JPH02149685A - チタンの下地処理方法とチタン基複合材料 - Google Patents

チタンの下地処理方法とチタン基複合材料

Info

Publication number
JPH02149685A
JPH02149685A JP30499288A JP30499288A JPH02149685A JP H02149685 A JPH02149685 A JP H02149685A JP 30499288 A JP30499288 A JP 30499288A JP 30499288 A JP30499288 A JP 30499288A JP H02149685 A JPH02149685 A JP H02149685A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
titanium
acid
oxuic
composite material
etching
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP30499288A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0613755B2 (ja
Inventor
Shiro Matsumoto
松本 史朗
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Aluminium Co Ltd
Original Assignee
Nippon Aluminium Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Aluminium Co Ltd filed Critical Nippon Aluminium Co Ltd
Priority to JP63304992A priority Critical patent/JPH0613755B2/ja
Publication of JPH02149685A publication Critical patent/JPH02149685A/ja
Publication of JPH0613755B2 publication Critical patent/JPH0613755B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Chemically Coating (AREA)
  • Coating By Spraying Or Casting (AREA)
  • Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)
  • ing And Chemical Polishing (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、チタン又はチタン合金に異種材料を被覆する
ための下地処理方法と、この下地処理方法を利用してセ
ラミックス、貴金属或いはダイヤモンドやCBN (C
ubic Boron N1tride)等の砥粒を複
合させたチタン基複合材料に関する。
[従来の技術] チタン又はチタン合金(以下、チタン等という)は、周
知のように、比強度が高く熱膨張率が小さいこと、非磁
性で耐蝕性に富むこと、振動吸収能が高いこと等、数々
の優れた性質をもっている。
従って、チタン等をベースとして、この上にセラミック
スのような耐摩耗材や異種金属等を溶射やめつき等の手
段で被覆し複合化できれば、両者の相乗効果によって、
単独では得られない利用価値が新たに発現されるものと
期待される。
しかし、チタン等は非常に活性な金属で表面が不動態皮
膜で覆われているため、前述のように化学的に優れた耐
蝕性を発揮する反面、溶射皮膜やめっき皮膜等に対する
密着性に欠ける。即ち、不動態皮膜をエツチング等で除
去しても、空気や水に触れると直ちに酸化して薄い皮膜
を生成してしまい、これが被覆材料との密着性を妨げる
。このため、一般にチタン等に対する異種材料の複合化
は困難な技術とされる。
従来、このような難題を克服するための方策として、以
下のような手段が提案されている。
まず、チタン等に密着性の良い溶射皮膜を形成するため
の手段として、特開昭51−72934号公報に記載さ
れた先行技術がある。この方法では、チタン等の表面を
ブラスト処理(第1段の活性化処理)に引続き、酸エツ
チング処理(第2段の活性化処理)を行なってから溶射
皮膜形成処理を行ない、しかる後拡散処理を行なうよう
