JPH0160420B2 - - Google Patents

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JPH0160420B2
JPH0160420B2 JP58028860A JP2886083A JPH0160420B2 JP H0160420 B2 JPH0160420 B2 JP H0160420B2 JP 58028860 A JP58028860 A JP 58028860A JP 2886083 A JP2886083 A JP 2886083A JP H0160420 B2 JPH0160420 B2 JP H0160420B2
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JP
Japan
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vinyl acetate
layer
ethylene
resin
component
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JP58028860A
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JPS59152852A (ja
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Toshuki Akazawa
Takenori Tanaka
Yukio Ooseki
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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Publication date
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【発明の詳細な説明】 本発明は優れたガスバリヤー性を有し、かつ各
樹脂層間の接着力が良好な共押出し積層体に関す
る。更に詳しくは(A)エチレン−酢酸ビニル共重合
体鹸化物樹脂層と(B)ポリスチレン系樹脂層とを(C)
特定の粘弾性的性能を満足するエチレン系樹脂層
を介して積層した積層体およびこれを高速で共押
出しして得られる積層体の製造方法に関する。
近年の食品包装業界の技術革新はめざましい。
例えば衛生性、美しい外観、運搬コストの低減の
為の軽量化を目的としてポリスチレンなどの熱可
塑性樹脂が食品包装に用いられつつある事は周知
の事である。しかしながらこれらのポリスチレン
系樹脂は酸素とか、炭素ガスなどのバリヤー性が
低く、食品、炭酸飲料などの長期保存には適さ
ず、ガラス瓶、金属缶などが多く用いられてお
り、空缶の路上への投げすてによる公害とか、ビ
ンの回収に要するコストなど多くの問題があり、
代替包装材料の開発がまたれている。
エチレン成分が20〜55モル%のエチレン−酢酸
ビニル共重合体鹸化物樹脂は溶融成形性があり、
かつ気体透過性が低く、かつ透明性が高く、ガス
バリヤー性がすぐれた材料として食品容器、包装
材料としてすぐれた特性をそなえている。しかし
ながら他の諸物性、例えば剛性とか、耐湿性など
に欠点があり、充分満足すべきものではない。
これに対し、ポリスチレン系樹脂、とくに耐衝
撃性ポリスチレン樹脂は成形性、耐衝撃性と剛性
とのバランス、衛生性などはすぐれているが、酸
素や炭酸ガスなどのガスバリヤー性が充分でな
く、食品類を長時間にわたつて保存することがで
きないので食品容器、包装材料としての使用に制
限がある。
そこでエチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物の
良好なガスバリヤー性とポリスチレン系樹脂の優
れた力学特性をそなえ合せた食品容器、包装材料
を得るためにこれらの両者の樹脂層を積層するこ
とが考えられる。しかしながら、これらの両樹脂
層は相互にはほとんど親和性がなく、単なる熱接
着により積層物を得ることは不可能である。
相互に接着性のないポリスチレン系樹脂とガス
バリヤー性樹脂とを不飽和カルボン酸またはその
酸無水物の成分濃度が0.001〜10重量%である変
性エチレン−酢酸ビニル共重合体あるいはアイオ
ノマーより選ばれた接着性樹脂を介して溶融共押
出しする事を特徴とする樹脂積層物の製造法は特
開昭54−46281号公報で公知である。該公報には
