JPH0152666B2 - - Google Patents

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JPH0152666B2
JPH0152666B2 JP56083051A JP8305181A JPH0152666B2 JP H0152666 B2 JPH0152666 B2 JP H0152666B2 JP 56083051 A JP56083051 A JP 56083051A JP 8305181 A JP8305181 A JP 8305181A JP H0152666 B2 JPH0152666 B2 JP H0152666B2
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JP
Japan
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heat
hydrogen
temperature
medium
metal hydride
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Application number
JP56083051A
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English (en)
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JPS57197230A (en
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Michoshi Nishizaki
Minoru Myamoto
Kazuaki Myamoto
Takeshi Yoshida
Katsuhiko Yamaji
Yasushi Nakada
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP56083051A priority Critical patent/JPS57197230A/ja
Publication of JPS57197230A publication Critical patent/JPS57197230A/ja
Publication of JPH0152666B2 publication Critical patent/JPH0152666B2/ja
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【発明の詳細な説明】 本発明は熱エネルギー取得装置に関する。ある
種の金属や合金が発熱的に水素を吸蔵して金属水
素化物を形成し、また、この金属水素化物が可逆
的に吸熱的に水素を放出することが知られてい
る。
近年、このような金属水素化物の特性を利用し
て冷熱や温熱を得るための方法及びそのための装
置が種々提案されているが、効率が一般に低いた
め、その改善が要請されている。
又、金属水素化物の特性を利用、低質の廃熱を
回収する方法も提案されているが、回収した廃熱
をより高質の熱エネルギーに改質することが必要
であり、それを実現する方法及びそのための装置
も熱望されているのである。
第1a図は、平衡分解圧特性の異なる二種の金
属水素化物M1H及びM2Hを用いる従来の熱エネ
ルギー取得方法のサイクル線図であり、横軸は絶
対温度Tの逆数、縦軸は平衡分解圧Pの対数を示
す。このサイクル線図によつて、温熱又は冷熱を
取得する場合のカルノー成績係数COPを求めて
みる。
当初、M1Hは水素を十分に吸蔵しており、
M2Hは水素を放出しつくしているとし、サイク
ルにおいて水素1モルが吸蔵又は放出され、この
際の反応熱をそれぞれΔH1におよびΔH2とする。
M1Hに温度THにおいて高温熱媒からΔH1の熱を
与えて水素を放出させ(点A)、この水素を温度
TM(<TH)にてM2Hに吸蔵させると、M2Hは
ΔH2の熱を発生する(点B)。
次に、M1Hを中温熱媒にて温度TMに冷却する
と共に、M2Hを低温熱媒にて温度TL(<TM)に