にしたものである。
即ち、この方法ではブラストとエツチングとの協同によ
る表面活性化と、皮膜形成後における拡散処理(合金化
)とによって密着性を改善するようにしている(従来例
■)。
また、特にセラミックス溶射を目的としたものでは、最
近、金属とセラミックスとの物性(特に熱的性質)の相
違を緩和する観点より、チタン等の表面にT i O2
のような中間セラミックス被膜を設ける方法も提案され
ている(従来例■)。
一方、チタン等に密着性の良いめっき皮膜を纏着するた
めの手段としては、特開昭61−52389号と特開昭
61−170594号の各公報に記載された先行技術が
ある。前者は、チタン等への貴金属めっき下地処理とし
て、加熱下の酸化雰囲気中で一旦安定′な酸化皮膜をつ
くり出してから、この酸化皮膜を水溶性還元剤とチタン
の可溶解性塩を主成分とするI)HIO以下の処理液で
除去し、表面活性化を行なうようにしたものである(従
来例■)。
また後者は、同じく貴金属めっき下地処理として、チタ
ン等の表面を無機酸の組み合わせよりなる混酸(硝酸十
弗酸等)でエツチングし、その際のエツチング条件を適
切に選ぶことにより、個数:1〜5X10’個/lTl
0I2、孔径; 0.5〜10μm、孔深;1〜10μ
mの腐蝕孔を生成して、この上に被覆されるニッケルめ
っき層との機械的な結合(投錨効果)の増大を図ってい
る(従来例■)。
[発明が解決しようとする課M] しかし、上述した従来の下地処理方法には、チタン等を
ベースに複合化を進める上で、以下のような技術的課題
がある。
まず、従来例■の活性化にブラスト・エツチングを利用
する方法では、適用範囲が限られることがある。即ち、
ブラスト処理を施すとチタン等の表面に不可避に圧縮応
力が残留し、これがために母材が薄肉の場合は反り等の
変形を引き起こす不具合を生じる。また、セラミックス
を溶射する場合では、拡散処理しても界面に合金層をつ
くることが出来ないので、溶射皮膜の密着性も十分に確
保され得ない。
また、従来例■のセラミックス中間皮膜を介在させる方
法では、中間皮膜と溶射皮膜との結合状態は改善される
かもしれないが、母材に対する中間皮膜の密着不良の問
題が残る。
一方、貴金属のめつき用に提唱される従来例■について
は、チタン等の表面活性化を通じてめっき皮膜の密着性
は改善されるものの、このような化学結合にのみ依存す
る方法では、後述する機械的、物理的結合を併用する方
法に比較すると、結合強さに欠けるものと考えるれる。
即ち、接合界面における一次化学結合にVan Der
 Waals力゛等の二次化学結合を考慮しても、めっ
き皮膜の剥離強度を高めることには自ずと限界がある。
また、エツチング等で表面活性化するにしても、チタン
等の成分組成や加工履歴による組織の相違によって良好
な密着性を実現する処理条件が変動し、反復再現性にも
欠ける嫌いがある。
これに対し、従来例■に開示された処理方法では、化学
的結合に加えて機械的結合が得られるため、めっき皮膜
等の剥離強度増大に寄与する所が大きいものと予想され
る。しかしながら、従来例■(特開昭61−17059
4号公報)によると、一応、密着性の高い皮膜を得る適
性条件については提示されるものの、その具体的なエツ
チング条件については確立されておらず、エツチング液
も硝酸十弗酸等、取扱不便で反応の激しい強酸の混酸類
を使用することを必須とする。そして又、チタン等の表
面に下地処理として蝕刻される腐蝕孔の形態についても
、機械的或いは物理的結合の更なる増進を図る上で改善
の余地が認められる。
本発明は、以上のような技術背景の下に、前記特開昭6
1−170594号公報に記載される処理方法を参酌し
つつも、チタン等の上に被覆される溶射、めっき等の皮
膜材料と機械的、物理的結合が著しく促進される新しい
下地処理方法を独自に提供するものであり、併せて、こ
の新規な下地処理方法を利用して開発される種々のチタ
ン基複合材料を提供するものである。
[課題を解決するための手段とその作用]以下、本発明
について詳述する。
本発明で新たに提唱する下地処理方法の最も基本的なも
のは、シュー酸又はシュー酸を主成分とする混酸(以下
、シュー酸等という)をエツチング液として、チタン等
の表面を複数回反復してエツチング処理するというもの
である。即ち、本発明によると、取扱が容易で穏やかに
腐蝕が進行されるシュー酸等の溶液を用い、このエツチ
ング液に、チタン等の母材を一回毎に表面洗浄してその
都度エツチング生成物(スマット)を除去しながら、通
常、2〜4.5回浸漬して処理する。この際、必要に応
