JPH0213640B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

本発明は、釉の焼成（以下釉焼という）と同時
に絵付焼成が可能な、陶磁器等の装飾のためのイ
ングレーズ絵付用転写紙とその絵付法に関し、特
に、高温釉焼用のイングレーズ絵付用転写紙に関
する。 従来一般に慣用される陶磁器の高温釉焼絵付法
には下絵付或いはイングレーズ絵付と呼ばれる方
法がある。下絵付とは、素焼又は締焼素地の上に
絵付用絵具により絵柄を施し、その上に釉薬によ
り施釉して釉焼を行なう方法である。この方法
は、釉焼と絵付焼成とが同時に出来るという長所
はあるが、絵付の方法が直接に素地に対して施す
部類に属し、繊細な絵柄を大量生産に適した方法
で絵付することがいずれも困難である。即ち、例
えば素描きは繊細な絵柄の絵付はできるが、多大
の時間と高度の熟練とを要し、大量生産が難し
く、非常にコスト高となる。銅版転絵付或いはい
わゆるタコ印刷と俗称される絵付法は、大量生産
は可能であるが、繊細な絵柄の絵付は不可能で粗
雑な絵柄しか絵付が出来ないという欠点がある。 また、いわゆる従来のイングレーズ絵付には、
一度釉焼された素地表面に、スクリーン印刷、オ
フセツト印刷、凹版印刷等の公知の印刷手法によ
り絵柄が印刷された転写紙を用いて絵付し、釉薬
の軟化する温度で絵付焼成する方法と、さらに生
釉（素地に釉薬を施して半乾燥ないし乾燥した、
未焼成のもの）表面に絵付を施す生釉上絵付法が
ある。この生釉上絵付法はストーンウエア等の絵
付に用いられるが、未釉焼の施釉面上にスタン
プ、筆描き等により、絵柄を施し下地を成す釉薬
層の釉焼と同時に絵付焼成する方法である。前者
の釉焼面上への絵付によるイングレーズ絵付の場
合には繊細な絵柄の絵付が可能であるが、釉焼と
絵付焼成という２度の高温焼成のためコスト高と
なる欠点がある。後者の生釉上絵付の場合には釉
焼と絵付焼成とは同時に行いうるが、一般に粗雑
なしかも単純な絵柄しか絵付出来ないという欠点
を有している。 また、施釉層と絵柄層とを一体化した熱間圧着
用転写紙が特開昭54−139616号に開示されている
が、この転写紙は下層から順次、アクリル樹脂等
から成る熱間圧着性の接着層、絵柄インキ層（必
要により保護層）、シート基材から成る絵柄シー
トと、パルプを含み抄紙法により成形した釉薬シ
ートとから成り、絵柄シートと釉薬シートとを接
着剤によつて貼合わせて形成される。この転写紙
は、熱間圧着のため素地を200℃近くに予熱する
ことが必要なこと、また圧着のため曲面その他複
雑形状のものには適用困難であること、釉薬層が
釉薬シートの貼合わせにより形成されるため、絵
柄の表面にのみ釉薬層を形成することが困難なこ
と、圧着のために未焼成素地或いは未釉焼面には
適用困難であること等の欠点があり、陶磁器類等
に一般的に使用し難いという問題がある。タイル
のような平面で形状の簡単なものにはよいが、一
般陶磁器は湾曲面が多く形状が一様でないから、
絵付作業に難渋するこの釉薬シートにはパルプを
かなり含有（実施例では約10％）しているからパ
ルプが焼成過程で還元作用を誘発して絵具の発色
を妨げる。 本発明は上述の従来法の欠点を解消し、従来の
転写技法として最も一般的なスライド転写可能で
あつてかつ繊細な絵柄の絵付可能なイングレーズ
絵付用転写紙及びその絵付法を提供することを目
的とする。 本発明者らは、鋭意研究の結果、釉絵と絵付焼
成を同時に行い燃料の節約をはかると共に絵柄に
適した最も適当な印刷法で印刷された繊細な絵柄
の転写紙を用いて繊細な絵柄を絵付する事が出