冷却すると、分解平衡圧差によつてM2HはΔH2
の熱を吸熱して水素を放出し(点C)、この水素
をM1Hが吸蔵し、ΔH1の熱を発生する(点D)。
そこで、M1Hを再び温度THに加熱し、M2Hを温
度TMに加熱すれば1サイクルが完結する。
上記したサイクルにおいて、高温熱媒を高温駆
動熱源とし、中温熱媒として外気を用い、低温熱
媒を冷却負荷に接続して、点AにΔH1の熱を入
力し、点B及びCでの発熱ΔH2及びΔH1を系外
に排出することにより、点Dで冷熱ΔH2を得る
ことができる。この冷熱サイクルにおける成績係
数は、平衡分解圧特性を示す直線の傾きが反応熱
に等しい、即ち、ΔH1ΔH2であることを考慮
して、上記した説明から明らかなように、 COPC=ΔH2/ΔH11 ……(1) である。
一方、高温熱媒を高温駆動熱源とし、低温熱媒
として例えば外気を用いれば、中温熱媒から点B
及びDにおいて温熱を取得することができる。こ
のような温熱取得サイクルを後述する別の温熱取
得サイクルと区別するために、ここでは第1種温
熱取得サイクルと称する。この第1種温熱取得サ
イクルにおける成績係数は、点AにΔH1の熱を
入力し、点B及びDからΔH1+ΔH2の温熱を出
力として取得するから、 COPH1=ΔH1+ΔH2/ΔH1=1+COPC……(2) である。
なお、実際のサイクルにおいては、点A,D間
及び点B,C間での加熱、冷却に伴う熱損失が避
けられないので、実際の成績係数は上記の値より
も相当に小さい。
次に、第1b図に第2種温熱取得サイクルを示
す。このサイクルにおいては、当初、M2Hは十
分に水素を吸蔵しており、M1Hは水素を放出し
つくしているとし、中温の駆動熱源により温度
TMにてM2HにΔH2の熱を与えて水素を放出させ
(点A)、平衡分解圧差を利用してこの水素を温度
TH(>TM)でM1Hに吸蔵させる(点B)。この
際、M1HはΔH1の熱を発生するので、これを温
熱出力として得る。
次に、低温熱媒によつてM2Hを温度TL(>TM
に冷却する一方、M1Hを温度TMに冷却し、両者
の平衡分解圧差によつてM1Hから水素を放出さ
せ(点C)、M2Hに吸蔵させる(点D)。このと
き、M1Hには駆動熱源からΔH1の熱を与え、
M2Hが発生する熱ΔH2は低温熱媒に排出する。
従つて、この第2種温熱サイクルの成績係数
COPH2は、 COPH2=ΔH1/ΔH1+ΔH21/2 ……(3) である。
ほとんどの金属水素化物についてΔH2≦ΔH1
であるから、原理的にはCOPCが1を越えること
はほぼ不可能であり、従つて、COPH1が2を越え
ることもほぼ不可能である。なお、冷熱又は第1
種温熱取得サイクルにおいて点A,D間及び点
B,C間の加熱、冷却による熱損失を考慮する
と、一般にTMがある限界を越えると成績係数が
低下する傾向がある。第2種温熱サイクルは、中
温の駆動熱源を用いて高温の熱エネルギーを取得
するものであるが、本来、その成績係数は非常に
小さい。
このように従来の方法はいずれも成績係数が低
い。本発明はこのような問題を解決するためにな
されたものであつて、成績係数が改善された熱エ
ネルギー取得装置を提供することを目的とする。
又、第1a図の冷熱サイクルにおいて、高温熱
媒として外気を用い、中温熱媒(TM)として冷
廃熱(ΔH1+ΔH2)を供給すれば、より低温TL
の冷熱(ΔH2)がM2Hより回収される(点C)。
同様に、第1b図の第2種温熱サイクルにおい
て、低温熱媒を外気とし、温度TMの中温熱媒と
して温廃熱(ΔH1+ΔH2)を供給をすれば、よ
り高温THの温熱(ΔH1)がM1Hより回収される
(点B)。しかしながら、低質の熱エネルギーから
高質の熱エネルギーへの改質の程度は第1a図及
び第1b図を見れば自ら限界があるのは容易に理
解される。
本発明は廃熱のような低質の熱エネルギーがあ
る時により高質の熱エネルギーとして回収できる
熱エネルギー取得装置を提供することを目的とす
る。
本発明の熱エネルギー取得装置は、作動温度範
囲において平衡分解圧の異なるn種(但しn≧
3)の金属水素化物の組を少なくとも2組有し第