じて電解腐蝕を併用することもてきる。
かくして、シュー酸等からなるエツチング液を用い、そ
の濃度、温度或いは電流密度を適宜にコントロールする
ことで、以下に詳述するような所期の表面腐蝕状態を簡
単、確実につくり出すことができる。なお、発明者の検
討した範囲では、本発明に係る下地処理方法を実施する
上で、シュー酸又はシュー酸を主成分とする混酸の使用
が最も良好な結果を示し、シュー酸等に代替できるもの
は現状では見当たらない。
このような下地処理による特徴は、複数回エツチング後
におけるチタン等の表面に、第1図に模式的に図示する
ような特有の腐蝕孔が蝕刻されることである。この腐蝕
孔は先の特開昭61−170594号公報で報告される
ものと一見類似するが、詳細に観察すると、孔の分布と
孔の腐蝕形態とにおいて明確に相違する。即ち、複数回
エツチングにより表面活性化した後のの母材(チタン等
)1の表面は、正弦曲線に相似した凹凸を描いて小孔H
が間欠的に蝕刻される共に、各小孔Hの底部には針状突
起pが群立し、これら突起pの間に微孔りが浸蝕された
構造を呈する。ここにおいて、小孔Hの孔径Rは10〜
50μm、礼法りは10〜12μm、分布密度は400
〜1600ケ/胴2の値を示す。また、微孔りの孔径r
は3〜4μm、礼法dは3〜4μm、分布密度は104
〜105ケ/酎2の値を示すことが実測される。
これを特開昭61−170594号公報に報告されたも
のと対比すると、小孔Hの礼法りについてはあまり変わ
らないが、孔径Rについてはエツチング回数の増加に伴
い拡大し、本発明に係る処理方法によると、前述のよう
に50μm程度にまで拡大される。このことは、後に述
べる溶射皮膜を被覆する際、溶射粒子の粒径を小孔Hの
孔径Rに近似させて選ぶことができることを意味する。
また、シュー酸等による複数回エツチングを実施した場
合には、各小孔Hの底部に前述の如き微孔りが多数形成
される。これは−回のエツチング処理では生起若しくは
増殖されない特有の腐蝕孔構造である。
かかる群成の微孔りを具備したものでは、下地処埋面に
溶射皮膜やめつき皮膜を被覆しなり、或いはボンド材を
塗着浸透させたとき、それらが小孔Hの内部に嵌合乃至
投錨するマクロの機械的結合に加えて、各微孔りに対し
ても同様の作用効果を発現してミクロの機械的結合が相
乗されるものとなり、これが皮膜等の密着性を飛躍的に
増強するものとなる。
本発明では、上記の下地処理方法を利用して、チタン等
をベースとする以下のチタン基複合材料を同時に提案す
る。
第1のチタン基複合材料は、シュー酸等で複数回エツチ
ングされたチタン等の下地処理面に、アルミナ、ジルコ
ニア等のセラミックスを直接溶射したチタン・セラミッ
クス複合材料である。即ち、複数回エツチングした直後
の活性化状態でセラミック粒子を高温プラズマ溶射した
ものである。この場合、溶射するセラミック粒子は、下
地処理面につくられる前記小孔Hの孔径Rと近似する細
かな粒径(例えば40μm)のものが選ばれ、これを完
全溶融状態で投射する。この際、溶射セラミックス材料
には、好ましくは、その熱収縮率を母材(チタン等)1
よりも僅かに大きいものを使用する。
第2図は、かかるチタン基複合材料の断面構造を模式的
に図示し、下地処理面の小孔Hに溶射セラミックス(粒
子)2が嵌合状に充填されると共に、小孔Hの内部とそ
の底部に形成された各微孔りの隙間に溶射セラミックス
2が隈無く浸透される。従って、この複合材料では界面
での化学的な結合に、小孔Hへの投錨効果によるマクロ
な機械的結合と微孔りへの投錨効果によるミクロな機械
的結合とが重畳されて、剥離強度が倍増される。
また、母材1よりも溶射セラミックス2の熱収縮率を若
干大きなものに調整することで、溶射後、小孔H及び微
孔りに充填された溶射セラミックス2が両側から母材1
を挟着するという物理的な結合も重加される。
このような結合構造のチタン・セラミックス複合材料で
あれば、母材1が薄肉のものであっても支障なく適用で
き、十分な密着性を確保できる。
このチタン基複合材料の用途には、刃物類や研磨工具等
が例示できる。第3図は、−例として、薄板状の刃物に
適用した場合を示し、母材1の片面にセラミックス2を
溶射した複合板の一端を斜断して、その先端に鋭利なセ
ラミックスの刃先2aを形成している。この場合、硬く
て耐摩耗性に富むセラミックスの特性と軽くて靭性に富
むチタン等の特性が相乗され、既存のステンレスをベー
スとした刃物類を凌駕する高性能が実現される。
第2のチタン基複合材料は、シュー酸等で複数回エツチ
