JPH0148407B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 １ 目 的 (1) 産業上の利用分野 本発明は、スプリングカバー取付装置に関す
る。

車輛のドアー用窓ガラスの昇降は窓ガラスに固
定したブラケツトに、ドア側のリンク機構或いは
ワイヤーを連結し、電動又は手動方式の駆動装置
によつて該リンク機構或いはワイヤーを動作さ
せ、ブラケツトに昇降運動を与えることで成され
る。

ワイヤを用いて窓ガラスを昇降させる例は、た
とえば、実開昭58−69684号公報にみられる。

サツシユを備えたドアでは、窓ガラス全閉時に
は、窓ガラス端縁全周がサツシユにより保持さ
れ、昇降時には、窓ガラス前端縁、後端縁がサツ
シユにより、車輛前後方向、幅方向に保持されて
いる。フロントドアでは、フロントピラーに沿つ
て、ドア前部が傾斜されているので窓ガラス前端
縁のサツシユにより支持案内される長さが、短く
なり、窓ガラス表面に沿つた面内での回転の規制
は、窓ガラス下部に固着されて、ドア内板に固着
されたレールの溝に摺動自在に支持されたスライ
ダーによつて行なわれる。この構造をサツシユレ
スドアに適用するとスライダーの支持長さが短い
ために、ガラス支持剛性が不充分となり、ガラス
上端面及び側面と車体との間のシールが不完全と
なり、水漏れや、風切音が発生する可能性が大き
い。視界を広くするために窓ガラス面積が拡大さ
れたドアにあつては、ベルトラインが下がること
となり、これに伴つてレールに案内されるスライ
ダーの上下幅が小さくなつており、これによつて
もガラスの支持が不完全となる。

そこで、本発明者等は、第１−３図に示される
新たな機構を開発した。該ワイヤ式ウインドレギ
ユレータ１は、上下ブラケツト２，３を有するフ
ロントレール４と、上下ブラケツト５，６を有す
るリヤレール７とを、ほゞ平行にドアの内板８側
に固定させる。各ブラケツト２，３，５，６は
夫々、プーリ９，１０，１１，１２を回転自在に
保持する。フロントレール４は車輛の後方に開口
する断面コの字状の型材、又、リヤレール７は、
車輛の外方に開口する断面略Ｃ字状の型材より成
形する。

窓ガラス１３の下部に、離間して、フロントガ
ラスブラケツト１４とリヤガラスブラケツト１５
とをボルト止めさせる。フロントガラスブラケツ
ト１４には、ワイヤホルダー１６を、該ブラケツ
ト１４に対して相対位置調整可能に固定させる。
フロントレール４の前方であつてドア側に、ワイ
ヤ巻胴を有する手動又は電動の駆動装置１７を固
定させる。該駆動装置１７から、プーリ１０を経
て、プーリ９、プーリ１２およびプーリ１１を介
し、駆動装置１７にもどる閉ループのワイヤ１８
が張設される。該ワイヤ１８は、ワイヤホルダー
１６およびリヤガラスブラケツト１５に、夫々、
固定される。フロントガラスブラケツト１４に
は、フロントレール４の溝内を走行するフロント
スライダー１９が摺動自在に保持され、又、リヤ
ガラスブラケツト１５には、リヤレール７の溝内
を走行するリヤスライダー２０が摺動自在に保持
される。

かくして、駆動装置１７によつて、ワイヤ１８
に矢印Ａ方向の張力を与えると、該ワイヤ１８と
連結関係のフロントガラスブラケツト１４とリヤ
ガラスブラケツト１５とには、共に、矢印Ｂ方向
の力が印加され、窓ガラス１３は、各レール４，
７の溝内を走行するスライダー１９，２０によつ
て、各レール４，７に案内される形で、下降す
る。又、窓ガラス１３の上昇は、逆の操作で成さ
れる。このような窓ガラス１３の昇降の際、窓ガ
ラス１３は、対の離間したガラスブラケツト１
４，１５とレール４，７とによつて、ほゞ窓ガラ
ス１３の中央部附近で案内されるので、窓ガラス
の形状設計は、任意となる。

尚、窓ガラス１３の上限および下限位置の規
制、ドアに対するシール等は常用手段が用いられ
る。

窓ガラス１３の昇降運動を行なわせる駆動装置
１７は、ドア側に固定されたストツパケース２１
とドラムケース２２とを有し、ハンドルシヤフト
２３がドラムケース２２内のドラム２４へと延在
し、ドラム２４を支承させる。ハンドルシヤフト
２３と一体のコア２５がストツパケース２１の方
向に延在し、ドラム２４にその一部が埋込まれた
プレート２６をストツパケース２１内延出させ
る。ハンドルシヤフト２３の回転は、コア２５を
プレート２６に当接させ、ドラム２４をハンドル
シヤフト２３と同方向に回転させる。一方、ドラ
ム２４からのハンドルシヤフト２３への回転力の
伝達を阻止させる逆転止めスプリング２７をスト
ツパケース２１内に収める。スプリング２７は、
ドラム２４側からの回転力によつて、ストツパケ
ース２１の内周壁に密着し、この回転力に抵抗す
るが、ハンドルシヤフト２３側からの回転力に対
しては、ストツパケース２１の内周壁から離れる
ようになつている。即ち、いわゆるスプリングカ
ツプラ機構が、ハンドルシヤフト２３側の回転力
をドラム２４に伝え、ドラム２４側からの回転力
をハンドルシヤフト２３に伝えないために用いら
れる。