ガスバリヤー性樹脂としてエチレン−酢酸ビニル
共重合体鹸化物、ポリアミド樹脂、塩化ビニリデ
ン樹脂、熱可塑性ポリエステル等の多くの樹脂を
接着性樹脂を介して、ポリスチレン系樹脂と積層
できる事を示している。接着性樹脂としては不飽
和カルボン酸またはその酸無水物の成分濃度が
0.001〜10重量%である変性エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体(変性EVA)あるいはアイオノマー
を用いる事により溶融共押出しして積層できる事
を示し、その優位性を示している。ホツトプレス
による長時間の加圧、加温による積層であると
か、共押出しにあつても0.5m/分以下の極めて
小さい速度で長時間をかけて積層を行う時は該公
報に開示された方法により行うことのできる場合
もある。しかしながら工業的におこなわれる様な
速度で共押出し積層を行う時は該公報に開示され
た方法で実施したのでは、充分な接着性能を示さ
ず、また成形上のトラブルがあり、商品としての
価値のあるものは得られない。
この様な実情に鑑み、本発明者らは共押出し時
の接着性樹脂の必要特性の考察に基づき、接着性
樹脂の諸物性と共押出し接着性との関係を鋭意検
討を行なつた結果、特定範囲の粘弾性的性質を満
たす接着性樹脂を使用する事により実用的な速度
で共押出しを行なつた時にも充分な接着性能を有
する事を見出し、本発明に至つたものである。こ
の事は酢酸ビニル成分もしくは酸成分を有する樹
脂とか、酢酸ビニル成分と酸成分の両者を有する
樹脂を用いて、ポリスチレン系樹脂層とエチレン
−酢酸ビニル共重合体鹸化物樹脂層とを積層する
という前述の公報の記載からは全く予想できない
事であり、まさにおどろくべきことである。
すなわち本発明は (A) エチレン成分含有率20〜55モル%、鹸化度90
モル%以上のエチレン−酢酸ビニル共重合体鹸
化物樹脂層、 (B) ポリスチレン系樹脂および (C) エチレン成分−酢酸ビニルもしくは(メタ)
アクリル酸エステル成分−エチレン性不飽和カ
ルボン酸もしくは該カルボン酸無水物成分から
なる重合体よりなり、かつ周波数110Hzで測定
された複素弾性率の実数部が20〜70℃の間の範
囲において、下記()式を満足する接着性樹
脂層からなり、(C)を介して(A)および(B)を積層し
た積層体およびこれらを共押出しして3m/分
以上の速度で引き取る事を特徴とする積層体の
製造方法である。
8.0−0.0143T<logE′<10.0−0.0286T ……() 〔E′;110Hzで測定した複素弾性率の実数部
(dyne/cm2) T;温度(℃)〕 本発明の目的とする所は良好な層間接着性を有
し、かつポリスチレン系樹脂のすぐれた力学的特
性とエチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物樹脂の
すぐれたガスバリヤー性をあわせてもち、食品容
器、包装材料としてすぐれた積層体を工業的に得
る事である。
本発明の最大の特徴は(C)層の接着性樹脂とし
て、エチレン成分−酢酸ビニルもしくは(メタ)
アクリル酸エステル成分−エチレン性不飽和カル
ボン酸もしくは該カルボン酸無水物成分からなる
重合体であり、かつ周波数110Hzで測定された複
素弾性率の実数部が20〜70℃の範囲内において下
記()式、好適には()を満足する接着性樹
脂層を使用することである。
8.0−0.0143T<logE′<10.0−0.0286T ……() 〔E′;110Hzで測定した複素弾性率の実数部
(dyne/cm2) T;温度(℃)〕 8.5−0.0214T<logE′<9.5−0.0257T……() 本発明において重要なことは複素弾性率の実数
部が接着性、特に共押出成形の接着性に極めて重
要な要点である事を見出し、さらにエチレン−酢
酸ビニル共重合体鹸化物の2次転移点附近もしく
はそれ以下の温度から冷却温度の間の複素弾性率
の実数部の値によつて共押出の装着性が大きく影
響を受ける事を見出した事である。すなわち、本
発明は接着性樹脂がエチレン成分−酢酸ビニルも
しくは(メタ)アクリル酸エステル成分−エチレ
ン性不飽和カルボン酸もしくは該カルボン酸無水
物成分からなる重合体よりなり、かつ周波数110
Hzで測定された複素弾性率の実数部が20〜70℃に
おいて、上記()式、好適には()式を満足
することによつて普通の速度の共押出しはもちろ
ん、高速度の共押出しによつても共押出の接着性
が著しく向上することを見い出したものである。
