JPH0214613B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は調理器の調理室前部開口を開閉するた
めの扉の構成に関するものである。

従来例の構成とその問題点 第１図に従来の調理器の扉構成を示す。図にお
いて、１は調理器、２は調理器１の外筐体で、左
右一対の側板３と、外板４等から構成されてい
る。５は外筐体２内に組込まれた内筐体で、左右
一対の横板６と、反射板（背板）７と、底板（図
示せず）等から構成され、前面に開口を有する調
理室９を形成している。１０は調理室９の中に設
けられた網棚で、その両側を横板６に設けたガイ
ド溝１１に挿入して、前後に摺動自在とされてい
る。１２は調理室９の前部開口に開閉自在に取付
けられた扉、１３は扉１２の両側部と網棚１０の
両側部とを連結する左右一対のリンク金具で、扉
１２を開けるとこのリンク金具１３を介して網棚
１０が前方に引き出される構成となつている。な
お、網棚１０の上下には発熱体（図示せず）が配
設されている。

第２図、第３図に扉１２の詳細を示す。図にお
いて、１４は表扉部材で、表板１５の外周を後方
に折曲して外周枠１６を形成するとともに、表板
１５の中央部に内周縁が後方に縁立つ開口１７を
設けることによつて構成されている。１８は裏扉
部材で、裏板１９の外周を表扉部材１４の外周枠
１６に内嵌させるために前方に折曲するととも
に、裏板１９の中央部の内周縁が前方に縁立つ開
口２０を設けることによつて構成されている。こ
の場合、裏板１９の開口２０は、コーナー部が浅
く、その他の部分が深目の縁立てとされている。
また、コーナー部にはアールが付けられている。
２１は表扉部材１４の開口１７縁立部と裏扉部材
１８の開口２０内周面間に介装固定されたガラス
板、２２は表扉部材１４と裏扉部材１８の上部を
貫通して両者を一体化するねじで、表扉部材１４
から飛び出した部分に把手２３が取付けられてい
る。なお、表扉部材１４と裏扉部材１８の下部に
は係止爪とこれに噛み合う爪（共に図示せず）が
相対向して設けられ、前記ねじ２２と共働するよ
うに図られている。２４は裏扉部材１８を貫通し
て設けられたリンク軸で、扉１２はこのリンク軸
２４を介して調理室９の前部開口に取付けられて
いる。

しかしながら、このような従来の調理器１の扉
１２の構成によると、裏扉部材１８の開口２０の
上下、両側部でガラス板２１を押さえているの
で、開口２０を大きく取ると、裏扉部材１８の強
度が弱くなるという問題があつた。したがつて、
表および裏扉部材１４，１８の開口１７，２０を
大きくとることができず、外部から調理室９内を
見るときの透視面積が小さいものであつた。ま
た、裏扉部材１８は表扉部材１４と略同等の広さ
の部材を必要とし、材料費が高くつくという問題
があつた。

発明の目的 本発明は上記従来の問題を解消するもので、調
理室内が見やすくてしかも安価に製作することの
できる調理器の扉構成を提供することを目的とす
る。

発明の構成 本発明の調理器の扉構成は、表板の外周を後方
に折曲して形成した外周枠のうち上部および両側
外周枠にさらに前記表板と平行方向へ折曲した折
曲片および係止爪を設けるとともに、前記表板の
中央部に内周縁が後方に縁立つ開口を設けた表扉
部材と、裏板の上部中央部と下部に前方に折曲す
る折曲片を設け、かつ前記裏板の上部両側部から
立上る押さえ片を設けるとともに、前記表扉部材
の下部に嵌合してこの表扉部材の係止爪によつて
保持される裏扉部材と、前記表扉部材の折曲片お
よび開口縁立部と前記裏扉部材の上部折曲片およ
び押さえ片との間において介装固定されるガラス
板とを備えた扉を構成し、この扉を前記裏扉部材
を貫通して設けたリンク軸を介して調理器の調理
室前部開口に開閉自在に取付ける構成としたもの
であり、これにより、表扉部材の開口を大きく取
つて調理室内を見やすくすることができるととも
に、安価に扉を製作することができるものであ
る。

