JPH02128341A - 光磁気記録媒体及びそれを用いた情報記録方法 - Google Patents

光磁気記録媒体及びそれを用いた情報記録方法

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JPH02128341A
JPH02128341A JP28063188A JP28063188A JPH02128341A JP H02128341 A JPH02128341 A JP H02128341A JP 28063188 A JP28063188 A JP 28063188A JP 28063188 A JP28063188 A JP 28063188A JP H02128341 A JPH02128341 A JP H02128341A
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layer
bias
magnetization
recording
magnetic field
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JP28063188A
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Sumio Ashida
純生 芦田
Katsutaro Ichihara
勝太郎 市原
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的〕 (産業上の利用分野) この発明は、特に記録及び消去時に必要なバイアス磁界
を記録層に印加するバイアス層を備えた光磁気記録媒体
及びそれを用いた情報記録方法に関する。
(従来の技術) 光磁気記録は、膜面に対して垂直な方向に磁化容易軸を
有する磁性膜からなる記録層を持つ記録媒体を用い、記
録層の磁化の向きをレーザビームの照射と磁界の印加と
によって可逆的に反転させて記録を行ない、再生は記録
層の磁化の向きを磁気光学効果の一種である極力−効果
を利用して検出することで行なう方式である。光磁気記
録は通常の磁気記録に比較して、非接触アクセス機能や
媒体の可換性、高記録密度等の点で優れている反面、記
録された情報を書換える際には、既記縁情報を一旦消去
しなければならないという原理的制約があり、高速オー
バライドによる高速書換えが難しいとされてきた。
光磁気記録の高速オーバライド技術については、従来よ
り種々の提案がなされている。例えば特開昭62−80
1+46号公報には、記録層に隣接して温度依存性を有
するバイアス層を設け、バイアス層からのバイアス磁界
を利用して記録層の磁化反転を可逆的に行なわせる方式
が記載されている。
この特開昭62−80846号公報に記載された光磁気
記録媒体おいて、バイアス層は記録層のキュリー点より
低い補償点および記録層のキュリー点よりも高いキュリ
ー点を持つ。記録前(消去後)の状態では、記録層およ
びバイアス層の磁化は同じ方向を向いており(例えば下
向きとする)、この状態でレーザビームの照射によって
記録層の磁区の温度がキュリー点に達すると、その磁区
の磁化が除去されると共に、バイアス層の対応する磁区
が補償点を越えることによって上向きに磁化反転する。
この後、レーザビームが切られて記録層およびバイアス
層が冷えると、まず記録層の磁区がバイアス層の対応す
る磁区の磁化に従って記録前とは逆向き(上向き)に磁
化される。次に、冷却の進行に伴ないバイアス層の磁区
の温度が補償点より下がると、その磁化は一旦下向きに
反転するが、バイアス層の常温近傍の保磁力を十分に小
さくしておくことで、記録層の磁化によって上向きに反
転する。
記録された情報を消去したい場合には、記録された磁区
のみにレーザビームが照射され、記録層の磁区がキュリ
ー点近くに加熱されることにより、バイアス層の磁区の
磁化は下向きに反転する。この後、消去用レーザビーム
が切られると、記録層の磁区はバイアス層の対応する磁