1の金属水素化物から吸熱的に水素を放出させ、
この水素を第2の金属水素化物に発熱的に吸蔵さ
せ、次に、第2の金属水素化物から吸熱的に水素
を放出させ、この水素を第3の金属水素化物に発
熱的に吸蔵させると共に、順次同様にして第nの
金属水素化物から吸熱的に水素を放出させ、この
水素を第1の金属水素化物に発熱的にさせるサイ
クルを有し、金属水素化物の水素吸蔵に伴う発熱
を温熱として取得し、又は金属水素化物の水素放
出に伴う吸熱を冷熱として取得する熱エネルギー
取得装置であつて、一方の組の金属水素化物を内
蔵した反応容器と他方の組の対応する反応容器間
で熱交換させる熱交換器、もしくは同じ組の異な
る金属水素化物を内蔵した反応容器間で熱交換さ
せる熱交換器が備えられていることを特徴とする
ものである。まず、作動温度範囲において平衡分
解圧の異なるn種(但しn≧3)の金属水素化物
を用い、第1の金属水素化物から吸熱的に水素を
放出させ、この水素を第2の金属水素化物に発熱
的に吸蔵させ、次に、第2の金属水素化物から吸
熱的に水素を放出させ、この水素を第3の金属水
素化物に発熱的に吸蔵させると共に、順次同様に
して第nの金属水素化物から吸熱的に水素を放出
させ、この水素を第1の金属水素化物に発熱的に
吸蔵させるサイクルを有し、金属水素化物の水素
吸蔵に伴う発熱を温熱として取得し、又は金属水
素化物の水素放出に伴う吸熱を冷熱として取得す
る方法について説明する。第2図は3種のM1H
とM2HとM3Hとした冷熱または温熱取得サイク
ルを示し、M1HとM2HとM3H間の水素移動を実
線で表わす。M1H,M2H,M3Hは平衡分解圧が
小さい順に統一して説明する。
先ず第2a図のサイクルを説明する。A→B→
C→D→E→F→Aは水素の移動する順序を示す
(第2b〜d図も同じ)。簡単のため水素1モルが
移動するとして、その時の水素吸蔵放出に伴う反
応熱を、M1H,M2H,M3HそれぞれΔH1
ΔH2,ΔH3とする(第2b〜d図も同じ)。温度
TLのM3H(点A)は吸熱的に水素を放出し、中温
熱媒TMに冷却されているM2H(点B)に水素を
移動する。M3HはΔH3の熱を吸収し、M2Hは
ΔH2の熱を放出する。次に中温熱媒TMに冷却さ
れているM1H(点D)へM2Hから水素が移動さ
れる。M2Hは低温熱媒でTLに保たれる(点C)。
M1Hは高温熱媒THで加熱され、水素を放出し
(点E)中温熱媒でTMに保たれているM3Hへ水
素を移動する。第2a図において、高温熱媒TM
を高温駆動熱源とし、中温熱媒TMとして外気を
用い、低温熱媒TLを冷却負荷に接続すると、点
EでΔH1の熱を入力すれば、点A及び点Cでそ
れぞれΔH3とΔH2の冷熱を得ることができる。
ΔH1ΔH2ΔH3とすると、冷熱取得のカルノ
ー成績係数は、 COPC1=ΔH2+ΔH3/ΔH12 ……(4) であつて、前記(1)式の成績係数より格段に改善さ
れている。
一方、高温熱媒TMを高温駆動熱源とし、低温
熱媒TLを外気とすれば、点B,D,Fから温熱
(ΔH2+ΔH1+ΔH3)が中温熱媒TMに与えられ
る。この第1種温熱取得サイクルのカルノー成績
係数は、 COPH1=ΔH2+ΔH1+ΔH3/ΔH13 ……(5) となり、前記(2)式の成績係数より格段に改善され
ている。
更に、高温熱媒THを外気として、TMの冷廃熱
(中温熱媒)が得られた時、点B,D,Fで
M1H,M2H,M3Hを冷却すれば、点A,Cで
M3H,M2Hから温度TLの冷熱(ΔH3+ΔH2)が
回収される。冷熱回収の成績係数は、COPW1
ΔH3+ΔH2/ΔH2+ΔH1+ΔH32/3 ……(6) であつて、第1a図に示される従来のサイクル使
用した場合は1/2であるから成績係数が改善され
ていることがわかる。
尚、点A,CにおけるTL、点B,D,Fにお
けるTMは同じ温度でなくともよい。
次に、第2b図のサイクルを説明する。
中温熱媒TMを中温駆動熱源とし、低温熱媒TL
を外気とし、高温熱媒THを加熱負荷に接続すれ
ば、点A,C,Eでの入力(ΔH3+ΔH2+ΔH1
によつて、点B,Dから温度THの温熱が出力
(ΔH2+ΔH1)される。従つて、この第2種温熱
