JP2874790B2 - 回転ブラシの昇降装置 - Google Patents

回転ブラシの昇降装置

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は床面洗浄機等の回転ブラシの昇降装置に関
する。
従来の技術 主にバッテリー駆動で床面上を走行し、床面上に洗剤
タンクから洗剤を流しつつ、回転ブラシによって床面上
を洗浄し、洗浄後の汚水を汚水タンクへ回収するように
した床面洗浄機では、回転ブラシの昇降に電動シリンダ
(電動ストロークモータとも言う。モータ回転をギヤ列
を介して送りねじ軸の回転として伝え、この送りねじ軸
に螺合したピストンロッドを進退させるもの)が用いら
れている。
従来このように電動ストロークモータを使用したもの
では回転ブラシを回転させるブラシ用モータの電流の大
きさを検出し、作業者がブラシ接地ボタンを押している
間電動ストロークモータを作動させて所定の回転ブラシ
負荷となるように調整して回転ブラシの接地荷重を設定
するものが知られている。
発明が解決しようとする課題 前記のように作業者がブラシ接地ボタンを操作するも
のでは、ブラシ摩耗が生じて接地荷重が小さくなった場
合、あるいは床面の波うち(凹凸)があって接地荷重が
予め設定した荷重に対して変化した時には、その都度作
業者が所定の設定荷重となるように調整せねばならない
欠点があった。
課題を解決するための手段 この発明は前記欠点を解決するために、フレームに支
持したシリンダにより格納位置と接地位置間で回転ブラ
シを昇降させるようにした床面洗浄機等の回転ブラシの
昇降装置において、前記シリンダのピストンロッドに接
地荷重の設定ばねを介して回転ブラシを昇降可能に連結
し、回転ブラシの上下移動量に対応した量所定方向へ移
動するブラシ追従部材を設けると共に、前記ピストンロ
ッドの移動量に対応した量前記所定方向へ移動するロッ
ド追従部材を設け、これらのブラシ追従部材とロッド追
従部材間には、前記所定方向における両部材間の相対位
置変化をとらえる検出装置を介設し、その検出信号に基
づいて前記ブラシ追従部材とロッド追従部材とが基準相
対位置となるように前記シリンダを駆動制御する制御装
置を備えて成ることを特徴とする。
作用 所定の接地荷重を生じている状態ではブラシ追従部材
とロッド追従部材は所定の相対位置関係を保っている。
ブラシの摩耗や床面の波うちによって回転ブラシが上下
すると、ピストンロッドと回転ブラシの間に介在する接
地荷重の設定ばねを伸縮させてブラシ追従部材がロッド
追従部材に対して相対移動し、この相対移動を検出装置
がとらえ、シリンダを制御してブラシ追従部材とロッド
追従部材を元の所定の相対位置関係に戻す。こうして接
地荷重の設定ばねを元へ戻すことで、接地荷重を自動的
に所定の値に保つ。
実施例 第6図に示す床面洗浄機1は、フレーム2上にバッテ
リー3、洗剤液タンク4、汚水タンク5を備え、洗剤液
タンク4からパイプ6を介して床面F上に洗剤液を流出
させ、回転ブラシ7で床面Fを洗浄し、走行方向後方下
部にあるスキュージ8から洗浄後の汚水を汚水タンク5
へ回収するものである。
回転ブラシ7はフレーム2の前方下部に設けられた昇
降装置10により昇降可能に支持してある。昇降装置10に
おいて、支持板11の上面にブラシ用モータ12が固着さ
れ、ブラシ用モータ12の回転軸に連結された回転ブラシ
7が、前記支持板11の下方に配置されている。第1図に
示すように支持板11は、フレーム2の左右に連結される
平行リンク機構14によって床面Fに対して水平状態で上
下移動可能に支持されている。フレーム2には電動シリ
ンダ15が上下揺動するようにその一端がピン15dで軸支
してある。この電動シリンダ15は、電動モータ15aの回
転を、内部のギヤ列を介してシリンダチューブ15b内で
回転自在に支持した送りねじ軸に伝え、この送りねじ軸
のねじ部に螺合されたピストンロッド15cを進退移動さ
せるもので、ピストンロッド15cのストローク端では内
