JPH0150802B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は灯芯式石油燃焼器に関するもので、石
油ストーブ、乾燥機、石油フアンヒーター等に利
用し得る。

従来の技術 燃焼室の流路抵抗を変化させて燃焼量を調節す
る方式の石油燃焼器は、従来例えば実開昭58−
189407号公報に示されているように、第３図の様
な構成となつていた。

すなわち、下部筒１と上部筒２よりなる内炎筒
３と、その外側の外炎筒４からなる燃焼室５に灯
芯６先端を露出したもので、上部筒２は上部が外
方へ広がるテーパ構造とすると共に下部筒１には
め込まれ、レバー７によつて上下動するよう構成
されている。

発明が解決しようとする問題点 上記従来の構成において、燃焼量の調節はレバ
ー７を操作して上部筒２を上下動させ、外炎筒４
と上部筒２との間隙を変化させることによつて燃
焼室５の流路抵抗を変化させて、灯芯６からの燃
料気化量を変化させるものである。すなわち、強
燃焼時には上部筒２を上方へ、弱燃焼時には上部
筒２を下方へ、夫々レバー７によつて移動させ
る。

ところで消火時には灯芯６を降下させて燃焼室
５より退出させる操作を行うものであるが、消火
操作直前の燃焼状態が強燃焼であれば、上部筒２
が上方にあつて燃焼室５の流路抵抗は小であり、
灯芯６降下後においてもその保有熱によつて気化
する微少の燃料ガスは速かに上昇して、まだ充分
高温にある燃焼室５内で大部分が燃焼し、アルデ
ヒド等の臭気物質や不完全燃焼による一酸化炭素
の発生は殆んど防止できる。しかし消火直前が弱
燃焼の場合には、上部筒２が下方にあり、燃焼室
５の流路抵抗は大となつているために、灯芯６降
下後に気化する燃料ガスは除々にしか上昇せず、
燃焼室５の温度、すなわち内炎筒３および外炎筒
４の壁温が低下してもなお燃料ガスが上昇する状
態となる。従つて燃料ガスは充分燃焼しきれず酸
化中間体であるアルデヒド類等の臭気物質となつ
て排出されたり、あるいは不完全燃焼による一酸
化酸素の多量発生時、著しく不快かつ不完全なる
状態を招く欠点があつた。

本発明は上記従来の欠点を解消し、一操作によ
つて臭気や一酸化炭素等の発生なく消火を完遂し
ようとするものである。

問題点を解決するための手段 上記問題を解決する技術的手段は、灯芯降下時
に燃焼室の流路抵抗を小とする如く、灯芯上下手
段と流路抵抗可変手段を連動させるものである。

作 用 この手段により、燃焼室が充分高温にある間
に、降下させた灯芯から気化する微少燃料ガスを
速やかに上昇させて完全燃焼させ、臭気や一酸化
炭素の発生なく快適かつ安全な消火操作を行うこ
とができるようになる。

実施例 以下、本発明の一実施例を添付図面に基づき説
明する。第２図において、１１は平板状の灯芯
で、芯案内路１２に保持され乍ら芯上下レバー１
３の動作に連動して上下動する。１３ａは芯上下
レバー１３の支持軸である。芯案内路１２上には
多数の空気孔１４ａを有する偏平形状の燃焼筒１
４が載置され、該燃焼筒１４外側には外筒１５が
配設されている。１５ａはガラス板である。外筒
１５上部にはダンパ１６が備えられており、直竿
１７ａによつて、燃焼調節レバー１７と連動して
開閉自在となつている。ここで芯上下レバー１３
と燃焼調節レバー１７とは、第１図に示すように
連結竿１８で連結されており、かつ芯上下レバー
１３は連結竿１８に備えられた遊動孔１８ａに挿
入されて保持されている。（なお１２ａは灯芯１
１降下後に開口する消火口である。） 次にこの構成における作用を説明する。燃焼時
においては芯上下レバー１３を押し下げることに
よつて灯芯１１を上昇せしめ、芯案内路１２から
灯芯１１の先端を燃焼筒１４下部へ露出させる。
ここに空気孔１４ａから空気が流入して燃料を気
化させつつ燃焼筒１４内で混合、燃焼し、外筒１
５上部より排ガスが排出される。一方燃焼調節レ
バー１７を上下動することによつてダンパ１６の
開き度合が変化し、燃焼筒１４の流路抵抗が変化
する。すなわち燃焼調節レバー１７を押し上げる
とダンパ１７が開き、押し下げると閉まる構成に
なつていて、ダンパ７を閉めると燃焼室１４から
排出される燃焼排ガス流量を減じ、燃焼室１４の
内圧を高めることによつて、灯芯１１からの燃料
気化量および空気孔１４ａから空気流入量が共に
減少して燃焼量を低下させることができるもので
ある。

