JPH02129359A - 密着性の優れた薄膜形成方法 - Google Patents

密着性の優れた薄膜形成方法

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JPH02129359A
JPH02129359A JP28138388A JP28138388A JPH02129359A JP H02129359 A JPH02129359 A JP H02129359A JP 28138388 A JP28138388 A JP 28138388A JP 28138388 A JP28138388 A JP 28138388A JP H02129359 A JPH02129359 A JP H02129359A
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博之 橘高
Kazuhiko Fukutani
和彦 福谷
Masaharu Moriya
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はイオンビーム照射と、真空蒸着の併用によって
被処理物表面に薄膜を形成する方法に関する。
〔従来の技術〕
耐摩耗性が要求される被処理物(部品)においては、そ
の表面を蒸着により1膜を形成することにより上記部品
の寿命延長が可能である。そのための従来技術としては
、特開昭83−169372号公報で示すように、真空
中に部品を設け、ガス体のイオンビームを照射して清浄
処理を行い、その後Ti。
V 、Cr等の金属を真空蒸着させるというものがある
〔発明が解決するための課題〕
上記のように清浄処理する際ガス体のイオンビームを照
射するが、−ffl的に使用するガス体はArである。
Arを用いる場合の利点としては質量が他のガス体に比
べて重いため清浄処理効果が著しく短時間で処理できる
点があげられる。この場合、Arイオンビーム照射量は
I XIO”(個/cII12)程度で十分である。
さらにArイオンビームを部品に照射するための加速電
圧はスパッタ効果(清浄効果)をあげるためには0.1
〜2KV程度の加速電圧が用いられる。
加速電圧が20KVを越えるとスパッタ効果から注入効
果に変わるため、清浄処理としては不適である。このよ
うに従来技術は、単に部品を清浄化して薄膜のけ着力を
向上するようにしていたが、かNる従来技術では、部品
と薄膜との界面での密着性は不十分で特に工具鋼等のよ
うに、機械的振動が激しく重い荷重が作用する場合にお
いは、薄膜が簡単にはがれてしまう欠点があった。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は従来技術の課題を有利に解決するものであって
、その特徴は被処理物の表面に真空蒸着によって薄膜を
形成するに先立ち、窒素イオン源から窒素イオンビーム
を 被処理物へのイオンビーム照射量:2×1019〜2X
101g(個/cI11勺 窒素イオンの加速電圧:5〜20 (KV)の条件によ
り前記被処理物表面に照射することによりか−る処理表
面に蒸着せしめた薄膜の付着性を著るしく向上せしめた
ところにある。
〔作 用〕 本発明者等はイオンビームミキシング法による薄膜の形
成過程において、前処理としてイオン照射条件を研究し
たところ、イオン照射される被処理物表面を清浄化する
とともに表面に窒素イオンを注入して窒化処理を行うと
共に表面硬度を上昇せしめると上記処理面への蒸着膜の
付着力が著るしく強化されることを確認した。即ち、被
処理物表面に窒素イオン源からイオンビーム照射量を2
xlO” 〜2xlO”(個/cII2)の範囲で、且
つ、窒素イオンの加速電圧を5〜20KVによって照射
することにより、被処理物表面は清浄化(スパッタリン
グ)されるとともに窒化(イオン注入)されて、薄膜の
密着力さが著るしく上昇するのである。
こ−で、窒素イオン、照射量(個/cm2)と薄膜の密
着強さの関係を第2図に示す。
図中■〜■で示す曲線はタングステン・カーバイトを主
体とし、少なくともコバルトを含む超硬材料で製造され
た工具や金型を被処理物とし、真空容器内において、該
被処理物の表面にイオンビームミキシング法により薄膜
を形成する前処理として、窒素イオンをその照射条件(
照射量及び加速電圧)を変えて照射し、次いで、真空蒸
着により薄膜を形成した後に、該薄膜を被処理物表面が
ら剥離させるに必要な力を測定し、この力を密着強さと
して、上記窒素イオン照射条件との関係に基づいて示し
たものである。
前記曲線■は窒素イオンを処理面の法線方向から45°
傾いた方向(このとき、法線方向は蒸着源に向いている
