JPH0215029Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、一つの回転軸によりハンドルバー
を車体と平行にしながら二つに折りたたむことが
できる折りたたみハンドルに関するものである。

従来の折りたたみハンドルの多くは、ハンドル
バーを左右に分離し、その一端に各々回転軸を
別々に設け、その軸を中心に下側に各々別々に
180゜回転させて折りたたむようにしているが、こ
の場合回転軸が上方に位置すると、小さく折りた
ためないところから必然的に回転軸が下方に位置
し、その結果ハンドルバーの高さは高いものとな
つている。同時に、この種のハンドルバーにおい
ては分離された左右のハンドルバーを固定するの
に、一方のハンドルバーに回転し得る腕を設け、
この腕を他のハンドルバーに引掛けて左右のハン
ドルバーの間隔を縮める様にして固定する方法が
採用されているが、この方法では他のハンドルバ
ーを手で持ち、定位置に維持しながら上記の腕を
このハンドルレバーに引掛けなければならないと
いう面倒な操作を必要とし、また左右ハンドルバ
ーのセンターずれを起こした場合などは更に操作
が面倒になる。

この考案は、上記実情に鑑み簡単な操作でハン
ドルバーを車体と平行にしながら折りたたむこと
ができる折りたたみハンドルを提案するもので、
その要旨は、ポスト折り畳み用の回転軸の軸心部
と軸受部をそれぞれ上側ポストの下端部と下側ポ
ストの上端部に位置させ、且つ上記回転軸の中心
線が回転角の中間に位置する面上にあるように
し、また上記軸心部の端面には縦方向に第１のキ
ー溝を設け、上記軸受部の内周壁には上記第１の
キー溝に対応して上下に第２のキー溝を設け、更
に整合した上記第１と第２のキー溝に嵌合して回
転軸を固定するストツパーキーを回転軸に内蔵し
たことにある。

以下、図示の実施例に基いてこの考案を説明す
ると、第１図はこの考案に係るハンドルを示すも
のであつて、ハンドルバー１は上側ポスト２に対
して水平方向に固定されている。下側ポスト３は
車体の前フレーム４内に嵌合され、その底部に設
けた上端凹面のウス形状の支持部材４ａと、その
内部に螺合されたハンドル引上げボルト４ｂによ
り車体の前フレーム４の延長上に固定されてい
る。

一方上側ポスト２と下側ポスト３の間にはポス
ト折りたたみ用の回転軸５が設けられている。回
転軸５は第２図に示されているように、その軸心
部５ａと軸受部５ｂが上側ポスト２の下端部と下
側ポスト３の上端部の、上側ポスト２及び下側ポ
スト３の中心より多少折りたたみ側に位置し、且
つその中心線Ｃが上側ポスト２とハンドルバー１
を含む平面と車体面とが略々平行となるような回
転角の中間に位置する面上にあるように設けられ
る。この実施例では上側ポスト２とハンドルバー
１を含む面と車体面とが略々平行となるような回
転角は90゜であるので、回転軸５の中心線Ｃは上
記平面から互いに略々45゜にある平面上に位置す
る。

また、この実施例では軸心部５ａの端面には縦
方向にキー溝６が設けられ、またキー溝６の両側
にはネジ孔７，７が設けられる。一方軸受部５ｂ
の先端内周壁には上記ガイド溝６に対応して上下
にキー溝８，８が設けられ、またその上端には回
転固定ボルト９が螺着される。

更に、軸心部５ａ、軸受部５ｂとは別に、回転
軸５の固定手段としてその先端に把手部１０ａと
その下端にバネ１０ｂを有するストツパーキー１
０と、その上端に上記把持部１０ａのガイド溝１
１ａとネジ挿通孔１１ｂ，１１ｂを有する蓋体１
１と、取付ネジ１２，１２を設けてあり、回転軸
５を固定する場合にはキー溝８，８にキー溝６を
整合させるようにして軸心部５ａを軸受部５ｂ内
に挿入し、次にストツパーキー１０をキー溝８，
８及びガイド溝６に嵌合し、更にその上から蓋体
１１を被せると共に、蓋体１１のネジ挿通孔１１
ｂ，１１ｂを通して取付ネジ１２，１２を軸心部
６のネジ孔７，７に螺合させる。同時に、回転固
定ボルト９はその上端部に設けられたハンドル１
３によつて締付方向に回動して軸心部５ａを軸受
部５ｂ内に固定する。

