JPH02124899A - 新規な蛋白質とその製造法及びこれを有効成分とする免疫抑制剤 - Google Patents

新規な蛋白質とその製造法及びこれを有効成分とする免疫抑制剤

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JPH02124899A
JPH02124899A JP63274552A JP27455288A JPH02124899A JP H02124899 A JPH02124899 A JP H02124899A JP 63274552 A JP63274552 A JP 63274552A JP 27455288 A JP27455288 A JP 27455288A JP H02124899 A JPH02124899 A JP H02124899A
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mycelium
protein
solution
group
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JP63274552A
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English (en)
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Hajime Sumio
肇 角尾
Kousuke Kii
光助 紀
Akio Yamashita
明男 山下
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Meiji Dairies Corp
Original Assignee
Meiji Milk Products Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野コ 本発明は、免疫抑制能を有するマンネンタケ属(Gan
oderma)菌糸体由来の新規な蛋白質、その製造方
法及びこれを有効成分として含有する免疫抑制剤に関す
る。
[従来の技術] マンネンタケはヒダナシタケ目サルノコシカケ科(Pa
l  orales)に属する担子菌で、霊芝ともいわ
れ、古くから生薬として珍重されており、現在でも漢方
薬成分の一つとして又健康食品として広く利用されてい
る。これら用途の殆どが子実体を利用したものであるが
、その薬効は多岐にわたる(文献:漢方医学Vo1.l
O,No、6.211i−32(198G)、化学と生
物Vo1.23. No、12.797(1985))
と言われている。しかしその薬効に関して、殆どその基
礎的な研究が欠如しており、確認されていないのが現状
である。しかし近年徐々にではあるが、マンネンタケ中
の成分の同定やその薬理作用の研究も報告されてきては
いる。免疫活性、抗腫瘍活性を示す多糖類(第35回日
本癌学会総会記事、129(197B)、H,Ito 
et al、 Mie Med、 J、、 28.14
7(1977)、水野卓 他、日本農芸化学会誌、58
.871(1984))や血圧降下(特願昭53−45
558、特願昭56−5780f)血糖降下(特願昭G
O−181026) 、抗脂血症の改善(有地滋 他、
基礎と臨床、13.4245(1979))等を示す多
糖類が代表的な例である。この他の薬効では、抗アレル
ギー効果が子実体の熱水抽出エキスに有ると言う報告(
野上真理 他、日本薬学会第104年会講演要旨集、1
2G(1984))もあるが、これもその抽出方法から
みると多糖の一つと考えられる。このようにマンネンタ
ケの成分の同定拳確認は徐々におこなわれてきているが
、これらは子実体よりの報告であり、菌糸体よりの報告
はみられない。又、子実体、菌糸体を含めてもいまだか
って免疫抑制能をもつ蛋白質の報告はない。
一方アレルギーとは、過剰な免疫応答をおこす疾病を総
称し、その発現機序、産生ずる免疫グロプリンの種類、
症状の違いによって1〜V型に分類されている(山村雄
−・岸本忠三編、■講座、免疫科学1「免疫学入門j 
p、189〜)。例えばアナフィラキシ−反応で代表さ
れるIgHの過剰抗体現象であるI型アレルギー 自己
免疫疾患で代表される自己組織に対するIgG及びIg
Mの異常抗体産生現象である■型アレルギー 膠原病等
で代表される免疫複合体による■型アレルギー 臓器移
植時の拒絶反応に代表される細胞性免疫による■型アレ
ルギー及びバセドウ病に代表される■型アレルギーの様
にいずれも本来抑制されるべき免疫活性が抑制されない
為に生じるものである。
アレルギーの治療薬には、I型アレルギーに汎用されて
いるアレルギー反応最終課程で生成する化学物質により
惹起される化学反応を抑制する対症療法剤(例えば抗ヒ
スタミン剤)と免疫抑制剤がある。しかし対症療法では
、根本的な治療は難しく効果も少ない。
従って重篤なアレルギーには、専らアルキル化剤である
サイクロフォスフアミド、プリン拮抗剤であるアザチオ
プリン、葉酸拮抗剤であるメトトレキセレート、抗生物
質であるサイクロスポリンAN  H’l Ti 皮質
ホルモン(コルチゾン様物質)(Salaman Jr
、、 Pharmacological Immuno
suppreslveAgents、 p、3. Li
ppincott(1981))の様な免疫抑制剤が利
用されている。
しかしこうした免疫抑制剤も作用の特異性に乏しく広範
で重篤な副作用(例えば免疫不能状態)を生じる等の問
題点を残している。
[発明が解決しようとする問題点] 従って免疫抑制能をもつ物質の検索は、アレルギーにお
ける重要な研究課題であり、新しい免疫抑制物質の提示
が望まれている。
本発明者らは、マンネンタケの菌糸体について生理活性
の研究の過程で菌糸体粉砕水性溶媒抽出液が微弱ながら
リンパ球の幼若化反応(マイトジェン活性)を示すこと
を見い出した。そして更にその有効成分の特定、薬理効
果を中心に研究を重ねたところ、マンネンタケ菌糸体内
で産生された蛋白質がリンパ球の幼若化反応を示すこと
が明らかになった。そこで本発明者らは、上記発明を端
緒としてこの新規な蛋白質の効果と免疫抑制剤としての
可能性とを明らかにし、更には経済的な生産方法を確立
するという課題を設定するに至った。
更にこの新規な蛋白質を発現するDNAをクローニング
し、そのDNA配列を明らかにする課題を設定した。
[問題を解決するための手段] 本発明者は上記検討課題に関して研究を重ねた結果、本
物質が免疫抑制能を有していることを見い出すと共に、
大量生産に有効な培養方法及び分離精製方法を確立し、
更に本発明の新規な蛋白質が医薬品として有効な免疫抑
制作用を有しており、アレルギー治療に有効であること
を見い出し本発明を完成した。
従って本発明の目的は、免疫抑制能を有している新規な
蛋白質を提供することにある。また本発明の他の目的は
、当該蛋白質を製造するための方法を提供することにあ
る。更に本発明の他の目的は、当該蛋白質を有効成分と
して含有する免疫抑制剤を提供することにある。
更に本発明の他の目的はこの新規な蛋白質を発現するD
NA配列を明らかにすることにある。
本発明による新規な蛋白質(以下本物質又は精製した本
物質という)は以下に示す性質を有する。
■ 分子量 SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動法で17゜50
0付近の分子量で、 トリシンSOSアクリルアミドゲ
ル電気泳動で12,800〜14,400の分子量を示
す。
すなわち、精製した本物質を 15%アクリルアミドを
含むSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動によって分
離し、分子量を測定すると、第1図(2)に示す通り 
17.500付近にバンドを示す。
還元した本物質を同様にSDSポリアクリルアミドゲル
電気泳動にかけると 17,100付近にバンドを示す
(第1図(3))。
又、還元した本物質を最近開発されたトリシン(Trl
cln ; N−trls(hydroxymethy
l)methyl−glcine)−SOSポリアクリ
ルアミドゲル電気泳動(H。
SchAgger and G、 Jagow、  A
nal、  Biochem、υ」。
3138−379(1987))にかけると 12.8
00−14,400付近にバンドを示す(第2図)。
■ 等電点 精製した本物質を等電点電気泳動にかけると本物質の等
電点は第3図に示す通りpH4,4の付近にバンドを示
す。
■ 物質の形状 凍結乾燥品は白色である。
■ 溶解性 水に可溶でエタノールに不溶。
■ 蛋白質の一次構造のアミノ酸配列 本物質の蛋白質の一次構造の全アミノ酸配列を分析した
結果を以下に示す。
Ser Asp Thr  Ala Leu  [le
 Phe Arg Leu AlaTrp Asp V
at  Lys Lys Leu Ser Phe A
sp TyrThr Pro Asn Trp Gly
  Arg Gly Asn Pro Asnsn Phe lie Asp Thr Mal Thr Phe Pr。
Lys Mal  Leu  Thr  Asp  Lys  
AlaVat  Ala  Val  Ser  Gl
y  ArgLys Pro Ser Tyr  Al