複素弾性率の実数部が()式の範囲より大き
い時は押出し後冷却までの間に層間にうける応力
の緩和が充分でない為か、接着力の低いものしか
得られないし、()式より小さい時は樹脂の高
温での凝集力が弱い為か、接着力が弱いものであ
つたり、共押出成形においてトラブルが発生する
のでこのましくない。このことは後述する実施例
および比較例から明らかである。
本発明においては複素弾性率の実数部が20〜70
℃において上記()式を満足することが重要で
ある。ここで20℃は共押出成形する際の冷却工程
におけるポリマーの温度に相当するものであり、
70℃はエチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物の2
次転移点もしくはその附近の温度に相当するもの
であり、共押出後多少冷却された点でのポリマー
の温度に相当するものである。共押出し接着性は
この20〜70℃の複素弾性率の実数部の値によつて
大きく影響を受けるものである。すなわち共押出
接着性はポリマーを共押出しし、冷却して積層体
を得る際のポリマーの温度の変化(70℃から20℃
へ)の過程における複素弾性率の実数部の値によ
つて大きく影響を受けるものである。
エチレン成分と酢酸ビニルもしくは(メタ)ア
クリル酸エステル成分の含有率は特に制限はない
が重量比で90対10から50対50の範囲が良好であ
る。(メタ)アクリル酸エステル成分としては
(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アク
リル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸2−
エチルヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸ブ
チルエステルなどが用いられる。エチレン性不飽
和カルボン酸もしくは該カルボン酸無水物成分と
しては特に制限はないが、マレイン酸、アクリル
酸、イタコン酸、無水マレイン酸などが0.05〜5
重量%の範囲で用いられる。またこれらの成分は
共重合、さらにはグラフト重合など公知の方法に
より導入される。これらの重合体のうち、エチレ
ンと酢酸ビニルの共重合体にエチレン性不飽和カ
ルボン酸無水物をグラフトしたものが好適に使用
される。
(C)層として用いられる接着性樹脂の製造方法と
しては、たとえばエチレンと酢酸ビニルの共重合
体にエチレン性不飽和カルボン酸無水物をグラフ
トしたものを製造する場合、そのグラフトに用い
る開始剤の種類、その量、グラフトモノマーの種
類、その量、温度、圧力などの反応条件、溶剤の
種類、その量など、さらにはエチレンと酢酸ビニ
ルの共重合体の種類、その重合度、酢酸ビニル成
分の含有量など複素弾性率の実数部の温度依存性
に影響をうける条件を適宜選択することによつ
て、目的とする接着性樹脂を得ることができる。
(C)層の接着性樹脂の具体的な製法としてはたとえ
ば後述する実施例において記載されている方法が
あげられる。複素弾性率の実数部の温度依存性
は、明確ではないが、導入される酸基の連鎖の長
さ、構造、さらには分岐、架橋などの樹脂の微細
構造などにより決定されるのではないかと推定さ
れる。
次に本発明において(A)層として用いる樹脂はエ
チレン成分含有率20〜55モル%、鹸化度が90モル
%以上のエチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物で
ある。エチレン成分の含有率が20モル%未満であ
ると得られた鹸化樹脂の溶融成形が困難であり、
55モル%を越えるとガスバリヤー性が低下する傾
向にあるので、好ましくない。酢酸ビニル成分の
鹸化度は90モル%以上である。90モル%未満であ
るとガスバリヤー性が低いばかりでなく、耐熱
性、耐水性などの諸物性も低下する傾向にあり、
好ましくない。
(B)層に用いるポリスチレン系樹脂としてはスチ
レンの重合体、耐衝撃性ポリスチレンとして広く
業界で知られている所のブタジエン−スチレンラ
バー存在下にスチレンの重合を行うゴム配合ポリ
スチレン樹脂、さらにはABSとして広く業界に
知られているアクリロニトリル−ブタジエン−ス
チレン系樹脂、透明性の耐衝撃性のポリスチレン
として知られているスチレン成分の多いスチレン
−ブタジエンブロツク共重合体などが用いられ
る。
共押出しによる接着性は単なる熱プレス圧着に
よる接着強度測定結果から推定できるものではな
