JPH0214686Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 駆動デイスクに圧接した受動デイスクをスプラ
イン軸に沿つてシフト操作して前記駆動デイスク
から前記スプライン軸へ変速出力を取出すように
構成したデイスク式無段変速装置に関する。

〔従来の技術〕

デイスク式無段変速装置においては確実な動力
伝達を行うために駆動デイスクと受動デイスクは
相当強力に圧接されており、この状態で受動デイ
スクをシフト操作するには大きい力を要する。そ
こで、この変速操作力の軽減手段の一つとして、
例えば、実公昭59−21943号公報で開示されてい
るように、先ず、最初に受動デイスクを駆動デイ
スクから離間させ、それから、受動デイスクをス
ライド操作する手段が提案されている。

〔考案が解決しようとする課題〕

ところが、この従来構造のものは、受動デイス
クを駆動デイスクから離間させる操作系と、受動
デイスクをスライド操作する操作系とは、別々に
設け、それら、各操作系を二次元方向に操作され
る変速レバーに連係して、前記変速レバーの一次
元方向の操作でもつて受動デイスクを駆動デイス
クから離間させ、前記レバーの二次元方向の操作
でもつて前記受動デイスクをスライド操作する構
造のものであつたから、つまり、別々の操作系で
あつたから、構造が複雑となり、又、レバー操作
が煩わしいものとなつていた。

本考案は、受動デイスクを操作する構造を工夫
することによつて、レバーの一次元方向の操作で
もつて、受動デイスクの離間とスライドとが行え
るようにすることを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成する為の本考案の特徴構成は、
駆動デイスクに対して圧接する方向に付勢した受
動デイスクを、前記駆動デイスクの径方向に沿わ
せて配設したスプライン軸に装着するとともに、
そのスプライン軸の長さ方向に沿つて前記受動デ
イスクをシフト操作自在に構成したシフト操作機
構を設けて、前記駆動デイスクから前記スプライ
ン軸へ変速出力を取出すように構成したデイスク
式無段変速装置において、前記シフト操作機構
を、前記スプライン軸をそのスプライン軸に平行
な軸芯周りに揺動自在に支承するステーと、前記
受動デイスクをシフト操作するためのシフトフオ
ークと、そのシフトフオークを支承する支持部材
と、前記シフトフオークを人為操作するための変
速操作具とから構成し、かつ、前記支持部材を前
記ステーの揺動軸芯に沿う方向の軸芯周りで揺動
自在に構成するとともに、前記シフトフオークを
前記支持部材の揺動軸芯に交差する方向の軸芯周
りで揺動自在に装着し、さらに、前記ステーに対
して、受動デイスクが駆動デイスクから離れる方
向での一定以上の揺動移動を制限する抵抗手段を
設けるとともに、前記シフトフオークを、一定操
作方向に沿つて操作自在な変速操作具に連係し
て、前記変速レバーの一定変速操作方向の初期作
動によつて前記受動デイスクが駆動デイスクから
離れる方向に変位し、引き続く同操作方向への操
作によつて受動デイスクをシフトするよう構成し
た点にあり、その作用、効果は次の通りである。

〔作用〕

変速レバーを操作すると、シフトフオークを介
してステーが揺動操作され受動デイスクが駆動デ
イスクから離間し、そして、ステーが規制部材に
接当すると、揺動部材に対してシフトフオークが
ステーの揺動軸芯と直交する軸芯周りに揺動して
受動デイスクがスライド操作される。

〔考案の効果〕

上記構成の結果、レバーの一次元方向の操作で
もつて、受動デイスクの離間操作とスライド操作
を行うことができ、迅速な操作が可能となるばか
りでなく、構造の簡素化をはかることができる。

〔実施例〕

第３図は、本考案にかかるデイスク式無段変速
装置を備えた作業機の一例としての歩行型管理機
の全体側面を示し、機体１の前部のエンジンマウ
ント２にエンジン３が機体前後方向に移動自在
に、長孔とボルト４によつて取付けられている。

第１図及び第２図に示すように、前記エンジン
３の出力軸５（原動油）には、機体前後方向後向
面７ａをもつ駆動デイスク７が取付けられてい
る。前記出力軸５の仮想軸芯線上に、この軸芯軸
に直交する横軸芯をもつスプライン軸８がベアリ
ング９，９を介して軸架されている。前記ベアリ
ング９，９は、ミツシヨンケース１６に、前記ス
プライン軸８に平行な軸芯X₁周りに揺動自在に
枢着されたステー１２，１２によつて、夫々保持
されている。

前記スプライン軸８上には、受動デイスク１３
が摺動自在に設けられており、その外周には弾性
リング１３ａが固着されていて、前記駆動デイス
ク７の後向面７ａに接当するようにされている。