装されたトルクリミッタの作用で電動モータ15aに過負
荷が生じないようになっている。ピストンロッド15cの
先端には、揺動レバー16の下端が回動自在にピン連結さ
れ、揺動レバー16の上端は第2図に示すように左右のフ
レーム2に回動自在に支持された支軸17に一体固着して
ある。支軸17の左右端部近くには夫々一対の揺動アーム
18,19の後端が一体固着され、各揺動アーム18,19の先端
には短い押圧軸20,21が回動可能に支持してある。各押
圧軸20,21には上下方向に押圧杆22,23が摺動自在に遊嵌
してある。この押圧杆22,23は下端がL字に曲げられて
前記支持板11の左右上面に突設したブラケット24,25に
回動自在に連結されている。押圧杆22,23と、対応する
押圧軸20,21の間には前記回転ブラシ7に接地荷重を生
じさせる接地荷重の設定ばね26,27が介設されている。
各押圧杆22,23の上端には夫々座金28,29が固着されてい
る。このような構成により、ピストンロッド15bの進退
によって押圧杆22,23と設定ばね26,27を介して回転ブラ
シ7が第1図に示す格納位置Aと接地位置B間で昇降さ
れる。
前記支持板11上面にはブラシ追従部材30が設けてあ
る。ブラシ追従部材30において、支持板11の上面に基準
板31を一体立設し、この基準板31の側面に上下2本のピ
ン32a,32bが側方へ突設されている。このピン32a,32bに
は夫々ばね荷重設定用のプレート33の上下の長孔33a,33
bが嵌入され、プレート33は基準板31に対し上下方向に
相対移動するようになっている。プレート33と基準板31
間には引張りばね34が介設され、プレート33にはチュー
ブ35内を移動するワイヤ36の一端が接続してある。チュ
ーブ35の一端は前記基準板31の上端に固着され、他端が
第7図に示すように床面洗浄機1の後部のフレーム2に
固着されている。ワイヤ36の一端は作業者用のハンドル
37の下部近傍に上下に軸38aで揺動可能に支持した接地
荷重の調整レバー38に連結具39を介して連結してある。
調整レバー38はばね38bでフレーム2に圧接され、その
回動位置が摩擦保持される。チューブ35は前記基準板31
とフレーム2間において充分たるませてある。従って調
整レバー38を揺動するワイヤ36の基準板31の上端からの
突出量Lが変更され、プレート33の基準板31に対する上
下方向位置が相対的に変更され、その変更された任意の
相対位置を保持したまま基準板31とプレート33は回転ブ
ラシ7の上下移動量に応じた量(この場合は同一)だけ
上下方向に回転ブラシ7と共に昇降移動する。
前記一方の揺動アーム19には第2図に示すように側方
へL字状のロッド追従部材40が突設されている。このロ
ッド追従部材40はピストンロッド15cの移動量に応じて
前述の揺動レバー16、揺動アーム18,19を介して上下方
向に移動するものである。
このロッド追従部材40には第5図に示すように太径部
41aの断面が矩形で下方に向けて傾斜面41bを有し、細径
部41cとしたドッグ41の上端が揺動自在に軸42によって
支持されている。細径部41cは前記基準板31の下部に設
けたガイド板43を上下方向に移動自在に貫通している。
前記プレート33には、その後面(第1図の右面)に、フ
レーム2の巾方向に前記ドッグ41をはさんで上下に所定
の距離を保って一対のリミットスイッチ44,45が取付け
てある。これらのリミットスイッチ44,45とドック41と
は上側のリミットスイッチ44がドッグ41の太径部41aと
係合し、下側のミリットスイッチ44が太径部41aと係合
していない状態を両者の基準相対位置とし(第5図)、
プレート33が押上げられて2つのリミットスイッチ44,4
5がONとなったり、プレート33が押下げられて2つのリ
ミットスイッチ44,45がOFFとなることでブラシ追従部材
30とロッド追従部材40間の上下方向の相対位置変化を検
出する検出装置46が構成される。
次に第3図において前記検出装置46からの検出信号に