く、殆んどの場合、共押出しすると接着性は極め
て低下する。とくに共押出しし、高速度で引き取
る場合はその低下は激しい。これは成形機通過後
も積層体が短時間のうちに冷却されながら引き伸
ばされる事によるものと思われる。ところが本発
明の接着性樹脂を使用することにより共押出し
し、上記のごとき3m/分以上の速度で引き取つ
ても強い接着性を示すものであり、これによつて
生産性の向上が計られることになり工業的意義は
きわめて大きい。ここで引き取り速度とはポリマ
ーを共押出しし、冷却する過程で、ポリマーの温
度が40℃に降下した箇所での引き取り速度をい
う。
この様にして得られた積層体の各層の厚さに特
に制限はないが(A)層は50〜70μ(C)層は5〜90μ(B)
層は50〜1000μの範囲が好適である。
また得られた積層物は各層間の接着力は充分な
ものであり、かつポリスチレン系樹脂のすぐれた
力学的特性とエチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化
物のすぐれたバリヤー性能をあわせもち、まこと
にすぐれた食品容器(カツプ、ボトルなど)、包
装材料として有用なものである。
本発明に使用した(C)層樹脂はTダイ法あるいは
リングダイ法による押出し成形法においてすぐれ
た効果を示すものであるが、さらにブロー成形
法、などに用いてもその成形サイクルを短縮し、
より成形速度を速くする事ができるなどその有用
性は卓越したものである。この場合(B)のポリスチ
レン樹脂層は内層にきてもよいし、また外層にき
ても差し支えない。また積層物としては(A)−(C)−
(B)、(B)−(C)−(A)−(C)−(B)、(A)−(C)−(B)−(C)−
(A)な
どの多層構造とすることができる。また必要に応
じ、これらの積層物に他の樹脂層(たとえばポリ
エチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフイン
層)を積層することもできる。
以下実施例により本発明をさらに説明するが、
本発明はこれらの実施例により限定されるもので
はない。
実施例 1 EVAFLEX P−2805{三井ポリケミカル社
製;エチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル
の含有量28重量%)}100重量部及び無水マレイン
酸8重量部を精製したキシレン500重量部に溶解
し、130℃に保つた。この溶液にベンゾイルバー
オキシド1重量部をキシレン20重量部に溶解させ
た溶液を撹拌下に2時間にわたつて滴下し、つづ
いて30分間撹拌をつづけた。冷却後、大量の精製
アセトン中に反応溶液を加え、ポリマーを析出さ
せた。得られたポリマーを精製したキシレンを溶
剤とし、精製したアセトンを非溶剤として再沈精
製を行なつた。このものをIR法及びNMR法で分
析した所、無水マレイン酸成分を2.8重量%含有
していた。得られたポリマーをホツトプレスによ
り、厚さ0.0214cm、巾0.5021cm、長さ2000cmのシ
ートを作成し、東洋測器(株)製の直続式動的粘弾性
測定器(DDV−)を用い、複素弾性率の温度
依存性を測定した所、第1図に示すとおり本発明
の範囲を満足するものであつた。
このようにして得た接着性樹脂を(C)層とし、酢
酸ビニル成分の含有率が56モル%であるエチレン
酢酸ビニル共重合体の酢酸ビニル成分の99.5モル
%を鹸化する事によつて得た〔η〕=0.096/g
(フエノール/水=85/15混合液、30℃で測定)
のエチレン酢酸ビニル共重合体鹸化物樹脂を(A)層
とし、耐衝撃性ポリスチレン(「スタイロン470」
旭ダウ社製)を(B)層樹脂とし、次のような方法で
積層体を得た。
内径60mmφの押出機、内径40mmφの押出機
、内径90mmφの押出機の三台の押出機を備
え、各押出機からの溶融材料が一つのダイ内でお
のおのマニーホールドによつて広げられた後、当
該ダイ内で一に合流して複層化されるタイプのフ
ラツトダイ式の三層共押出し装置を用いて、押出
し機には(A)層樹脂を、押出し機には(C)層樹脂
を、押出し機には(B)層樹脂を供給し、ダイ温度
220℃、引取り速度7m/分(引き取り速度は冷
却ローラ上で樹脂の温度が40℃になつたときに測
定した)で共押出しを行い、(A)/(C)/(B)の三層構
成の波状紋のないきれいな積層体を得た。各層の
厚みは(A)層が50μ、(B)層が250μ、(C)層が15μであ