来、しかも低コストで大量生産を可能にするすぐ
れた効果をもつ技法を見出した。即ち、本発明
は、再湿潤性糊料を施した転写用台紙の糊料面に
セラミツク絵付用絵具から成る絵柄を印刷し、該
絵柄を釉焼成温度においてガラス化ないし磁器化
するガラスフラツクスを50重量％以上含むガラス
フラツクス層により被覆し、その表面にカバーコ
ートを施して成る釉焼成と同時に絵付焼成が可能
な陶磁器のイングレーズ絵付用転写紙を提供す
る。 さらにまた、本発明はこの転写紙を用いて、予
め目止処理を施した施釉層上に該転写紙をスライ
ド転写し、釉焼成と同時に絵付焼成を行うイング
レーズ絵付法を提供する。 以下、本発明において、イングレーズ絵付と
は、釉焼ないし絵付焼成の後において絵具層が釉
薬層中に沈みあたかも絵具表面が、釉薬で覆われ
たようになる絵付法を称し、従来のいわゆる下絵
絵付とは別の概念として用いる。また素地とは、
素焼、締焼、未焼成粘土質成形乾燥品等を称す
る。 以下、本発明について、詳述する。 本発明の転写紙は再湿潤性糊料を塗布した転写
用台紙上にイングレーズ用絵具の高温焼成に耐え
得る絵具を用いて適当な印刷法により繊細な絵柄
を印刷し、その上に更にもう一層印刷法にて釉焼
温度でガラス化あるいは磁器化する組成を50重量
％以上含有したガラスフラツクス層をもうけ、そ
の上から絵付時に担体の役目をはたす密着被覆し
たカバーコートをもうけた構成を有する。この転
写紙は、素地表面に直接施すこともできるが、一
般には施釉未焼成釉薬層（施釉層）上にスライド
転写法により施される。スライド転写法は、絵柄
の位置極めが容易でありかつ圧着を必要としない
ので絵柄の切断、しわの発生、転写の浮き等の諸
欠点を生じることなく、被施工面に正確に施すこ
とができ、曲面にも容易に施すことができる。転
写の際に施釉面はそのままでは過度の吸水性によ
りスライド転写が困難になるので、公知のいわゆ
る目止剤（水を遮断する性質、即ち一定の耐水性
のある有機焼失性の塗剤）を施釉面の絵付部分に
予め施して乾燥させ、前述の転写紙を水の中に浸
漬し台紙から転写紙をはがしつつ目止剤を被覆し
た部分にスライド転写する。その後必要に応じ乾
燥の後、釉焼と絵付焼成とを同時に行つてイング
レーズ絵付とする。この際焼成は、絵具等の性質
に応じ酸化炎、還元炎等の所定雰囲気下において
行う。 目止剤としては、ポリビニルアルコール水溶
液、酢酸ビニルエマルジヨン、メタアクリル酸樹
脂或はポリスチレン樹脂のエマルジヨン等の被膜
形成可能な有機質粘結剤が好ましいが、光硬化性
樹脂アクリル系樹脂ポリウレタン系樹脂、酢酸ビ
ニール系樹脂その他の公知の施釉層保護剤を適宜
用いることもできる。 以下本発明の実施例を添付図面にもとづいて説
明する。第１図は転写紙である吸水性のある台紙
１の表面にデキストリン等の水性糊料２を塗布し
た層上にスクリーン印刷、オフセツト印刷、石版
印刷、グラビア印刷等絵柄を表現するのに最も適
した印刷法にて繊細な絵柄３を印刷する。これに
用いられる絵具は、通常陶磁器絵付に用いられる
下絵用絵具、あるいはいわゆるイングレーズ用絵
具の如き釉焼温度にて発色を阻害されない絵具を
用いる。それはおよそ次のような組成を有してい
る。発色体としてC₀O、Cr₂O₃、Fe₂O₃、MnO₂、
ZrO₂等の金属酸化物は、あるいはCo−Al、Co−
Si、Zr−Si−Ｖ、Sn−Ｖ、Al−Mn、Zn−Al−
Fe−Cr、Sn−Ca−Si−Cr−Zn−Fe−Al等のス
テインと呼ばれる通常の陶磁器着色剤と、融着剤
あるいは希釈剤としてガラスフラツクスあるいは
釉薬のような生原料からなつている。このガラス
