JPH0214736Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、乾燥剤を含有してなる新規な靴乾燥
用成形体に関する。

靴の内部が雨水等で漏れた場合、そのまま放置
するとカビが発生し、使用時に不快である。従つ
て、このような場合は早急に靴の手入れをするこ
とが必要である。一般に、ズツク靴、ゴム靴等は
日干しすることによつて短時間で乾燥ができる
が、革靴は日干しすると革が硬化するため通常陰
干しによつて乾燥される。そのため、革靴の乾燥
には４〜５日の日数を要するばかりでなく、その
間にほこりが付着する等の不都合が生じる。

本考案は、上述した陰干しを行なうことなく、
短時間で効率よく、靴の内部を乾燥することがで
きる靴乾燥用成形体を提供する。

即ち、本考案は、乾燥剤としての塩化カルシウ
ムと通気性且つ吸水性の充填物とが通気性且つ非
透液性のシートよりなる包装容器に充填され、且
つ靴の内部に装填した場合に靴の内面との空隙が
実質的に存在しないような形状に成形され、更に
成形体表面のうち靴の内面と対面しない表面部分
が非通気性とされてなることを特徴とする靴乾燥
用成形体である。

一般に、乾燥剤を物品の乾燥に使用することは
周知のことである。しかしながら、通常市販され
ている袋詰乾燥剤を単に靴の内部に入れて乾燥を
行なつても乾燥剤の能力が充分発揮されない。こ
れは靴の乾燥に実際に必要な乾燥剤の占める体積
が、靴の内部の空間体積に比べて小さいために生
ずるものと推定される。即ち、靴の内面と乾燥剤
との空隙が大きく、該空間内に湿分を含んだ大気
が流れ込み靴の被乾燥面に作用する乾燥剤の効果
を減少するのである。このことは大気の湿度が高
い梅雨時に前記袋詰乾燥剤を用いて靴の乾燥を行
なつた場合、その能力が低下する事実から裏付け
られる。従つて、本明細書において、本考案の靴
乾燥用成形体を靴の内部に装填した場合に靴の内
面との空隙が実質的に存在しないとは、靴乾燥用
成形体と靴の内面との間の空隙が、該空隙内に靴
外部から湿分を含んだ大気が流れ込み靴の被乾燥
面に作用する乾燥剤の効果を実質的に減少させる
ことのない程度に狭い空隙であることを称する。
従つて例えば、靴乾燥用成形体と靴先端の内面と
の間にのみ多少の空隙が存在しても該空隙内に実
質的に靴外部から大気が流入しなければよい。

本考案は、乾燥剤を通気性充填物と共に通気性
且つ非透液性のシートよりなる包装容器に充填す
ることによつて乾燥剤が占める体積を増大させ、
かつ靴の内部に装填し得る形状とすることにより
靴の内面と乾燥剤との空隙を実質的になくし、最
少限の乾燥剤によつて効率よく短時間で靴の内部
を乾燥することができる。即ち、本考案の靴乾燥
用成形体によれば、これと同能力の乾燥剤を詰め
た公知の袋詰乾燥剤を用いた場合に比べて、大巾
に乾燥能力を向上させることが可能である。ま
た、本考案の靴乾燥用成形体は靴の内部に空隙を
なくして装填されるために、乾燥にともなう形く
ずれも防止される。