区の磁化によって上向きに磁化反転する。
このように記録層の磁化は同一エネルギーのレーザビー
ムの照射によって反転するので、消去時には記録されて
いる磁区のみに消去用レーザビームを照射してバイアス
層の磁化の向きを元に戻す必要がある。従ってオーバー
ライドを行なう場合は、既に記録されている情報を読取
ってから、その既記縁情報に合せてオーバーライド用ビ
ームを照射しなければならない。
このような制御を行なうためには、独立した2つのレー
ザビームを用い、第1のビームで既に記録されている磁
区を検出しながら記録用および消去用である第2のビー
ムを制御する必要がある。
しかし、このような制御を精度よく行なうことは難しく
、消去パワーマージンに欠ける。
また、2つのレーザビームを用いる方法としては、両ビ
ームを別々の半導体レーザから発生させる2ヘツド・2
ビ一ム方式と、一つの半導体レーザから発生させる1ヘ
ツド・2ビ一ム方式とがあるが、前者はコストアップを
招くという問題があり、後者は半導体レーザの製作が難
しく、また光学系の構成が複雑となるという問題がある
一方、1ヘツド・1ビ一ム方式で高速オーバーライドを
実現する技術としては、゛87春期日本応用物理学会講
演予稿集28I)−ZL−3や、特開昭62−1759
48号公報に記載されているように、着磁用の強磁界を
発生する永久磁石をレーザビーム照射位置に置き、二層
構造の光磁気記録媒体に光強度変調により高速オーバー
ライドを行なう例がある。しかし、この方法では強磁界
発生用の大きな永久磁石を用いるため、装置が大型化す
るばかりでなく、磁石からの漏洩磁界が光学ヘッド内の
トラッキング及びフォーカシングサーボ用の電磁駆動系
に悪影響を及ぼすという問題がある。
(発明が解決しようとする課題) このように従来の光磁気記録における高速オーバーライ
ド技術では、消去マージンが小さく、また独立した2つ
のレーザビームを必要としたり、あるいは強磁界発生用
の大型の永久磁石を必要とするという問題があった。
本発明はこのような問題点を解決し、消去パワーマージ
ンが高<、シかも1ヘツド・1ビームタイプでありなが
ら、強磁界発生用の大型な永久磁石を必要とせずに、高
速オーバーライドを実現できる光磁気記録媒体及びそれ
を用いた情報記録方法を提供することを目的とする。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) 本発明に係る光磁気記録媒体は、膜面に対して垂直な方
向に磁化容易軸を有する記録層と、膜面に対して垂直な
方向に磁化容易軸を有する磁性層を非磁性層を間に介し
て複数層積層してなり、記録層に対して温度に応じて変
化するバイアス磁界HB(T)を印加するバイアス層と
を備え、記録層の磁化がバイアス磁界HB(T)の向き
に揃う第1及び第2の磁化反転温度領域TW、、 TE
  (TW >TIE)が存在することを特徴とする。
バイアス層を構成する複数層の磁性層の1層当りの厚さ
が50ns以下、該磁性層の合計の厚さが100nn以
上、バイアス層の全厚が500nm以下が好ましい。
また、本発明に係る情報記録方法においては、上記の光
磁気記録媒体に対して、記録層を第1の磁化反転温度領
域TWの温度に加熱する第1のパワーレベルのレーザビ
ームと、記録層を第2の磁化反転温度領域TEの温度に
加熱する第2のパワーレベルのレーザビームとを用いて
情報の記録・消去及び書換えを行なう。
(作 用) 本発明においては、記録時は情報信号により変調された
第1のパワーレベルのレーザビームを照射して、レーザ
ビーム照射領域のバイアス層からバイアス磁界を発生さ
せて記録層に印加するとともに、レーザビーム照射領域
の記録層を第1の磁化反転温度Twの温度まで加熱し、
さらに必要に応じて外部印加磁界Hexを併用すること
により、そのレーザビーム照射領域の記録層の磁化をバ
イアス層が発生する磁界の向きに選択的に反転させる。
また、記録された情報を消去するときには、第2のパワ