かくして上側ポスト２と下側ポスト３の中心線
が整合されるように回転軸５が固定され、自転車
は乗車状態になる。

次に、ハンドルを折りたたむ場合には、ハンド
ル１３により回転固定ボルト９を解除方向に回動
し、更にストツパーキー１０の嵌合よりその端面
に形成したキー溝６を解除して軸心部５ａを回転
方向に回転させる。

これによりハンドルバー１は弧を描きながら上
方から下方へと移動させられ、上側ポスト２が
180゜回転すると、ハンドルバー１と車体面とは平
行状態になると同時に、バネ１０ｂにより弾性的
に軸受部５ｂの内周面に支持されているストツパ
ーキー１０の端部がキー溝６に再び嵌合して軸心
部５ａの回動が阻止されるので、ハンドルはコン
パクトな二つ折りとなる。

一方乗車状態に戻すには、キー溝６をストツパ
ーキー１０の嵌合より解放して軸心部５ａを上記
とは反対方向に回動すると、上側ポスト２は上方
へ回動させられ、これに伴つてハンドルバー１は
元の軌跡を画がいて下方から上方へ移動させら
れ、定位置に復したときに、前記同様にストツパ
ーキー１０がキー溝６に嵌合して軸心部５ａの回
動を阻止する。そこで、ハンドル１３により回転
固定ボルト９を締付方向に回動すれば、回転軸５
が固定して乗車状態となる。

なお、以上の実施例では上側ポスト２と下側ポ
スト３の中心が一直線上にある例について述べて
きたが、自転車のポストはグランドラインＤに対
して90゜範囲内のキヤスターアングルで車体に設
置されており、したがつて以上の構造ではハンド
ルを折りたたんだ状態でハンドルバー１がキヤス
ターアングルに対して直角になり、折りたたんだ
状態においても十分にコンパクトにすることがで
きない（第４図ａ参照）。

これに対して第５図に示すように、上側ポスト
２の中心の延長線がグランドラインＤと直交する
ように、上側ポスト２と下側ポスト３との間に傾
斜角α゜をもつて両ポストを回転軸５で固定するよ
うにすれば、上側ポスト２を折りたたんだ状態に
おいてもハンドルバー１はグランドラインと平行
になり、更にコンパクトにすることができる。

以上要するに、この考案によれば一つの回転軸
によりハンドルバーを車体と平行にしながらハン
ドルポストを二つに折りたたむことができるた
め、操作が簡単であると同時に、従来の折りたた
みハンドルのように特別長いハンドルバーを必要
とすることなく、一般形状のハンドルに即応でき
るため、広い適用範囲がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案の一実施例を示す側面図、
第２図は、同上の回転軸分解斜視図、第３図は、
同上の回転軸の組立状態斜視図、第４図は、この
考案によるハンドルの折りたたみ状態を模型的に
示すものであつて、第４図ａは同上の実施例によ
る折りたたみ状態を示す図、第４図ｂは他の実施
例による折りたたみ状態を示す図、第５図は、第
４図ｂの折りたたみ状態を実現するための上側ポ
ストと下側ポストの関係を示す斜視図である。 図中、１はハンドルバー、２は上側ポスト、３
は下側ポスト、５は回転軸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ポスト折り畳み用の回転軸の軸心部と軸受部を
   それぞれ上側ポストの下端部と下側ポストの上端
   部に位置させ、且つ上記回転軸の中心線が回転角
   の中間に位置する面上にあるようにし、また上記
   軸心部の端面には縦方向に第１のキー溝を設け、
   上記軸受部の内周壁には上記第１のキー溝に対応
   して上下に第２のキー溝を設け、更に整合した上
   記第１と第２のキー溝に嵌合して回転軸を固定す
   るストツパーキーを回転軸に内蔵したことを特徴
   とするハンドル。