取得サイクルの成績係数は、 COPH2=ΔH2+ΔH1/ΔH3+ΔH2+ΔH12/3 ……(7) であつて、前記(3)式の成績係数より格段に改善さ
れている。
上と同じ運転で、温度TMの温廃熱を点A,C,
Eにおいて入力し、温度THの温熱を点B,Dで
回収することができ、温熱回収の成績係数は式(7)
と同じである。
一方、低温熱媒TLを低温駆動熱源として、高
温熱媒THを外気とすれば、点A,C,Eにおい
て中温熱媒TMを冷却し、冷却負荷に接続すると、
点A,C,Eから冷却出力が得られる。成績係数
は、 COPC2=ΔH3+ΔH2+ΔH1/ΔH33 ……(8) となり、従来のサイクルより大幅に改善される。
次に、第2C図のサイクルを説明する。
中温熱媒TMを中温駆動熱源とし、低温熱媒TL
を外気とすれば、点Fで温度THの温熱出力ΔH1
が得られ、加熱負荷に接続すれば暖房熱源などと
して使用される。この第3種温熱取得サイクルの
成績係数は COPH3=ΔH1/ΔH1+ΔH2+ΔH31/3 ……(9) であり、成績係数としては劣る。しかしながら第
1b図と比較すれば理解されるように、従来のサ
イクルでは、中温熱媒TMが低くて、あるいは低
温熱媒TLが高くて必要な高さの温熱を得る温熱
取得サイクルが運転できない場合であつても、高
質(TH)のそして所望されている温熱出力が得
られるのである。
上と同じ運転で、より低質な温度TMの温廃熱
を点A,C,Eにおいて入力し、より高質な温度
THの温熱を回収することができる。温熱回収の
成績係数は式(9)と同じである。
最後に、第2d図のサイクルを説明する。
中温熱媒TMを外気として、高温熱媒THを太陽
熱などの高温駆動熱源とすれば、点Eで温度TL
の冷熱出力ΔH3が得られ、冷却負荷に接続する
と冷房熱源などとして使用される。この第4種冷
熱取得サイクルの成績係数は、 COPC4=ΔH3/ΔH1+ΔH21/2 ……(10) であり、成績係数としては前記(1)式より劣る。し
かしながら、第1a図と比較すれば理解されるよ
うに、従来のサイクルでは高温熱媒THが低く、
あるいは中温熱媒TMが高くて、必要な低さの冷
熱を得る冷熱取得サイクルの運転ができない場合
であつても、高質(TL)のそして所望されてい
る冷熱出力が得られるのである。上と同じ運転
で、より低質な温度TLの冷廃熱を点B,D,F
において入力し、より高質な温度TLの冷熱を回
収することができる。入力は点B,D,Fでの
ΔH2+ΔH1+ΔH3であるから、冷熱回収の成績
係数は、 COPW4=ΔH3/ΔH2+ΔH1+ΔH31/3……(11) となる。
一方、低温熱媒TLを外気とし、高温熱媒TH
高温駆動熱源とすれば、点B,D,Fから温度
TMの温熱出力(ΔH2+ΔH3+ΔH1)が得られる。
この第4種温熱取得サイクルの成績係数は、 COPH4=ΔH2+ΔH1+ΔH3/ΔH1+ΔH23/2……(12) である。前記(2)式の成績係数より(12)式の成績係数
は劣るが、第1a図と比較して、高温熱媒TH
低く、あるいは低温熱媒TLが低い場合でも高質
(TM)の温熱出力が得られるのである。次に、本
発明のエネルギー取得装置について説明する。
第3図は本発明装置の一実施例を示す。
この装置は平衡分解圧の異なる3種の金属水素
化物の組を2組を備えたバツチ式の熱エネルギー
取得装置である。1,4はM1Hを内蔵した反応
容器、2,5はM2Hを内蔵した反応容器、3,
6はM3Hを内蔵した反応容器であつて、反応容
器1,2,3が第1の組、反応容器4,5,6が
第2の組をなしている。
7は温度THの高温熱媒、8は温度TMの中温熱
媒、9は温度TLの低温熱媒である。高温熱媒7
は反応容器1,4とポンプ10,11によつて熱
交換可能に接続されている。中温熱媒8は反応容
器1,2,3,4,5,6とポンプ12,13,
14,15,16,17によつて熱交換可能に接
続されている。低温熱媒9は反応容器2,3,
5,6とポンプ18,19,20,21によつて
熱交換可能に接続されている。反応容器1,2,
3は水素流通管22によつて連結され、開閉バル
ブ23,24,25の開閉作動により反応容器
