JPH018683Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、フロート室内の油面よりも上部に連
通し外部に開放したベント管を気化器本体外面に
突設した気化器のエアベント装置に関し、特に前
記ベント管からフロート室内への塵埃および水な
どの侵入や、風圧が作用することを防止するため
のエアベント装置の構造に関する。

従来、かかるエアベント装置では、気化器本体
のベント管に、クリツプ等を用いてゴム管を接続
固定し、そのゴム管の開口端を、塵埃、水および
風圧などの悪影響が及ばない方向に向けるように
している。ところがこのような従来装置では、ゴ
ム管の接続に関連して複数の部品が必要であり、
しかも面倒な接続作業を行なわなければならな
い。

本考案は、そのような従来の欠点を解消し、極
めて簡単な構造により、塵埃、水および風圧等の
フロート室内への影響を阻止し得るようにした、
気化器のエアベント装置を提供することを目的と
する。

そしてこの目的を達成するために本考案は、気
化器と、この気化器に吸気管を介して連なるエン
ジン本体との間に冷却空気案内板を介装したもの
において、前記気化器の気化器本体外面には、フ
ロート室内の上部空間に連通し且つ外部に開放し
たベント管を前記冷却空気案内板に向けて突設
し、そのベント管を内部に突入させて該管の開口
部を上方および両側方より覆うべく下向き開放の
断面略Ｕ字状に形成した遮蔽部を、前記冷却空気
案内板の気化器との対向面に一体に突設したこと
を特徴とする。

以下、図面により本考案を強制空冷式汎用エン
ジンに適用したときの一実施例について説明する
と、先ず第１図において、支持台１上のエンジン
本体２には吸気管３を介して気化器４が連結さ
れ、さらに気化器４には吸気管５を介してエアク
リーナ６が連結される。しかもエンジン本体２お
よび気化器４は相互に近接配置される。

エンジン本体２の気化器４と反対側には、クラ
ンク軸に関連してフアン７が設けられており、こ
のフアン７からの冷却空気をエンジン本体２に効
率良く導くために、エンジン本体２の両側には冷
却空気案内板８，９が配置され、さらに、エンジ
ン本体２と気化器４との間にも冷却空気案内板１
０が配置される。したがつて、エンジン本体２
は、フアン７側を除く周囲を冷却空気案内板８〜
１０で外囲され、それらの冷却空気案内板８〜１
０とエンジン本体２との間を冷却空気が流通し
て、エンジン本体２が効率良く冷却される。

第２図において、気化器４は、ほぼ水平に延び
る吸気道１１を有しその上部には吸気道１１の開
閉制御手段１２が付設された気化器本体１３の下
部に、フロート室１４を形成するフロート室体１
５が連結されて成る。フロート室１４には、燃料
油１６が貯留され、この燃料油１６のフロート室
１４内への流入を制御して燃料油面ｌがほぼ一定
となるようにするフロート１７が燃料油１６に浮
遊される。

気化器本体１３には、エンジン本体２側すなわ
ち冷却空気案内板１０側に向けてベント管１８が
突設されており、このベント管１８の外部に開放
した開口部１９は、気化器本体１３に穿設された
通路２０を介して、フロート室１４内における燃
料油面ｌよりも上部に連通される。

第３図において、ベント管１８の開口部１９を
覆うべく、冷却空気案内板１０の気化器４との対
向面には、ベント管１８を内部に突入させた遮蔽
部２１が一体的に突設される。この遮蔽部２１
は、ベント管１８の軸線に直角な断面が下方に向
けて開放した略Ｕ字状に形成されており、この遮
蔽部２１により開口部１９の上方および両側方が
覆われる。

次にこの実施例の作用について説明すると、気
化器４、エンジン本体２および冷却空気案内板８
〜１０などの組付時に、ベント管１８の開口部１
９は遮蔽部２１で覆われることになり、開口部２
１を覆うための特別な作業を行なう必要がない。
しかも遮蔽部２１および冷却空気案内板１０で開
口部１９が覆われることにより、塵埃や水などが
開口部１９から通路２０を経てフロート室１４に
侵入することが極力防止され、風圧が開口部１９
からフロート室１４内に作用することも極力防止
され、さらにフロート室１４内の燃料飛沫が開口
部１９より四方に飛び散ることも防止される。

以上のように本考案によれば、気化器と、この
気化器に吸気管を介して連なるエンジン本体との
間に冷却空気案内板を介装したものにおいて、前
記気化器の気化器本体外面には、フロート室内の
上部空間に連通し且つ外部に開放したベント管を
前記冷却空気案内板に向けて突設し、そのベント
管を内部に突入させて該管の開口部を上方および
両側方より覆うべく下向き開放の断面略Ｕ字状に
形成した遮蔽部を、前記冷却空気案内板の気化器
との対向面に一体に突設したので、その断面略Ｕ
字状遮蔽部および冷却空気案内板によつてベント
管開口部はその下方を除いて殆ど全方向より被覆
され、これによりベント管を通してフロート室内
に塵埃や雨水等が侵入したり風圧が作用すること
を有効に防止し得ると共に、ベント管よりフロー
ト室内の燃料飛沫が四方に飛び散ることも有効に
防止し得る。しかもそれらの防止に当つては、気
化器本体外面よりベント管を冷却空気案内板に向
けて突出させると共に、該案内板自体に、ベント
管に対応する前記遮蔽部を一体に突設させるだけ
で済むことから、ベント管にゴム管を接続するな
どの従来必要とされた配管作業が不要となるだけ
でなく部品点数も減少し、コストダウンに大いに
寄与し得る。しかもまた前記遮蔽部は下向き開放
の略Ｕ字状であることにより、その内部空間に雨
水や塵埃等が滞留する惧れはなく、その遮蔽機能
を常に有効に発揮し得る。

また前記遮蔽部は、気化器とエンジン本体との
間に介装されて必然的に気化器との近接位置に置
かれる冷却空気案内板の、気化器との対向面に突
設されるので、この案内板より該遮蔽部を特別に
長く突出させなくてもベント管開口部を無理なく
覆うことができて、該遮蔽部の小型化を図ること
ができ、また元々設計上の制約が多い気化器本体
自身には、ベント管の突出方向や突出位置以外に
ベント管を覆うための工夫を特別に加える必要は
ないから、気化器本体自身の設計を容易化する上
で有利である。さらに気化器とエンジン本体間を
区画する比較的構造単純な冷却空気案内板が、ベ
ント管に対する遮蔽部材を兼ねるから、それだけ
構造が簡単で組付も容易であり、一層のコストダ
ウンに寄与し得る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
は横断平面図、第２図は第１図の−線断面
図、第３図は第２図の−線断面図である。 ２……エンジン本体、３……吸気管、４……気
化器、１０……冷却空気案内板、１３……気化器
本体、１４……フロート室、１８……ベント管、
１９……開口部、２１……遮蔽部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 気化器４と、この気化器４に吸気管３を介して
   連なるエンジン本体２との間に冷却空気案内板１
   ０を介装したものにおいて、前記気化器４の気化
   器本体１３外面には、フロート室１４内の上部空
   間に連通し且つ外部に開放したベント管１８を前
   記冷却空気案内板１０に向けて突設し、そのベン
   ト管１８を内部に突入させて該管１８の開口部１
   ９を上方および両側方より覆うべく下向き開放の
   断面略Ｕ字状に形成した遮蔽部２１を、前記冷却
   空気案内板１０の気化器４との対向面に一体に突
   設したことを特徴とする、気化器のエアベント装
   置。