)から照射し、窒素イオンの加速電圧はl0KV、窒素
イオンの密度は2.5〜1017個/cm2・分、また
、被処理物の温度が300℃以上にならないように被処
理物ホルダーを冷却している。
また真空容器内の圧力はI X 10−’Torrであ
る。
曲線■は曲線■の照射条件の内、窒素イオンの加速電圧
だけを35KVに変えて照射したものであり、曲線■は
曲線■と同様、窒素イオンの加速電圧だけを2KVに変
えて照射したものである。
また、被処理面に照射した窒素イオンの照射エネルギー
が被処理面で起こす現象を定性的に第3図に示す。被処
理物の材質やイオンの照射条件により第3図の効果の領
域は多少変化することはあるが、例えば窒素イオンをI
KVで照射した時には、注入効果はほとんど起こらず、
スパッタ効果が多く発生することを示している。
以上の第2図及び第3図゛より、加速電圧を5〜20K
Vとし、窒素イオン照射量を2×1019〜2X101
gく個/cm2)の範囲にするとスパッタ効果(清浄効
果)と注入効果(窒化効果)が同時に現れ、これにより
、被処理面との密着力が著るしく改善された薄膜を形成
することができる。
即ち、窒素イオン照射量が本発明の照射量の下限以下で
あると、例えば窒素イオンを2.5X 10”個/am
2・分、加速電圧10KVで4分間照射したときは被処
理面のイオン窒化が進行途中にあってイオン窒化量が不
十分のため、薄膜付着力は低く、イオン照射量が本発明
の上限以上であると、例えば窒素イオンを2.5×10
18個/Cm”・分で、加速電圧10KVで100分照
射したときはイオン窒fヒにより、いっなん上昇した表
層の硬度が多量のイオン照射によって被処理面層が非晶
質化し、硬度が減少して薄膜付着力は十分向上しない。
また、窒素イオンの加速電圧を本発明の下限以下である
と、例えば2KVの電圧で照射したときは被処理面のス
パッタリング効果(表面削り取り効果)による清浄処理
(表面を粗面にする効果を含む)を行うことはできるが
、窒素イオンの注入効果が少ないためイオン窒化が十分
に行えずに薄膜の付着力は十分でなく、また、イオン照
射電圧を本発明の上限以上にすると、例えば50KVで
照射したとき窒素イオン注入によるイオン窒化は十分行
えてもスパッタリング現象が減少し薄膜の付着力が十分
に向上しないのである。
〔実施例〕
本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
第1図の薄膜形成装置1は真空容器2内にイオン源4と
蒸着源6を一緒に設置し、被処理物15の表面にイオン
照射と蒸着を同時又は交互に行う例を示している。上記
例において、排気装置3は真空容32内を真空引きする
装置であり、イオン源4はイオンビームを発生すると共
に被処理物15に照射する装置であって、イオンビーム
を遮断するシャッター12とイオンビームを所望の面積
だけ照射するイオンビーム拡大制限枠13を具備してい
る。
また、イオン源4は該イオン源4に電力を供給する電源
と所望のエネルギー及び密度のイオンビームを安定して
照射する制御装置7及びイオン化のためのガスを所望の
量だけ安定して上記イオン源41\供給するガス供給装
置8が設けられている。
蒸着源6は蒸着材料を電子ビームにより蒸発させる装置
で、該蒸着源6へ電力を供給する電源と蒸着材料の蒸発
を所望の速度で安定して行うための制御装置7を具備し
ている。
また、被処理物1−5に面して、蒸着源6からの蒸着物
質を遮断するシャッター11が設けられている。
被処理物15はホルダー16に取り付けられているが、
該ホルダー16は被処理物15に入射するイオンビーム
を所望の角度に変えるため、ホルダー16の中心を通る
軸のを回転軸として回転可能であり、更に被処理物取付
は面の中央■を中心とし、て所望の角度Oだけ回転する
ことができる。
ビームダンプ14は被処理物15へ向けてイオン源4か
ら照射されたイオンビームの内、ビームリミタ−13、
被処理物15及びホルダー16によって遮断されなかっ
たイオンビームを受は止めて真空チャンバー2の加熱を
防止する遮断板である。
膜厚測定量センサ9は蒸着物質の蒸着速度を計測するた
めのセンサーであって、該センサ9には該センサ9から
の電気信号により蒸着物質の蒸着速度及び膜厚を計算す
るための膜厚計10が連結されている。
又、排気装置3、イオン源4、蒸着源6、膜厚測定用セ
ンサ9、ビームリミタ−13、ビームダンプ14、ホル
ダー16等を冷却するための冷却水供給及び流量監視装
置17が系外に配置され、図示しない管によって上記各
装置と連結されている。
本発明は以上の装置より構成されているが、該装置は次