基づいて相対位置変化が生じたブラシ追従部材30とロッ
ド追従部材40を基準相対位置へ戻す制御装置50を説明す
る。51はメインスイッチ、R0はメインリレー、R0−1は
メインリレーR0のa接点、52は常閉のブラシ格納スイッ
チ、R1はブラシ格納スイッチ52又はリミットスイッチ44
により開閉される補助リレー、R2はブラシ格納スイッチ
52又はリミットスイッチ45により開閉される補助リレ
ー、R1−1,R1−2,R2−1,R2−2は夫々補助リレーR1,R2
のa接点,b接点である。
第1図に示す接地位置Bから電動シリンダ15のピスト
ンロッド15cを突出させ、揺動アーム18,19を上方へ揺動
すると、押圧軸20,21が座金28,29に当接した後、押圧杆
22,23を上方へ引上げ、回転ブラシ7を床面Fの上方へ
引上げピストンロッド15cの前進端において二点鎖線で
示す格納位置Aに保持する。第1図に示す接地位置Bに
おいて、前記リミットスイッチ44,45とドッグ41は基準
相対位置であるとすれば、押圧軸20,21が座金28,29に当
接するまで上方へ移動することにより、ドッグ41のみが
上方へ移動し、リミットスイッチ44,45は共にOFFとなっ
ている。この時の制御装置50の状態が第3図に示されて
いる。この格納状態からメインスイッチ51を閉じるとa
接点R0−1が閉じ、ブラシ用モータ12が回転して回転ブ
ラシ7が回転し、補助リレーR1,R2が励磁され、a接点R
1−1,電動モータ15a,a接点R2−1と電流が流れ、ピスト
ンロッドを突出させる方向に電動モータ15aが正転する
が、電動シリンダ15のピストンロッド15cが前進端にあ
るので、電動シリンダ15内のトルクリミッタが作用して
電動モータ15aの過負荷が防止される。この状態からブ
ラシ格納スイッチ52を開く。すると補助リレーR1,R2が
消磁し、b接点R2−2,電動モータ15a,b接点R1−2と電
流が流れ、電動モータ15aは逆回転し、ピストンロッド1
5cが引込まれ、これによって揺動レバー16,揺動アーム1
8,19,押圧杆22,23と設定ばね26,27を介して回転ブラシ
7が下降して接地される。回転ブラシ7が床面Fに接触
した状態から更にピストンロッド15cが後退すると設定
ばね26,27が押されてドッグ41がリミットスイッチ44,45
に対して下降し、第5図のような基準相対位置となると
上側のリミットスイッチ44がONとなるので、b接点R1−
2が開いて電動モータ15aへの通電が絶たれ、ピストン
ロッド15cが停止し、回転ブラシ7には平行リンク14で
支持されている部分の自重と設定ばね26,27のたわみ量
とにより生じる所定の接地荷重が与えられる。この状態
で床面洗浄機1を走行させて床面洗浄が行われる。今洗
浄走行中に床面Fが高くなったとすると設定ばね26,27
を圧縮しつつ回転ブラシ7が上昇され、これと共にブラ
シ追従部材30が上昇する。ロッド追従部材40はこの時点
では移動せず、従ってリミットスイッチ45もドッグ41の
太径部41aと係合してONとなる。すると補助リレーR2が
励磁され、そのa接点R2−1が閉じる。a接点R1−1は
既に閉じているので電流はa接点R1−1,電動モータ15a,
a接点R2−1と流れ、電動モータ15aは正転し、ピストン
ロッド15cが突出され、ドッグ41が上昇してリミットス
イッチ45がOFFとなると電動モータ15aが停止する。回転
ブラシ7の上昇により一旦圧縮された設定ばね26,27は
ドッグ41とリミットスイッチ44,45、つまりブラシ追従
部材30とロッド追従部材40が基準相対位置に戻ること
で、床面Fが高くなる前のわたみ量に戻る。床面Fが低
くなった時、又はブラシ摩耗が生じた時には回転ブラシ
7が下降するので、2つのリミットスイッチ44,45共に
開となり、電動モータ15aが逆転しピストンロッド15cは
引込まれ、ドッグ41が下降し、リミットスイッチ44がON
となって停止し、やはりブラシ追従部材30とロッド追従
部材40とが基準相対位置を保たれ、その結果接地荷重が