1,2,3のいずれかの対が水素流通可能にされ
る。
反応容器4,5,6は水素流通管22′によつ
て連結され、開閉バルブ26,27,28の開閉
作動により反応容器4,5,6のいずれかの対が
水素流通可能にされる。
29はそれぞれの金属水素化物の組のM1Hを
内蔵する反応容器1,4との間で熱交換すること
ができる熱交換器であり、30,31はM2Hを
内蔵する反応容器2,5とM3Hを内蔵する反応
容器3,6との間で熱交換させる熱交換器であ
り、金属水素化物の組のそれぞれに設けられてい
る。
第4図にM1HとしてLaNi4.7Al0.3の水素化物、
M2HとしてLaNi5.M3HとしてMmNi4.7Al0.3(Mm
はミツシユメタル)の金属水素化物を用いた場合
の冷熱取得サイクルを示し、第5図に前記装置の
作動のタイミングチヤートを示す。
サイクルの出発点として、第1の組の反応容器
1及び2はそれぞれ点D及びCにあつて、
(M2H)1から(M1H)1への水素移動が完了し、反
応容器3は点AとFの中間点KよりややAに近い
点Lにあり、第2組の反応容器4及び6はそれぞ
れ点EとFにあつて、(M1H)2から(M3H)2への
水素移動が完了し、反応容器5は点Cにある時点
を考える。この時、第5図の左端の状態にあり、
水素の多くは反応容器1の(M1H)1及び反応容
器6の(M3H)2に吸蔵されている。
ステツプ1においては異なる組の反応容器1と
4との間の熱交換を熱交換器29を駆動させて行
ない、第2の組の反応容器5と6との間の熱交換
を熱交換31を駆動させて行なう。次のステツプ
の各反応容器の加熱又は冷却に要する温熱量又は
冷熱量を小さくする。このステツプ終了後の各反
応容器のサイクル線図上の位置は、第5図のステ
ツプ1欄の右端に示される。
ステツプ2は開閉バルブ27と28が開けら
れ、反応容器6の(M3H)2から反応容器5の
(M2H)2へ水素を移動させる。反応容器6は水素
の移動に伴ない熱を吸収し点Jから点Aまで自己
冷却し、ポンプ21の駆動により低温熱媒9に冷
熱を与える。反応容器5は熱を放出し点Oから点
Bまで加熱されるが、ポンプ16の駆動により中
温熱媒8に冷却され、反応容器5と6の
(M2H)2と(M3H)2間の平衡分解圧差が保たれ
る。ステツプ3では、開閉バルブ27,28が閉
じられ、熱交換器31が駆動されて反応容器5と
6との間の熱交換を行なう。反応容器5は点Bか
ら点Mに冷却され、反応容器6は点Aから点Lに
加熱される。
次にステツプ4では、開閉バルブ23と25が
開けられて反応容器1と3が水素流通可能になさ
れ、開閉バルブ26と27が開けられて反応容器
4と5が水素流通可能になされる。即ち、
(M1H)1から(M3H)1へ水素が移動し、(M2H)2
から(M1H)2へ水素が移動する。
更に、ポンプ10,14,15,20が駆動さ
れて反応容器1,3,4,5は点E,F,D,C
の温度に保たれる。
(M1H)1と(M3H)1及び(M2H)2と(M1H)2
の平衡分解圧差が保たれて、水素をほぼ完全に移
動させる。
従つて、高温熱媒7を高温駆動熱源とし、中温
熱媒8を例えば外気とし、低温熱媒9を冷却負荷
に接続すれば、ステツプ2において反応容器6か
らステツプ4において反応容器5から得られる冷
熱によつて冷房機能が得られる。
一方、高温熱媒7を高温駆動熱源とし、低温熱
媒9を外気として、中温熱媒8を加熱負荷に接続
すれば、ステツプ2において反応容器5から、ス
テツプ4において反応容器3,4から発生する温
熱によつて暖房機能が得られる。
更に、高温熱媒7を外気として、中温熱媒8を
冷廃熱とすれば、ステツプ2において反応容器6
から、ステツプ4において反応容器5から冷熱が
回収される。
このようにして、ステツプ4で第3図の装置の
半サイクルが終了する。ステツプ4終了時には、
反応容器1,2,3はステツプ1開始時の反応容
器4,5,6に反応して点E,C,Eに位置し、
反応容器4,5,6はステツプ1開始時の反応容
器1,2,3に対応して点D,C,Lに位置して
いる。従つて、後半のステツプ5,6,7,8か
らなる半サイクルは反応容器1,2,3の作動と