ーレベルのレーザビームの照射によって同様にレーザビ
ーム照射領域のバイアス層からバイアス磁界を発生させ
て記録層に印加するとともに、レーザビーム照射領域の
記録層を第2の磁化反転温度領域TEの温度に加熱し、
さらに必要に応じて外部印加磁界HeXを併用すること
により、そのレーザビーム照射領域の記録層の磁化をバ
イアス層の発生する。磁界の向きに揃える(記録部の記
録層の磁化は、記録前の状態に対して選択的に反転させ
る)。
情報の書換えに際しては、書換えたい領域について第2
のパワーレベルのレーザビームの照射による消去動作を
行ない、それらの領域のうち新たに記録ビットを形成す
べき領域については第1のパワーレベルのレーザビーム
を照射することによってオーバーライドを行なう。すな
わち、新たに記録すべき情報信号に応じて第1のパワー
レベルと第2のパワーレベル間で強度変調されたレーザ
ビームを照射することによって、高速オーバーライドが
実現される。
このように本発明では、記録用レーザビームである第1
のパワーレベルのレーザビームより低い第2のパワーレ
ベルのレーザビームを照射することによって、記録され
ている情報が消去される。
このため従来のバイアス層を有する光磁気記録媒体で高
速オーバーライドを行なう場合に必要とした、低記録の
磁区を検出するためのレーザビームを必要とせず、1ヘ
ツド・1ビ一ム方式の簡易な構成で高速オーバーライド
が可能となり、消去マージンも十分に確保される。
また、記録及び消去時に外部印加磁界Hexを付与する
場合でも、その磁界の向き及び強度は記録時と消去時と
で等しくてよく、また磁界強度そのものも数百0e程度
と小さくて済むので、装置が小型となり、光学ヘッド内
のサーボ用電磁駆動系への悪影響という問題も回避され
る。
さらに、本発明ではバイアス層を膜面に磁化容易軸を有
する磁性層を非磁性層を間に介して複数層積層した多層
構造としたことによって、単層構造の場合に比較して温
度に対する磁化特性MSB(T)が急峻な膜厚のより薄
いものを使用できる。このためバイアス層を構成する磁
性層の組成が同じで、またレーザビームの照射によって
形成される温度分布が同じ場合、より大きなバイアス磁
界HB(T)が得られ、さらに安定したオーバーライド
動作が得られる。
この場合、MSB(T)を急峻にする上でバイアス層を
構成する磁性層の膜厚は50nm以下が好ましい。
また、十分な大きさのバイアス磁界HB(T)を得るた
めには、バイアス層を構成する磁性層の合計の厚さが1
100n以上で、バイアス層の全厚が500ns以下で
あることが好ましい。
(実施例) 第1図は本発明の一実施例に係る光磁気記録媒体の構成
を模式的に示す断面図であり、基板1上に表面をスパッ
タエツチング処理した下地層2、膜面に垂直な方向に磁
化容易軸を有する、いわゆる垂直磁化膜からなる記録層
3、非磁性層4、バイアス層5及び保護層6を順次積層
した構造となっている。ここで、バイアス層5は第1図
の左方に拡大した断面図を示すように、膜面に垂直方向
に磁化容易軸ををする磁性層11a〜111をそれぞれ
の層間に非磁性層12a〜12n−1を介して積層した
構造となっている。
バイアス層5は、保持温度(常温Ta)においては−様
な磁化分布を有しており、層外へ磁界を発生しない。媒
体にレーザビームが照射されると、そのレーザビーム照
射領域1こおけるバイアス層5の磁化は非照射領域とは
異なる磁化分布を形成し、この磁化分布に起因するバイ
アス磁界HB(T)をバイアス層4外へ発生する。レー
ザビームのパワーレベルによってバイアス層5の磁化分
布は異なるので、パワーレベルによって熱的にバイアス
磁界HB(T)の強度を制御することができる。このバ
イアス磁界HB(T)は、バイアス層5が補償点T c
ospBを有する場合でも有しない場合でも、高いパワ
ーレベル(第1のパワーレベル)のレーザビーム照射時
(記録時)と、これより低いパワーレベル(第2のパワ
