JPH0156209B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 この発明は、暗渠排水または圃場用排水に用い
られる合成樹脂製暗渠排水管に関する。

(ロ) 従来技術 土管や有孔管に比べて給水効率が高く、目詰り
防止にも適したものとして、多数のストランドが
押し出し成形により網目円筒状に一体に構成され
た合成樹脂製の暗渠排水管が知られている（例え
ば、実公昭57−16901号公報参照）。

この場合、多数のストランドは、円筒状で各ス
トランドが蛇行しながら該円筒の胴面に沿つてそ
の円筒の中心軸に略平行に走行する外ストランド
群と、この外ストランド群の内側に同軸円筒状
で、各ストランドが蛇行しながら該円筒の胴面に
沿つてその円筒の中心軸に略平行に走行し、且
つ、上記外ストランド群の各ストランドと交差す
る内ストランド群と、押し出し成形時にその交差
部で直接に一体融着により形成されていた。

しかし上記構成では、外ストランド群と内スト
ランド群とが、断面曲線形の外表面で直接に融着
されているだけであるから、耐圧強度が未だ十分
に強いとはいえない不都合があつた。

(ハ) 発明の目的 この発明はこれらの事情に鑑みてなされたもの
であり、その主要な目的の一つは、肉厚の断面に
二重壁による中空部を形成して給水および排水効
果を改善するとともに、外ストランド群と内スト
ランド群とをそれらの一方より突出させたヒレ条
部材により融着させて耐圧強度を著しく強くした
暗渠排水管を提供することにある。

(ニ) 発明の構成 この発明は、多数のストランドが押し出し成形
にて一体網目円筒状に構成されてなる合成樹脂製
暗渠排水管において、円筒状で各ストランドが蛇
行しながら該円筒の胴面に沿つてその円筒の中心
軸に略平行に走行する外ストランド群と、この外
ストランド群の内側に同軸円筒状で、各ストラン
ドが蛇行しながら該円筒の胴面に沿つてその円筒
の中心軸に略平行に走行し、且つ、上記外ストラ
ンド群の各ストランドと交差する内ストランド群
と、これらの両ストランドの径寸法よりも小さい
厚さで、一方のストランドの各側胴から他方のス
トランド群に向かつて突出し、他方のストランド
群の各側胴と、押し出し成形時に一体融着されて
なるヒレ状の連結条片群とからなる合成樹脂製暗
渠排水管。

(ホ) 実施例 以下図に示す実施例に基づいてこの発明を詳述
する。なお、これによつてこの発明が限定される
ものではない。

第１図から第５図はこの発明の一実施例を示し
たもので、合成樹脂製の暗渠排水管１は、外スト
ランド群２，２……と内ストランド群３，３…
…、およびこれらの両ストランド群を結合するヒ
レ状の連結条片４とから構成されている。

暗渠排水管１の材質としては、ポリ塩化ビニ
ル、ポリエチレン、ポリプロピレン等の熱可塑性
樹脂を用いることができるが、これらのうち、ポ
リエチレンが特に好適であり、大きさとしては、
内径50〜200mm中のものが押し出し成形や使用上
からみて望ましい。

外ストランド群２，２……は、第１図に示す如
く、円周方向の一定幅Ｗ内の円周面上を蛇行しな
がら円筒の中心軸に略平行に走行する外ストラン
ド２の集合からなつており、内ストランド群３，
３……は、外ストランド群２，２……と位相およ
び振幅方向のずれを伴なつて蛇行する内ストラン
ド３の集合からなつている。

外ストランド２および内ストランド３は、第２
図ａ，ｂに示すように、それらの直径または円周
方向の幅寸法よりも小さなヒレ状の連結条片４に
よつて結合され、肉厚内に外表面および内表面の
各開口より大きな中空部５が形成されている。外
ストランド２と内ストランド３は、径または幅が
約１〜５mm、外表面と内表面の開口は、各ストラ
ンド２，３の幅を除いて約１mm×１mmないし５mm
×５mm程度の大きさに形成される。