a  ValSer  Gin  Lys  Val 
 Asn  PheSer  Gly  Tyr  G
ly  lie  Alalle  Gin  Mal
  Phe  Mal  ValAsn  Asn  
Asp  Phe  lie  1leTyr  Th
r  Tyr Asn  Leu  Gly Glu  Ser  ASI) Leu  Glu  Tyr Asp  Thr  Asn Asp  Pro  Asp Ala  Gin  Trp Arg Val Gly Asn Thr Thr Asn ■ 作用 本物質は免疫抑制能を有す ■ 赤血球凝集能の有無 本物質はヒト赤血球(A1B1 を凝集しない。
る。
AB型) 上述の新規な蛋白質は、ヒダナシタケ目サルノコシカケ
科マンネンタケ属に属する担子菌の天然または人工培養
菌糸体を培養し、得られた菌糸体を水性溶媒で抽出し、
精製することにより製造される。
本発明に使用されるマンネンタケは、原色日本菌類図鑑
(保育社版)並びに伊藤誠也著日本菌類誌(養賢堂版)
に準じ同定された菌糸体であればいずれのものでもよい
が、菌株によって産生量にバラツキがあったり、又採取
した菌株の地域差が存在する可能性がある為、本物質を
効率的に得る為には、例えば微工研に寄託されている微
工研条寄第1826号(FERN BP−182G)の
使用が適当である。
本物質はマンネンタケ菌糸体内に産生される為、抽出原
料として菌糸体そのものが必要である。これらの菌糸体
は、上述したように天然又は人工培養によるいずれでも
使用できるが、産業上の有用性から判断すると人工培養
が適当である。人工培養は、静置培養、振盪培養又は浮
遊攪拌培養のいずれの方法を用いても良い。
本物質生産の為、マンネンタケ菌糸体は、まず斜面培養
を行い、次に適当な菌体量を接種し液体培養による前培
養を行う。増殖が定常期に達した時点で前培養終了とし
、プラスチ、ンクプレート等を用いた静置培養、フラス
コ等を用いた振盪培養若しくはジャーファメンター等を
用いた浮遊攪拌培養を行う。
これらの培養条件は、以下の通り規定することが出来る
。培地は、通常真菌類の培養に用いられる培地が使用で
きる。その中でポテト−デキストロース培地が適当で、
培地濃度は、2〜3%(W/V)が好ましい。ポテト−
デキストロース培地は、市販のものでも又ポテト抽出液
にグルコース等の単糖を加えた自調整培地でも使用でき
る。培養温度は25〜30°C1溶存酸素量は酸素移動
係数(Kd)で0.35〜0.45 mM O2/気圧
・分の範囲が適当である。
又培地のpHは、5.5〜5.8の間が良い。菌糸体の
接種量は、通常約5〜10 mg乾燥菌体/100−で
十分であり、培養期間は3〜20日程度が好ましい。
上述の培養条件は、静置培養、振盪培養若しくは浮遊撹
拌培養において通常使用される条件である。
静置培養は、上述の培養条件で行えば特に問題なく培養
を行える。振盪培養の場合は、酸素移動係数が上述の範
囲になる様に振幅数を設定する必要がある。
浮遊攪拌培養では、上述の条件を使用する機器の物理的
制御方法に適合させることによって達成される。特に通
常攪拌速度は、培養器によって異なるが、例えば14 
R容器ジャーファーメンタ−(NBS社)の場合、to
 11の培地を入れ、20Or、p。
m9、通気量2〜39空気/分程度が適当である。以上
の培養方法を用いることにより高収率で菌糸体を得るこ
とが出来る。
このようにして得た菌糸体からの本物質の抽出は、菌糸
体を集菌後、水性溶媒で抽出することにより行われる。
菌糸体からの抽出は、菌糸体を粉砕しなくても少量であ
れば抽出可能である。しかし収率面を考慮すると菌糸体
を粉砕した状態で抽出することが好ましい。これらの原
料は、凍結乾燥等の乾燥処理を行って保存しておいて適
宜用いても良い。
使用する抽出溶媒である水性溶媒としては、水、酸、塩
基等を少量含有する水溶液、若しくは緩衝液が適当であ
る。酸としては塩酸、硫酸、酢酸、塩基としてはアンモ
ニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カル
シウム等が使用できるが、通常は塩酸水溶液、塩酸緩衝
液を使用する。
溶媒のpHは、微酸性、中性、微塩基性溶液の6〜8が
好ましい。抽出時の抽出温度は、本発明の場合重要で8
0°Cを越えない温度で行うことが適切である。菌糸体
を100℃の水性溶媒で抽出することも可能であるが、
抽出された本物質の変性等を生じ生理活性を減する為収
率面から見ると有効でない。
抽出液は、遠心分離、ゲル口過の後、イオン交換クロマ
トグラフィー アフィニティークロマトグラフィー等を
単独で若しくはこれらを組み合わせることにより精製で
きる。
精製の手順の例を示せば次の通りである。まず抽出液を
遠心分離にかけて不溶物を除去した後、平衡化したセフ
ァデックスG−75を用いたゲル口過による分画を行い
、活性画分を平衡化したDEAEセファデックスA−2
5に吸着させ、これをゲル平衡化用緩衝液を含む0.1
M程度の塩化ナトリウム溶液(pH8)にて溶出させる
。次いで活性画分を集め、透析し、透析後の溶液を凍結
乾燥し精製品とする。
この他に本物質のモノクローナル抗体を用いたアフィニ
ティークロマトグラフィーを利用することによっても高
収率で本物質を得ることができる。
以上の精製は、4〜lO°Cの低温で行うのが好ましい
上記の様にして得られた本発明の新規な蛋白質について
の分子量、免疫抑制効果、毒性並びに免疫抑制能のパラ
メーターとしてのリンパ球幼若化活性は以下の通りであ
る。
(A)  分子量及び純度検定 本物質をSOSポリアクリルアミドゲル電気泳動後、ク
ーマシー染色し分子量を測定すると、第1図(2)に示
す通り 17,500付近を示す。そして還元した本物
質を同様にSDSポリアクリルアミド電気泳動にかける
と分子量は17,100付近を示す(第1図(3))。
又、 トリシン(Trlclne) −5DSによる1
6.5%ポリアクリルアミドゲル電気泳動によると、還
元した本物質の分子量は 12,800〜14.400
付近を示す(第2図)。
ネイティブポリアクリルアミドゲル電気泳動で分離し、
クーフシ−染色後、ゲルの可視部吸収(GGOnm)を
ゲルスキャナー(Beck−man、 DV−85LA
B GEL 5CANNING SYSTEM)によっ
て検定を行うと本物質は1ピークである。この結果は、
第4図に示す。
SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動の手法は、ラエ
ムリらの方法(Nature、 227. [f808
(1970))に準じ、トリシン−5O5によるポリア
クリルアミドゲル電気泳動の手法はシャガーら(Sch
A gger etat、 Anal、 Bioche
m、、 113[i、 368(1987))の方法に
準じた。
(B)  免疫抑制 本物質は、細胞性拒絶反応やマウスを用いた各種アレル
ギー疾患モデルに対して顕著な抑制作用を有する。
(C)  リンパ球幼若化活性 本物質はリンパ球の幼弱化活性を持つ。
本物質がリンパ球の中のどの細胞画分に作用しているの
かを調べたところ、少なくとも本物質はマクロファージ
を介して、抗CD 8モノクロ一ナル抗体と反応するリ
ンパ球分画を顕著に活性化する作用を持つことが判明し
た。
この作用は、具体的には、次のインビトロ実験系によっ
て証明された。
まず、T細胞画分とB細胞及びマクロファージを含む両
分を次のようにして分画した。即ち、ヘパリンを加えた
30 dのヒト末梢血液に同量のリン酸緩衝液を加え、
フィコールパック(Pharmacla社)に重層し遠
心分離(350X g、  15分)後、リンパ球層を
集めた。このリンパ球分画に約15−のRPM1184
0を加えて遠心分離(400X g、  15分)し、
ヘパリンを除去したものを末梢血リンパ球画分とし、こ
の画分を5%FC5/ RPM I I G 40に加
え、l×10T個/ffl11に調整した。次いでノイ
ラミニダーゼ処理したヒツジ赤血球(I X 10”個
/艷濃度の赤血球浮遊2& 1 mffに対してノイラ
ミニダーゼ50ユニツトを加え、37°Cで30分反応
させた後、リン酸緩衝液で3回洗浄したもの)を2 X
 109個/d 7H1度に調整し、同量の末梢血リン
パ球画分を加え、よく混和後、培養チューブにl+nl
lづつ分注し、次いで遠心(200X g15分)した
後、水中に浸し2時間静置した。静置後、管底に沈んで
いる細胞を静かに再浮遊させ、これをフィコールパック
(Pharmacia社)を用いた遠心分* (400
X g、  30分)により、ロゼツトを形成するT細
胞画分と、形成しないB細胞及びマクロファージを含む
両分とに分けた。
こうして得たT細胞画分から次のようにしてCD4抗原
をもつリンパ球分画とCD8抗原をもつリンパ球分画に
分けた。
T細胞分画に4−へモリシス緩衝液(0,1G MNH
JCRlo、17 M Trls−HCQ )を加え、
2分間浮遊反応させ、T細胞に結合しているヒツジ赤血
球を溶血させた後、リン酸緩衝液で3回洗浄した。これ
を抗CD8モノクローナル抗体と抗CD 4モノクロ一
ナル抗体(例えば、Becton−Dlcklnson
 & Co1製の抗Leu3a抗体と抗Leu2a抗体
)を用いたウィソキとサトーのパンニング(pannt
ng)法(Wysocki、 L、 J、 and V