ーレベル)のレーザビーム照射時(消去時)とで基本的
に同じ方向を向く。バイアス層5の磁化が常温Taと記
録温度との間に極大を有する場合は、レーザビームスポ
ット内の中心領域と周辺領域とでバイアス磁界HB(T
)の向きが逆転することがあるが、そのような場合にお
いてもレーザビームのパワーレベルの:A整を行ない、
また要すれば第1図のように記録層3とバイアス層5と
の間に適当な膜厚の非磁性層4を設けることにより、記
録層3の磁化を可逆的に反転できる。
記録層3が補償点T cospRを有する場合には、記
録温度(第1の磁化反転温度)はT cospBよりも
高い温度に設定され、消去温度(第2の磁化反転温度)
はTCoIIpRよりも低い温度に設定され、両温度で
記録層3の自発磁化は逆転する。一方、バイアス層5か
らのバイアス磁界HB(T)の向きは一定であるので、
記録温度では反転磁区の形成(記録)、消去温度では反
転磁区の消滅(消去)が達成される。
記録層3が補償点T calIpRを有していない場合
は、記録温度と消去温度との間のバイアス磁界HB(T
)の強度差を利用して、その中間レベルの外部印加磁界
を付与すれば、記録/消去を達成できる。
上記したように記録層3及びバイアス層5共に補償点が
あってもなくても横わず、また記録温度は記録層3のキ
ュリー点近傍であってなくても構わず、要するに記録温
度において記録層3の保磁力がバイアス磁界HD(T)
、もしくはバイアス磁界HD(T)と外部印加磁界He
wとのベクトル和よりも小さくなっていれば構わないし
、またバイアス層5も常温と記録温度との間にキュリー
点を有していてもいなくても構わない。従って、記録層
3及びバイアス層5の材料・組成選択範囲は広い。
レーザビーム照射時あるいは冷却時における記録層3の
温度とバイアス層5の温度は、同一であっても違ってい
ても構わない。前者の場合には、記録のための第1のパ
ワーレベルのレーザビーム照射後の冷却過程において、
記録層3がバイアス層5と共に消去条件を満足する第2
の磁化反転温度領域TEを通過することになる。しかし
、この通過時間は一般的に〜10nsec程度と、磁壁
がレーザビームのスポット径程度に移動する要する時間
(〜100nsec)に比べて短いので、再磁化反転の
核が形成される可能性はあるが、この核は不安定で消滅
するかもしくは残っても再生信号をそれ程低減すること
がないので、実用上問題がない。
また、記録層3とバイアス層5に温度差が生ずるように
、例えば第1図に示したように両層3゜5の間に熱的な
絶縁層としての非磁性層4を設ければ、第1のレーザビ
ーム照射後の冷却過程で記録ビットの再磁化反転を全く
発生させないようにすることも可能である。
本発明においては、記録層3の磁化はレーザビーム照射
領域のバイアス層5から印加されるバイアス磁界HB(
T)と、必要に応じて付与される外部印加磁界Hcxと
によって反転する。これは例えば特開昭62−1759
89号公報に記載されているようにバイアス層の磁化を
記録層に磁気転写するものとは異なるので、交換力を介
さずに積層されることが良く、もし交換結合されている
場合でも、交換力はバイアス磁界HB(T)に比べて十
分に小さい値であることが望ましい。意図的に交換力の
介在を防止するためには、第1図に示したように記録層
3とバイアス層5の間に非磁性層4を設ければよい。こ
の非磁性層4は前述したように熱絶縁層としての機能も
果たす。
上記のような構造において、−例として基板1にガラス
基板(ポリカーボネイト等の樹脂基板でもよい)、下地
層2に表面をスパッタエツチング処理した膜厚100n
*の5t−N層、記録層3に膜厚25n1の(G d 
ioT b yo) ioc o yo膜、非磁性層4
に膜厚50nsのZ「−0膜、保護層6に膜厚1100
nの5L−N膜を用い、さらにバイアス層5を構成する
磁性層11a〜lln及び非磁性層12 a 〜12 
n−1(n−10)として膜厚25bnのT b 23