反応容器4,5,6の作動が置換わるのみである
から説明は省略する。
以上の作動について装置の成績係数を求める。
計算を簡単にするため、反応容器1,2,3及び
4と,5,6の間で移動する水素量を1モルと
し、M1H,M2H,M3Hの反応水素量1モル当り
の反応熱をそれぞれΔH1,ΔH2,ΔH3とし、金
属水素化物及び反応容器の反応水素量1モル当り
の熱容量をすべてJとする。さらに、点Eにおけ
る温度をTH,点B,D,Fにおける温度をTM
点A,Cにおける温度をTLとして、点D,Eの
中間点Hの温度をTh,点A,F(点B、C)の中
間点K(N)の温度をTK(=To)とし、点D,B、
点C,F、点A,Bで反応容器間で熱交換率ηに
て熱交換すると温度Ti,T9の点I,Gに至り、
温度Tj(=Tn),TL(=Tp)の点J(M)、L(O)
に至る。即ち、 η=TH−Ti/TH−Th=TM−T9/TM−Th=TM−Tj/TM
Tk=TL−TL/TL−Tk なる関係が成立する。
Th=TH+TM/2及びTk=TM+TL/2 であるから、 Ti=TH−η(TH−TM)/2 ……(13) T9=TM+η(TH−TM)/2 ……(14) Tj=Tn=TM−η(TM−TL)/2 ……(15) TL=Tp=TL+η(TM−TL)/2 ……(16) で求められる。
ステツプ4で点Eの反応容器1から水素1モル
を放出させるには、反応容器1をT9からTHへ加
熱し、水素1モルを放出させる熱量、即ち ΔH1+J(TH−T9) =ΔH1+J(TH−TM)(1−η/2) ……(17) が必要となる。
ステツプ2,4で反応容器6,5から水素1モ
ルを放出させることで得られる冷熱は、ΔH2
びΔH3であるが、点JからA(MからC)へ自己
冷却するのに冷熱が使用されるから、得られる冷
熱は ΔH3+J(Tj−TL) =ΔH3+J(TM−TL)(1−η/2) ……(18) ΔH2+J(Tn−TL) =ΔH2+J(TM−TL)(1−η/2) ……(19) であるから、式(4)に相当する冷熱取得サイクルの
成績係数は、ポンプ等の駆動動力及びその他の熱
損失を無視すれば、 COPC1=(18)+(19)/(17) ……(20) となる。
次いで、式(5)に相当する温熱取得サイクルで
は、点B,D,Fで温熱が下のように得られる。
ΔH2−J(TM−Tp) =ΔH2−J(TM−TL)(1−η/2) ……(19) ΔH1+J(Ti−TM) =ΔH1+J(TH−TM)(1−η/2) ……(17) ΔH3−J(TM−TL) =ΔH3−J(TM−TL)(1−η/2) ……(18) 従つて、温熱取得サイクルの成績係数は COPH1=(19)+(17)+(18)/(17) ……(21) 次いで、式(6)に相当する冷廃熱取得サイクルを
考えると、点B,D,Fで入力する冷廃熱は ΔH2−J(TM−Tp) =ΔH2−J(TM−TL)(1−η/2) ……(19) ΔH1+J(Ti−TM) =ΔH1+J(TH−TM)(1−η/2) ……(17) ΔH3−J(TM−TL) =ΔH3−J(TM−TL)(1−η/2) ……(18) であり、点A,Cで回収される冷熱は、 ΔH3−J(Tj−TL) =ΔH3−J(TM−TL)(1−η/2) ……(18) ΔH2−J(Tn−TL) =ΔH2−J(TM−TL)(1−η/2) ……(19) であるから、冷廃熱回収の成績係数は COPW1=(18)+(19)/(19)+(17)+(18)…
…(22) となる。
熱交換効率ηが大きくなれば、各サイクルの成
績係数は向上する。熱交換効率ηは通常0.5以上
にすることが可能である。η=0.5の時の式(20)、
(21)、(22)の成績係数を求めてみる。
反応熱は ΔH1(LaNi4.7Al0.3)=8.1kcal/モルH2 ΔH2(LaNi5)=7.4kcal/モルH2 ΔH3(MmNi4.7Al0.3)=6.4kcal/モルH2 である。TH=140℃、TM=40℃、TL=10℃で第
4図のサイクルを設計し、熱容量Jを0.04kcal/
モルH2・℃とすれば、 (17)=11.1kcal (18)=5.5kcal (19)=6.5kcal 従つて、 (20)=1.08 (21)=2.08 (22)=0.52 となる。従来の装置における成績係数は第4図の