一定に保たれる。
床面Fの汚れがひどい場合、接地荷重を大きくしたい
時には、調整レバー38を操作してワイヤ36を送り、プレ
ート33を基準板31に対して下降させる(第4図)。調整
レバー38はばね38bでフレーム2に摩擦保持されてその
揺動位置が保たれ、プレート33は下降した位置で次に調
整レバー38を操作するまで基準板31に対する位置が保持
される。プレート33が下降するとリミットスイッチ44,4
5共にOFFとなるのでピストンロッド15cはドッグ41がリ
ミットスイッチ44のみをONとするまで後退して停止す
る。プレート33が下降された量に対応して設定ばね26,2
7が圧縮される結果、接地荷重が大きくなる。このよう
に接地荷重を変更しても床面Fの波うち等で回転ブラシ
7が上下する場合には前述のようにその変更された接地
荷重となるように電動シリンダ15が制御されることは勿
論である。
次に第8図で他の例を示す。第8図において、電動シ
リンダ15が上下方向に支持され、このピストンロッド15
cに床面洗浄機1の巾方向に伸びた押板61が連結され、
この押板61の左右に設けた押圧杆62が、支持板11の左右
に夫々設けた基準板31の上面を貫通しており、一方の押
圧杆62にはロッド追従部材40が一体固着され、押板61と
基準板31間に設定ばね26,27が介在されている。尚、前
記実施例と同一部分には同一番号を付して説明を省略し
た。
以上の実施例では、ブラシ追従部材、ロッド追従部材
共に上下方向に移動するようにしたが、この発明ではこ
れに限らず、回転ブラシの上下移動を例えばラック、ピ
ニオン機構で変更してブラシ追従部材を水平移動させ、
電動シリンダのピストンロッドの後退移動をこの水平移
動方向に沿わせるようにロッド追従部材とピストンロッ
ドを連繋してもよい。
発明の効果 以上のようにこの発明装置では、回転ブラシの格納、
接地をシリンダで行ない、同じシリンダを制御すること
で、シリンダのピストンロッドと回転ブラシ間に介在す
る接地荷重の設定ばねにより生じる所定の接地荷重の下
に接地している回転ブラシが床面の波うちやブラシ摩耗
によってその接地荷重に変動を生じた時、床面の波うち
等に追従して接地荷重を元の所定の接地荷重に自動的に
保つことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は回転ブラシの昇降装置の拡大側面図、第2図は
一部を展開し、一部を省略した第1図正面図、第3図は
制御装置、第4図は接地荷重を変更した状態を示す側面
図、第5図は検出装置を示す図、第6図は床面洗浄機、
第7図は接地荷重の調整レバー詳細図、第8図は他の例
である。 1……床面洗浄機、2……フレーム、7……回転ブラ
シ、 10……昇降装置、15……電動シリンダ、 30……ブラシ追従部材、40……ロッド追従部材、 46……検出装置、50……制御装置

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フレームに支持したシリンダにより格納位
    置と接地位置間で回転ブラシを昇降させるようにした床
    面洗浄機等の回転ブラシの昇降装置において、前記シリ
    ンダのピストンロッドに接地荷重の設定ばねを介して回
    転ブラシを昇降可能に連結し、回転ブラシの上下移動量
    に対応した量所定方向へ移動するブラシ追従部材を設け
    ると共に、前記ピストンロッドの移動量に対応した量前
    記所定方向へ移動するロッド追従部材を設け、これらの
    ブラシ追従部材とロッド追従部材間には、前記所定方向
    における両部材間に相対位置変化をとらえる検出装置を
    介設し、その検出信号に基づいて前記ブラシ追従部材と
    ロッド追従部材とが基準相対位置となるように前記シリ
    ンダを駆動制御する制御装置を備えて成る回転ブラシの
    昇降装置。
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