JPH0154473B2

JPH0154473B2 -

Info

Publication number: JPH0154473B2
Application number: JP62324927A
Authority: JP
Inventors: Kazutomi Tomita; Kenji Yamazaki; Kunitoshi Hirata; Hidenao Takagi
Original assignee: KANBO PURASU KK
Current assignee: KANBO PURASU KK
Priority date: 1987-12-22
Filing date: 1987-12-22
Publication date: 1989-11-20
Also published as: JPS63243384A

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）本発明は通風性シートの製造法に関する。更に
詳しくはシート基布内の緯糸の弧状湾曲状態の改
良ならびに糸条の目ずれ防止に関するものであ
る。

（従来の技術）従来、繊維糸条を糸間間隔を置いて経糸および
緯糸を平行に配置した粗目編織状シートが防風ま
たは防虫網などとして用いられてきており、近年
これらの通風性のあるシートは農業用、土木建築
用その他広い範囲にわたつてその用途が拡がりつ
つある。（発明が解決しようとする問題点）しかしながら、これらの通風性シートは、主と
してポリ塩化ビニール樹脂又はポリ塩化ビニニデ
ン樹脂や、ポリエチレン等のモノフイラメント等
の繊維糸条から芯地をつくり、該芯地の経緯方向
の糸条が両者の交差点において一体的に接合する
ように芯地全体に熱可塑性樹脂などを付着せしめ
るもの、または樹脂被覆糸条を用いて粗目編織状
シートを製造する方法などが提案されているが、
いずれもこれらの粗目メツシユシートは製品ので
き上がりにおいて緯糸が弧状湾曲を呈し、建築
用、土木用等の通風性シートとしての使用上、或
いは外観上も好ましいものではなく、ユーザーか
らもこれら製品の弧状湾曲の防止を望む声が強
い。

また、シート構成糸条の目ずれやほつれの防止
についても同様にその対策が望まれている。

本発明の目的は、上記これらの欠点を改良した
もので、緯糸の弧状湾曲の改良ならびに目ずれの
少ない通風性シートを提供することにある。

本発明は互いに糸条間隔をおいて経緯方向に配
置してなる粗目編織状芯地と該芯地を被覆し、か
つ経緯方向の各糸条が両者の交差点において互い
に接合する如く熱可塑性樹脂を該芯地全体に付着
せしめる通風性シートの製造において、予め前記
粗目編織状芯地を溶液濃度10％以下の部分的に架
橋可能な熱可塑性樹脂溶液に含浸し、熱処理する
か、或いは予め前記粗目編織状芯地を部分的に架
橋可能な熱可塑性樹脂溶液に含浸し、熱処理した
後、熱可塑性樹脂を芯地全体に付着せしめ、熱処
理する工程に続き、テンシヨンローラーの表面速
度を10％以下高めて駆動せしめる操作を行なう湾
曲度の少ない通風性シートの製造法である。

（問題点を解決するための手段）本発明に用いられる粗目編織物基布を構成する
糸条は、比較的高い融点を有するポリエステル、
ポリアミド、或いはガラス繊維などを用いる。

糸条の形状としては、紡績糸、マルチフイラメ
ントヤーン等のいずれでもよいが、経糸および緯
糸としては、たとえばポリエステルでは250〜
3000デニール、ポリアミドでは210〜2760デニー
ルの平織またはこれらを用いたからみ織などが粗
目編織状芯地として適している。

本発明に用いる粗目編織物の組織としては、平
織あるいはからみ織等が好ましい。また本発明に
用いられる粗目編織状芯地は50〜300g／m²の目
付を有することが好ましい。

上記部分的に架橋可能な熱可塑性樹脂溶液の濃
度は、いずれも10％以下が適当であり、アクリル
系樹脂の場合には２〜７％が望ましい。

また、処理温度としては190℃以上が好ましく、
たとえばポリエステル糸条の場合は200〜230℃、
ポリアミド糸条の場合には、190〜220℃、処理時
間はいずれも30〜120秒が適している。