ところで、前記構成の暗渠排水管１は、次のよ
うにして押し出し成形により製造することができ
る。

即ち、押し出し機（図示せず）先端に、第３図
に示す如き、内面に方形の切欠き溝７を所要個数
形成された環状のアウトリツプ部材６を固着し、
このアウトリツプ部材６内に、各切欠き溝７と対
向する位置に直径方向のヒレ形成溝９と円形ノズ
ル孔１０が形成されたインリツプ部材８を摺動回
転可能に取り付け、インリツプ部材８を左右方向
に反復摺動運動させながら、両リツプ部材６，８
から溶融された合成樹脂を押し出せばよい。この
とき、インリツプ部材８の円形ノズル孔１０から
押し出される溶融樹脂は、インリツプ部材８の反
復摺動運動によつて波形に蛇行され、アウトリツ
プ部材６から押し出される溶融樹脂は、インリツ
プ部材８のヒレ形成溝９から押し出される溶融樹
脂によつて摺動方向につれまわりされて同じく波
形に蛇行されて所定の構造のものが得られる。

しかし、この構造のものは、インリツプ部材８
に方形の切欠き溝７を形成して押し出し機に固着
し、アウトリツプ部材６にヒレ形成溝９と円形ノ
ズル孔１０を設けて反復摺動運動させた場合に
も、前記と同じようにして形成することができる
（第４図参照）。

なお、上記各製造方法では、アウトリツプ部材
６とインリツプ部材８のいずれか一方が押し出し
機に固着される場合について説明したが、アウト
リツプ部材６とインリツプ部材８の両方に、第５
図に示す如く、ヒレ形成溝９と円形ノズル孔１０
を設けた、両リツプ部材６，８を互に反対方向に
反復摺動させて、前記と同様な構造の暗渠排水管
１を得ることができる。

暗渠排水管１を上記にように構成した場合、外
ストランド２と内ストランド３とをヒレ状の連結
条片４によつて確実に連結するとともに、その肉
厚部内に、内外両表面に形成される開口より大き
な中空部５を形成することができるから、暗渠排
水管１の耐圧強度を従来の場合に比して著しく強
くし、目詰りを防止して吸水および排水効果を長
期にわたつて大きな状態に維持することができ
る。

(ヘ) 発明の効果 この発明は、外ストランド群と内ストランド群
の押し出しによつて網目が形成される暗渠排水管
において、外ストランド群と内ストランド群とを
ヒレ状の連結条片によつて融着したものであるか
ら、耐圧強度を著しく強くし、目詰りを防止して
吸水および排水効果を長期にわたつて大きな状態
に維持することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例を示す斜視図、第
２図ａ，ｂは同縦断面図、第３図〜第５図はこの
発明の暗渠排水管を作るのに用いられるそれぞれ
異なるリツプ部材の構造を示す正面図である。 １，１ａ，１ｂ……合成樹脂製暗渠排水管、
２，２ａ，２ｂ……外ストランド、３，３ａ，３
ｂ……内ストランド、４……ヒレ状の連結条片。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 多数のストランドが押し出し成形にて一体網
   目円筒状に構成されてなる合成樹脂製暗渠排水管
   において、 円筒状で各ストランドが蛇行しながら該円筒の
   胴面に沿つてその円筒の中心軸に略平行に走行す
   る外ストランド群と、この外ストランド群の内側
   に同軸円筒状で、各ストランドが蛇行しながら該
   円筒の胴面に沿つてその円筒の中心軸に略平行に
   走行し、且つ、上記外ストランド群の各ストラン
   ドと交差する内ストランド群と、これらの両スト
   ランドの径寸法よりも小さい厚さで、一方のスト
   ランドの各側胴から他方のストランド群に向かつ
   て突出し、他方のストランド群の各側胴と、押し
   出し成形時に一体融着されてなるヒレ状の連結条
   片群とからなる合成樹脂製暗渠排水管。