JPH0151380B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （技術分野） この発明は洗車機におけるトツプブラシ装置に
関し、詳しくは、洗車機のフレームに対し昇降並
びに揺動可能に配設された左右１対のブラシアー
ムと、これらブラシアームの先端部に回転可能に
架設されたトツプブラシとを備え、該トツプブラ
シを回転させながら昇降させかつ車両（主にバ
ス）のフロントあるいはリヤを洗浄するトツプブ
ラシ装置に関するものである。

（従来技術） トツプブラシの下降及び上昇時においてトツプ
ブラシを一方向へのみ回転させるものにおいて
は、車両のフロントあるいはリヤの被洗浄面に凸
部がある場合、この凸部の下部又は上部に洗浄残
りが生じる。これを解消するために、トツプブラ
シの下降時の回転方向と上昇時の回転方向とを逆
向きに設定することが考えられる。しかしなが
ら、トツプブラシの回転方向を逆にすると、トツ
プブラシの下降又は上昇のいずれか一方におい
て、トツプブラシの洗浄反力によるブラシアーム
の回動方向が車両の被洗浄面に向かう方向とな
る。そして、ブラシアームあるいはトツプブラシ
が被洗浄面に衝突して該面を損傷させる不具合が
生じる場合があつた。

（発明の目的） この発明は、上記した従来の不具合を解消する
ことであり、車両のフロントあるいはリヤの被洗
浄面に凸部があるときでも該被洗浄面を洗浄残り
なく良好に洗浄することができ、しかも、トツプ
ブラシの洗浄反力によるブラシアームの回動方向
は、下降及び上昇のいずれにおいても車両の被洗
浄面に対し逃げる方向に設定して被洗浄面の損傷
を防止することができる洗車機におけるトツプブ
ラシ装置を提供することを目的とするものであ
る。

（発明の構成） そこでこの発明では、下降時の回転方向と上昇
時の回転方向とが逆になるようにトツプブラシを
回転させ、車両洗浄時におけるトツプブラシの反
力によるブラシアームの回動方向が、下降、上昇
いずれにおいても車両の被洗浄面に対し逃げる方
向となるように、ブラシアームに対し配設される
アーム角度変換ユニツトによつてブラシアームの
アーム角度を設定しようとするものである。

（実施例） 以下、この発明の一実施例を図面にしたがつて
説明する。

車両（主にバス）の両サイドを洗浄するための
左右の両サイドブラシ８，８と、フロントＦ及び
リヤＲを洗浄するためのトツプブラシ３６を備え
た洗車機を示す第１図から第３図において、フレ
ーム１の上部に横架されたガイドシヤフト２と、
フレーム１の下部左右両側に配設されたガイド部
材３との間には、上端部にガイドシヤフト２に沿
つて転動するローラ４を備え、下端部にガイド部
材３に沿つて転動するベアリング５を備えたサイ
ドブラシヨーク６が左右対称状に配設されてい
る。これら両サイドブラシヨーク６にはモータ７
によつて回転されるサイドブラシ８がそれぞれ縦
設されている。さらに、両サイドブラシヨーク６
は、第３図に示すように、リンク９を介して押圧
シリンダ１０に連繋されており、この押圧シリン
ダ１０によつてサイドブラシ８が車両の両サイド
に対し所定圧力で押圧される。

両サイドブラシ８の前方に位置するフレーム１
の左右両側部には、第２図と第３図に示すよう
に、トツプブラシ用の昇降機構１３と鉛直方向の
両ガイドレール１１，１２とがそれぞれ配設され
ている。昇降機構１３は、第２図に示すように、
フレームの下部一側に回転可能に配設されかつモ
ータ（図示しない）に連繋されて回転する駆動ス
プロケツト１４と、フレーム１の上部に回転可能
に横架された連動シヤフト１５の一端部に取付け
られた従動スプロケツト１６と、これら駆動、従
動の両スプロケツト１４と１６の間に張設された
第１のチエーン１７と、連動シヤフト１５の他端
に取付けられた連動スプロケツト１８と、フレー
ム１の下部他側に回転可能に配設された連動スプ
ロケツト１９と、これら両連動スプロケツト１
８，１９の間に張設された第２のチエーン２０と
を主体として構成されている。そして、第１のチ
エーン１７上には第１のブラシアームに対するア
ーム角度変換ユニツト２３のケース２４とバラン
スウエート２１とが配設される一方、第２のチエ
ーン２０上には第２のブラシアーム３０の支軸３
２を支持するための軸受３１とバランスウエート
２２とが配設されている。