、 L、 5ato、 Proc、 Natl、 Ac
ad、 Sc1、 USA、 75.2844(197
8))に準じてCD 4抗原をもつリンパ球画分(以下
T h/1画分と称す)、CD8抗原をもつリンパ球画
分(以下T 5 /。両分と称す)とした。つまりT細
胞画分を2群に分け、一方を抗CD 4モノクロ一ナル
抗体、残る一方を抗CD8モノクローナル抗体(それぞ
れ5μg/+++51)で25℃、20分間インキュベ
ートし、1%FCSを含むリン酸緩衝液で3回洗浄した
。これらの細胞を抗マウスイムノグロブリン−ヤギ血清
でコートした直径G cmのプラスチックシャーレで4
°C12時間インキユベートシ、非附着細胞を洗った後
、耐着細胞をラバーポリスマンで集めて各々をThzt
画分、T3−7゜両分とした。
尚、上述の耐着細胞画分は、リン酸緩衝液単独では3H
−チミジンの取り込みを起こさない。又これらの画分は
、抗体との結合物であるが、予備試験の結果、各リンパ
球画分がもつ3H−チミジンの取り込み量には、影響を
及ぼさないことが確認されている。
一方、B細胞画分(以下B画分と称す)とマクロファー
ジ(以下Mφと称す)画分とは、以下の通りにして分け
た。即ち、ロゼツト法によって分けられたB細胞及びM
φを含む両分をプラスチックデイツシュに入れ、37°
C,3時間インキュベートすることにより、Mφをデイ
ツシュに附着させ、B画分を得た。附着したMφはラバ
ーポリスマン等で静かに集め、Mφ画分とした。
以上により得られた4つの両分(Th7+画分、T11
/C画分、B画分、Mφ)から、T hz+画分のみの
もの、TS7C画分のみのもの、T、7μ画分とMφを
含むもの、TS/C画分とMφを含むもの、B画分のみ
のもの、B画分とM6を含むもの及び、Mφだけのもの
、都合7サンプルを作成し、それぞれに本物質を添加し
、反応後の3H−チミジンの取り込み量を測定した。
測定条件と測定方法は以下の通りである。
実験には96 ウェルプレート(Nunc社)を用いた
各々の両分の細胞数は、Th/1両分の細胞、TS/C
画分の細胞及びB画分の細胞が各々2.5 X 10’
個/ウェル、Mφ画分の細胞が2.5 X 103個/
ウェルとした。本物質は最終濃度が20μg/dとなる
ように添加した。又各サンプルに本物質の替わりにリン
酸緩衝液を加え、その際の3H−チミジンの取り込み量
をコントロールとした。
本物質溶液を加えてから72時間、37°C,5%CO
2,95%空気の条件でインキュベートした。
反応終了後、3H−チミジン(NEW Re5earc
h Products社)をRP旧1640で25μ0
1/ntQに調整し、固液を0.5μCI(20μQ)
/ウェルづつ加え、37°C15%CO2,95%空気
の条件で16時間インキュベートした。その後セルハー
ベスタ−(アベ科学)でグラスフィルター上に細胞を集
め、乾燥後、フィルターを切取って、オムニバイアル(
Wheaton社、No 、225402)内に入れ、
2 mlのトルエン系シンチレータ−(PPO4,Og
、  DM−POPOP 0.1 g/Q Tolue
ne)を加え、液体シンチレーシ日ンカウンター(BE
TA matlcII Kontron社)で放射活性
の測定を行った。
結果を第5図に示すが、TS/C画分とMφ画分を含む
ものに本物質を加えた場合に顕著な3H−チミジンの取
り込みを示した。
(D)  毒性試験 リンパ球の幼若化作用を示すものとしては、細胞表面の
ある種の糖鎖残基に特異性をもつレクチン類が知られて
いる。これらレクチンは、サブユニット構造を持つ蛋白
質で、リンパ球表面の糖鎖残基に結合し、リンパ球を幼
若化させるが、赤血球凝集能及び細胞毒性を有し、これ
が実用面での阻害要因となっている。
本物質はリンパ球幼若化反応を示すが、医薬品として障
害となるであろうヒト赤血球凝集を起こさない。
精製した本物質は、蛋白質濃度0.1θ〜50μg/艷
の範囲でヒト赤血球A、  B、  01AB型各々の
凝集を示さない(表1)。
表 一方本物質をマウスに静脈投与しても毒性は示さない。
精製した本物質をICRマウス(日本チャールズリバー
社、オス、6週齢、30.5g±2 g)に10 mg
/Kg体重で静脈投与しても毒性を示さないことからL
D611は10 mg/Kg以上であり、動物実験時の
投与量から判断して毒性は極めて弱い。
以上の結果、本物質は免疫抑制剤として極めて有用な物
質であると考えられる。
本発明の新規な蛋白質は、静脈内投与、皮下注射、皮肉
注射、筋肉注射、経口投与及び直腸内投与が可能である
。その中でも静脈内投与が好ましく、具体的には静脈内
注射或は点滴投与が好ましい。成人の治療に用いる場合
、投与対象者の体格や状態等によって投与量は適宜選択
されるが、数的な投与量は、成人1回当り lμg〜2
0 mg程度が適当である。
静脈内投与用の組成物の形態は、安定剤、緩衝剤、保存
剤などの添加物を含んでもよく、単位投与量を含むアン
プル又は多投与量を含む容器に充填して提供される。又
このような組成物は水溶液、pQ液、溶液、油性又は水
性形態の様な乳液及びリポゾーム形態であってもよい。
一方活性成分は、使用前粉末形態であっても差し支えな
く、例えば発熱物質を含有していない滅菌水で再溶解さ
せて使用できる。
[発明の効果コ 本物質は、全く新規な蛋白質であり、免疫抑制能を有す
る。従って本物質は、免疫抑制が治療に必要なアレルギ
ー全般、即ちI〜■型アレルギーの各疾病、例えば■型
アレルギーとしてはアトピー性疾患(気管支喘息、花粉
症等)、■型アレルギーとしては橋本病、自己免疫性溶
血性貧血、アジラン病、インスリン依存性糖尿病等の自
己免疫疾患等、■型アレルギーとしては血清病、膠原病
等、■型アレルギーとしては臓器移植時拒絶反応の細胞
性免疫疾患、■型アレルギーとしてはバセドウ病等のい
ずれのアレルギーにも有効な効果を持ち、有用な免疫抑
制剤として提供されうるちのである。
以下余白 [実施例コ 以下に実施例を示して具体的に本発明を説明する。
実施例1 培養・抽出拳精製・同定: 代表例として三角フラスコを用いた振盪培養の例を示す
ポテト−デキストロース−寒天培地(0,24g、  
ポテト−デキストロ−スーブロース培地(DIFCO社
)、0.1 g寒天、水10−)を121 ′C,20
分間滅菌処理し、pH5,7に調整し、マンネンタケ菌
糸体(Ganoderma lucidlum No、
IB、微工研条寄第1826号)を接種し、試験管にて
スラント培養を行った。28°Cで7日間培養した後、
得られたマンネンタケ菌糸体を500−三角フラスコの
2.4%(W/V)のポテト−デキストロ−スーブロー
ス培地(DIFCO社)200 dlpH5,7に1白
金耳接種し、レシプロシェーカー(B、B、M、社)で
110サイクル530mmストローク/分でl1ffi
培養を28°Cで14日間行い、前培養とした。培養終
了後、菌糸体を含む培養液2−を10本の500−三角
フラスコの2.4%(W/■)のポテト−デキストロ−
スーブロース培地、200 m、pH5,7に各々接種
し、レシプロシェーカーで110サイクル・30 mm
ストローク7分で再度振盪培養を28°C114日間行
った。
培養終了後、菌糸体を含む全培養液を遠心分離(13,
000X g110分、Kontron社H401)に
かけて菌糸体を集菌した。湿菌糸体重量は、全量で33
9.7 gであった。
集菌した湿菌糸体約200gを室温のlomM  Tr
Is−■CQ緩衝液(Sigma社) pH8,013
00艷に対して懸濁させ、ポリトロン(KInemat
ica社011−GOIOKRIENS−LV) ニテ
菌糸体を粉砕し、遠心分離(35゜000 X g12
0 m1n)にかけ上清的240 +ngを抽出液とし
た。
この抽出液を10 mM Tris−1(C1l  緩
衝液pH8,0°C−平衡化した4本のセファデックス
G−75カラム(PharmaC1a社に50/ 10
0)によるゲル口過にかけ、活性画分約29を回収した
。次にこの活性画分を10 mM Tris−HCff
緩衝液pH8,0で平衡化したDEAEセファデックス
A−25(Pharmacla社に2G/40)にかけ
て吸着させ、0.1 M  NaCl1 (和光純薬)
を含む10 mM Tris−HH緩衝液pH8,0に
て溶出させ、活性画分約400 m9をプールした。
プールした活性画分を分子i 3,500カツトオフ透
析膜(SPECTRA POR,membrane t
ublng)に入れ、2 mM (NHJ )2CO3
溶液にて48時間透析を行った。
尚、抽出から透析までは、全て4℃の低温で行った。
透析終了後、透析内液を凍結乾燥機(Labconc。
社、スペースセーバデラ、ツクスフ5035)にて凍結
乾燥し、5.1 mgの新規な蛋白質を得た。
以上のようにして、精製された本物質が得られた。各段
階の収率を表2に示す。各段階の活性測定は以下に示す
測定法に従った。又、蛋白質量はローリ−法(J、 B
lol、  Chem、、 193.285−275(
1951))によって測定した。尚、標準蛋白質として
ウシ血清アルブミン(Sigma社)を用いた。
(活性測定法) DBA/2マウス(4週齢〜7週齢)の牌臓を外科的に
採取し、RPMIIG40培地10 dでこれをほぐし
、同細胞懸濁液を遠心分離(150X g、  10分
)にかけ、上清を除去する。次いで細胞ペレットを2.