ングされたチタン等の下地処理面に、ボンドを介しダイ
ヤモンドやCBN等の砥粒を付着したチタン・砥粒複合
材料である。即ち、複数回エツチングした直後の活性化
状態で、先ず接着性レジン(スーパーボンド)やメタル
ボンドを塗着浸透させ、このボンド材を介して前記小孔
Hの孔径Rに対応させな粒径の砥粒を埋め込み保持させ
たものである。
第4図は、かかるチタン基複合材料の断面構造を模式的
に図示し、この場合、ボンド3が下地処理面の小孔H及
び微孔りに浸透して、母材1との間で前述した機械的強
固な結合状態を呈し、この上に砥粒4が小孔Hの位置に
対応して嵌合状に付着されている。
次いで、上記の基本的な下地処理方法を発展させた本発
明によるもう一つの下地処理方法について説明する。こ
の方法は、シュー酸等をエツチング液として、チタン等
の表面を複数回反復してエツチング処理した後、直後の
表面活性状態でハロゲン化銅(塩化第−又は第二銅)を
塗布し、このハロゲン化銅を熱分解させて銅皮膜を形成
するというものである。金属材料の上に銅皮膜を形成す
る手段として、ハロゲン化銅の熱分解等による置換反応
を利用することは、それ自身既知の技術に属するが、本
発明では、前述の特殊な腐蝕孔構造を呈するチタン等の
表面に、この置換反応を利用して更に銅皮膜を被覆する
ことにより、下地処理方法としての利用価値を拡大して
いる。
第5図は、上記の処理プロセスで形成されるチタン下地
処理面の断面構造を模式的に図示し、シュー酸等による
複数回エツチングで、まず母材1の表面に微孔りを底部
にラップした小孔Hが蝕刻され、その上に厚さ5〜6μ
mの析出銅皮膜5が層状に被覆されている。この銅皮膜
5は、その表面が小孔Hに対応して波打っている一方、
裏面側は小孔H及び微孔りの内部に隙間なく食込んで、
前述した投錨効果により母材1と機械的強固に結合して
いる。
しかして、チタン等の母材1と一体的に密着する安定な
銅皮膜5を被覆したものであれば、一般に銅皮膜がなじ
みの良いめっき下地層として有用なことや、銅皮膜が熱
及び電気伝導性に優れる二次処理のための電極等に活用
できることから、該銅皮膜5を足場に種々の複合化技術
を展開することが可能になる。
本発明では、上記の改良下地処理方法を利用して、チタ
ン等をベースとする以下のチタン基複合材料も同時に提
案する。
即ち、本発明に係る第3のチタン基複合材料は、シュー
酸等で複数回エツチングし銅皮膜が形成されたチタン等
の下地処理面に、装飾その他の目的で貴金属をめっきし
たものである。めっき方法には、既知の確立された電気
めっきや無電解めっきを適用すればよい。第6図は、か
かるチタン基複合材料の断面構造を模式的に図示し、第
5図に示す下地処理面に所望の厚みで貴金属めっき層6
が纏着されている。このようにして貴金属めっき層6を
被覆したものでは、貴金属めっき層6の外観が損なわれ
る心配がない上、従来技術の懸案である銅皮膜くめつき
下地層)5と母材1との密着不良の問題が解消される。
なお、必要なら銅皮膜5の上にニッケルめっき等の中間
めっき層を設け、この中間めっき層を介して貴金属めっ
き層6を被覆するようにしてもよい。
また、第4のチタン基複合材料は、シュー酸等で複数回
エツチングし銅皮膜が形成されたチタン等の下地処理面
に、ニッケルめっき等の中間めっき層を介しダイヤモン
ドやCBN等の砥粒を電着したものである。第7図は、
かかるチタン基複合材料の断面構造を模式的に図示し、
常法の電着塗装法に従って砥粒4が中間めっき層7の平
滑な表面に並んで電着されている。
更に、第5のチタン基複合材料として提示するものは、
シュー酸等で複数回エツチングし銅被膜が形成されたチ
タン等の下地処理面に、ニッケルめっき等の中間めっき
層を介し砥粒成分の薄膜をPVDやCVD等の気相めっ
きによって成膜したものである。第8図は、かかるチタ
ン基複合材料の断面構造を模式的に図示しており、中間
めっき層7の平滑な表面にダイヤモンドやCBN成分で
構成された高硬度材の薄膜8が所望の膜厚で膜付けされ
ている。なお、第4、第5のチタン基複合材料において
、銅皮膜5の上に中間めっき層7を被覆する主な理由は
、母材1に被覆される下地皮膜にある程度の容積厚さを
持たせ、同時に表面平滑に仕上げるためである。従って
、中間めっき層7は、−膜内にはニッケルめっきが好適
となるが、必ずしもニッケルめっきに限る必要はない。
このように、チタン等の母材に銅皮膜と中間めっき層と
を介し砥粒や砥粒成分を電着又は成膜した複合材料では
、既存のステンレス母材を利用したものに比較すると、
チタン等が熱膨張率の小さく振動吸収能に優れること等