ドラム２４の両側の溝２８にワイヤチユーブ１
８′の端部を収め、ワイヤ１８をドラム２４の外
周部に巻き付ける。ドラム２４のハンドルを有す
る軸部３０を設け、ドラムケース２２に一体的に
設けられたスプリングケース３１に一端が固定さ
れたスパイラルスプリング３２の可動端を軸部３
０のスリツト２９内に挿入する。スパイラルスプ
リング３２は、窓ガラス１３の下降中、巻き込ま
れて解放エネルギーを貯え、窓ガラス１３の上昇
中に該スプリング３２を巻きもどし、該エネルギ
ーをドラム２４の回転力に変換させハンドル操作
を容易にする。

第１図において、窓ガラス１３を下降させるべ
くハンドル３３を回転させると、ハンドルシヤフ
ト２３のコア２５がプレート２６に当接し、ドラ
ム２４を回転させて、矢印Ａ方向からワイヤ１８
をドラム２４に巻き込み、窓ガラス１３を下降さ
せる。この際、スパイラルスプリング３２も巻き
込まれエネルギーを貯える。窓ガラス１３を下げ
た状態で、ドラム２４側に回転力が付与されて
も、この回転力はスプリング２７によつてハンド
ルシヤフト２３には伝達されない。それ故、巻き
込まれたスパイラルスプリング３２のエネルギー
は解放されない。ハンドル３３を逆方向に回転さ
せると、ドラム２４は逆方向に回転し、矢印Ａ方
向とは逆方向にワイヤ１８をたぐり出し、窓ガラ
ス１３を上昇させる。この際、スパイラルスプリ
ング３２が巻きもどされドラム２４の回転を助け
るので、窓ガラス１３の自重や摺動抵抗に起因す
るハンドルの重みはなくなる。

(2) 従来技術との関連における本発明の課題 第４図に示す駆動装置１７のスプリングケース
３１の一端は開放されているので、たとえば、ス
パイラルスプリング３２間に異物が入ると、該ス
プリング３２の巻き込みおよび巻きもどしに異状
をきたすことになる故に、スプリングカバーを取
付けることが望まれる。このスプリングカバーの
取付例は、実公昭49−2336号公報にみられる如
く、本体側にビス止めするのが通例である。しか
し、該カバーを金属製とする時は、ビス止めも良
いが、樹脂製で作る場合は、必ずしも最善策と云
えない。というのは、樹脂製のものは、弾力に富
むにも拘らず、この特性を活用していないからで
ある。

そこで、一般的には、第５図に示すように、ド
ラムケース２２から長孔３４付きの突片３５を延
在させ、スプリングカバー３６に設けた爪３７′
を、第６図の如く、長孔３４の縁に弾力的に係合
（スナツプ止め）させることが考えられる。この
手段は、カバー３６をドラムケース２２に押し付
け、爪３７′の弾性変形を利用して、爪３７′と長
孔３４の縁とを係合させるのみであるから、取付
作業はきわめて簡単であるが、しかし、第６図か
ら明らかなように、爪３７′と長孔３４の縁とを
当り面即ち係合面が少なく、又、長孔への挿入時
に削りとられ、なお少なくなる恐れがあり、振動
や予期しない外力によつてカバー３６の外れる危
険が有る。

本発明は、第５−６図にみられる如き一般的に
考えられる係合手段の改良をなし、一層確実な係
合を保障させることを解決すべき技術的課題とす
る。

２ 構 成 (1) 上記課題解決のために講じた技術的手段 第４図に関する説明から明らかなように、スプ
リングカバーにはスパイラルスプリングの一端が
固定される。そして、スパイラルスプリングの他
端がドラム側に固定される。さらに、スプリング
カバーは本体側のドラムケースに保持される。こ
の事実は、スプリングカバーに対し、スパイラル
スプリングの出力が常に作用していることにな
る。本発明者等は、この事実に着目して、従来技
術、或いは、第４図に示す如き当業者が容易に予
測できる技術の改良を成したもので、基本的に
は、固定側部材の長孔に延出する爪を有するスプ
リングカバーを提供する。

(2) 上記手段の作用 固定側部材の長孔内にスプリングカバー側の爪
を挿入した後、スプリングカバーを離すと、内部
のスパイラルスプリングの出力がスプリングカバ
ーを固定側部材に対して相対的に摺動させ、爪と
長孔の端部の縁とを係合させる。この場合、爪の
弾力を利用していないので、爪の長孔の縁への当
り面を大きく取ることができ、又、スプリングの
出力が爪と長孔との端部の縁との係合方向に作用
するので、振動や予期しない外力によつてスプリ
ングカバーが固定側部材から外れることはない。
尚、スプリングカバーを固定側部材であるドラム
カバーに取付けるに際しては、スパイラルスプリ
ングの一端をスプリングカバーに固定し、その他
端をドラム側に固定させ、スパイラルスプリング
を巻き込んだ状態とした後、爪を長孔に挿入させ
る。