次に予め部分的に架橋可能な熱可塑性樹脂溶液
により、上記の如き処理を行なつた粗目編織物芯
地に付着せしめる樹脂としては、一般に100〜250
℃の融点を有するポリ塩化ビニール樹脂のほか、
塩素化ポリエチレン、クロロスルフオン化ポリエ
チレンなどの熱可塑性樹脂が用いられる。

熱可塑性樹脂の重量は芯地糸条の接合に十分な
量であればよいが、一般に芯地糸条に対し40％以
上が適当であり、好ましくは60〜250％である。

上記樹脂を付着せしめるには、芯地糸条を樹脂
溶液中に浸漬し、これを所望の程度に絞り、乾燥
後、必要に応じ熱処理する。

また、このとき該樹脂溶液中に防炎剤、着色顔
料、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの添加剤を入
れることができる。

前記のような処理を行なうことにより、従来の
緯糸の弧状湾曲状態を格段に少なくすることがで
き、また、次の芯地糸条へ熱可塑性樹脂を付着せ
しめる工程において目ずれや糸条のほつれが少な
くなり、作業性を向上させることができる。

そして、通風性シートの用途、または粗目編織
状芯地の種類などによつて、さらに該シートの弧
状湾曲状態ならびに目ずれを可及的減少せしめる
には、熱可塑性樹脂を粗目編織状芯地全体に付着
せしめ経緯糸のそれぞれを接合し、熱処理を行な
う工程に続き、下記の如き処理を行なうことによ
り、さらにこれらを減少せしめることができる。

従来メツシユシートの製造においては、粗目編
織状芯地を熱可塑性樹脂等により被覆した後、テ
ンター乾燥機等へ導いて熱処理が行なわれてお
り、該メツシユシートを前記テンター乾燥機等に
よつて、その横幅を保持しながらローラー等によ
り搬送し、冷却シリンダーを経て放温冷却した
後、巻取られるのが一般的であつた。

本発明にかかる方法では、予め前記編織状芯地
を次の工程で用いる熱可塑性樹脂と親和性を有
し、かつ溶液濃度10％以下の部分的に架橋可能な
熱可塑性樹脂溶液に含浸し、熱処理するか、或い
は予め前記編織状芯地を次の工程で用いる熱可塑
性樹脂と親和性を有する部分的に架橋可能な熱可
塑性樹脂溶液に含浸し、熱処理した後、熱可塑性
樹脂を芯地全体に付着せしめ、熱処理する工程に
続く樹脂付着接合処理を経た基布シートの搬送工
程で、搬送テンター速度の主駆動速度に対し、テ
ンシヨンローラーの表面速度を10％以下、好まし
くは２〜５％高めて駆動せしめることにより湾曲
状ならびに目ずれの欠点を改善することができ
る。

なお、湾曲度は、第１図に示す如く基布シート
１において、経糸２は平行に直線状に並んでいる
が、緯糸３は互いに平行ながら弧状に湾曲した状
態で伸びているので、この緯糸３の両端を結ぶ直
線４の長さと弧状の頂点との距離Ａとの比率
（％）によつて表わす。

また、第２図は熱可塑性樹脂を付着せしめた
後、該基布シートの搬送工程においてテンシヨン
ローラーの表面速度を高めて駆動させる工程の略
図を示すもので、図中、乾燥機５内に配設された
搬送テンター（図示しない）から搬送される樹脂
付着接合処理した基布シート１を、該乾燥機５よ
りガイドローラー７を経てテンシヨンローラー
６，６′へ導かれるが、この場合該乾燥機５の主
駆動速度に対し、変速機等により前記テンシヨン
ローラー６，６′の表面速度を強制的に一定の比
率高めて駆動させる操作を行ない、次いでシリン
ダー８にて冷却、放熱した後、巻き取る。

（実施例）以下、本発明をその一実施例に基づいて説明す
るが、本発明は以下の実施例に何等限定されるも
のではない。なお以下部は重量部を示す。

実施例１ポリエステルマルチフイラメントヤーン、た
て、500デニール、２本、よこ1000デニールのか
らみ織、たて、よこ密度８本／インチの粗目編織
状芯地を用い、下記のような部分的に架橋可能な
熱可塑性樹脂溶液により処理を行なつた。