5 +T19のへモリシス緩衝液(0,1lli M 
NHJCllQ、17M Tris−)ICIを含む)
 [7,65に懸濁し、5分放置し赤血球を溶血させた
後、同液を遠心(150X g1to分)にかけ上清を
除去する。こうして得た細胞ペレットに更に10 +n
9 RPM11640を加え、再度遠心分離(+50 
X g1to分)にかけて上清を除去し、肺臓細胞ペレ
ットを得る。
この肺臓細胞ペレットをRPMIIe40 (10%F
C5含を)で、5×106個/艷に調整し測定用の肺臓
細胞とする。この肺臓細胞を、96ウエルプレー) (
Nunc社製)に0.1 d (5X 106個)づつ
添加し、そこにo、i dの本物質溶液を加え、37℃
、5%CO2,95%空気の条件で64時間インキュベ
ートする。
インキュベート終了後、3H−チミジン(NENRes
earch Products社)をRPM11640
で25 uc1/艷に調整し、同液を0.5μ01 (
20μIf)/ウェルづつ加え、37°C,5%CO2
,95%空気の条件で6時間インキュベートする。その
後、セルハーベスタ−(アベ科学)でグラスフィルター
上に細胞を集め、乾燥後、フィルターを切取り、オムニ
バイアル(Wheaton社製No、225402)内
に入れ、2mNのトルエン系シンチレータ−(PPO4
、OglDM−POPOP O,1g/ Q  )ルエ
ン)を加え、液体シンチレーションカウンターBETA
 matlcII(Kontron社製)で放射活性の
測定を行う。
活性測定は3H−チミジンの取り込みが最大値となる本
物質蛋白質濃度で行った。活性の単位は、cpm単位/
μg蛋白質−105個(cells)で表示し、106
個(cells)及びμg蛋白質当たりの3H−チミジ
ン取り込み値を比活性値とした。総活性量は、比活性値
に蛋白質量を乗じた値を使用し、単位はcpm単位/I
06個(cells)で表した。
尚、−本物質溶液を加えずに、代わりにリン酸緩衝液を
加え、上述方法に準じて肺臓細胞を反応させ、3H−チ
ミジンの取り込みを測定した値をコントロールとした。
表 表2における総蛋白質量の単位はfflgz  比活性
の単位は10’ cpm/μg蛋白質・106個、総活
性量の単位は10@cpm/ 10’個である。
以上のようにして得た本物質の性状を以下の手法を用い
て測定した。
(分子量) 分子量は、ラエムリらの方法(Nature、 227
.G308(1970))に準じ、15%アクリルアミ
ドを含むSDSポリアクリルアミド電気泳動によって分
離し、得られたゲルをクーマシー染色して測定する方法
と、シャガーら(H,Scb+tgger and G
、 Jagow、 Anal、 Blochem、、里
、 388(1987))の方法に準じたトリシン−5
OSポリアクリルアミドゲル電気泳動による方法によっ
て測定した。
ラムエリらの方法は以下の通りに行なった。アット社製
スラブディスク電気泳動装置(SJ−10GO5DH型
)を使用し、厚さ l mmのポリアクリルアミドゲル
(ランニングゲル及びスタッキングゲル)を以下の組成
に従って、具体的にはランニングゲルを挿入後、スタッ
キングゲルを重層して作製した。尚、BISはメチレン
ビスアクリルアミドを、TEMEDはテトラメチルエチ
レンジアミンを意味する。
ランニングゲル且 15  d  アクリルアミド (30gアクリルアミド、0.8 g BIS/ 10
0艷) 1.0  m9  H2O 7,5+nll  1.5 M Trls−HCRlp
H8,815μ41  TEMED 0.3  m9 50S(50%W/V)0.15−1
0%(NHJ )2S208スクッキングゲル■ l  艷 アクリルアミド (30gアクリルアミド、1.2 g H1s/10θ
−) 7.5  +n12  H2O 1,25+d  O,5M Tris−HClllpH
8,85μQ  TEMED 0.1  +d  5DS(50%W/V)0.1  
mu  10%(NH4)2S2011本物質のサンプ
ルは、非還元サンプルの場合、30B?本物質(0,4
2mg・蛋白/艷)を以下のサンプル用緩衝液20μ9
と混和し、そのうち20μΩを使用した。
サンプル ・ ゛ 250μ20.5 M Trls−HCll(pH6,
8)130μQ  H2O 400μ250%グリセロール 20μ90.1% ブロムフェノールブルー400μQ
  10%SDS 還元サンプルは、上述サンプル用緩衝液のうちH2O、
I00μ2分を2−メルカプトエタノールに置き換えた
緩衝液20μ9に本物質30μΩを混和し、次いで90
°C15分間加熱した後、20μ9をサンプルとして使
用した。
一方泳動装置の上清と下情には、次の緩衝液を添加した
。上槽用緩衝液は、5.17 g Tris−HCQ1
3.47 gグリシン、1.Og SDSを含むIll
水溶液、400m1lを、下情用緩衝液は、14.5 
g Trls−HCIIを含むlQ水溶液pH8,6,
3θOm9を使用した。
泳動は、パワーサプライ(アテック社 Model−3
110)を用いて、スラブキングゲルでの濃縮を20 
mAで、ランニングゲルでの分離を30 mAで行った
泳動後、ゲルは、クーマシー染色液に30分浸し、その
後脱色液で過剰染色液を除去した。第1図に結果を示す
。第1図の(りは分子量マーカーを、(2)は本物質を
、(3)は、還元した本物質をそれぞれ示す。0本物質
の分子量は 17,500、還元した本物質の分子量は
 17,100を示した。
又、トリシン−3DSポリアクリルアミドゲル電気泳動
は、シャガーらの方法(■、 5chA gger e
t al、、 Anal、 Blochem、、 IG
IE、 388−379(19B?))に従い以下の通
り行った。
アット社製スラブディスク電気泳動装置(SJ−10G
O−6DH型)を使用し、分離ゲルとスペーサーゲルを
重層した。アクリルアミド 48%、メチレンビスアク
リルアミド 1.5%を含む溶液(以下A溶液とする)
10dにB溶液(3,0M Tris −HCL  O
3%SDS、  pn 8.45)  10艷 を加え
4gのグリセロールを加えた後、更に蒸留水を加えて全
量を30−とした溶液を分離ゲルとした。一方スペーサ
ーゲルは、A溶液6.1−にB溶液1G IItllを
加え更に蒸留水を加え全量を30 m9とした。ついで
分離ゲル溶液、スペーサーゲル溶液のそれぞれに100
μΩノ1θ%過硫酸アンモニウムと !0μ9のTEM
EDを加え、スラブゲル装置にまず分離ゲル溶液を流し
込み、続いてスペーサーゲル溶液を分離ゲル溶液上に重
層した。これら2層の液が重合した後、A溶液t mi
、B溶液3.1艷に蒸留水を加え全量12.5 nil
とした濃縮タル溶液に 100μΩの10%過硫酸アン
モニウムと lθμ9のTEMEDを加え、前者2層の
ゲル上に更に重層した。
サンプルは、0.5〜2μgを4%5D5112%グリ
セロール、50 mM Trls−HCQ、  2%メ
ルカプトエタノールに 0.Ol %5erva bl
ue Gを加え、pHEi、8に調製した後、40°C
130分間インキュベートし、電気泳動に供した。
電気泳動装置の上槽と下槽には、次の緩衝液を添加した
。Anode buffer (陽極用緩衝液)として
は、 0.2  M Tris−HCQs  pH8,
9を、 Cathode buffer(陰極用緩衝液
)としては、0.I M Trls−HCQ。