(3) 実施例 第７−９図を参照する。固定側カバーであるド
ラムケース２２に対の突片３５を設け、該突片３
５に周方向に延在する長孔３４を穿設させる。ス
パイラルスプリングの一端をその内周壁に固定し
たスプリングカバー３６の外周壁に半径方向外方
に突出する対の突部３７をカバー３６と一体に形
成する。突部３７の両端に周方向へと延在する爪
３８を形成する。長孔３４の長手方向の幅は、爪
３８の両端間の寸法よりやゝ大きくし、爪３８の
長孔３４への挿入を容易にする。スプリングカバ
ー３６内のスパイラルスプリング３２を巻き込ん
だ状態で、第８図に示すように、爪３８を長孔３
４内に挿入し、スプリングカバー３６から手を離
すと、スパイラルスプリングの出力によつて、ス
プリングカバー３６はドラムケース２２に対して
相対的に矢印方向に回動し爪３８が長孔３４の縁
に係合する。ドラムケース２２の長孔３４とスプ
リングカバー３６の突部３７の外周は、ドラム２
４の軸部３０の回転中心芯を中心とする同心円弧
状に形成されていて、係止状態でのスプリングカ
バー３６の径方向の位置を決めている。

第１０−１２図を参照する。本例は、爪３８と
対向離間した位置に溝３９を形成したもので、第
１１図に示す如く、爪３８を長孔３４に挿入した
後、スプリングカバー３６から手を離すと、爪３
８が長孔３４の縁に係合し、又、突片３５の側縁
が溝３９に係合し、２ケ所でスプリングカバー３
６を支持させることになる。

第１３−１５図を参照する。本例は、爪３８の
縁に弾性ヒレ４０を設けたもので、第１４図に示
す如く、爪３８を長孔３４に挿入すると、ヒレ４
０が突片３５の背面を支持するので、第１４図の
状態から爪が長孔３４より抜け出すのに抵抗が大
であり、ドアへの組み付け時に、スプリングカバ
ーをもつて駆動部の取付を行い、爪３８と長孔３
４とが第１１図の様にぬける位置に合つてしまつ
た場合でも、ヒレ４０が突片３５の背面を支持し
ているので、作業者が手をはなすと、第１５図の
係止位置へ自動的にもどる。ヒレ４０間の幅は長
孔３４の幅より大とさせる。

第１６−１８図に示す例は、ヒレ４０を溝３９
を作る段部４１に形成したもので、第１７図の如
く、爪３８を長孔３４に挿入すると、ヒレ４０が
突片３５の背面を支持し、実質的に、第１４図の
例と同作用効果を呈す。

第７−１８図に示す例は、スプリングカバー３
６に爪３８を、又、ドラムケース２２に長孔３４
を形成したが、第１９図に示す如く、ドラムケー
ス２２側に爪３８を、又、スプリングカバー３６
側に長孔３４を有する突片３５を形成してもよ
い。尚、スプリングカバーの回転方向を定めてお
けば、一方の爪を省略できる。

３ 効 果 本発明では、スプリングの出力を利用して、ス
プリングカバーを固定側ケースに取付けるので、
両者の支持関係は強力となる。加えて、爪の弾力
を利用することなく、爪の軸線方向の肉厚および
係合面を大きく取り得るのでケース保持力が大と
なる。さらに、爪の長孔への単なる挿入作業のみ
であるから、取付作業はきわめて簡単である。
又、本発明は、たとえば、シートベルトの巻きと
り装置へも適用できる。

【図面の簡単な説明】

第１図はクロスワイヤ式ウインドレギユレータ
の側面図、第２図は第１図の矢視−よりみた
図、第３図は第１図の矢視−よりみた図、第
４図は駆動装置の断面図、第５図および第６図は
スプリングケースの取付例を示す図、第７−９図
は本発明の一例を示す図、第１０−１２図は本発
明の他の例を示す図、第１３−１５図は本発明の
別の例を示す図、第１６−１８図は本発明のさら
に別の例を示す図、第１９図はドラムケース側に
爪を設けた例を示す部分斜視図である。 図中：２２……ドラムケース、３４……長孔、
３６……スプリングケース、３８……爪、３９…
…溝、４０……弾性ヒレ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 内部で、スプリングの一端を固定するスプリ
   ングカバーを、該スプリングの他端を固定する部
   材を支承する固定側部材に支持させるスプリング
   カバー取付装置において、前記カバー又は固定側
   部材の一方に長孔を設け且つ他方に前記長孔の長
   手方向に位置する爪を設け、前記爪を前記長孔の
   長手方向端部に係合させ、前記スプリングの反力
   を前記カバーと前記爪を介して前記固定側部材に
   伝達し前記爪と前記長孔との係合を強くするよう
   にしたスプリングカバー取付装置。