(1) アクリル樹脂（30％） 50部クリスコート1330 （大日本インキ製）イソシアネート（架橋剤）３部クリスボン NX（大日本インキ製）トルエン 200部上記溶液濃度5.9％の樹脂溶液に浸漬した後、
マングルで絞る。絞り率100％とし、熱風にて
乾燥した後、200〜230℃にて120秒熱処理した。
この時の固形分付着量は4.5g／m²であつた。

(2) 次に、下記の熱可塑性樹脂組成物により該粗
目編織状芯地の接合被覆処理を行なつた。

塩化ビニール（ゼオン121） 100部可塑剤DOP 60部塩素化パラフイン（40％） 10部三酸化アンチモン 15部安定剤（カルシウム亜鉛）３部紫外線吸収剤 0.1部顔料（ブルー）５部キシレン 20部上記熱可塑性樹脂組成物を粘度200cpsに調整
し、これに浸漬した後、マングルで絞り熱風乾
燥後、200℃で30〜40秒、熱処理してゲル化さ
せた。

(4) 上記の乾燥、熱処理工程通過後直ちに、テン
シヨンローラーの表面速度を主駆動速度に対
し、３％強制的に高めて駆動せしめる操作を行
なつた。

その結果、前記樹脂被覆接合処理した該基布
シートは幅185cmに対し、湾曲率2.1％（3.9cm）
と湾曲度の少ない通風性シートが得られた。

なお、比較例としてテンシヨンローラー速度を
３％高めず、上記部分的に架橋可能な熱可塑性樹
脂溶液による処理をしないものの湾曲率は仕上が
り幅185cmに対し、12.4％（23cm）であつた。

また、上記部分的に架橋可能な熱可塑性樹脂溶
液による前処理を行なつたものは湾曲率5.1％
（9.4cm）であつた。

実施例２ポリエステルフイラメントヤーン、たて、よこ
250デニール、たて、よこ密度30本／インチの平
織の粗目編織状芯地を用いて、下記のような溶液
濃度6.8％の部分的に架橋可能な熱可塑性樹脂溶
液により処理を行なつた。

(1) アクリル樹脂エマルジヨン（45％）ボンコートES−14（大日本インキ製） 50部メラミン２部ベツカミンPM−Ｎ（大日本インキ製）水 300部上記樹脂溶液に浸漬した後、マングルで絞
る。絞り率100％とし、熱風で乾燥した後、200
℃，40秒の熱処理を行なつた。

この時の固形分付着量は4.6g／m²であつた。

(2) 次に下記の熱可塑性樹脂組成物を、粘度
200CPSに調整し、これに浸漬した後、マング
ルで絞り熱風乾燥後、200〜220℃で60秒、熱処
理、ゲル化を施した。

塩化ビニール（ゼオン121） 100部可塑剤DOP 60部三酸化アンチモン 12.5部紫外線吸収剤 0.1部安定剤（カルシウム亜鉛）３部顔料（グリーン）５部キシレン 25部 (3) 実施例１と同様に、上記熱処理ゲル化工程後
直ちにテンシヨンローラーの表面速度を２％強
制的に高める操作を行なつた。

この結果、前記樹脂接合被覆処理した該粗目
編織状芯地の幅190cmに対し、上記(1)の樹脂溶
液による処理をしないで、(2)の樹脂組成物によ
る付着処理を行なつたときの湾曲度は8.9％
（17cm）であり、上記(1)による樹脂溶液の処理
後、(2)の樹脂組成物による付着処理を行なつた
ときの湾曲度は4.6％（8.7cm）であつた。さら
に(2)の樹脂組成物による付着処理後、テンシヨ
ンローラーの表面速度を２％高める操作を行な
つたものの場合、1.2％（2.3cm）となり、その
効果は優れている。

実施例３ポリエステルマルチフイラメントヤーン、た
て、よこ、750デニール×３、たて、よこ密度11
本／インチの粗目編織状芯地を用いて、下記のよ
うな溶液濃度6.1％の部分的に架橋可能な熱可塑
性樹脂溶液により処理を行なつた。