ところで消火時には灯芯１１を降下させ、芯案
内路１２内に没入させて燃料気化、ひいては燃焼
を停止させるものであるが、第１図に示すように
芯上下レバー１３を矢印Ａの方向へ持ち上げるこ
とによつて支持軸１３ａが矢印A′の方向に回転
し、灯芯１１は矢印Ｂの如く降下する。この時芯
上下レバー１３は連結竿１８の遊動孔１８ａ上端
に当接して連結竿１８を持ち上げ、燃焼調節レバ
ー１７を矢印Ｃの如く押し上げることになる。従
つて直竿１７ａは矢印C′の方向へ動き、かくして
ダンパ１６は矢印Ｄの如く開放されることにな
る。

灯芯１１降下後はそれ自身の保有熱によつてな
お微少の燃料が気化し、燃焼室１４の有する通風
力によつて吸引され上昇するが、ダンパ１６が開
放されて流路抵抗が充分小なるために、燃焼室１
４が充分高温にある間に速かに上昇して大部分完
全燃焼されてしまう。従つて従来の如く悪臭の因
となるアルデヒド類等の中間酸化物を生じたり、
あるいは不完全燃焼による有害な一酸化炭素を発
生することも避けられ、短時間に完全消火を完遂
し得ると共に快適かつ完全なる消火操作を行い得
るものである。

更にここで芯案内路１２側壁に灯芯１１降下時
に開口する消火口１２ａを配設しておけば、灯芯
１１降下動作によつて生ずる負圧により該消火口
１２ａより冷気が流入し、灯芯１１を冷却して降
下後の燃料の気化量を抑えると共に、気化した燃
料ガスに充分量の酸素を供給する一助となり、よ
り完全燃焼を促進することができる。

発明の効果 本発明は燃焼室の流路抵抗可変手段を有する灯
芯式石油燃焼器において、灯芯降下操作に連動さ
せて流路抵抗を小ならしめることにより、降下後
に灯芯から気化する燃料によつて生じ得る悪臭や
一酸化炭素の発生を著しく軽減せしめ、短時間に
快適かつ安全なる消火を完遂し得るものであり、
かつ一操作によつて行える操作性の良いものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例なる石油燃焼器の要
部分解斜視図、第２図はその縦断面図、第３図は
従来の石油燃焼器の要部縦断面図である。 １１……灯芯、１２ａ……消火口、１３……芯
上下レバー、１４……燃焼室、１６……ダンパ、
１７……燃焼調節レバー、１８……連結竿、１８
ａ……遊動孔。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 多孔板よりなる燃焼室と、上昇時に該燃焼室
   下部へ先端を露出する上下動自在な灯芯と、該灯
   芯の上下手段と、前記燃焼室を収納する外筒と、
   前記燃焼室に流入する空気量を制御する流路抵抗
   可変手段とを備え、前記灯芯の降下時に前記流路
   抵抗を小ならしめる如く前記灯芯上下手段と前記
   流路抵抗可変手段とを連動させた石油燃焼器。 ２ 流路抵抗可変手段は前記外筒上部の排気口に
   備えられた開閉自在のダンパを備えた特許請求の
   範囲第１項記載の石油燃焼器。 ３ 灯芯降下時に燃焼室下部に連通する空気流路
   を備えた特許請求の範囲第１項または第２項記載
   の石油燃焼器。