0.1 M  )リシン、0.1 % 5DS1pH8
,25を用いた。
泳動条件は、ゲルサイズ10 X  14 X O,0
7cmの場合、90v定電圧で16時間泳動する。又泳
動後の固定、染色は、前述したラエムリらの方法(SO
Sポリアクリルアミド法)と同様で行った。
結果を第2図に示す。第2図に示すように本物質の還元
本物質は、12,800〜14,400付近に分子量を
示した。
(等電点) 本物質をリン酸緩衝液に溶解して31.1μg/mQに
濃度調整し、これをIμΩのサンプルアプリケーターに
入れた。泳動条件は、先ず 75 Vhまでプレフォー
カシングし、次いで15 Vhの間、前述のサンプルア
プリケーターによりサンプルをかけた。サンプルアプリ
ケーターを取り除いた後、4IOvhまで泳動を行い、
終了後、20% トリクロロ酢酸で20 ’C,5分間
固定し、洗浄液(メタノール:酢酸:水= 3 : l
 : 1li)で2分間洗浄し、0.02% クーマシ
ー染色溶液(メタノール、10%酢酸、0.1%Cu5
O4) テ50″C110分間染色を行い、最後に洗浄
液で脱色した。
この電気泳動及び染色は、プログラム化した自動電気泳
動装置(Pharmacla社Phast syste
m)で行った。
その結果等電点は、I)H4,4であった。測定の際等
電点マーカーとしては、等電点レンジ3.95〜5G5
 (、LKB社)を使用した。結果は第3図に示す。
(形状) 凍結乾燥後の本物質は、白色粉末であった。
(溶解性) 水に可溶でエタノールに不溶。
(アミノ酸配列) 本物質の蛋白質の一次構造の全アミノ酸配列を以下のよ
うにして決定した。
本物質を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)の逆
相カラム(15μ、018.300 A、  Wate
rs社製、3.9 X 30 cm)にかけ、46%(
又は47%)アセ) 二)す/L/ −0,1%トリフ
ルオロ酢酸(TFA) ノフイソクラティック(Iso
cratlc)法溶出し、280 nmと250 nm
の吸光度比が2.0以上を示すポリペプチド画分を得た
この両分にトリプシン(TPCK−trypsln; 
Worthlngton社製)、リジルエンドペプチダ
ーゼ(llsylendopeptldase;和光紬
薬社製)、サブマキシラリスプロテアーゼ(subma
xlllarls protease; PIerce
社製)をそれぞれ作用させた後、逆相HPLCにかけト
リプシン フラグメント(trypsin fragm
ent) 、リジル エンドペプチダーゼ フラグメン
) (llsyl endopeptldase fr
agment)或いはサブマキシラリスプロテアーゼ(
submaxlllarls protease fr
agment)を得た。
これらの三つの酵素によるフラグメントについてそれぞ
れアミノ酸組成分析及びアミノ酸配列分析を行った。
アミノ酸組成分析は前記フラグメントにG N−HCR
を加えそれを減圧下で封管し、110″C,20時間加
水分解した後、全自動アミノ酸分析システムモデルA−
5500(イリヵインスッルメンツ社製)により行った
アミノ酸配列分析は気相プロテインシークエンサー47
0A型(アプライドバイオシステム社製)を用いて前記
フラグメントを連続エドマン分解(Edman  et
  at、Eur、J、  旧ochem、、!、80
  (19(i7))L、、得られたPTH−アミノ酸
をHPI、C逆相カラム(TSKゲル0DS−120T
;東洋曹達社製)のアイソクラティック(l5ocra
trlc)溶出法(0,01M酢酸ナトリウム−0,0
2%ドデシル硫酸ナトリウム−33,5%アセトニトリ
ル)により分析した。
アミノ末端(N末端)は、アシルアミノ酸−遊離酵素(
acylamlno−acid−releasing 
enzyme;宝酒造社製)をN末端由来のトリプシン
 フラグメントに作用させ、逆相HPLC(5μ、C4
,4,5mmX250m1vydac社製)を用いて、
0.1%トリフルオロ酢酸を含む20−40%アセトニ
トリル濃度勾配により反応後により反応後のペプチド分
画を分取し、N末端領域部分のアミノ酸配列分析を行っ
た。また、N末端アミノ酸は未処理のN末端ペプチドと
のアミノ酸組成分析の比較により同定した。その結果、
N末端アミノ酸はセリンであり、そのα−アミノ基がア
シル化されていることが確認された。
このアシル基は質量分析の結果、アセチル基と考えられ
る。カルボキシル基末端(C末端)はカルボキシペプチ
ダーゼY (carboxypeptidase Y;
 シグマ社製)によってC末端から遊離したアミノ酸を
アミノ酸自動分析システム8300E (Beckma
nn社製)を用いて分析した結果、アスパラギンである
ことが確認された。以上の結果、確認された本物質の蛋
白質の一次構造のアミノ酸配列を以下に示す。
Ser Asp Thr  Ala Leu  lie
 Phe Arg Leu Alarp Thr sn al al ys er er 1e sn 5p Pr。
he eu 1a Pr。
ln ly in sn at sn 1e Thr at er ys yr al sp ys rp sp sp er yr al 1y he he ys ly Thr ys ly la sn 1e at ie eu rg at la rg al he la al ie er ly Thr yr sn lu eu sp sp la he sn he Thr eu er lu Thr Pr。
in 5p Pr。
Pr。
yr ly sp yr sn sp rp yr sn ys rg al 1y sn Thr Thr sn 以上の結果、上記理化学的性質で特定された本物質は今
まで見いだされていない新規な蛋白質であることが確認
された。
一方、この新規な蛋白質を発現するDNA配列を次のよ
うにして特定した。
対数増殖期のマンネンタケ菌糸体13 gを液体窒素の
中で細かく粉砕し、2B艷の抽出用緩衝液(0,5M 
NaC1,pH7,5の0.2M トリス−塩酸緩衝液
、10 mM EDTA11%5DS)に懸濁した。す
ぐにこれをフェノール/クロロホルム/イソアミルアル
コール(25:24:1)溶液で5回処理し、水層に含
まれるフェノールをジエチルエーテルで抽出後、エタノ
ール沈澱により粗RNA約20 mgを得た。このうち
約4 mgのRNAをアマージャム社のRNA抽出キッ
トを使って精製した。精製後のRNA 2.9 mgか
ら、オリゴ(dT)セルロース(PL1  タイプ7)
カラムを使って、ポU A◆RNAを精製した。この結
果得られたポリA” RNAは 42 μgであった。
このポリA”RNA4.2μgから二本鎖cDNAの合
成をアマージャム社のcDNA合成キットを使って行な
った。
得られた二本鎖cDNAをメチル化し、これにEcoR
Iリンカ−(pccGAATTcGG;宝酒造社製)を
連結させ、EcoRIニより消化し、400 bp 〜
700 bp(7)分画を回収した。
次にcDNAの 1/10量を、lμgの脱燐酸化され
たλgtアーム(Stratagene社製)に連結さ
せ、Stratageneのパッケージングキット(Q
lgapack gold)を用いてパッケージングし
た後、大腸菌C600hfL”″に導入し、約23.0
00のプラークを得た。  このプラークをBIody
neA (ボール社製)とニトロセルロース(BA85