CO77膜、膜厚5n−の5i−N膜をそれぞれ用いた
光磁気記録媒体を試作した。なお、この光磁気記録媒体
の製造には、多元マグネトロンスパッタ装置を使用した
第2図は第1図の光磁気記録媒体の熱磁気特性を示した
ものである。第2図において、HCR(T)は記録層3
の保磁力、HB(T)はバイアス層5から記録層3に印
加されるバイアス磁界、Hexは外部印加磁界、TWは
第1の磁化反転温度領域(以下、記録温度領域という)
 、TEは第2の磁化反転温度領域(以下、消去温度領
域という)である。
第3図の点線はバイアス層5における磁性層11a〜1
1nを構成する膜厚25nmのT b 23CO77膜
の磁化・温度特性MSB(T) 、−点鎖線は比較のた
めに作成した膜厚250n−のT b 23Co tt
膜の磁化・温度特性M 5B(T) ’である。
同図に示すように、本発明によるMSB(T)の方がM
 5B(T) ’より急峻な特性を示している。
また、第2図には磁化温度特性がMSB(T)’のバイ
アス層を用いた場合のバイアス磁界HB(T) ’及び
消去温度領域TEを併せて示しである。同図から明らか
なように、本発明のようにバイアス層5を多層構造とし
た場合の方が、単層構造の場合よりも消去温度領域TE
が広がり、安定した消去動作及びオーバーライド動作が
期待できる。
実際に、5.25インチφの光磁気ディスクを作成し、
1,800rp−で回転させ、記録用レーザビームのパ
ワーレベルをPw−8mv、再生用レーザビームのパワ
ーレベルをPR−1,5厘Vに固定し、消去用レーザビ
ームのパワーレベルPEをパラメータとして、I Ml
lz →t、2Ml1zのオーバーライドテストを行な
ったところ、単層のバイアス層を用いた場合ハP E 
−4mW 〜4.7g+Vの範囲でしかオーバーライド
が可能であったのに対し、本発明のような多層のバイア
ス層を用いた場合には、PE−8,5mV〜5■Vのよ
り広い範囲でオーバーライドを実現できることが確認さ
れた。
このような熱磁気特性を有する記録層3とバイアス層5
を積層した光磁気記録媒体の記録及び消去過程を第4図
(a)〜(h)に示す。第4図゛では第1図中の記録層
3及びバイアス層5のみを抽出して描いてあり、Aはレ
ーザビーム照射領域、Bはレーザビーム非照射領域(冷
却領域)に相当する。
また、第4図ではバイアス層5を便宜上単層のように示
しているが、実際には前述したように磁性層をそれぞれ
の間に非磁性層を介して複数層積層した多層構造である
以下、第4図を用いて本実施例における記録・消去動作
を説明する。第4図(a)は媒体の初期磁化状態を表わ
しており、このような磁化状態は常温Taにおける記録
層3の保磁力HCR(Ta)とバイアス層5の保磁力H
CB(Ta)が異なる場合、例えばHCR(Ta) <
 HCB(Ta)の場合、HCB(Ta) < Hex
tなる高磁界Hexlを常温Ta下で第4図(a)で下
向きに印加し、次いでHCR(Ta) < Hax2 
< HCB(Ta)なる若磁用磁界Hcx2  (例え
ばHext −15ko e)を常温Taの下で第4図
(a)で上向きに印加することで達成される。
今、記録層3の側から第1のパワーレベルのレーザビー
ムを照射して媒体を加熱すると、その照射領域Aのバイ
アス層5の磁化が非照射領域Bとは異なる値に変化し、
実質的に照射領域Aに微小磁石を置いたのと等価の状態
となる。この微小磁石によって発生され記録層3に印加
されるバイアス磁界HB(T)はTa<Tなる全ての温
度領域において上向きである。
このバイアス磁界HB(T)の大きさは、非照射領域B
におけるバイアス層4の磁化M 5B(Ta)と照射領
域Aの中心における磁化MSB(T)とのベクトル差に
依存し、l MSB(T) −MSB(Ta) Iが大
きいほど大となる。即ち、温度Tによってバイアス磁界
HB(T)の大きさを制御できる。この場合、バイアス
磁界HB(T)の大きさは、第2図における記録温度領
域TWにおいて、HB(T)十Hex> HCR(T)