フラツクスは後掲の絵柄層上のガラスフラツクス
層４に用いるものと基本的に同じものでよい。 発色体／融着剤あるいは希釈剤の比は100−
１／０−99の範囲を有し、色の濃度、所望する絵
柄の表現可能な範囲で適当に決定される。 ４は絵柄層３と同様の適当な印刷法により絵柄
層上にもうけられたガラスフラツクス層で5μ〜
300μの印刷厚みを有する。この厚みは絵柄表現、
色及び濃度により決定される。ここで用いられる
ガラスフラツクスとは釉焼温度でガラス化あるい
は磁器化する成分を無機セラミツク成分中50％以
上含有していなければならない。本発明は、特に
約1000℃以上の高温釉焼を行うためのものである
が、例えば、釉焼温度が1100℃の場合高融点ガラ
スフラツクスとして少くとも900℃以上でガラス
化するものを用いる事が出来、釉焼温度が1200℃
以上の場合少くとも1000℃以上でガラス化するガ
ラスフラツクスを用いることが出来、施釉に用い
られた同一の釉薬層粉はこの目的を達成するのに
望ましい材料の一つである。 上記の事項を満たす外、陶磁器釉薬として一般
に要求される種々の特性を有するガラスフラツク
スを、その都度素地及び施釉の釉薬粉との適合性
を考慮して定める。このためのガラスフラツクス
は例えば実施例に掲載したものの他第３表の組成
範囲のものを任意に用いることができる。ガラス
フラツクス層は上述のガラスフラツクスの他に残
部として顔料、及び無機質増量材、乳濁剤等公知
のものを含む。 ５はガラスフラツクス層に密着したカバーコー
トで一般陶磁器用転写紙に用いられるアクリル酸
エステル、例えばメチルセルローズ、エチルセル
ローズ、ニトロセルローズ等の繊維素等を主成分
としていわゆるラツカーフイルム等の有機或いは
合成樹脂フイルムでこの樹脂の選択は絵柄、ある
いはガラスフラツクス層の印刷に用いられる材料
と焼成時において悪影響を及ぼさない組合せのも
のを選ぶ必要がある。このカバーコートとしては
その他ブチラール樹脂、塩化ビニル等のビニル系
樹脂等が使用でき、アクリル酸エステル系のもの
としてはメタアクリル酸エステル（メチル、エチ
ル、ブチル等）の互いに相溶性のない２種の溶液
重合物を組合せたもの、メタアクリル酸エチルア
クリル酸エチルコポリマーとブチラクテートとの
混合物に可塑剤を適量配合したもの、等を目的に
応じ用いることができる。第２図は施釉された素
地に目止剤を施した図である。素地６は素焼品あ
るいは締焼品いずれでもよく施薬層７を適当な方
法で設けた上にスプレー、ハケ塗、浸漬、流し掛
け等の方法にて絵付部分に均一に目止剤を被覆し
た層８をもうけて釉薬あるいは素地の吸水を止め
る処置（目止めと称する）を施こす。目止剤は
PVA、CMC、酢酸ビニル、アクリル酸エステル
等の単体あるいは二成分以上を含む溶液又は懸濁
液を用いる事が出来る。 この目止剤は、スライド転写の際に素地及び／
又は施釉層への吸水を防止することを目的とし、
一定の耐水性被膜を形成しうる粘結性溶液であつ
て、釉焼時に有害な作用を及ぼさないものを用い
る。上述の他変性ポリスチレンエマルシヨン、ビ
ニルニトリル共重合体のゴム、ラテツクス、ポリ
アミドエマルシヨン、酢酸ビニルエマルシヨン、
アクリル酸エステルエマルシヨン、メタアクリル
酸エステルエマルシヨン等を用いることができ
る。但し完全な非透水性フイルムとすることは水
性糊料によるスライド転写を行う場合には好まし
くないが、再湿潤性糊料の溶剤（媒）に応じて用
いることは可能である。 なお、釉焼された素地面に直接本発明の転写を
施す場合には、この目止剤の塗布形成は不要であ
る。 第３図は目止剤で被覆した施釉素地に転写紙を