の優位性が発揮されて、研磨工具の用途に頗る適合する
[発明の効果] 以上、詳細に述べたように、本発明の下地処理方法によ
ると、シュー酸等による複数回エツチングによって、チ
タン等の母材表面に比較的孔径の大きな小孔群が蝕刻さ
れ、しかも各小孔の底部には更に微孔群が蝕刻された特
有の腐蝕孔構造が生起される。従って、この上にセラミ
ックス皮膜を直接溶射したり、ボンドを介して砥粒を付
着すれば、母材と皮膜等とに強固な機械的或いは物理的
結合が実現され、密着性の良いチタン基複合材料が提供
される。また、この下地処理方法に、ハロゲン化銅を塗
布して熱分解により銅皮膜を被覆する工程を追加するこ
とで、チタン基複合材料への利用価値が倍加される。即
ち、該銅皮膜を介して貴金属めっきを施したり、更に中
間めっき層を介し砥粒を電着又は成膜する等の複合化技
術が展開できる。そして、このようなチタン基複合材料
では、母材と下地銅皮膜とに強固な機械的、物理的結合
が実現され、必要な剥離強度が担保される。
[実施例] 下記に本発明の実施例を挙げて説明する。
薄板状(2tX50wX100.l!ntm)のチタン
試料(純チタン(JIS classl) )を用意し
、予備処理として、トリクロルエチレン脱脂に引続きア
ルカリ脱脂を行なってから水洗処理した。
このチタン試料をシュー酸単昧のエツチング液(シュー
酸300〜500g/fl、液温90〜100℃)に2
〜5分間浸漬してから引上げた。この後、表面を水洗し
てスマットを除去してから、以降、同様の工程でエツチ
ング処理を3回繰り返した。
1回エツチングと4回エツチング後における試料の表面
性状を、第9図と第10図に対比して示す。即ち、粗さ
試験による測定データによると、1回エツチングによる
腐蝕孔(第9図)に比較して、4回エツチングによる腐
蝕孔(第10図)では腐蝕孔の内部形態が複雑に増殖さ
れていることが判る。
また、電子顕微鏡による観察結果が第11図と第12図
に対比される。1回エツチング後における試料の電子顕
微鏡写真(第11図)では、表面が殆ど腐蝕されていな
いのに対し、4回エツチング後における試料の電子顕微
鏡写真(第12図)では、試料表面に小孔群とその底部
で発達しな微孔群との存在が確認される。因みに、この
ときの実測結果によると、小孔については、孔径;30
〜40μm、礼法;10〜12μm、分布密度;600
ケ/mm 2の測定値が得られた。また、微孔について
は、孔径;3〜4μm、礼法:3〜4μm、分布密度は
6X10’ケ/ lTllTl 2の測定値が得られた
しかして、4回エツチング後の試料を手早く乾燥してか
ら、その下地処理面にワセリン・高級アルコール等に分
散させて塩化第一銅を均一に塗布し、しかる後430〜
450℃で10分間加熱処理した。すると、試料表面に
は熱分解によって析出した銅皮膜が薄膜状に被覆された
第13図は、その表面電子顕微鏡組織を、第14図は、
同じく断面電子顕微鏡組織を示す。第13図、第14図
より、銅皮膜は厚さ5〜8μmで試料表面の腐蝕孔にミ
クロ的に投錨して密着一体化していることが確かめられ
る。また、銅皮膜の表面は腐蝕孔(小孔)に対応して波
打っている。
かかる二次下地処理を施した後、水洗・残渣除去処理し
てから、中間めっきとしてニッケルめっきを施し、更に
この上に仕上げめっきとして金めつきを無電解めっきし
た。
金めつきの外観は美麗で、90°曲げ試験に供した結果
では、室温、加熱下(300℃X2Hr)とも母材との
剥離は皆無であった。
【図面の簡単な説明】
第1図はシュー酸等による複数回エツチング後でのチタ
ン等の下地処理面を示す断面図である。 第2図はチタン・セラミックス複合材料の構造を示す断
面図である。第3図は刃物類に適用したチタン・セラミ
ックス複合材料の断面図である。第4図はチタン・砥粒
複合材料の構造を示す断面図である。第5図はシュー酸
等により複数回エツチングし銅皮膜を被覆した後でのチ
タン等の下地処理面を示す断面図である。第6図はチタ
ン・貴金属複合材料の構造を示す断面図である。第7図
はチタン・砥粒複合材料の構造を示す断面図である。 第8図はチタン・砥粒薄膜複合材料の構造を示す断面図
である。 第9図と第10図は、チタン試料のエツチング表面の粗
さを測定した各グラフで、第9図は1回エツチング後の
状態を、第10図は4回エツチング後の状態を示す。第
11図と第12図は、チタン試料のエツチング後におけ
る金属組織の各顕微鏡写真(倍率250)で、第11図
は1回エツチング後の表面を、第12図は4回エツチン
グ後の表面を示す。第13図と第14図は、チタン試料