なる条件を満足するように設定される。Hexはバイア
ス磁界HB(T)と同一方向の一定の大きさの外部印加
磁界であり、af((T)が十分に大きければなくても
構わない。
第1のパワーレベルのレーザビームの照射によりレーザ
ビーム照射領域Aの温度がT coIlpR<TくTw
なる温度Tになると、第4図(b)に示されるように記
録層3及びバイアス層5の自発磁化は非照射領域Bとは
逆向きとなる。この温度においては記録層3の保磁力H
CR(T)はまだ十分に低下しておらず、HB(T) 
十Hex< HCR(T)であるから、磁化反転は起こ
らない。
媒体の温度Tがさらに上昇してTv<Tに達すると、第
4図(C)に示されるように記録層3のし一ザビーム照
射領域Aの磁化は反転し、領域Aと領域Bとの間に破線
で示す磁壁を形成する。この状態でレーザビームの照射
が中断されるか、または照射領域Aがレーザビームのス
ポット下部から移動することによって、冷却が開始され
る。
第4図(d)は冷却過程におけるT cospB  (
バイアス層5の補償点) < T < TcompRな
る温度領域での磁化状態、第4図(e)はTa≦T <
 T cowpBなる温度領域での磁化状態をそれぞれ
示したもので、記録層3は磁化反転を起こして記録ビッ
トを形成するが、バイアス層5の磁化は第4図(a)の
初期状態と一致している。以上が記録過程である。
次に、記録時よりは低パワーレベルである第2のパワー
レベルのレーザビームを媒体に照射すると、記録層3と
バイアス層5が共にTEなる温度領域にある時間帯にお
いて、HB(TE) + Hex>HCR(TE)を満
足する。このため、まず第4図(f)に示すように第2
のパワーレベルのレーザビーム照射領域のバイアス層5
の磁化が反転し、次いで第4図(g)に示すように記録
層3の磁化がバイアス層5からのバイアス磁界HB(T
E)の向きに揃い(記録領域の磁化は反転する)、記録
ビットが消去される。
なお、第1のパワーレベルのレーザビーム照射後の第4
図(d)に示す冷却過程においても、記録層3及びバイ
アス層5が消去温度領域TEを通過するが、非磁性層4
に前述のように適当な熱絶縁機能を付与しておくことに
より、同一時間帯に記録層3とバイアス層5が同時に消
去温度領域TEを通過するのを防ぐことが可能となる。
すなわち、バイアス層5が消去温度領域TEを通過する
際には、記録層2はHB(TE) + Hax< HC
R(TRE)なる温度TREに保持される。なお、HC
R(TRE)はTE<TRE≦T cospRである故
、HCR(TE)より大きい。
記録層2が消去温度領域TEを通過する際、バイアス層
5はHB(TBE) + HOX< HCR(TE)な
る温度TEEを通過するようにしておけば、冷却過程に
おける記録ビットの再磁化反転は防止される。なお、H
B(TBE)はH13(TE)よりも小さい。また、仮
に冷却過程において記録層2及びバイアス層5が同時に
消去温度領域TEを通過する時間帯があったとしても、
この時間帯が十分に短ければ再反転磁区の核が生成され
るだけで、記録ビットは完全には消去されず、再反転磁
区の核が不安定な場合は自然に消滅してビットは完全に
復元するし、核が安定に存在したとしてもそれが微小で
あれば再生信号に及ぼす影響はほとんどない。
一方、消去過程では記録時より長い時間にわたって記録
層2及びバイアス層5が共に消去温度領域TEの温度に
保持されるので、記録ビットの完全な消去が達成される
次に、再生に際しては第2のパワーレベルより更に低い
第3のパワーレベルのレーザビームを媒体に照射し、そ
の反射光の極力−回転角を検出して再生信号を取出す。
この場合、第3のパワーレベルは記録層2が補助磁性層
のキュリー点TC8より低い温度領域TRに加熱される
範囲内で大きくすることができる。
本発明は上述した実施例に限定されるものではなく、例
えば実施例では記録層3にGdTbC。
膜、バイアス層5における磁性層にTbCo膜をそれぞ
