JPH0215143Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 この考案は、例えば車両のプツシユプルケーブ
ルを用いたリモートコントロール形式の変速操作
機構におけるシフト操作系などに使用されるケー
ブルエンドの結合構造に関する。

〔考案の技術的背景とその問題点〕

まず、車両のプツシユプルケーブルを用いたリ
モートコントロール形式の変速操作機構の概要を
第５図について説明する。

シフトレバー２のシフト方向の操作は、サポー
トレバー４に溶接されたピン１３に対して矢印
F₁方向に回転可能に取り付けられた揺動レバー
３と一体のシフトレバー２を矢印Ｂ−B′方向に
動かすことによつて、シフトレバー２の変位を揺
動レバー３と一体的に形成された連結軸３ａを介
してシフトケーブル１１の変位に置き換え、変速
機のシフト機構２２に伝えられる。また、セレク
ト方向の操作は、シフトレバー２を矢印Ａ−
A′方向に動かすことにより、シフトレバーリテ
ーナ１に溶接固着されたブラケツト１ａに取り付
けたボルト１５を中心としてサポートレバー４を
矢印F₂方向に回転させ、その回転をシフトレバ
ーリテーナ１に溶接されたピン１ｃを中心として
矢印Ｃ−C¹方向に回転可能なセレクトベルクラ
ンク７の回転に置き換えることにより、セレクト
ベルクランク７と一体に形成されたピン７ａを介
してケーブル１２の変位に置き換え、シフト機構
２２に伝えられる。

なお、図面中符号１ｂはストツパー、１ａ，７
ｂはピン、８はリンク、９はストツパ、１０はセ
レクトリターンスプリング、１４はナツト、１６
はスナツプリング、１７はノブをそれぞれ示す。

ところで、上記揺動レバー３に突設した連結軸
３ａとシフトケーブル１１の端部に設けたケーブ
ルエンド１９との結合構造は、従来、第６図乃至
第８図に示すようになつている。すなわち、揺動
レバー３はシフト操作時にイ−イ′方向に揺動し、
セレクト操作時にロ−ロ′方向に揺動する。した
がつて、連結軸３ａとケーブルエンド１９との結
合部に吸収手段を付ける必要がある。そこで、連
結軸３ａの外径ｄとケーブルエンド１９の穴径Ｄ
をｄ＜Ｄとし、ギヤツプｇを形成し、このギヤツ
プｇによるガタおよび音を防止するためにケーブ
ルエンド１９の環状溝２０にＯリング２１を設け
ている。

しかしながら、上記Ｏリング２１がシフト操作
時およびセレクト操作時に大きなフリクシヨンと
なつてシフトフイーリングを悪化させている。つ
まり、フイーリングのダイレクト感が得られない
という欠点がある。

〔考案の目的〕

この考案は上記事情に着目してなされたもの
で、その目的とするところは、ケーブル操作時
に、ケーブルエンドの結合部におけるフリクシヨ
ンを低減させ、フイーリングのダイレクト感を得
ることができるケーブルエンドの結合構造を提供
しようとするものである。

〔考案の概要〕

この考案は上記目的を達成するために、ケーブ
ルエンドの環状部に圧入され内面に凹球面を有し
た第１のブツシユと、揺動レバーの連結軸に嵌着
され外面に上記第１のブツシユの凹球面と摺動自
在に接合する凸球面を有する第２のブツシユとを
具備し、第２のブツシユに凸球面の外周部と内周
部とを連通するスリツトを設けるとともに、上記
第２のブツシユの凸球面の内周部に上記連結軸と
の間にグリース溜りを形成するための空間部を上
記スリツトに連通させて凹設し、１箇所に設けた
オイル溜りにより２箇所の摺動部分を潤滑するよ
うにしたものである。

〔考案の実施例〕

以下、この考案の一実施例を図面に基づいて説
明する。

第１図乃至第４図中３１はシフトレバーであ
り、これは第１の支軸３２を中心として揺動自在
であるとともに、第２の支軸３３を中心として揺
動自在である。上記シフトレバー３１には揺動レ
バー３４が一体に設けられ、この揺動レバー３４
はシフト操作時にイーイ′方向に、セレクト操作
時にローロ′方向に揺動するようになつている。
この揺動レバー３４の自由端部には連結軸３５が
突設されており、この先端部には径方向にピン挿
入穴３６が穿設されている。

