JPH021381Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は軒樋吊り金具、特に施工後における
軒樋の軒先部分への表出のない内吊り式の軒樋吊
り金具に係るものである。

〔従来の技術〕

従来、軒樋吊り金具としては耳縁を上方より抱
持するようになしたものが一般に使用されていた
ため、軒樋吊り金具の抱持部が耳縁上に表出し、
初期目的とする美観性を完全に満足させるまでに
は至らなかつた。そこで、軒樋の耳縁の内側に帯
金よりなる軒樋支持金具の端部を嵌入すべく開口
部を設けた内吊り方式の軒樋が考案されるに至つ
たが、帯金の端部を嵌入する関係上、耳縁に比較
的大きい開口部を開設しなければならず、これよ
り軒樋の強度低下を来し、特に一般住宅用軒樋の
如き耳縁の小さな軒樋にあつては、軒樋の蛇行や
変形等の弊害を生じていた。

そこで、この考案の考案者等は軒樋支持金具の
端部にバネ板の如き薄肉して剛性を有する剛直帯
金の先端部を上方に向けて曲折して係止片となし
た軒樋耳縁係止具を取付けることにより軒樋耳縁
の開口部を小さくして、上記軒樋の蛇行や変形等
の弊害を解消した。

然しながら、この種の軒樋は施工に際し軒樋吊
り金具に取付けられた軒樋を摺動させながら位置
調整を行つて相隣る軒樋に連接しなければならな
いために軒樋の摺動性を良好ならしめる必要があ
り、このために係止片の上端部形状を第５図に示
すように軒樋と係止片とが点接触する円弧状に形
成する必要する必要があり、更には該係止片の耐
久性を良好ならしめるために幅広状に形成する必
要がある 然しながら、幅広状に形成された係止片の上端
部形状を円弧状になした場合、第５図に示すよう
に係止片の高さが比較的高くなるために一般住宅
用軒樋の如き耳縁の小さな軒樋には使用し得ない
という問題点を有していた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

この考案は上記従来品の問題点を解決すべく考
案されたものであつて、強度低下や腐蝕を来さな
い程度の最小限度の開口部を有する軒樋に摺動自
在にして且つ幅広状に形成された軒樋吊り金具を
係止することにより上記施工性や耐久性等の問題
点を解決せんとするものである。

〔問題を解決するための手段〕

この考案は上記に鑑み考案されたものであつて
軒樋支持金具の屋内側に軒先固定具を取付けると
ともに屋外側の端部にバネ板の如き薄肉して剛性
を有する剛直帯金の先端部を上方に向けて曲折し
て係止片となした軒樋耳縁係止具を取付けてなる
軒樋吊り金具において、係止片の上端部形状を直
列状に配列された少なくとも二片の円弧状となす
ことにより問題点を解決した。

〔実施例〕

以下、この考案を図面に示す実施例について説
明すれば、第１図はこの考案の軒樋吊り金具の一
実施例を示す斜視図で、図中１は帯金の曲折によ
り形成された軒樋支持金具であつて、屋外側に位
置する端部を水平方向に延設するとともに屋内側
に位置する端部を上方に向けて立上げてその先端
部に断面コ字状からなる耳縁抱持部ａを形成する
とともに上記立上げ部分にバネ片ｂを形成してな
るものであり、２は軒樋支持金具１の屋内側に位
置するように取付けられた軒先固定具であつて、
軒樋支持金具１の上面に取付けてなるものであ
り、３は軒樋支持金具１の屋外側の端部に取付け
られた軒樋耳縁係止具であつて、バネ板の如き薄
肉して剛性を有する剛直帯金Ａの先端部を上方に
向けて曲折して後述する係止片を形成してなるも
のであり、４は上記係止片であつて、上端部形状
が直列状に配列された少なくとも二片の円弧状
４′からなるように形成されているものである。

尚、係止片４の上端部に形成された少なくとも
二片の円弧状４′は第１図および第３図に示すよ
うに連続的に配列しても、また第２図に示すよう
に断続的に配列された円弧状４′間に直線状から
なる谷部を設けるようになしたものであつても差
支えない。また上記係止片４の円弧状４′の先端
部を内側水平方向に向けて曲折してもまた断面逆
Ｕ字状になるように曲折しても差支えない。

〔考案の効果〕 この考案の軒樋吊り金具は軒樋支持金具１の屋
内側に軒先固定具２を取付けるとともに屋外側の
端部にバネ板の如き薄肉して剛性を有する剛直帯
金Ａの先端部を上方に向けて曲折して係止片４と
なした軒樋耳縁係止具３を取付けてなる軒樋吊り
金具において、係止片４の上端部形状が直列状に
配列された少なくとも二片の円弧状４′からなる
構成よりなるため、使用に際しては第４図に示す
ように、まず屋外側の軒樋耳縁Ｂの開口部Ｃに係
止片４を嵌入してこれを係止し、次いで屋内側の
軒樋耳縁を耳縁抱持部ａおよびバネ片ｂにて固定
するものである。

而して、この考案の軒樋吊り金具は最小限度に
開口された軒樋耳縁Ｂの開口部Ｃへの嵌入による
係止が可能ならしめられるばかりでなく、係止後
における軒樋の連接に際しても軒樋の摺動がスム
ーズに行われるために従来品にみられる軒樋の強
度低下が防止せしめられるばかりでなく、施工性
が著しく向上せしめられ、また軒樋耳縁係止具３
が広幅状に形成されるために経時変化に伴なう破
損もなく、しかも係止片３と軒樋耳縁Ｂとが強固
に固定されるために強風等により軒樋が揺動する
も離脱の虞れがない等耐久性も合わせ向上せしめ
られるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の軒樋吊り金具の一実施例を
示す斜視図、第２図および第３図は同上他の実施
例を示す一部欠截斜視図、第４図は同上使用状態
を示す一部欠截断面図、第５図は従来品の一部欠
截斜視図を示すものである。 １……軒樋支持金具、２……軒先固定具、３…
…軒樋耳縁係止具、４……係止片、４′……円弧
状、Ａ……剛直帯金。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 軒樋支持金具の屋内側に軒先固定具を取付ける
   とともに屋外側の端部にバネ板の如き薄肉して剛
   性を有する剛直帯金の先端部を上方に向けて曲折
   して係止片となした軒樋耳縁係止具を取付けてな
   る軒樋吊り金具において、係止片の上端部形状が
   直列状に配列された少なくとも二片の円弧状から
   なることを特徴とする軒樋吊り金具。