れ用いたが、オーバーライド条件を満たす特性の膜の組
合わせの中で種々の組合わせの媒体に対して本発明は有
効であり、記録層としてはGdTbFeCo、TbCo
、DyTbCo等の膜を使用できる。また、バイアス層
における磁性層としては、バイアス層を単層で構成する
場合の厚い膜よりも薄い膜の方がシャープなMDB(T
)特性を有する膜材料であればよく、GdTbCo。
TbFeCo、GdTbFeCo、DyFeC。
等の膜を幅広く使用することができる。その他、本発明
は要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することが
可能である。
[発明の効果] 本発明によれば、膜面に対して垂直な方向に磁化容易磁
区を有する記録層と、この記録層に対して温度に応じて
変化するバイアス磁界HB(T)を印加するバイアス層
を備え、且つ記録層の磁化がバイアス磁界HB(T)の
向きに揃う第1及び第2の磁化反転m 度領域TW、T
E  (TW >TE )が存在するように構成された
光磁気記録媒体を用い、記録層をTWの温度に加熱する
第1のパワーレベルのレーザビームと、記録層をTEの
温度に加熱する第2のパワーレベルのレーザビーム、さ
らに必要に応じて外部印加磁界Hexを併用して、情報
の記録・消去及び書換えを実現することが可能となる。
また、特にバイアス層を垂直磁化膜からなる磁性層と非
磁性層を介して複数層積層した多層構造とすることによ
り、消去パワーマージンも十分に確保することができる
さらに、外部印加磁界Hewを付与する場合でも、その
磁界の向き及び強度は記録時と消去時とで等しくてよく
、磁界強度そのものも数百エルステッドと小さくて済む
ので、装置が簡単となり、光学ヘッド内のサーボ用電磁
駆動系への悪影響を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例に係る光磁気記録媒体の構成
を模式的に示す断面図、第2図及び第3図は第1図の光
磁気記録媒体の熱磁気特性を示す図、第4図は本発明の
一実施例における情報記録方法を説明するための図であ
る。 1・・・基板、2・・・下地層、3・・・記録層、4・
・・非磁性層、5・・・バイアス層、6・・・保護層、
lla〜11n、12a〜12n−1・・・バイアス層
を構成する磁性層及び非磁性層。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)膜面に対して垂直な方向に磁化容易軸を有する記
    録層と、膜面に対して垂直な方向に磁化容易軸を有する
    磁性層を非磁性層を間に介して複数層積層してなり、記
    録層に対して温度に応じて変化するバイアス磁界HB(
    T)を印加するバイアス層とを備え、前記記録層の磁化
    がバイアス磁界HB(T)の向きに揃う第1及び第2の
    磁化反転温度領域TW、TE(TW>TE)が存在する
    ことを特徴とする光磁気記録媒体。
  2. (2)前記バイアス層を構成する複数層の磁性層の1層
    当りの厚さが50nm以下、該磁性層の合計の厚さが1
    00nm以上、バイアス層の全厚が500nm以下であ
    る請求項1記載の光磁気記録媒体。
  3. (3)請求項1または2記載の光磁気記録媒体に対して
    、前記記録層を前記第1の磁化反転温度領域TWの温度
    に加熱する第1のパワーレベルのレーザビームと、記録
    層を前記第2の磁化反転温度領域TEの温度に加熱する
    第2のパワーレベルのレーザビームとを用いて情報の記
    録・消去及び書換えを行なうことを特徴とする情報記録
    方法。
JP28063188A 1988-11-07 1988-11-07 光磁気記録媒体及びそれを用いた情報記録方法 Pending JPH02128341A (ja)

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