258002(JP,A) 特開 昭63−43649(JP,A) 特開 平5−161625(JP,A) 特開 平6−343616(JP,A) 実開 平3−33386(JP,U) 実開 平3−117784(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 5/055

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 永久磁石を用いた静磁場発生装置と該静
    磁場発生装置を支持する脚部とを有する磁気共鳴イメー
    ジング装置において、前記静磁場発生装置の温度を検出する温度センサを備
    え、 前記脚部は少なくともその一部分が断熱性の高い材料に
    より構成され、 該脚部を断熱材で覆い、 該脚部と該断熱材との間に該脚部に接して第二のヒータ
    を配置し、 該脚部または該第二のヒータのどちらか一方または両方
    の温度を検出する場所に温度センサを配置し、 該脚部が前記静磁場発生装置と略同一の温度となるよう
    に前記第二のヒータを制御する手段 を備えたことを特徴
    とする磁気共鳴イメージング装置。
  2. 【請求項2】 前記静磁場発生装置を覆う断熱材と、該
    断熱材と前記静磁場発生装置との間に設けられたヒータ
    と、前記断熱材の内側及び/又は外側の温度を検出する
    少なくとも1つの温度センサと、前記温度センサの検出
    温度に応じて前記ヒータの作動を制御する制御手段とを
    備え、前記温度センサは前記断熱材の内側に設けたヒー
    タの温度,断熱材の外側の温度及び前記静磁場発生装置
    が設置される床の温度をそれぞれ検出する第一,第二及
    び第三の温度センサで構成され、前記制御手段は第二及
    び第三の温度センサの検出温度に応じて前記ヒータの所
    定の設定値を制御し、且つ前記第一の温度センサの検出
    温度に応じて前記設定値に制御することを特徴とする請
    求項1記載の磁気共鳴イメージング装置。
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