本発明装置のサイクルの設定と単純に比較できな
いが、式(1)、(2)、(3)の熱損失を無視した最大成績
係数と比較すれば、格段に改善されていることが
理解される。
第3図の実施例においては、3種類の平衡分解
圧の異なる金属水素化物の組を2組備えた装置で
あつたが、3種類の金属水素化物間では、反応は
3段階に進むので、金属水素化物の組を3組設
け、1/3サイクルずつ反応をずらせば、より円滑
にサイクルを運転できる。
又、第3図の実施例において、異なる組の反応
容器1,4間、同じ組の反応容器2,3及び反応
容器5,6間で熱交換を行なわせるが、熱交換を
行なわせる反応容器の対は適宜選べる。そして、
TMとTLが外気に近く熱回収の効果が少なけれ
ば、温度TMとTL間の反応容器の熱交換は行なわ
なくてもよい。
更に、第5図のタイミングチヤートは、本発明
装置のサイクルの流れを各ステツプ毎に示すもの
であり、横軸は時間の長短と一致しない。従つ
て、ある反応容器であるステツプが他より先に終
了し、部分的に次のステツプに移行してもよく、
全体として一連のサイクルが運転されればよいの
である。
以上の実施例は、独立した反応容器に金属水素
化物を充填し、バツチ式に反応を行なわせるもの
であるが、同一容器の分割された区室にM1Hと
M2Hを封入するものや、金属水素化物を異なる
熱源に連続的に移動させるものであつてもよい。
以上の通り、本発明熱エネルギー取得装置は、
例えば1の駆動熱源の入力で、2以上の冷熱又は
温熱取得反応を駆動できるものであり、装置の成
績係数が著しく向上する。
又は、本発明装置はより低質の駆動熱源(例え
ば廃熱)で冷熱又は温熱取得サイクルを運転する
ことができ、より高質の冷熱又は温熱を容易に得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は異なる平衡分解圧特性を有する二種の
金属水素化物を用いる従来の冷熱又は温熱取得サ
イクル線図、第2図は三種の金属水素化物を用い
る冷熱又は熱取得サイクル線図、第3図は本発明
の熱エネルギー取得装置の一例を示す配置図、第
4図は第3図の装置による冷熱又は温熱取得サイ
クル線図、第5図は第3図の装置の作動を示すタ
イミングチヤート図である。 1,2,3……金属水素化物を内蔵した第1組
の反応容器、4,5,6……金属水素化物を内蔵
した第2の組の反応容器、7……高温熱媒、8…
…中温熱媒、9……低温熱媒、22,22′……
水素連通管、23,24,25,26,27,2
8……開閉バルブ、29,30,31……熱交換
器。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 作動温度範囲において平衡分解圧の異なるn
    種(但しn≧3)の金属水素化物の組を少なくと
    も2組有し、第1の金属水素化物から吸熱的に水
    素を放出させ、この水素を第2の金属水素化物に
    発熱的に吸蔵させ、次に、第2の金属水素化物か
    ら吸熱的に水素を放出させ、この水素を第3の金
    属水素化物に発熱的に吸蔵させると共に、順次同
    様にして第nの金属水素化物から吸熱的に水素を
    放出させ、この水素を第1の金属水素化物に発熱
    的にさせるサイクルを有し、金属水素化物の水素
    吸蔵に伴う発熱を温熱として取得し、又は金属水
    素化物の水素放出に伴う吸熱を冷熱として取得す
    る熱エネルギー取得装置であつて、一方の組の金
    属水素化物を内蔵した反応容器と他方の組の対応
    する反応容器間で熱交換させる熱交換器、もしく
    は同じ組の異なる金属水素化物を内蔵した反応容
    器間で熱交換させる熱交換器が備えられているこ
    とを特徴とする熱エネルギー取得装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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