JPH017772Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、通気部を有するサツシ窓枠、特に壁
枠部材内に、空気を循環させる通気部を有するサ
ツシ窓枠に関する。

住宅の壁体は屋内・外を遮断するもので、それ
自体はなんら通気性を有しないのが一般的な壁体
構造であるが、最近、壁体内に空気流通路を有
し、該流通路の下部から新鮮な外気を採り入れて
流通路内部を流通させ、さらに上部の軒先部から
排出する空気流通構造を備えるものが提案実施さ
れている。このような通気壁体によれば、空気が
常に循環するから、空気が壁内に滞留することが
なく、このため湿気によるカビの発生、残留水分
に起因する外装材、下地材、柱、窓サツシ等の壁
体構成部材の腐触が抑制され、住宅の耐久性が大
幅に向上するので、徐々に増える傾向にある。

しかしながら、従来の壁体の通気空間はサツシ
窓枠を避けて形成されていたので、たとえば２つ
の柱間にサツシ窓枠が隙間なく建付けられている
ような場合には、壁体の空気流通路は上記窓枠に
よつて上下に分断され、窓枠下方から上方への空
気の流通は阻まれてしまう。このため、壁体の空
気流通構造は窓枠の上下部にそれぞれ設けざるを
得ないが、このような構造は複雑になるので施工
性、コスト等の点から実施化は困難であつた。

本考案は上記欠点を解決し、特に、窓枠自体に
空気を流通させることができ、通気壁体の実施化
を容易にすることのできる通気部を有するサツシ
窓枠を提案することを目的とする。

以下、図面によつて本考案の実施態様について
説明する。

図面において符号Ａはサツシ窓枠であり、上記
窓枠Ａは上下枠１，２及び縦枠３，３を方形に枠
組みして成り、住宅の建屋壁体Ｂの柱４，４間及
び上下間柱５，６に固定されている。上記サツシ
窓枠Ａを構成する上下枠１，２及び縦枠３，３は
いずれも中空の金属製押出型材から形成され、中
空部ａの内側に引違い障子７，７を収容する収容
部を設けるとともに外側に取付縁９ａ，９ｂ及び
９ｃを張出形成している。すなわち、下枠２には
障子走行レール１０及び網戸レール１１が形成さ
れ、これに対応して上枠１の下側及び縦枠３の内
側には障子ガイド片１２及び網戸ガイド片１３が
突設されている。また、上枠１の下方、下枠２の
上方及び縦枠３の内側方に突出する取付縁３ａ，
９ｂ及び９ｃは面一に組立てられる。上記上枠１
の中空部ａの上面部には適宜間隔通気孔１４，１
４……が穿設され、同様に下枠２の中空部ａの下
面部にも適宜間隔に通気孔１５，１５……が穿設
されている。

また、上記枠部材を枠組みするにあたり、下枠
２と縦枠３とを組付けるときは縦枠３の下端部内
側の組付け部の内側の障子収容部においてガイド
片１２を切除するとともに切除した中空部ａの側
面に通気孔１６を形成する。上記組付部に下枠２
の端面を突当てて縦枠３の外側からビス（図示せ
ず）を挿通し、下枠２の長手方向に設けたビスホ
ール（図示せず）に螺入して締結する。これによ
り、上記縦枠の通気孔１６を介して下枠２と縦枠
３の中空部ａは互いに連通する。縦枠３と上枠１
も上記と同様に組付ければよい。

上記構成により、窓枠Ａの四周の中空部ａは全
て連通し、さらに上下枠１，２の中空部ａは通気
孔１５，１５……、１６，１６……を通じて外部
に連通するため、サツシ窓枠Ａ自体は通気部を備
えることになる。上記窓枠Ａを柱４，４間に固定
するにあたつては、窓枠Ａの下枠２の中空部ａを
下部間柱６，６……の上端部の外側面に釘着する
とともに窓枠Ａの両隅部をＬ形の止め金具１７を
介して柱４，４に止着する。このとき止め金具１
７の一片は下枠２の中空部ａの下面にビス止め
し、他片は柱４，４の内側面にビス止めする。上
記止め金具は上枠１の両端にも止めてよい。

壁体Ｂにサツシ窓枠体Ａを建付けたのち、間柱
５，６の外側面に外装下地材１８を取付け、さら
に、該下地材１８上に外装材１９を張設する。間
柱５，６の内側面には内装材２０を張設する。ま
た、上下枠１，２の内側には額縁２１が設けられ
ている。上記内、外装材２０，１９と柱４、間柱
５又は６間及び間柱５，５間又は６，６間に空気
流通路Ｓが形成され、窓枠Ａ下方の空気流通空間
７の下端部及び窓枠Ａ上方の空気流通空間Ｓの上
端部は適宜手段によつて外部に開口される。

上記のように、柱４，４間にサツシ窓枠Ａを配
設することにより、下部開口部から空気流通空間
Ｓに入つた外気は窓枠Ａの下枠２の通気孔１５，
１５……から下枠中空部ａを長手方向に進み、そ
の端部開口部内から縦枠３，３の通気孔１６を通
つて、縦枠中空部ａを上昇し、さらに上枠１の通
気孔１４，１４……から壁体の上部空気流通空間
Ｓに進み、上部開口部から再び外部に排出され
る。なお、縦枠３内の空気の一部は中空部ａの上
端部から直接上方に抜ける。

したがつて、壁体Ｂの柱４，４間に窓枠Ａが隙
間なく配置される構造であつても、上記窓枠Ａ内
に通気部から形成されているため、窓枠Ａ下部の
空気流通空間Ｓに上昇することができるので、格
別の構造又はそのための部材をなんら必要とする
ことがなく効果的な通気壁体構造を得ることがで
きる。

また、上記図示例によれば、窓枠上枠１及び下
枠２はそれぞれの取付縁を間柱５，６に止着固定
され、これら上下枠１，２はそれぞれまぐさ、窓
台を兼用することができるので、これらまぐさ、
窓台の取付けが不要となる。

以上詳しく説明したように、本考案はサツシ窓
枠を構成する上下及び縦枠を中空状に形成して、
上記上枠、下枠に壁体内の空気流通空間に連通す
る通気孔を設けるとともに上記上下枠の中空部と
したので、窓枠自体に空気を流通させて窓枠の上
下部の壁体内の空気流通空間を互いに連通させる
ことができ、空気循環構造の壁体の実施化を一層
容易にすることができる。しかも、窓枠の内側に
通気孔を形成する必要がないから、窓の開閉状態
によつて空気の流通はなんら影響されることがな
いという特有の効果を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るサツシ窓枠を壁体ととも
に示す正面図、第２図及び第３図は第１図のＸ−
Ｘ線及びＹ−Ｙ線に沿う断面図であり、第４図は
第１図の部分Ｐの拡大図である。 符号Ａ……サツシ窓枠、Ｂ……建屋壁体、１…
…上枠、２……下枠、３……縦枠、４……柱、
５，６……間柱、９ａ，９ｂ，９ｃ……取付け
縁、１４，１５，１６……通気孔。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 上枠、下枠及び左右両側の縦枠を方形に枠組み
   して成り、空気流通空間を設けた建屋の壁体に配
   設されるとともに、下記要件を備えることを特徴
   とする通気部を有するサツシ窓枠。 (イ) 窓枠を構成する上記上枠、下枠及び縦枠は中
   空状に形成され、それぞれ建屋に固定されてい
   ること。 (ロ) 上記上枠及び下枠に上記壁体内の空気流通空
   間と連通する通気孔が設けられていること。 (ハ) 上記上枠及び下枠の中空部と縦枠の中空部と
   が連通していること。