JPH021455Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はエンジンの冷却水温指示装置に関する
ものである。

一般に自動車等においては、エンジンの冷却水
温を示してエンジンの温度条件を知らせるための
冷却水温指示装置が装備されている。かかる装置
としては、例えば、実公昭54−26061号公報にみ
られるように、加熱線を巻いたバイメタルの一端
にピンを介して指針を連動させ、上記加熱線と冷
却水温検出用のサーミスタ等の感熱抵抗体（計測
されるべき物理条件に応動する可変抵抗器）とを
直列に電源に接続したバイメタルタイプなどが知
られている。このような従来の冷却水温指示装置
は、他の条件に関係なく単に冷却水温に応じて指
針が動くようにしているにすぎなかつた。

ところで、エンジンの冷却水温指示装置は、平
常運転状態での冷却水温を基準に温度条件の変化
を知らせることに意義があるが、平常運転状態で
も一般的に夏期と冬期とでは冷却水温が相違す
る。このため、従来のように単に冷却水温に応じ
た表示を行うだけでは、例えば夏期の平常運転時
に指針が表示範囲中央等の適当位置を指示するよ
う設定した場合、冬期に指針が低温表示域側に大
きく偏ることにより、エンジン冷却水の熱を熱源
としているヒーターが動かないのではないかとい
うような錯覚を使用者に与えがちである。また、
仮に上記問題を解消するために冬期に指針が上記
のような適当位置を指示するように上記指針の指
示位置を設定すると、夏期に指針が高温指示域側
に大きく偏つてオーバーヒートぎみではないかと
いう錯覚を使用者に与え易い等の問題があつた。

本考案は上記の事情に鑑み、外気温度に応じて
水温計の指示位置を補正して、夏期と冬期とでの
水温計の指示位置の差異を小さくし、これによ
り、前述のような冬期においてヒーターが動かな
いのではないかといつた使用者の錯覚を防止し、
計器類に対する不信感を解消し、常に平常運転状
態をもとに温度条件の変動を知らせるという使用
目的に合致したエンジンの冷却水温指示装置を提
供せんとするものである。

すなわち、本考案装置は、エンジンの冷却水温
の検出器と、該検出器の検出信号を受けて作動す
る水温状態表示用の水温計と、外気温検出器と、
外気温検出器の検出信号を受けて外気温が所定値
より低いときは上記水温計により表示される水温
状態を高めに補正する補正装置とを設けたもので
ある。

以下、本考案の実施例を図面によつて説明す
る。

第１図において、１はエンジンの冷却水温を検
出する水温検出器としてのサーミスタで、エンジ
ンの冷却水中に配置されている。また、２は上記
サーミスタ１による水温検出信号を受けて水温状
態を表示する水温計で、これには、例えば前述の
如き加熱線を巻いたバイメタル片によつて指針を
作動させるバイメタル方式や、その他適宜の手段
で通電量に応じて指針を作動させるようにしたも
の、あるいはデジタル表示を行うもの等を任意に
採用し得る。

上記サーミスタ１と水温計２のそれぞれの通電
部は後述の補正装置５を介して互いに接続され、
かつ、これらが電源３に接続されている。

４は外気温を検出してこれを電気的な信号に変
える外気温検出器、５は外気温検出器４の検出信
号を受けて水温計２による水温状態の表示を補正
する補正装置である。該補正装置５は、例えば図
のように、外気温検出器４に接続されたリレー６
と、サーミスタ１と水温計２との間に配設されて
リレー６により接続状態が切替えられる２列の通
電切替え用回路７，８とからなる。リレー６の第
１接点６ａ側の回路７は抵抗器９を有し、第２接
点６ｂ側の回路８は抵抗器を有しない。そして、
外気温が所定値（例えば20℃）以下のときは外気
温検出器４の検出信号を受けてリレー６が作動し
第１接点６ａが開いて第２接点６ｂが閉じること
によりサーミスタ１と水温計２が抵抗器９を介さ
ずに接続される。また、外気温が上記所定値以上
のときはリレー６が作動しなために第１接点６ａ
が閉じて第２接点６ｂが開く状態に切替わること
によりサーミスタ１と水温計２とが抵抗器９を介
して接続されるように、補正装置５が構成されて
いる。

この冷却水温指示装置においては、エンジンの
冷却水温と、前記水温計２での指針角度（表示さ
れる水温状態）との関係が、外気温が所定値より
低いときは第２図に実線Ａで示すようになり、外
気温が所定値より高いときは第２図に破線Ｂで示
すようになる。つまり、冷却水温検出用のサーミ
スタ１と水温計２とが、外気温が所定値以下のと
きは直結的に、外気温が所定値以上のときは抵抗
器９を介して接続されるため、いずれのときも冷
却水温に応じて水温計２での冷却水温の表示が変
化するのではあるが、その表示レベルが全体的に
外気温が低いときと高いときとで相違する。こう
して、外気温が所定値より低いときは、外気温が
所定値より高いときと比べて水温状態が高めに表
示される。

第２図に破線Ｂで示す外気温が高いときの表示
レベルは、予め電源電圧および抵抗器９の抵抗値
を適度に設定することによつて調整し得る。従つ
て、夏期の平常運転時の冷却水温に対して水温計
２の指針が表示範囲中央等の適当位置を指示する
ようにしておけばよい。また、第２図に実線Ａで
示す外気温が所定値より低いときの表示レベルを
破線Ｂで示す外気温が所定値より高いときの表示
レベルより高くする度合いも、平常運転時におけ
る冷却水温の夏期と冬期とでの差に応じ、抵抗器
９の抵抗値の設定等によつて予め適度に調整して
おくことができる。こうして、一般に平常運転時
の冷却水温が夏期では高く、冬期では低くなる傾
向に対し、夏期と冬期とでの水温計２における表
示の差を充分小さくする補正が自動的に行われる
こととなる。

以上説明したように、本考案のエンジンの冷却
水温指示装置は、外気温検出器と補正装置とによ
り、外気温が所定値より低いときは水温計により
表示される水温状態を高めに補正するようにして
いるため、平常運転時の冷却水温が異なる夏期と
冬期とで水温計における表示に大きな差が生ずる
ことが避けられ、使用者の錯覚や不信感を解消し
得、夏期でも冬期でも平常運転時を基準に温度状
態を判断するに便利であり、この種の冷却水温指
示装置に要求される機能に適合するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置の実施例を示す概略図、第
２図は外気温度が所定値以上のときと所定値以下
のときとについての冷却水温と水温計の指針角度
との関係を示す特性図である。 １……サーミスタ（水温検出器）、２……水温
計、４……外気温検出器、５……補正装置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. エンジンの冷却水温を検出する水温検出器と、
   該水温検出器の検出信号を受けて水温状態を表示
   する水温計と、外気温を検出する外気温検出器
   と、該外気温検出器の検出信号を受けて外気温が
   所定値より低いときは上記水温計により表示され
   る水温状態を高めに補正する補正装置とを設けた
   ことを特徴とするエンジンの冷却水温指示装置。