一方、３７はシフトケーブルであり、このシフ
トケーブル３７の端部にはケーブルエンド３８が
設けられている。このケーブルエンド３８は円環
状をなしており、この環状部３９の両開口端には
リング溝４０，４０が刻設されている。さらに、
この環状部３９には第１のブツシユ４１が圧入さ
れている。この第１のブツシユ４１は含油樹脂材
料によつて円筒状に形成されており、この側面に
はスリツト４２が、両端面には鍔部４３，４３が
形成されている。さらに、この第１のブツシユ４
１の内周面には凹球面４４が形成され、この第１
のブツシユ４１は上記ケーブルエンド３８の環状
部３９に圧入されている。また、この第１のブツ
シユ４１の内部には第２のブツシユ４５が圧入さ
れている。この第２のブツシユ４５は含油樹脂材
料によつて円筒状に形成されており、この側面に
はスリツト４６が形成されているとともに外周面
に凸球面４７が設けられている。そして、この凸
球面４７は上記第１のブツシユ４１の凹球面４４
に摺動自在に圧入され、上記イーイ′方向および
ローロ′方向に摺動自在に接合している。そして、
この第２のブツシユ４５には上記連結軸３５が挿
入され、ピン挿入穴３６に挿入されたストツパピ
ン４８によつて抜け止めされている。

なお、第１、第２のブツシユ４１，４５を含油
樹脂材料としたが、一方のみでもよい。また、第
２のブツシユ４５の凸球面４７によつてその内面
に空間部４９が形成されるため、この部分が潤滑
用のグリース溜りとなる。

しかして、シフトレバー３１のシフト操作時お
よびセレクト操作時に、第１のブツシユ４１の凹
球面４４と第２のブツシユ４５の凸球面４７とが
摺動するため、ケーブルの揺動は摺動面で吸収さ
れ、フリクシヨンの低減とフイーリングのダイレ
クト感が得られる。

〔考案の効果〕

以上説明したように、この考案によれば、揺動
レーバに突設した連結軸とケーブルエンドとを球
状面で摺動自在に結合したから、フリクシヨンの
低減とフイーリングのダイレクト感を得ることが
できるという効果を奏する。さらに、揺動レバー
の揺動に伴う連結軸の変位に対して第２のブツシ
ユと第１のブツシユとが球面内を相対変位し、揺
動レーバの揺動方向に拘らず、連結軸の変位が抵
抗なく、円滑にケーブルエンドに伝達され、ま
た、第２のブツシユに凸球面の外周部と内周部と
を連通するスリツトを設けるとともに第２のブツ
シユの凸球面の内周部に上記連結軸との間にグリ
ース溜りを形成するための空間部を上記スリツト
に連通させて凹設しているため、第２のブツシユ
と連結軸との間が潤滑されて揺動レバーが連結軸
の軸直角方向に変位する場合の作動をより円滑に
行うことができるだけでなく、空間部に溜まつた
オイルがスリツトを介して第１のブツシユと第２
のブツシユとの間の球状摺動面にも供給されるの
で、揺動レバーの摺動方向に拘らず、円滑な作動
が保証され、信頼性耐久性に優れる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第４図はこの考案の一実施例を示す
もので、第１図は結合部の断面図、第２図はケー
ブルエンド結合部の側面図、第３図は同じくケー
ブルエンド結合部の正面図、第４図は第１、第２
のブツシユの斜視図および側面図、第５図乃至第
８図は従来例を示すもので、第５図は変速操作機
構の斜視図、第６図はケーブルエンド結合部の正
面図、第７図は同じく一部切欠した側面図、第８
図は第７図の部の拡大した断面図である。 ３４……揺動レバー、３５……連結部、３８…
…ケーブルエンド、３９……環状部、４１……第
１のブツシユ、４４……凹球面、４５……第２の
ブツシユ、４７……凸球面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 揺動レバーに突設した連結軸と、ケーブルの端
   部に設けられ上記連結軸に結合されるケーブルエ
   ンドとからなる結合構造において、上記ケーブル
   エンドの環状部に圧入され内面に凹球面を有した
   第１のブツシユと、上記連結軸に嵌着され外面に
   上記第１のブツシユの凹球面と摺動自在に接合す
   る凸球面を有する第２のブツシユとを具備し、同
   第２のブツシユに凸球面の外周部と内周部とを連
   通するスリツトを設けるとともに、上記第２のブ
   ツシユの凸球面の内周部に上記連結軸との間にグ
   リース溜りを形成するための空間部を上記スリツ
   トに連通させて凹設したことを特徴とするケーブ
   ルエンドの結合構造。