のように操作される。
排気装置3により排気された真空容器2内に設けられた
ホルダー16に被処理物15が設置され、該被−処理物
15に対し、先ず、イオン源4からイオンビームが照射
される6本発明において、窒素イオンが上記イオン源4
から発生し、イオン源用電源及びイオン源制御装置5に
より、イオンビーム照射量とイオン加速電圧が本発明の
範囲内で制御され、シャッター12及びビームリミタ−
13の併用により、適時窒素イオンビームが被処理物1
5の表面の適当箇所へ照射される、被処理面はスパッタ
リングと窒化が行われ、1膜密着の素地ができる。被処
理物15はイオンビームの照射により高温化して溶融す
る場合があるので、ホルダー16を冷却して被処理物1
5の温度を低下せしめるとよい。
か−る表面処理の後、蒸着材料を蒸着源より電子ビーム
によって蒸発・供給せしめ、被処理面に蒸着せしめて薄
膜を形成するのである。その際、シャッター11を真空
容器2の外部からの電気信号で自由に開閉して、適時蒸
着せしめる。
次に、本発明の方法に基づ〈実施例を第1表に示す。
該実施例では本発明の前処理として窒素イオン(N)を
、また比較例の前処理としてアルゴンイオン(Ar)を
一定の加速電圧の元で照射量を変えて照射し、その7i
TiNの皮膜をイオンビームミキシング法により成膜し
て試料を作成し、この試料の皮膜密着強さを測定した。
被処理物はP20相当の超硬工具(WC−Co)を溶剤
で超音波洗浄したものを用いた。
前処理条件は、真空度、: I X 10−’Torr
、加速電圧:10KV、イオンビーム照射角度ニー45
゜被処理物温度=300℃以下とし、又、膜の密着強さ
を、半径0.2mm球のダイヤモンド圧子によりひっか
き速度5mm/minでひっかき試験を行い、膜剥離を
起こしたときの力(Kg−111/秒2)で表した。
以上の通り、窒素イオン照射量を本発明の範囲内で照射
すると、アルゴンイオンに比較して膜の密着強さを著し
く増大することができた。
〔発明の効果〕
本発明によれば、被処理物の組成物と蒸着金属との融合
状君が双方の窒化化合物となるため、密着性を著しく改
善することができ、このため、機械的振動が激しく、重
い荷重が作用する工具材等においても膜剥離を起こさず
、寿命を飛躍的に向上させることができた。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による実施例を示すイオンビームミキシ
ング装置の概略断面図であり、第2図は前処理での窒素
イオン照射量(個/cm”)と薄膜の密着強さとの関係
を示す図であり、第3図はイオン照射エネルギーと被処
理物界面に生ずる効果との関係を示す図である。 1・・・薄膜形成装置、 2・・・真空容器、3・・・
排気装置、   4・・・イオン源、6・・・蒸着源、
    8・・・ガス供給装置、15・・・被処理物、
  16・・・ホルダー2・・・真空容器 3・・・排気装置 4・・・イオン源 8・・・ガス供給装置 15・・・被処理物 16・・・ホルダ

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 被処理物の表面に真空蒸着によって薄膜を形成するに先
    立ち、窒素イオン源から窒素イオンビームを被処理物へ
    のイオンビーム照射量:2×10^1^8〜2×10^
    1^9(個/cm^2) 窒素イオンの加速電圧:5〜20(KV) の条件により前記被処理物表面に照射することを特徴と
    する密着性の優れた薄膜形成方法。
JP63281383A 1988-11-09 1988-11-09 密着性の優れた薄膜形成方法 Expired - Fee Related JPH0751747B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06299319A (ja) * 1993-04-12 1994-10-25 Agency Of Ind Science & Technol 金属系材料の表面蒸着方法

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61195971A (ja) * 1985-02-25 1986-08-30 Kobe Steel Ltd 耐摩耗性皮膜の形成方法
JPH01168856A (ja) * 1987-12-23 1989-07-04 Agency Of Ind Science & Technol 鋼材の表面硬化方法

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