;ニスアンドニス社製)に移し取り、2mのオリゴヌク
レオチドプローブ(5′末端を32Pで標識)、 l)プローブ1 G 2)プローブ2 とハイブリダイズさせた。この時Btodynetのフ
ィルターはプローブ1と、ニトロセルロースフィルター
はプローブ2とハイブリダイズさせた。これらのフィル
ターのオートラジオグラムを比較検討し、2種類のプロ
ーブで陽性となったプラークを精製し、蛋白質全体をコ
ードしている520塩基からなるcDNAを含むλクロ
ーンを得た。このクローンのファージからDNAを単離
し、pUc19のEcoRI部位にサブクローニングし
、このクローンpcLZ−8を得た。
次にpctz−s DNAをEcoRIで消化して得ら
れるcDNA全体を旧3mp19のRF型J旧09のE
coRI部位に連結し、大腸菌JM109を形質転換し
て、入り方の方向が異なる2つのクローンを単離した。
次に、pcLZ−8DNAをEcoRIとXho Iで
消化して生ずるcDNAの半分づつの断片を、M13m
p18のRF型DNAのEcoRI部位と5alI部位
との間に連結した。このDNAを使ってJ旧09を形質
転換し、LZ−B cDNAの前半部分を含むクローン
と後半部分を含むクローンをそれぞれ単離した。これら
の4個の13クローンの−本鎖DNAを調製シ、コれを
鋳型としテTAKARAツアーDEAZAシーケンシン
グキットにより本物質をコードする構造遺伝子を含む全
塩基配列を決定した。
クローン化されたcDNAは、520bpの長さであり
、コードされている新規な蛋白質は、翻訳開始のメチオ
ニンを含めて111個のアミノ酸からなる。
5′末端には27塩基の非翻訳領域、3”末端には終止
コドンを含めると、160塩基の非翻訳領域があり、こ
の中には3′末端のポリA配列(27塩基)が含まれて
いる。また、ポリAシグナルに似た塩基配列、ATAA
−がポリAより45b上流に存在する。
以上記したように、本発明の新規な蛋白質のアミノ酸配
列の結果とcDNAから推定されたアミノ酸配列の結果
とは翻訳開始のメチオニンを除いて完全に一致した。結
果を下記に示す。
CAGCTCTTTGCCTTACAATCAAGCA
TC27ATG  TCCGACACT  GCCTT
G  ATCTTCAGG  CTC57Met  S
er  Asp Thr Ala  Leu  Ile
  Phe Arg Leu   10GO’CTG’
G  GACGTG AAG  AAG  CTCTC
G TTCGAC87Ala Trp Asp Val
 Lys Lys Leu Ser Phe Asp 
  20TACACCCCG AACTGG GGCC
GCGGCAACCCC117Tyr Thr Pro
 Asn Trp Gly Arg Gly Asn 
Pro   30AACAACTTCATCGACAC
T GTCACCTTCCCGAsn Asn  Ph
e  Ile Asp Thr Val  Thr P
he Pr。
AAA GTCTTG ACCGACAAG GCG 
TACACG TACLys Val  Leu Th
r Asp Lys Ala Tyr Thr Tyr
CGCGTCGCCGTCTCCGGA CGG AA
CCTCGGO207Arg Val Ala Val
 Ser Gly Arg Asn Leu Gly 
  60GTG AAA CCCTCG TACGCG
 GTCGAG AGCGAC237Val Lys 
Pro Ser Tyr Aha Val Glu S
er Asp   70GGCTCG CAG AAG
 GTCAACTTCCTCGAG TAC2G7Gl
y Ser Gin Lys Val Asn Phe
 Leu Glu Tyr   80AACTCCGG
G TAT GGCATA GCG GACACG A
AC297Asn Ser Gly Tyr Gly 
Ile Ala Asp Thr Asn   90A
CG ATCCAG GTG TTCGTT GTCG
ACCCCGAC327Thr lie Gln Va
l Phe Val Val Asp Pro Asp
、 100ACCAA、CAACGACTTCATCA
TCGCCCAG TGG  357Thr Asn 
Asn Asp Phe Ile lie Ala G
ln Trp  !10AACTAG GAGGAGG
CAGTGACTGACCCCTGGCGGTCTA 
 394Asn End              
       l1lATCTGCGGGCCACTG
TGGGGGAGGGGCATCGCCCATCAGC
TTCCTTGTCTCATAATCATGCCCGT
GTAACAATTGTAAATCCACCTTGTT
GTACCATGCAAAAAAAAAAAAAAAA
AA  511AAAAAAAAA このようにして特定された本物質のアミノ酸配列につい
て、PRINASペプチドデータベース(リリース 8
7−2)、NBRF−PDBデータベース(リリース1
1.0)、及び5w1ss−Prot (リリース5)
データベースを用いて、合計1万件以上の公知の蛋白質
の一次構造とのホモロジー(homology;相同性
)検索を行ったところ、いずれのデータベースにも本ア
ミノ酸配列と完全に相同な配列を持つ蛋白質は見当らず
、更には50%以上相同なアミノ酸配列を持つ蛋白質も
見い出されなかった。
尚、検索はPRINASペプチドデータベースについて
はKornら(Proc、 Natl、 Acad、 
Sci、 USA、 74゜4401−4405(19
77))のホモロジー拳サーチ・プログラムを用い、N
BRF−PDBデータベース及び5vlss−Prat
データベースについては、Llpman−Pearso
n法(Sclenc、e、 227.1435−144
1(1981))による高速ボモロジー検索プログラム
を用いた。
以下余白 実施例2 アレルギータイプ■の疾患モデル動物に対する免疫抑制
試験: CFWマウス(米国チャールスリバー社、メス、5週齢
、22.8g i−0,9g)を用いてアナフィラキシ
−反応について試験した。CFWマウスは、アナフィラ
キシ−反応に比較的感受性の高い実験動物として分類さ
れており(用俣順−他編 疾患モデル動物ハンドブック
 p、6o8)、アレルギー動物実験に用いられる(T
、 HAMAOKA et al、 J、 Immun
ology。
!13.3.958−973(1974)、JUSTU
S D、E、、 Int、 Arch、 Allerg
y Appl、Immunol、、 51. G、 6
87−695(1976))。
1r!¥ 10匹で3群を作成し、各々をA、  B、
  C群とした。A群は、ポジティブコントロール群ト
し、1回目の感作(センシイティジングインジェクショ
ン)としてアルムアジュバンド(和光紬薬)を含むウシ
血清アルブミン(以下BSAと称す)  (SIgma
社)を皮下注射(1mg/ mouse)をし、2回目
の感作(ショツキングインジェクション)として、1回
目感作の 17日後に、PBS緩衝液に溶解したBSA
を静脈内注射をした。B群はサンプル投与群とし、BS
Aによる 1回目感作の1週間前から腹腔内注射で精製
した本物質を2回投与し、88人による1回目感作をA
群と同様に実施した後、本物質を週2回の割合で計5回
投与し、BSAによる2回目感作をA群と同様に実施し
た。本物質の投与回数は、都合7回、投与量は、計8.