を4回2エツチングした後に銅皮膜を被覆した金属組織
の各顕微鏡写真(倍率250)で、第13図は銅皮膜の
表面を、第14図は試料断面を示す。 1・・・母材(チタン等)  p・・・針状突起H・・
・小孔 ・・溶射セラミックス 3・・・ボンド ・銅皮膜 7・・・中間めっき層 h・・・微孔 2a・・・刃先 4・・・砥粒 6・・・貴金属めっき層 8・・・薄膜

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、チタン又はチタン合金の表面をシュー酸又はシュー
    酸を主成分とする混酸で複数回エッチングすることを特
    徴とするチタンの下地処理方法。 2、シュー酸又はシュー酸を主成分とする混酸で複数回
    エッチングされたチタン又はチタン合金の下地処理面に
    、セラミックスを直接溶射したことを特徴とするチタン
    基複合材料。 3、シュー酸又はシュー酸を主成分とする混酸で複数回
    エッチングされたチタン又はチタン合金の下地処理面に
    、ボンドを介し砥粒を付着したことを特徴とするチタン
    基複合材料。 4、チタン又はチタン合金の表面をシュー酸又はシュー
    酸を主成分とする混酸で複数回エッチングした後、ハロ
    ゲン化銅を塗布し、このハロゲン化銅を熱分解させて銅
    皮膜を形成することを特徴とするチタンの下地処理方法
    。 5、シュー酸又はシュー酸を主成分とする混酸で複数回
    エッチングし銅皮膜が形成されたチタン又はチタン合金
    の下地処理面に、貴金属をめっきしたことを特徴とする
    チタン基複合材料。 6、シュー酸又はシュー酸を主成分とする混酸で複数回
    エッチングし銅皮膜が形成されたチタン又はチタン合金
    の下地処理面に、中間めつき層を介し砥粒を電着したこ
    とを特徴とするチタン基複合材料。 7、シュー酸又はシュー酸を主成分とする混酸で複数回
    エッチングし銅被膜が形成されたチタン又はチタン合金
    の下地処理面に、中間めっき層を介し砥粒成分の薄膜を
    成膜したことを特徴とするチタン基複合材料。
JP63304992A 1988-11-30 1988-11-30 チタンの下地処理方法とチタン基複合材料 Expired - Lifetime JPH0613755B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63304992A JPH0613755B2 (ja) 1988-11-30 1988-11-30 チタンの下地処理方法とチタン基複合材料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63304992A JPH0613755B2 (ja) 1988-11-30 1988-11-30 チタンの下地処理方法とチタン基複合材料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02149685A true JPH02149685A (ja) 1990-06-08
JPH0613755B2 JPH0613755B2 (ja) 1994-02-23

Family

ID=17939773

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP63304992A Expired - Lifetime JPH0613755B2 (ja) 1988-11-30 1988-11-30 チタンの下地処理方法とチタン基複合材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0613755B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05263265A (ja) * 1992-01-24 1993-10-12 Nippon Steel Corp 塗装性の優れたチタン板およびチタン合金板の製造法
JPH0681112A (ja) * 1992-01-24 1994-03-22 Nippon Steel Corp 塗装性の優れたチタン板およびチタン合金板の製造法
FR2698105A1 (fr) * 1992-11-13 1994-05-20 Mtu Muenchen Gmbh Pièce en un substrat de base métallique comportant un revêtement céramique.