実施例の説明 以下、本発明の一実施例について図面に基づい
て説明する。なお、第１図に示したものと同一構
成のものは同一番号を付して説明を省略する。

第４図〜第７図において、２５は調理室９の前
部開口に開閉自在に取付けられた本発明に係る
扉、２６はこの扉２５の表扉部材で、表板２７の
外周を後方に折曲して形成した外周枠２８のうち
上部および両側外周枠にさらに前記表板２７と平
行方向へ折曲した折曲片２９および係止爪３０を
設け、さらに表板２７の中央部に内周縁が後方に
縁立つ開口３１を設けることによつて構成されて
いる。３２は表扉部材２６の下部に嵌合して該表
扉部材２６の係止爪３０によつて保持される裏扉
部材で、裏板３３の上部中央部と、両側部と、下
部に前方に折曲する折曲片３４を設け、かつ裏板
３３の上部両側部から立上る押さえ片３５を設け
るとともに両押さえ片３５からさらに後方に折曲
するリンク金具取付用折曲片３６を設けることに
よつて構成されている。なお、裏扉部材３２の両
側には係止爪３０が一つの挿入可能な係止爪挿入
孔３７が設けられている。３８は表扉部材２６の
折曲片２９および開口３１の縁立部と、裏扉部材
３２の上部折曲片３４および押さえ片３５との間
に介装固定されたガラス板、３９は表扉部材２６
の上部を貫通して設けられたねじで、表板２７か
ら飛び出した部分に把手４０が取付けられてい
る。４１は裏扉部材３２を貫通して設けられたリ
ンク軸で、扉２５はリンク軸４１を介して調理室
９の前部開口取付けられている。なお、４２はリ
ンク軸４１に介装されるばねで、扉２５を閉じる
方向に付勢する働きをなすものである。

このような構成で、次に組立て手順について述
べる。

先ず、表扉部材２６にねじ３９を介して把手４
０を取付ける。次に、裏扉部材３２にばね４２を
介装したりリンク軸４１を貫通して設ける。次
に、表扉部材２６の折曲片２９と開口３１の縁立
部の間にガラス板３８を挿入し、この状態でガラ
ス板３８を裏扉部材３２の上部折曲片３４で支持
し、かつ押さえ片３５で押さえる。そして、表扉
部材２６の下部に嵌合した裏扉部材３２を表扉部
材２６の係止爪３０を抱き込むように折曲するこ
とによつて裏扉部材３２の係止を完予する。これ
により、ガラス板３８は、前面と上端部および両
側部を表扉部材２６で規制され、後面の両側下部
と下端部を裏扉部材３２で規制される。したがつ
て、確実、強固に固定される。

このように本実施における扉２５の構成による
と、裏扉部材３２はガラス板３８の下部のみを覆
うのに必要な材料があればよいので、従来のもの
に比べ安価に製作できる。また、表扉部材２６で
ガラス板３８を覆うように構成しているので、表
扉部材２６を薄くしてもガラス板３８の強度で補
強されるため、その結果、表扉部材２６も安価に
製作できる。また、裏扉部材３２はガラス板３８
の下部のみを支持しているので、表扉部材２６の
開口３１は、裏扉部材３２に関係なく広げること
ができ、ガラス板３８の透視面積を広げることが
できる。したがつて、調理室９内がよく見えるよ
うに構成することができる。

発明の効果 以上のように本発明によれば、表扉部材の開口
を広くとつても強度上の必配がなく、また裏扉部
材によりガラスの透視面積が減少されることもな
いので、広い透視面積が取れ、調理室内を見やす
くすることができる。しかし、表扉部材はガラス
板により補強されるので、薄くすることができ、
また裏扉部材もガラス板の下部のみを覆つている
だけであるので、それぞれ少ない材料で構成する
ことができる。したがつて、安価に扉を製作する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第３図は従来例を示し、第１図は調理
器の全体外観斜視図、第２図は扉の斜視図、第３
図は同断面図、第４図〜第７図は本発明の一実施
例を示し、第４図は調理器の全体外観斜視図、第
５図は扉の斜視図、第６図は同断面図、第７図は
同分解斜視図である。 １……調理器、９……調理室、２５……扉、２
６……表扉部材、２７……表板、２８……外周
枠、２９……折曲片、３０……係止爪、３１……
開口、３２……裏扉部材、３３……裏板、３４…
…折曲片、３５……押さえ片、３８……ガラス
板、４１……リンク軸。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 表板の外周を後方に折曲して形成した外周枠
   のうち上部および両側外周枠にさらに前記表板と
   平行方向へ折曲した折曲片および係止爪を設ける
   とともに、前記表板の中央部に内周縁が後方に縁
   立つ開口を設けた表扉部材と、裏板の上部中央部
   と下部に前方に折曲する折曲片を設け、かつ前記
   裏板の上部両側部から立上る押さえ片を設けると
   ともに、前記表扉部材の下部に嵌合してこの表扉
   部材の係止爪によつて保持される裏扉部材と、前
   記表扉部材の折曲片および開口縁立部と前記裏扉
   部材の上部折曲片および押さえ片との間において
   介装固定されるガラス板とを備えた扉を構成し、
   この扉を前記裏扉部材を貫通して設けたリンク軸
   を介して調理器の調理室前部開口に開閉自在に取
   付けた調理器の扉構成。