9 mg/ Kg体重とした。又C群は、ネガティブコ
ントロールとし、1回目感作をA群と同様に行い、2回
目の感作として抗原性の全く違うオボアルブミン(以下
OAと称す)  (1mg/ mouse、 Sigm
a社)を1回目感作の17日後に静脈注射した。
結果を表3、体重変化を第6図に示す。結果の判定は、
死亡したマウスを(+)、1分以上動けなくなったマウ
スを(±)、変化が認められないマウスを(−)とした
表3 A群では、lO匹中4匹死亡し、残り 6匹も1分以上
動けない状態となり、(+)と(±)合わせると全例が
反応を示したが、サンプル投与群では全例が(−)であ
りアナフィラキシ−を完全に抑制した。C群はl、  
2回目の抗原が異なる為アナフィラキシ−は起こさず(
−)であった。
体重変化は、A、  81C群とも標準偏差が重なって
おり有意差は認められなかった。
実施例3 アレルギータイプHの疾患モデル動物に対する免疫抑制
試験: NODマウス(日本タレア社、メス、4週齢、12゜5
1±2.03 g)を用いてアレルギータイプ■に分類
されるヒトのタイプI糖尿病(インスリン依存性)発症
等に及ぼす本物質の効果について検討した。
NODマウスは、糖尿病を自然発症するモデルマウスで
ヒトのタイプ■糖尿病、インスリン依存性糖尿病、若年
型糖尿病あるいはやせ型糖尿病などと呼ばれる疾患に対
応したモデル動物である(用俣順−他編、疾患モデル動
物ハンドブックNo、2、p、14)。
NODマウス 1群5匹で2群を作成し、本物質投与群
と非投与群とした。投与群は、生後4週齢から本物質1
0.3 mg/ Kgを0.2艷のPBS緩衝溶液とし
て週2回腹腔内投与し、投与群及び非投与群とも週2回
体重測定を行った。投与開始から 15週後(生後19
9週齢でG、P、−プレテスト(和光紬薬社製)を用い
て各々のマウスの尿中グルコース量(尿糖値)を測定し
た。その後各々マウスの体重を測定後、マウスを殺し、
採血し、膵臓重量、肺臓重量及び血中グルコース値(血
糖値)を測定シタ。各マウスの膵臓組織は、10%ホル
マリン固定後、パラフィンで脱水、包理し、切片を作製
後、ヘマトキシリン・エオシン染色を施し組織学的検討
を行った。結果を表4に示す。
以下余白 本物質投与群と非投与群との体重変化を第7図に示す。
投与群、非投与群とも標準偏差が重なっており有意差は
認められなかった。
膵臓重量は本物質投与群で大きくなる傾向はあるが、統
計学にはを意差はなかった。
一方肺臓重量は本物質投与群で有意に重量が増加し、組
織学的所見では、両群のマウス共基本構造は保たれてお
り有意差は認められなかった。従って本物質の肺臓重量
の増加は、本物質の投与によってリンパ球が活性化され
肺臓内リンパ球の数が増加したためと推定される。
血糖値は、血漿グルコース量としてグルコースオキシダ
ーゼ法により測定した。血糖値200 mg/」以上が
糖尿病状態と判断される(森 他、NoDマウスに対す
るサイクロスポリン治療、糖尿病、29巻、4号、p 
、 3G I (198G ))。本物質非投与群では
5匹中3匹が糖尿病状態にあったが、投与群では全くそ
の状態を示さなかった。両群の平均値を比較しても非投
与群では有意に血糖値が高かった。
また尿糖に関しても、非投与群で血糖値200 mg/
W以上であった3匹いずれもが尿糖値1.0%以上とい
う結果が得られ糖尿病状態にあるという結果を示した。
一方、本物質投与群では5匹中5匹共、尿糖値0.1%
以下という結果が得られいずれも血中グルコース量の結
果と一致した結果が得られた。
膵臓の組織学的評価方法については、(−)が正常、 
(±)がほぼ正常だか一部の島でリンパ球浸潤が認めら
れるもの、(+)がどの島にもリンパ球浸潤が認められ
るもの(50%以下)、(十+)が島全体にわたってリ
ンパ球浸潤が認められるもの(50%以上)、(十++
)がリンパ球浸潤のため既に島全体が小さくなってしま
うか殆ど消失しているものの5段階に分けた。
非投与群では浸潤が一番激しいと思われる(+++)が
2匹、(+)評価以上は5匹中4匹であった。一方本物
質投与群では全匹が(±)以下であり、正常であるとい
う結果が得られた。
第8図(A)〜(C)に膵臓組織の光学写真を示した。
第8図(B)図は非投与群のランゲルハンス島で多数の
リンパ球浸潤が生じているが、本物質投与群(第8図(
C))ではリンパ球浸潤が起こっていないと判断される
ほど極端に少ない。
以上の結果本物質はアイルギーのタイプ■であるインス
リン依存性糖尿病に関して完全に有効であることが確認
された。また投与期間中の体重変化及び組織学的所見に
より本物質の副作用等の毒性症状もほとんど認められな
かった。
実施例4 アレルギータイプ■に対する免疫抑制動物試験:アルサ
ス反応は、■型アレルギーに分類される抗原−抗体複合
物(免疫複合体)形成による過敏症反応の1つであるが
、本物質のアレルギータイプ■に対する効果をマウスの
アルサス反応にって確認した。
アルサス反応の反応機構は生体内に、ある抗原に対する
抗体が産生されている場合、新たにその抗原が皮肉注入
されると、抗原−抗体複合対が形成され、これが補体を
活性化し、続いて血小板凝集、血管内皮収縮、肥満細胞
脱顆粒等が起こり、結果的に抗原注射局所における発赤
、腫張が観察されるというものである(ロアット他、多
田富雄監訳、198G、南江堂、p、252)。抗原刺
激局所における強度に対する防御を効果の判定基準とし
た。
CFWマウス(米国チャルズリバー社、メス、5週齢)
を本物質投与群と非投与群各10匹にわけ、投与群はB
SAによる抗原初回感作7日前から、本物質8.5 m
g/Kg体重をマウス腹腔内に週−2回(PBS溶液と
して0.2+d)、3週間にわたって計8回注射した。
BSAによる抗原感作は計2回行い、初回感作が7日月
、2回目感作を14日目間行い、本物質投与群及び非投
与群の両群のマウス全匹に皮下注射した。使用量はアル
ムアジュバンドと一緒に 1mg/マウス量であった。
21日ロー両群全マウスにPBS溶液に完全に溶解させ
たBSA (0,5mg/mQ )を20μ+ずつ、マ
ウス右後肢のフットパッドに皮下注射し、コントロール
としてマウス左後肢のフットパッドにPBS溶液20μ
lを皮下注射した。注射後2時間、1日、2日、3日の
時点でそれぞれのマウスの左右後肢の厚さをノギスで測
定し、コントロール(PBS溶液だけを注射したもの)
と有意差のあるマウス匹数を百分率(%)で表示した。
その結果を第9図に示す。
反応を経時的に追うと本物質投与群、非投与群ともに注
射後2時間で高く、2日、3日目では完全に回復してお
り、この反応が■型アレルギーではないことが確認され
る。
注射後、2時間での反応で非投与群は、90%のマウス
が反応したが、本物質投与群では40%の反応にとどま
り、本物質が■型アレルギーに分類されるアルサス反応
を有意に抑制することが示された。
実施例5 アレルギータイプ■に対する抑制試験 混合リンパ球培養系を用いてアレルギータイプ■に対す
る本物質の抑制効果を検討した。
混合リンパ球培養において起こる反応は、臓器移植等の
際の臓器供与者と受容者間の主要組織適合性抗原(MH
A; Major hlstocompatlblll
ty Antigen )の違い、さらにはマイナーな
抗原の違いも加味して表現されてくることからアレルギ
ータイプ■の反応に分類される臓器移植時の細胞性拒絶
反応の In yltroのモデルと考えられている(
免疫科学、7巻、 「移植免疫と腫瘍免疫」、東 地組
、p、52、岩波書店)。
実験詳細は以下の通り。
MHAの異なるマウスの組合せ(two way ; 
DBA/2とC:1JH1one way ; G3)
1とBALB/ C)で本物質投与による混合リンパ球
反応に及ぼす効果について検討した。
1)   two  wayl去 DBA/2 (オス、6週齢、静岡県実験動物農協)4
匹とC3H(メス、7週齢、静岡県実験動物農協)4匹
を用いて行った。
DBA/22匹、03)12匹の計4匹を本物質投与群
とし、本物質1.88 mg/ −(PBS溶液)を0
.2艷ずつ4日間連日腹腔内投与した(DBA/2; 
IG。
8mg/Kg体重、03H: 17.7 mg/Kg体
重)。残りのマウスDBA/22匹、C3H2匹の計4
匹は非投与群とした。
本物質投与開始から5日目に本物質投与群及び非投与群
の計8匹のマウスからそれぞれ外科的に且つ無菌的に肺
臓を取り出し、細胞浮遊液作成器にてシングルセル(s
ingle cell) P’d濁液とした。
細胞懸詞液は、DBA/ 2の本物質投与群、非投与群
の2群、C3Hの本物質投与群、非投与群の2群、計4
群で各々分けた。それぞれの細胞懸濁液群を10 dの
RP旧1640培地によく懸濁し、t、ooo r、p
、ml、10分間遠心した。得られたセルペレット(c
eII pellet)は2.5−のへモリシス緩衝液
(0,18M NH,CI、0.17 M Trls−
HCIを含む) I)H7,G5に懸濁し、5分間放置
し赤血球を溶血させた後、8IdのRP旧1640培地
を加え1.00Or、p、m、、10分間遠心した。そ
の後セルペレットに 10 m2のRPMIIG40培