り、各層間の剥離強度は(A)/(C)間で1.9Kg/cm、
(B)/(C)間で1.6Kg/cmと良好な接着性を示した。
比較例 1 ユカロンエバ41H{三菱油化社製;エチレン−
酢酸ビニル共重合体100重量部に無水マレイン酸
3重量部2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジ
ハイドロパーオキサイド1.0重量部を添加後、ヘ
ンシエルミキサーで混合し、径40φの押出し機で
220℃で押出し、水冷後ペレツト化し、1.1重量%
の無水マレイン酸成分を含有するポリマーを得
た。このものの複素弾性率の温度依存性を測定し
た所、第1図に示すとおり本発明の範囲を満足し
ないものであつた。これは用いたエチレン−酢酸
ビニル共重合体の種類、グラフト条件、得られた
ポリマーの分岐状態(長鎖または短鎖の分岐状
態)、架橋構造、分子量、分子量分布などの違い
によるものと考えられる。上記ポリマーを(C)層樹
脂とする以外は実施例1と同様にして(A)/(C)/(B)
の三種構成の共押出しを試みた。押出された積層
体は波紋のある不良品であつた。該積層体のでき
るだけ良好な場所を選んで厚みを測定した所、(A)
層が40〜60μ、(B)層が240〜280μ、(C)層が5〜20μ
であつた。又その層間剥離強度は(A)/(C)間で0.4
Kg/cm、(B)/(C)間で0.1Kg/cmであり、接着が外
観ともにまつたく実用に耐えないものであつた。
実施例 2 EVAFLEX−2505{三井ポリケミカル社製;エ
チレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有量
25重量%)}を用いる以外は実施例1と同様にし
てポリマーを得た。このものをIR法およびNMR
法で分析した所、1.9重量%の無水マレイン酸成
分を含有していた。該ポリマーの複素弾性率の温
度依存性は第1図に示すとおり本発明の範囲を満
足するものであつた。
この変性ポリマーを(C)層樹脂とし、酢酸ビニル
成分の含有率が67モル%であるエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体の酢酸ビニル成分の99.6モル%を鹸
化する事によつて得た〔η〕=0.112/gのエチ
レン−酢酸ビニル共重合体鹸化物樹脂を(A)層樹脂
とし、耐衝撃性ポリスチレン〔スタイロン4750、
旭ダウ社製〕を(B)層樹脂とし、次のような方法で
積層体を得た。
内径60mmφの押出機、内径45mmφの押出機
、内径90mmφの押出機の押出機を備え、押出
機、にあつては溶融材料が各々二層に分岐
後、ダイ内でおのおののマニホールドによつて広
げられた後、押出機より溶融押出され、マニホ
ールドにより広げられた樹脂層に、と順次合
流されるタイプのフラツトダイ式三種五層共押出
し装置を用い、押出機()には(A)層樹脂を、押
出機には(C)層樹脂を、押出機には(B)層樹脂を
供給し、ダイ温度220℃、引き取り速度6m/分
(引き取り速度は冷却ローラー上で樹脂の温度が
40℃になつたときに測定した)で共押出しを行
い、(A)/(C)/(B)/(C)/(A)の三種五層の良好な積層
体を得た。各層の厚みは、(A)層が45μ、(B)層が
280μ、(C)層が20μであり、各層間の剥離強度は
(A)/(C)間で1.8Kg/cm、(B)/(C)間で1.4Kg/cmと良
好な接着性を示した。
比較例 2 エバフレツクスP−3307{三井ポリケミカル社
製;エチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル
含有量33重量%)}100重量部および無水マレイン
酸7重量部をキシレン700重量部に溶解し、130℃
に保つた。この溶液にベンゾイルパーオキシド10
重量部をキシレン20重量部に溶解させた溶液を撹
拌下に4時間にわたつて滴下し、つづいて3分間
撹拌をつづけた。冷却後、大量のアセトン中に反
応溶液を加え、ポリマーを析出し、無水マレイン
酸成分を1.7重量%含有するポリマーを得た。こ
のものの複素弾性率の温度依存性を測定した所、
本発明の範囲を満足しないものであつた。これは
グラフト条件、得られたポリマーの分岐状態(長
鎖または短鎖の分岐状態)、架橋構造、分子量、
分子量分布などの違いによるものと考えられる。
上記ポリマーを(C)層樹脂とする以外は実施例2
と同様にして(A)/(C)/(B)/(C)/(A)の三種五層構成
の共押出しを試みた。押出された積層体は不良な