転写した状態を示す。転写層部分９を台紙からは
がしつつ均一に被覆された目止層上に気泡等が入
らないよう密着して施される（いわゆるスライド
転写を施される）。然る後釉薬のガラス化或いは
磁器化に適した釉焼条件にて釉焼を行ない同時に
絵付焼成も完遂される。 なお、この手法は実施例のみに制限されるもの
ではなく素地の材質も含め、釉焼条件に合わせて
転写紙の絵具及び絵柄上のガラスフラツクス層の
成分を選択することにより全ての陶磁器において
釉焼と絵付焼成とを同時に行うことが可能であ
る。 本発明による転写紙の絵具とガラスフラツクス
の組成について青系統絵具については第１表、第
２表の通りである。

【表】

【表】 絵具は組成Ａ、およびＢを用いガラスフラツク
スに組成Ｘを用いた場合は焼成温度は1300℃が適
し、ガラスフラツクスに組成Ｙを用いた場合は焼
成温度1200℃が良好である。 また、本発明に用いる高融点ガラスフリツトの
組成は、例えば第３表の通りのものを用いること
ができ、これを用いた場合釉焼温度は凡そ1000〜
1450℃で可能であり1020℃（軟釉）から1450℃
（硬釉）までに対応できる。 第３表 高融点ガラス調合 SiO₂ 40〜75 Al₂O₃ ５〜25 CaO ０〜25 K₂O Na₂O PbO B₂O₃１種又は２種以上を含む混合物 １〜40 備 考 釉焼温度が高い場合はK₂O、Na₂O、PbO、
B₂O₃分はすくない。 本発明に用いる絵具は前述の通り、顔料として
の金属酸化物若しくはいわゆるステインを用いる
が、例えば第４表に示す通りの絵具を用いること
ができる。 第４表 絵具調合 （重量％） 金属酸化物又はステイン 100〜１ SiO₂ ０〜65 Al₂O₃ ０〜20 CaO ０〜15 Na₂O K₂O PbO B₂O₃１種又は２種以上を含む混合物 ０〜50 備 考 (1) ガラスフラツクス層を設ける為特に濃い色を
望む場合金属酸化物又はステインは100％でも
よい。 (2) 金属酸化物が多ければ濃い色となり少くなれ
ば淡い色となる。 (3) Na₂O、K₂O、PbO、B₂O₃は一種又は２種以
上の混合物で多くなれば釉焼温度は低い絵具と
なり釉焼温度が高くなれば含んでいなくてもよ
い。 実施例 １ デキストリンから成る糊料膜をその一面に予形
成した市販の単紙転写用台紙の糊料面に第１表に
示す絵具組成ＡとＢの調合物に夫々陶磁器転写印
刷用ビヒクルでねり合わせた絵具ペーストを用い
て、スクリーン法により最初Ｂ絵具ペーストで厚
さ約20μにて円形の絵柄を印刷し乾燥後Ａ調合物
をＢペーストと同質のビヒクルにてねり合わせた
Ａペーストをスクリーン法により厚さ約20μにて
Ｂ絵具上に重なるように十字形及びＢ絵具ペース
トによる該円形絵柄の繊細な線から成る輪郭から
成る絵柄を印刷した。絵具層の乾燥後第１表のガ
ラスフラツクス組成ｘを有するガラスフラツクス
をＢ及びＡペーストに用いた同一のビヒクルを用
いてガラスペーストとしてスクリーン印刷法によ
り厚さ50μで絵柄を被覆するように形成した。そ
の上に、陶磁器転写用カバーコートを形成し、風
乾により転写紙を得た。 これとは別に、素焼（磁器質）素地に、 釉薬として0.7 CaO 0.3 KNaO0.8Al₂O₃・7.0 SiO₂（ゼーゲル式）を用いた分散スリツプを浸漬
法により乾燥時約0.3mmの厚さになるように釉薬
層を被覆形成した皿の表面の絵柄を施す対象範囲
に、ハケ塗りにより目止処理を施した。風乾後、
前記の転写紙を水に浸し、スライド転写法にて、
転写絵柄部分に転写し風乾した。このものをSK
−11（溶倒温度1320℃）で24時間還元炎雰囲気下
にて保滋焼成し、炉冷後取出してイングレーズさ