地を加え再遠心した。この操作を3回繰り返し、ヘモリ
シス緩衝液をよ(取り除いた。
セルペレットにlO−のlO%FC9添加RP旧164
θ培地を加え、よく懸濁した後トリパンブルー染色法に
より生細胞数カウント(viable cell co
unt)を行い(いずれも90%以上のviabili
tyであった)細胞数を l X  106/艷に調整
した。
上記4群の細胞懸濁液をそれぞれ1×106細胞/ウエ
ル(cell/we日)ずつ DBA/2と0311の
組合せに成るように96ウエルプレート(well p
late)にプレイティングした(final 2 X
  105ce11/well)。DBA/ 2と03
Hの組合せは、DBA/ 2の非投与群と03Hの非投
与群同士の組合せ、DBA/2の投与群とC311の非
投与群の組合せ、DBA/2の非投与群と03Hの投与
群の組合せ、及びDBA/2と03Hの投与群同士の組
合せの4組とした。
上記の組合せで37°C15%CO2,95%空気の条
件で4日間培養し、その後0.25μC1の3H−チミ
ジン(NEN)を加え更に 16時間培養して、セルハ
ーベスタで細胞を集めよく洗浄した後、乾燥し、2dの
トルエンシンチレータ−を加え液体シンチレーションカ
ウンターで放射活性の測定を行った。
その結果を第1θ図に示す。
本物質非投与のDBA/ 2と本物質非投与の03Hの
組合せでは19,347±2,148 cpm (10
0%)であったものが、本物質投与のDBA/ 2と本
物質非投与のC3Hとの組合せでは4866%に下がり
、本物質非投与のDBA/2と本物質投与のC3Hとの
組合せでも56.7%とほぼ同程度に3H−チミジンの
取り込み低下が認められた。本物質投与のDBA/ 2
 七C3Hとの組合せでは更に20.4%まで下がった
2) one way法 BALB/C,C3H(両マウスともオス、4週齢、日
本チャルズリバー)それぞれ10匹ずつを用いて行った
BALB/ C及びC3Hともそれぞれ5匹ずつを本物
質投与群とし、本物質700μg/+d (PBS溶液
)を0.2 mQずつ1週間の間に3同腹腔内投与した
(BALB/C,CGHとも7.3mg/Kg)。残り
のマウスBALB105匹、03H5匹の計10匹は非
投与群とした。
本物質投与開始から7日目に本物質投与群及び非投与群
の計20匹のマウスからそれぞれ外科的に且つ無菌的に
肺臓を取り出し、two wayで行ったのと同様にし
て細胞浮遊液作成器にてシングルセル(single 
cell) i°I!!濁液とし、ヘモリシス緩衝液(
0,lG M NHaCl、  0.17 M Trl
s−HCIを含む) pH7゜65にて赤血球を取り除
いた。
本物質非投与のBALB/ C及びC3Hのの一部それ
ぞれl X 10”個を2m9のRPMIIG40培地
に懸濁し、MMC(マイトマイシンC1シグマ社)  
400μg/dを0 、125−ずつ加え、37°C1
30分間インキュベートした。その後RPMIIG40
培地lθ−を加え、1100Or、p、m、、7分間遠
心して洗浄しこれを3回繰り返した。
次いで細胞をl X 107細胞/+ull (cel
ls/ mQ )に調整し、これを刺激細胞とした。一
方、MMC処理していないBALM C及びC3Hの本
物質投与群、非投与群の計4群を反応細胞とし、1x1
07細胞/艷(ce l l s/ mQ )に調整し
た。
上記4群の反応細胞をl X 106細胞/ 、d (
ce l lS/−)ずツ96穴ウェル(well p
late)に接種し、刺激細胞(C3HとBALB/C
由来)2群を同様に加え計8群の組合せをつくった。
上記の組合せで37°C15%CO2,95%空気の条
件で4日間培養し、その後0.5μCiのaH−チミジ
ン(NEN)を加え更に16時間培養して、セルハーベ
スタで細胞を集めてよく洗浄した後、乾燥し、2艷のト
ルエンシンチレータ−を加え液体シンチレーションカウ
ンターでそれぞれの組合せの放射活性の測定を行った。
その結果を表5に示す。
以下余白 C3Hが刺激細胞の場合、本物質非投与のRALB/ 
Cとの組合せでは、スティミュレーションインデックス
(Stimulation Index;Sl)が2.
7%(100%)であったのに対し、本物質を投与した
BALB/Cとの組合せでは85%まで反応性が低下し
た。
一方BALB10が刺激細胞の場合には、本物質非投与
の03Hとの組合せではSlが8.8(100%)であ
ったのに対し、本物質投与のC3Hとの組合せでは3.
6(100%)と、反応性が低下した。
以上のように混合リンパ球培養系を用いたアレルギータ
イプ■に対する本物質の抑制効果が確認された。
実施例6 毒性試験: 本物質をIcRマウス(日本チャールズリバー社、オス
、6週齢、30.5 g±2 g)に l0mg/Kg
体重で静脈注射し、毒性を確認した。毒性の判断は、体
重変化、死亡の有無、一般症状の観察、試験後の解剖検
査によった。投与直後、多少の体重の減少がみられたが
すぐに回復し、その他の所見でも毒性は示さなかった。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本物質のSDSポリアクリルアミドゲル電気
泳動による分子量測定結果を示す。尚、第1図において
(1)は、分子量測定に用いた標準蛋白質で分子量の高
い方からホスフォリラーゼB(M、W、 94,000
)、ウシ血l青アルブミン(M、W、 67.000)
、オボアルブミン(M、W、 43,000)、カルボ
ニックアンヒドラーゼ(M、W、 30,000)、ソ
イビーントリプシンインヒビター(間、W、 20.!
00)、α−ラクトアルブミン 泳動結果、(3)は還元した本物質の泳動結果を示す。 第2図は、 トリシン−SDSポリアクリルアミドゲル
電気泳動の結果を示す。 第3図は本物質の等電点電気泳動による等電点測定結果
を示す。1は、等電点マーカー(等電点レンジ2.4〜
5135)を示し、2は、本物質の泳動結果を示す。 第4図は、本物質をネイティブポリアクリルアミドゲル
電気泳動にかけた後、ゲルの可視部吸収(BH nm)
をスキャナー(BeckmanlDV−8 SLAB 
GELSCANNING SYSTEM)によって測定
した結果を示す。 第5図は、リンパ球各分画と本物質反応後の3H−チミ
ジンの取り込み量の測定結果を示す。図に使用した各リ
ンパ球の略号は、先に述べた略号通り。 第6図は、CFWマウスを用いたアナフラキシー実験の
際のマウス体重の経時変化を示す。 第7図は、NODマウスを用いたインスリン依存性糖尿
病の抑制実験の際の本物質投与群と非投与群のマウス体
重の経時変化を示す。 第8図は、正常マウスであるICRマウスと本物質投与
NODマウスと非投与NODマウスの13週船齢後光学
写真による膵臓組織を示す。 A群は、ポジイティブコントロールを、B群は本発明物
質の投与群をそしてC群はネガティブコントロールを示
す。 第9図は、CFWマウスを用いたアレルギー■型のアル
サス反応動物実験の際の、本物質投与群と非投与群マウ
スの抗原注射後の反応マウスの経時変化を示す。 第1O図は、DBA/2及びC311マウスリンパ球の
本物質処理または未処理群の組合せによるMLCでの3
H−チミジンの取り込み量を示す。 出 願 人 明 治 乳 業 株 式 第 図 第2図 カルボニックアンヒドラーゼ 移動度(cm) 第3図 諷 ハ Y−position(mm)−−− →Y−start =55 Y−stop = 145 Y−step=5 葛 a 轡  cell hcell Ts cell E3”Mp Th”VIp Ts−ラ 体重(9) 体重(9) 反応したマウス(%)

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、マンネンタケ属(¥Ganoderma¥)菌糸体
    由来で、ヒト赤血球を凝集せず、免疫抑制能を有する、
    新規な蛋白質。 2、蛋白質の一次構造部分のアミノ酸配列が以下の配列
    を持つ請求項1の新規な蛋白質。▲数式、化学式、表等
    があります▼ 3、以下で表される、請求項2記載のアミノ酸配列をコ
    ードする構造遺伝子を含むDNA配列。 ▲数式、化学式、表等があります▼ 4、マンネンタケ属(Ganoderma)の菌糸体を
    培養し、得られた菌糸体を水性溶媒で抽出し、精製する
    ことを特徴とする、請求項1、若しくは2の新規な蛋白
    質の製造法。 5、マンネンタケ属(¥Ganoderma¥)の菌糸
    体の培養を静置培養、振盪培養若しくは浮遊攪拌培養で
    行うことを特徴とする請求項3記載の新規な蛋白質の製
    造法。 6、水性溶媒での抽出を80℃を越えない温度で、且つ
    pH6〜8で行うことを特徴とする請求項3記載の新規
    な蛋白質の製造法。 7、請求項1若しくは2の新規な蛋白質の有効量を含有
    する免疫抑制剤。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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