第１のチエーン１７上に配設されるアーム角度
変換ユニツト２３のケース２４の一側面にはガイ
ドレール１１に沿つて摺動するローラ２５を備え
たローラ軸２６が突設されている。さらにケース
２４の一側面より一端部が所定長さだけ突出され
たアーム角度変換軸２７の先端にはブラシ作動幅
調整用油圧ユニツトのケース２８が取付けられて
おり、該ケース２８の外面には第１のブラシアー
ム２９が突設されている。なお、アーム角度変換
ユニツト２３の詳細は後述する。

第２のチエーン２０上に配設される軸受３１に
は第２のブラシアーム３０の揺動（回動）中心を
なす支軸３２が上記アーム角度変換軸２７と同一
中心線上において支持されており、この支軸３２
の軸回りには他方のガイドレール１２に沿つて摺
動するローラ３３が回転自在に嵌挿されている。
さらに、支軸３２の軸端部にはブラシ駆動ユニツ
トのケース３４が取付けられており、該ケース３
４の外面には第２のブラシアーム３０が第１のブ
ラシアーム２９と同角度位置において突設されて
いる。そして、第１、第２の両ブラシアーム２
９，３０は、それぞれのケース２８と３４の間に
架設されたバランスウエート兼用の連動バー３５
によつて連繋され、これらブラシアーム２９，３
０の先端部にはトツプブラシ３６が回転可能に架
設されている。

トツプブラシ３６は、その回転軸３７の一端部
がベルト機構等を介してブラシ駆動ユニツトのモ
ータ（図示しない）に連繋され、このモータによ
つて、トツプブラシ３６は、その下降時の回転方
向と上昇時の回転方向とが逆になるように回転さ
れる。また、トツプブラシ３６の左右両側部に
は、車両の車幅に対応してトツプブラシ３６のブ
ラシ作動幅を調整するための調整機構３８が配設
されている。この調整機構３８は、第４図に示す
ように、トツプブラシ３６の回転軸３７の軸回り
に軸方向の移動可能に配設された幅寄せカツプ３
９と、一端がケース２８の一部にピン４０を支点
として取りつけられ、他端がトツプブラシ３６の
回転軸３７に跨がり、中央部が幅寄せシリンダ４
１のロツド４２に連結されて幅寄せカツプ３９を
戻しばね４３の付勢力に抗して幅寄せ方向へ移動
させる幅寄せフオーク４４を主体として構成され
ている。

次に、アーム角度変換ユニツト２３について第
５図にしたがつて詳述すると、そのケース２４の
壁に回転可能に支持されたアーム角度変換軸２７
の軸回りにはウオームホイール４５が取付けられ
ており、このウオームホイール４５に噛合うウオ
ーム４６を有するウオームシヤフト４７がケース
２４内に回転並びに軸方向へ移動可能に支持４８
されている。ウオームシヤフト４７の一端部はケ
ース２４の壁に定置回転可能に支持されかつアー
ム角度変換モータ４９によつて回転される筒状の
連動スプライン５０に対し、トルク伝達可能にか
つ軸方向へは移動可能にスプライン嵌合されてい
る。ウオームシヤフト４７の左右両端部にはピン
５１，５２を支点とする等長のリンク５３，５４
が、その一端においてそれぞれ枢着５５，５６さ
れており、これらリンク５３，５４の他端は、ト
ツプブラシ３６を車両のフロントＦあるいはリヤ
Ｒに対し所定圧力で押圧させるための第１、第２
の両押圧シリンダ（単動式油圧シリンダ）５７，
５８のロツド５７ａ，５８ａにそれぞれ枢着５
９，６０されている。

第１、第２の両押圧シリンダ５７，５８の油圧
制御回路には切換弁６１、リリーフ弁６２、ポン
プ６３等が配設されている。さらに、アーム角度
変換軸２７の軸回りには、第１、第２の両ブラシ
アーム２９，３０を、第１、第２の両待期角度位
置と、第１、第２の両フロント洗浄角度位置及び
第１、第２の両リヤ洗浄角度位置の計６つのアー
ム角度位置に設定するためのドツク６４とスイツ
チＳ１〜Ｓ６とが配設されている。