次に、シフト操作機構Ａについて述べる。前記
受動デイスク１３には、シフトフオーク操作用溝
１４が設けられていて、ここにシフトフオーク１
５が係合されている。前記シフトフオーク１５
は、ロツド２５に固着されていて、このロツド２
５は、前記揺動軸芯X₁に平行な軸芯X₂周りに揺
動自在にミツシヨンケース１６に枢着された支持
部材としてのアーム２６に、このアーム２６の揺
動軸芯X₂に直交する縦軸芯Ｙ周りに回動自在に
保持されている。前記シフトフオーク１５の一部
にアーム１７が固着されていて、このアーム１７
から延出したレリーズワイヤー１８がハンドル１
９に設けた変速操作具としての変速レバー２４に
連結され、変速レバー２４を任意の位置に操作し
て保持することで所望の変速状態が得られるよう
になつている。２８は、前記ステー１２，１２の
一定以上の揺動を制限する抵抗手段としてのスト
ツパーピンであつて、前記ステー１２，１２の揺
動をストツプさせ、前記シフトフオーク１５のシ
フト動作への移行を円滑に行わせる。

前記ステー１２，１２には、付勢手段としての
バネ２７の一端が付設され、その他端は機体１の
フレームに固定され、前記受動デイスク１３を駆
動デイスク７の方に、前記軸芯X₁を中心として、
押圧付勢すべく構成されている。

尚、前記スプライン軸８の一端には、プーリー
２０が設けられ、前記ミツシヨンケース１６の入
力軸２１に設けられたプーリー２２との間にベル
ト２３が巻回されている。

上記構成のシフト操作機構Ａによると、変速レ
バー２４を操作することによつてまずステー１
２，１２が揺動軸芯X₁を中心に上方に揺動され
て受動デイスク１３の駆動デイスク７への圧接が
軽減され、引き続くレバー操作によつて受動デイ
スク１３は軽い圧接状態でシフト操作されること
になる。

〔別実施例〕

前記レリーズワイヤー１８の先から、シフトフ
オーク１５のシフトの操作系と、ステー１２，１
２の上方揺動操作系を分岐し、変速レバー２４の
初期操作で先ずステー１２，１２を少し上方に揺
動させ、引き続く変速操作でシフトフオーク１５
を揺動させる構造にすることも考えられる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係るデイスク式無段変速装置の
実施例を示し、第１図は要部の拡大側面図、第２
図は要部の拡大平面図、第３図は本考案の装置を
装備した歩行型作業機の全体側面図である。 ７……駆動デイスク、８……スプライン軸、１
２……ステー、１３……受動デイスク、１５……
シフトフオーク、２４……変速操作具、２６……
支持部材、２８……抵抗手段、X₁……ステーの
軸芯、X₂……支持部材の軸芯、Ｙ……シフトフ
オークの軸芯。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 駆動デイスク７に対して圧接する方向に付勢し
   た受動デイスク１３を、前記駆動デイスク７の径
   方向に沿わせて配設したスプライン軸８に装着す
   るとともに、そのスプライン軸８の長さ方向に沿
   つて前記受動デイスク１３をシフト操作自在に構
   成したシフト操作機構Ａを設けて、前記駆動デイ
   スク７から前記スプライン軸８へ変速出力を取出
   すように構成したデイスク式無段変速装置におい
   て、前記シフト操作機構Ａを、前記スプライン軸
   ８をそのスプライン軸８に平行な軸芯X₁周りに
   揺動自在に支承するステー１２，１２と、前記受
   動デイスク１３をシフト操作するためのシフトフ
   オーク１５と、そのシフトフオーク１５を支承す
   る支持部材２６と、前記シフトフオーク１５を人
   為操作するための変速操作具２４とから構成し、
   かつ、前記支持部材２６を前記ステー１２，１２
   の揺動軸芯X₁に沿う方向の軸芯X₂周りで揺動自
   在に構成するとともに、前記シフトフオーク１５
   を前記支持部材２６の揺動軸芯X₂に交差する方
   向の軸芯Ｙ周りで揺動自在に装着し、さらに、前
   記ステー１２，１２に対して、受動デイスク１３
   が駆動デイスク７から離れる方向での一定以上の
   揺動移動を制限する抵抗手段２８を設けるととも
   に、前記シフトフオーク１５を、一定操作方向に
   沿つて操作自在な変速操作具２４に連係して、前
   記変速レバー２４の一定変速操作方向での初期作
   動によつて前記受動デイスク１３が駆動デイスク
   ７から離れる方向に変位し、引き続く同操作方向
   への操作によつて受動デイスク１３をシフトする
   よう構成したデイスク式無段変速装置。