ものであつた。該積層体のできるだけ良好な所を
選んで厚みを測定した所、(A)層が30〜35μ、(B)層
が270〜290μ、(C)層が15〜27μであつた。又その
層間剥離強度は(A)/(C)間で0.2Kg/cm、(B)/(C)間
で0.1Kg/cmとまつたく不良であつた。
比較例 3 EVAFLEX−P2505(三井ポリケミカル社製;
エチレン−酢酸ビニル共重合体)100重量部及び
無水マレイン酸8重量部をキシレン400重量部に
溶解し、110℃に保つた。この溶液にベンゾイル
パーオキシド10重量部をキシレン200重量部に溶
解させた溶液を撹拌下に1時間にわたつて滴下
し、つづいて1.5時間撹拌をつづけた。ただちに
大量のアセトン中に反応溶液を加え、ポリマーを
析出させた。得られたポリマーをキシレンを溶剤
とし、アセトンを非溶剤として再沈精製を行なつ
た。このものは無水マレイン酸成分を3.2重量%
含有していた。得られたポリマーの複素弾性率の
温度依存性を測定した所、第1図に示すとおり本
発明の範囲を満足しないものであつた。
得られた樹脂を(C)層として実施例2と同様にし
て共押出しして得た積層体は不良品であつた。該
積層体のできるだけ良好な所を選んで厚みを測定
した所、(A)厚が35〜40μ、(B)層が290〜310μ、(C)
層が16〜29μであつた。又その層間剥離強度は
(A)/(C)間で0.1Kg/cm、(B)/(C)間で0.3Kg/cmとま
つたく不良であつた。
本例においては実施例2に用いたと同じエチレ
ン−酢酸ビニル共重合体(EVAFLEX P2505)
を用いたにもかかわらず、共押出し積層シートの
剥離強度は上述のごとく全く不良なものであつ
た。これは共重合体の酢酸ビニル成分の含有量と
か用いるエチレン性不飽和カルボン酸化合物の種
類のみによつて、それから得られた積層体の接着
力、外観等の積層体の性能が決定されるものでは
ない事を明確に示している。
【図面の簡単な説明】
第1図は各種接着性樹脂の複素弾性率の実数部
(E′)と温度(T)との関係を示すグラフであり、
縦軸はlogE′、横軸は温度T(℃)を示す。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 (A) エチレン成分含有率20〜55モル%、鹸化
    度90モル%以上のエチレン−酢酸ビニル共重合
    体鹸化物樹脂層、 (B) ポリスチレン系樹脂層および (C) エチレン成分−酢酸ビニルもしくは(メタ)
    アクリル酸エステル成分−エチレン性不飽和カ
    ルボン酸もしくは該カルボン酸無水物成分から
    なる重合体よりなり、かつ周波数110Hzで測定
    された複素弾性率の実数部が20〜70℃の範囲に
    おいて、下記()式を満足する接着性樹脂層
    からなり、(C)を介して(A)および(B)を積層した積
    層体。 8.0−0.0143T<logE′<10.0−0.0286T ……() 〔E′;110Hzで測定した複素弾性率の実数部
    (dyne/cm2) T;温度(℃)〕 2 複素弾性率の実数部が下記()式である特
    許請求の範囲第1項に記載の積層体。 8.5−0.0214T<logE′<9.5−0.0257T……() 3 (A) エチレン成分含有率20〜55モル%、鹸化
    度90モル%以上のエチレン−酢酸ビニル共重合
    体鹸化物樹脂、 (B) ポリスチレン系樹脂および (C) エチレン成分−酢酸ビニルもしくは(メタ)
    アクリル酸エステル成分−エチレン性不飽和カ
    ルボン酸もしくは該カルボン酸無水物成分から
    なる重合体よりなり、かつ周波数110Hzで測定
    された複素弾性率の実数部が20〜70℃の範囲内
    において下記()式を満足する接着性樹脂
    を、(C)を介して(A)および(B)を共押出しし、3
    m/分以上の速度で引き取る事を特徴とする積
    層体の製造方法。 8.0−0.0143T<logE′<10.0−0.0286T ……() 〔E′;110Hzで測定した複素弾性率の実数部
    (dyne/cm2) T;温度(℃)〕 4 複素弾性率の実数部が下記()式を満足す
    る特許請求の範囲第3項記載の積層体の製造方
    法。 8.5−0.0214T<logE′<9.5−0.0257T……()
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