上記したように構成されるトツプブラシ装置に
おいて、まず、車両のフロントＦを洗浄する場
合、第６図に示すように、上死点にありかつ第１
の待期角度位置Ａにある第１、第２の両ブラシア
ーム２９，３０は、アーム角度変換モータ４９、
連動スプライン５０、ウオームシヤフト４７、ウ
オーム４６、ウオームホイール４５及びアーム角
度変換軸２７を介して第１のフロント洗浄角度位
置Ｂまで角度変換されながら昇降機構１３によつ
て下降される。そして、第１、第２の両ブラシア
ーム２９，３０とともにトツプブラシ３６が所定
量だけ下降したところで、ブラシモータによつて
トツプブラシ３６が第６図において時計方向へ回
転されるとともに、第１の押圧シリンダ５７に油
圧が供給され、第１の押圧シリンダ５７、リンク
５３、ウオームシヤフト４７、ウオーム４６、ウ
オームホイール４５、アーム角度変換軸２７及び
第１、第２のブラシアーム２９，３０を介してト
ツプブラシ３６が車両のフロントＦに対し所定圧
力で押圧されながら下降する。このトツプブラシ
３６による車両のフロント洗浄下降時において、
トツプブラシ３６は第６図中、時計方向へ回転す
る一方、第１、第２の両ブラシアーム２９，３０
は第１のフロント洗浄角度位置Ｂにあり、左下向
き傾斜状をなすため、トツプブラシ３６の洗浄反
力によつて第１、第２の両ブラシアーム２９，３
０がアーム角度変換軸２７及び支軸３２を中心と
して回動しても、この回動方向が車両のフロント
Ｆに対し逃げる（遠ざかる）方向であるため、第
１、第２の両ブラシアーム２９，３０及びトツプ
ブラシ３６による車両のフロントＦの損傷が防止
される。

第１、第２の両ブラシアーム２９，３０ととも
にトツプブラシ３６が所定位置まで下降し、この
位置から両ブラシアーム２９，３０が下死点に達
する間において、トツプブラシ３６の回転が停止
する一方、アーム角度変換モータ４９によつて第
１、第２の両ブラシアーム２９，３０が第２のフ
ロント洗浄角度位置Ｃまで角度変換される。

第１、第２の両ブラシアーム２９，３０が下死
点に達した後、昇降機構１３の第１、第２のチエ
ーン１７，２０が反転し、第１、第２のブラシア
ーム２９，３０が上昇する。第１、第２の両ブラ
シアーム２９，３０とともに上昇するトツプブラ
シ３６は、ブラシモータによつて、第７図中、反
時計方向へ回転されるとともに、第２の押圧シリ
ンダ５８によつて車両のフロントＦに対し所定圧
力で押圧されながら上昇する。このトツプブラシ
３６による車両のフロント洗浄上昇時において、
トツプブラシ３６は、第７図中、反時計方向へ回
転する一方、第１、第２の両ブラシアーム２９，
３０は第２のフロント洗浄角度位置Ｃにあり、左
上向き傾斜状をなすため、トツプブラシ３６の洗
浄反力によつて第１、第２の両ブラシアーム２
９，３０が回動しても、この回動方向が車両のフ
ロントＦに対し逃げる方向であるため、第１、第
２の両ブラシアーム２９，３０及びトツプブラシ
３６による車両のフロントＦの損傷が防止され
る。

第１、第２の両ブラシアーム２９，３０ととも
にトツプブラシ３６が所定位置まで上昇し、この
位置から両ブラシアーム２９，３０が上死点に達
する間において、トツプブラシ３６の回転が停止
する一方、アーム角度変換モータ４９によつて第
１、第２の両ブラシアーム２９，３０が第２の待
期角度位置Ｄまで角度変換される。

このようにして、車両のフロントＦを洗浄する
ときのトツプブラシ３６は、下降時の回転方向と
上昇時の回転方向とが逆であるため、車両のフロ
ントＦに凸部があるときでも、この凸部の上下部
が洗浄残りなく良好に洗浄される。

車両のフロントＦの洗浄が終了すると、車両は
運転者によつてリヤ洗浄位置まで前進される。そ
して、この車両の前進時において、左右の両サイ
ドブラシ８，８によつて車両の両サイドが洗浄さ
れる。

車両がリヤ洗浄位置まで前進して停止したとこ
ろで、この車両のリヤＲの洗浄が行なわれる。

次に、車両のリヤＲを洗浄する場合、第８図に
示すように、上死点にありかつ第２の待期位置Ｄ
にある第１、第２の両ブラシアーム２９，３０
は、アーム角度変換モータ４９によつて第１のリ
ヤ洗浄角度位置Ｅまで角度変換されながら、昇降
機構１３によつて下降される。そして、第１、第
２のブラシアーム２９，３０とともにトツプブラ
シ３６が所定量だけ下降したところで、ブラシモ
ータによつてトツプブラシ３６が第８図中、反時
計方向へ回転されるとともに、第２の押圧シリン
ダ５８によつて車両のリヤＲに対し所定圧力で押
圧されながら下降する。このトツプブラシ３６に
よる車両のリヤ洗浄下降時において、トツプブラ
シ３６は第８図中、反時計方向へ回転する一方、
第１、第２の両ブラシアーム２９，３０は第１の
リヤ洗浄角度位置Ｅにあり、右下向き傾斜状をな
すため、トツプブラシ３６の洗浄反力によつて第
１、第２の両ブラシアーム２９，３０が回動して
も、この回動方向が車両のリヤＲに対し逃げる方
向であるため、第１、第２の両ブラシアーム２
９，３０及びトツプブラシ３６による車両のリヤ
Ｒの損傷が防止される。