れた磁器製品を得た。 絵柄の繊維な線部分も良好に発色し輪郭等申し
分のない製品であつた。 実施例 ２ 転写用台紙上にＢ調合及びＡ調合を実施例１の
如く印刷し、ガラスフラツクス SiO₂ 50wt％ Al₂O₃ ５ CaO ５ KNaO 15 PbO 20B₂O₃ ５ 100wt％ 組成物を実施例１の如く印刷し、カバーコート
を形成し転写紙とした。吸収率０〜７％を有する
締焼皿素地上に 0.35 PbO 0.30 CaO 0.15 KNaO 0.20 ZnO 0.25 Al₂O₃ 1.75 SiO₂（ゼーゲル式）の組成を有する釉薬スリツプ
をスプレー法により0.3mmの厚さに形成した一皿
の表面の絵柄を施す対象範囲にスプレー法によ
り、目止め処理を施した。風乾後、前記転写紙を
転写し充分風乾したものをSK−１（溶倒温度1100
℃）×24時間酸化焔雰囲気（空気中）にて焼成し、
所望するイングレーズ絵付品を得た。 実施例 ３ 転写用台紙上に絵具組成Ａをオフセツト印刷し
た上にＢ組成をオフセツト印刷した。更にその上
にガラスフラツクス組成（Ｙ）をオフセツト印刷
にて印刷した。充分乾燥後カバーコートを印刷
し、風乾したものを転写紙とした。 素焼皿、及び素焼カツプ素地に 0.30 KNaO 0.60 CaO 0.10 ZnO0.35 Al₂O₃ 3.20 SiO₂（ゼーゲル式）の組成を有する釉薬スリツプ
を浸漬法にて0.3mmの厚みに形成した。 施釉した平皿の表面に、流し掛け法にて目止処
理をほどこした。施釉したカツプの場合は浸漬法
にて目止処理を施した。風乾後、各々目止めされ
た表面に前記転写紙を転写し、充分風乾したもの
を酸化焔雰囲気SK−６（溶倒温度1200℃）にて焼
成し、繊細、且つ発色良好なイングレーズ製品を
得た。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の転写紙の一実施例、第２図
は、転写を施すために目止処理した施釉素地、第
３図は、転写絵付を施した状態の夫々断面構成図
を示す。 １……台紙、２……糊料、３……絵具層、４…
…ガラスフラツクス層、５……カバーコート、６
……素地、７……釉薬層、８……目止層。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 再湿潤性糊料を施した転写用台紙の糊料面に
   セラミツク絵付用絵具から成る絵柄を印刷し、該
   絵柄を釉焼成温度においてガラス化ないし磁器化
   するガラスフラツクスを50重量％以上含むガラス
   フラツクス層により被覆し、その表面にカバーコ
   ートを施して成る釉焼成と同時に絵付焼成が可能
   な陶磁器のイングレーズ絵付用転写紙。 ２ 前記ガラスフラツクス層は、印刷法により形
   成される請求の範囲第１項記載の転写紙。 ３ 施釉された陶磁器素地のガラスフラツクス層
   に目止処理を施す工程と、該目止処理面にイング
   レーズ絵付用転写紙をスライド転写する工程と、
   転写を施された該施釉陶磁器素地を釉焼成と同時
   に絵付焼成する工程とから成り、該イングレーズ
   絵付用転写紙は、再湿潤性糊料を施した転写用台
   紙の糊料面にセラミツク絵付用絵具から成る絵柄
   を印刷し、該絵柄を釉焼成温度においてガラス化
   ないし磁器化するガラスフラツクスを50重量％以
   上含むガラスフラツクス層により被覆し、その表
   面にカバーコートを施して成ることを特徴とする
   陶磁器のイングレーズ絵付法。 ４ 前記転写紙のガラスフラツクス層は、印刷法
   により形成される請求の範囲第３項記載の絵付
   法。