(1) ウレタン樹脂エマルジヨン（40％） 45部ボンデツクス1640（大日本インキ製）メラミン，１部ベツカミンAPM（大日本インキ製）触媒 0.1部カタリスト376（大日本インキ製）水 250部上記樹脂溶液に浸漬し、マングルで絞る。絞
り率100％とし、熱風にて乾燥した後、200℃、
40秒の熱処理を行なつた。

この時の固形分付着量は15g／m²であつた。

(2) 次に実施例２と同様の下記熱可塑性樹脂組成
物を粘度200CPSとし、これに浸した後、マン
グルで絞り、120〜170℃の熱風で乾燥した後、
200〜220℃で60秒間熱処理ゲル化を施した。

塩化ビニール（ゼオン121） 100部可塑剤DOP 60部三酸化アンチモン 12.5部紫外線吸収剤 0.1部安定剤（カルシウム亜鉛）３部顔料（グリーン）５部キシレン 25部 (3) 該熱処理ゲル化工程を通過後直ちに、主駆動
速度に対し、テンシヨンローラーの表面速度を
３％強制的に高める操作を行なつた。

その結果、前記樹脂接合被覆処理した該基布
シートは幅185cmに対し、湾曲率1.6％（3.0cm）
と湾曲度の少ない通風性シートが得られた。

比較例として、上記部分的に架橋可能な熱可塑
性樹脂溶液処理を行なわず、樹脂接合処理を行な
つた場合の湾曲率は9.7％（18.cm）であり、部分
的に架橋可能な熱可塑性樹脂溶液処理を行なつた
後、前記樹脂接合被覆処理を行なうに際し、乾
燥、熱処理ゲル化後直ちに、駆動速度を強制的に
高める操作を行なわなかつた時、このものの湾曲
率は4.2％（7.8cm）であつた。

（発明の効果）従来の通風性メツシユシートにおいては、農業
用、建築用等の如何を問わず、通常緯糸の弧状湾
曲は不可避とされている状況にあつたが、本発明
方法によれば、予め粗目編織状芯地を部分的に架
橋可能な熱可塑性樹脂溶液に含浸、熱処理し、或
いは樹脂接合処理後のテンシヨンローラーによる
駆動操作を選択し、これらを適宜組合わせること
により、製品の用途に応じた所望の湾曲度の少な
い通風性シートを得ることができるものであり、
また、一方、糸条の目ずれやほつれの防止も期待
できることからしてその効果は顕著である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明にかかるシートの湾曲度を示す
説明図、第２図は樹脂付着接合処理後のテンシヨ
ンローラーによる駆動操作工程概略説明図であ
る。１……基布シート、２……経糸、３……緯糸、
５……乾燥機、６，６′……テンシヨンローラー、
７，７′……ガイドローラー、８……シリンダー。

Claims

【特許請求の範囲】１互いに糸条間隔をおいて経緯方向に配置して
なる粗目編織状芯地と該芯地を被覆し、かつ経緯
方向の各糸状が両者の交差点において互いに接合
する如く熱可塑性樹脂を該芯地全体に付着せしめ
る通風性シートの製造において、予め前記粗目編
織状芯地を10％以下の部分的に架橋可能な熱可塑
性樹脂溶液に含浸し、熱処理してなることを特徴
とする湾曲度の少ない通風性シートの製造法。２互いに糸条間隔をおいて経緯方向に配置して
なる粗目編織状芯地と該芯地を被覆し、かつ経緯
方向の各糸状が両者の交差点において互いに接合
する如く熱可塑性樹脂を該芯地全体に付着せしめ
る通風性シートの製造において、予め前記粗目編
織状芯地を部分的に架橋可能な熱可塑性樹脂溶液
に含浸し、熱処理した後、熱可塑性樹脂を芯地全
体に付着せしめ、熱処理する工程に続く樹脂付着
接合処理を経た基布シートの搬送工程で、テンシ
ヨンローラーの表面速度を10％以下高めて駆動せ
しめる操作を行なうことを特徴とする湾曲度の少
ない通風性シートの製造法。