第１、第２の両ブラシアーム２９，３０ととも
にトツプブラシ３６が所定位置まで下降し、この
位置から両ブラシアーム２９，３０が下死点に達
する間において、トツプブラシ３６の回転が停止
する一方、アーム角度変換モータ４９によつて第
１、第２の両ブラシアーム２９，３０が第２のリ
ヤ洗浄角度位置Ｆまで角度変換される。

第１、第２の両ブラシアーム２９，３０が下死
点に達した後、昇降機構１３の第１、第２のチエ
ーン１７，２０が反転し、第１、第２の両ブラシ
アーム２９，３０が上昇する。第１、第２の両ブ
ラシアーム２９，３０とともに上昇するトツプブ
ラシ３６は、ブラシモータによつて、第９図中、
時計方向へ回転されるとともに、第１の押圧シリ
ンダ５７によつて車両のリヤＲに対し所定圧力で
押圧されながら上昇する。このトツプブラシ３６
による車両のリヤ洗浄上昇時において、トツプブ
ラシ３６は、第９図中、時計方向へ回転する一
方、第１、第２の両ブラシアーム２９，３０は第
２のリヤ洗浄角度位置Ｆにあり、右上向き傾斜状
をなすため、トツプブラシ３６の洗浄反力によつ
て第１、第２の両ブラシアーム２９，３０が回動
しても、この回動方向が車両のリヤＲに対し逃げ
る方向であるため、第１、第２の両ブラシアーム
２９，３０及びトツプブラシ３６による車両のリ
ヤＲの損傷が防止される。

第１、第２の両ブラシアーム２９，３０ととも
にトツプブラシ３６が所定位置まで上昇し、この
位置から両ブラシアーム２９，３０が上死点に達
する間において、トツプブラシ３６の回転が停止
する一方、アーム角度変換モータ４９によつて第
１、第２の両ブラシアーム２９，３０が第１の待
期角度位置Ａまで角度変換され、ここで、車両の
洗浄の１サイクルが完了する。

（発明の効果） すなわち、この発明によれば、トツプブラシは
下降時の回転方向と上昇時の回転方向とが逆であ
り、しかも、トツプブラシの洗浄反力によるブラ
シアームの回動方向は下降、上昇いずれにおいて
も車両のフロントあるいはリヤの被洗浄面に対し
逃げる方向となるため、車両の被洗浄面を損傷さ
せることなく、かつ、被洗浄面に凸部があるとき
でも、洗浄残りなく良好に洗浄することができる
効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面はこの発明の一実施例を示すもので、第１
図は洗車機の正面図、第２図は同じくトツプブラ
シ装置を示す正断面図、第３図は同じく平断面
図、第４図はブラシ作動幅調整機構を拡大して示
す断面図、第５図はアーム角度変換ユニツトを示
す断面図、第６図は車両のフロント洗浄下降時に
おけるトツプブラシとブラシアームの状態を示す
説明図、第７図は車両のフロント洗浄上昇時にお
けるトツプブラシとブラシアームの状態を示す説
明図、第８図は車両のリヤ洗浄下降時におけるト
ツプブラシとブラシアームの状態を示す説明図、
第９図は車両のリヤ洗浄上昇時におけるトツプブ
ラシとブラシアームの状態を示す説明図である。 １……フレーム、１１，１２……ガイドレー
ル、１３……昇降機構、２３……アーム角度変換
ユニツト、２９……第１のブラシアーム、３０…
…第２のブラシアーム、３６……トツプブラシ、
５７……第１の押圧シリンダ、５８……第２の押
圧シリンダ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 洗車機のフレームに対し昇降並びに揺動可能
   に配設された左右１対のブラシアームと、これら
   ブラシアームの先端部に回転可能に架設されたト
   ツプブラシとを備え、該トツプブラシを回転させ
   ながら昇降させかつ車両のフロントあるいはリヤ
   の被洗浄面に対し所定圧力で押圧させて被洗浄面
   を洗浄するトツプブラシ装置であつて、前記トツ
   プブラシは、下降時の回転方向と上昇時の回転方
   向とが逆になるように設定される一方、車両洗浄
   時におけるトツプブラシの反力によつてブラシア
   ームが回動したときには、同ブラシアームの回動
   方向が被洗浄面に対し逃げる方向となるようにブ
   ラシアームのアーム角度を設定するためのアーム
   角度変換ユニツトがブラシアームに対し配設され
   ていることを特徴とする洗車機におけるトツプブ
   ラシ装置。