JP2019199636A (ja) * 2018-05-15 2019-11-21 帝国イオン株式会社 耐摩耗性皮膜、耐摩耗性部材及び耐摩耗性皮膜の製造方法

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5341101A (en) * 1976-09-28 1978-04-14 Clarion Co Ltd Tuning mechanism for pushhbutton tuner
JPS58147561A (ja) * 1982-02-25 1983-09-02 Tanaka Kikinzoku Kogyo Kk チタンおよびチタン合金の前処理浴

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5341101A (en) * 1976-09-28 1978-04-14 Clarion Co Ltd Tuning mechanism for pushhbutton tuner
JPS58147561A (ja) * 1982-02-25 1983-09-02 Tanaka Kikinzoku Kogyo Kk チタンおよびチタン合金の前処理浴

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05263265A (ja) * 1992-01-24 1993-10-12 Nippon Steel Corp 塗装性の優れたチタン板およびチタン合金板の製造法
JPH0681112A (ja) * 1992-01-24 1994-03-22 Nippon Steel Corp 塗装性の優れたチタン板およびチタン合金板の製造法
FR2698105A1 (fr) * 1992-11-13 1994-05-20 Mtu Muenchen Gmbh Pièce en un substrat de base métallique comportant un revêtement céramique.
JP2019199636A (ja) * 2018-05-15 2019-11-21 帝国イオン株式会社 耐摩耗性皮膜、耐摩耗性部材及び耐摩耗性皮膜の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0613755B2 (ja) 1994-02-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2704878B2 (ja) オーバレイ・コーティング
CA2068176C (en) Method of applying metal coatings on diamond and articles made therefrom
US4938850A (en) Method for plating on titanium
US4588480A (en) Method of producing wear-protection layers on surfaces of structural parts of titanium or titanium-base alloys
US5074970A (en) Method for applying an abrasive layer to titanium alloy compressor airfoils
JPH11510858A (ja) 化学蒸着法によるダイヤモンド薄膜で被覆するための超硬合金支持体の処理
WO2000060141A1 (en) Three layer anode and methods of manufacture
JP2020523486A (ja) 表面に電気めっき層を有する難溶融金属またはステンレス鋼、および難溶融金属またはステンレス鋼の表面の電気めっきプロセス
JPH02149685A (ja) チタンの下地処理方法とチタン基複合材料
US4236940A (en) Wear resistant titanium alloy coating
JP3471825B2 (ja) 立方晶窒化ホウ素上に金属被膜を設けるための改良された方法およびそれにより得られる物品
JP4693045B2 (ja) 金属ガラス部品の表面処理方法と該方法で表面処理された金属ガラス部品
EP0260301A1 (en) Particulate diamond-coated metal article with high resistance to stress cracking and process therefor
JP2006523772A (ja) 装飾構造部品としての物品の使用
CA2628623A1 (en) Method for the pre-treatment of titanium components for the subsequent coating thereof
JP2006523774A (ja) 成形ツールとしての物品の使用
JP3213857B2 (ja) 貴金属めっきの製造方法
JPH07173635A (ja) 金属の表面処理方法
CN114150297B (zh) 一种高体分铝基碳化硅复合材料表面化学镀镍方法
POTECAȘU et al. The Influence of the Steel's Surface Quality on the Electroless Ni-P Coatings
JP7169495B2 (ja) 電着砥粒層で被覆された切削工具及び該切削工具の再生方法
JPH01169990A (ja) 表面実装用基板
JP2001355077A (ja) 被切削加工用被覆体
RU2251589C1 (ru) Способ нанесения двухслойного износостойкого покрытия на титан и его сплавы
JP2004360001A (ja) 硬化高純度白金とその製品