以下、添付図面に従つて本考案を具体的に説明
するが、本考案はこれらの添付図面に限定される
ものではない。第１図は本考案の靴乾燥用成形体
を靴の内部に装填した状態を示す断面図、第２図
及び第３図は本考案の靴乾燥用成形体の代表的な
態様を示す斜視図である。第１図において、１は
本考案に係る靴乾燥用成形体であり、乾燥剤と通
気性充填物２とを通気性且つ非透液性のシートよ
りなる包装容器３に充填して、靴４の内部に装填
し得る形状を有している。本考案に用いる乾燥剤
としては塩化カルシウムが選ばれる。塩化カルシ
ウムは特に乾燥能力に優れており、本考案におい
て通気性充填物と併用するうえで最も好適であ
る。また、通気性充填物は、乾燥剤と共に包装容
器３に充填したとき該容器内部の通気性が確保で
きると共に、乾燥剤として塩化カルシウムを使用
する関係から吸水性のもの、例えば合成無定形シ
リカ、パーライト、珪酸カルシウム、吸水性パル
プ、吸水性ポリマー、珪藻土、蛭石などが良好に
使用される。このような吸水性の充填物を用いる
ことにより、塩化カルシウムの潮解液が本考案の
靴乾燥用成形体の外部へ漏洩して靴内部を汚すこ
とを防止することができる。前記乾燥剤と該通気
性充填物との割合は靴内部の漏れ具合、乾燥剤の
種類等によつて適宜決定すればよい。一般には塩
化カルシウムの乾燥剤100重量部に対して通気性
充填物100〜2000重量部の範囲で用いるのが好ま
しい。

本考案において、包装容器３の材料となる通気
性且つ非透液性のシートは乾燥剤及び通気性充填
物が洩れない程度の通気孔を有し、且つ、乾燥剤
としての塩化カルシウムの潮解液が漏れないもの
であれば特に制限されない。例えば、特に無機充
填剤を35重量％以上含有したポリプロピレン、ポ
リ塩化ビニル等の熱可塑性樹脂のシート状物を一
軸又は二軸に延伸して得られる延伸シート、或い
は該シートに多孔性フイルム等の通気性補強材を
貼合せたものが推奨され、前記塩化カルシウムの
潮解液の洩れが全くなく最適である。

本考案の靴乾燥用成形体１の形状は、靴の内部
に装填し得る形状とすると共に、靴乾燥用成形体
を靴の内部に装填した場合に、靴の内面との空隙
が実質的に存在しないような形状に成形されるこ
とが、前記した如く該成形体と被乾燥面との間に
大気の流入を防止し、効率よく靴の内部を乾燥す
るために必要である。第２図及び第３図は、上記
の代表的な形状を示すものである。第２図は靴の
内部全体に前記成形体を装填し得る形状とした態
様、第３図は靴の内部のつま先部に前記成形体を
装填し得る形状とした態様である。また、第３図
に示す如く、本考案の靴乾燥用成形体１において
靴内面と対応しない面５を非通気性とすることに
より、更に効率よく乾燥を行なうことができる。
該面を非通気性とする手段は非通気性物質で該部
分に位置する通気性且つ非透液性のシートを覆う
方法、該部分を非通気性物質で構成する方法等任
意の方法で行なうことができる。なお、第２図に
示す態様においても、靴乾燥用成形体表面のうち
靴の内面と対面しない表面部分は非通気性とされ
ているが図面上においては表示を省略した。

本考案の靴乾燥用成形体は、前記第１図に示す
如く靴の内部に装填して用いられるが、この場
合、靴全体をポリ袋等の非通気性のシール袋に入
れることにより、靴の外部も同時に乾燥すること
ができ効果的である。

以上の説明より理解される如く、本考案の靴用
乾燥剤は効率よく短期間で靴の内部を乾燥するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の靴乾燥用成形体を靴の内部に
装填した状態を示す断面図、第２図及び第３図は
本考案の靴乾燥用成形体の代表的な態様を示す斜
視図である。また、図において、１は靴乾燥用成
形体、２は乾燥剤と通気性充填物、３は包装容
器、４は靴、５は靴内面と対応しない面を夫々示
す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 乾燥剤としての塩化カルシウムと通気性且つ吸
   水性の充填物とが通気性且つ非透液性のシートよ
   りなる包装容器に充填され、且つ靴の内部に装填
   した場合に靴の内面との空隙が実質的に存在しな
   いような形状に成形され、更に成形体表面のうち
   靴の内面と対面しない表面部分が非通気性とされ
   てなることを特徴とする靴乾燥用成形体。