JP3552518B2 - ウインドウレギュレータ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は車両等の窓を開閉する窓ガラスを昇降させるウインドウレギュレータ、特に、窓ガラスに連結されたワイヤをドラムにより巻取り、巻取り解除して窓ガラスを昇降させるウインドウレギュレータに関する。
【0002】
【従来の技術】
車両等には窓ガラスの摺動により開閉できるようにした窓が設けられ、特に、車両用のドアにはウインドウレギュレータにより駆動されて上下方向に開閉操作される窓ガラスが組付けられることが多い。
ところで、この窓ガラスはドアパネル及びドアサッシュとにわたり上下に連続して設けられる一対のガイドレールに摺動自在に支持され、その窓ガラスと一体の取付片には引き上げ用及び引下げ用のワイヤがそれぞれ連結される。引き上げ用及び引下げ用のワイヤの基端側はウインドウレギュレータ内のワイヤ巻取用のドラムに連結される。ここでドラムが回転されると、一方のワイヤがドラムに巻き付き、他方のワイヤが巻取り解除され、あるいは逆操作され、これにより窓ガラスを昇降させている。なお、このようなウインドウレギュレータの一例が実開平2−25678号公報に開示される。
【0003】
ところで、この種のウインドウレギュレータに窓ガラスが昇降操作され、窓ガラスが上端位置、あるいは下端位置に達するとする。ここで、上端位置に窓ガラスが達した場合、引き上げ用のワイヤが強く引かれ、窓ガラスを上端のストッパ部に押し当て、引下げ用のワイヤは撓み傾向にある。同様に、下端位置に窓ガラスが達した場合、引き下げ用のワイヤが強く引かれ、窓ガラスを下端のストッパ部に押し当て、引上げ用のワイヤは撓み傾向にある。このような状態に達すると、撓み傾向にあるワイヤがドラムの所定のワイヤ受け溝より外れ、隣側の受け溝等に偏り、再度ドラムが回転した際に、隣側の受け溝と対向しているワイヤがそのままその溝に巻き込まれ、乱巻きを起し、作動不能を起す。
このようなワイヤの基端側の撓み撓み発生により乱巻きを防止すべく、図9に示すような撓み取り装置Mが利用されている。
【0004】
この撓み取り装置Mは、ウインドウレギュレータのドラムより延びる、引上げ用及び引き下げ用の各ワイヤの途中にそれぞれ配設される。この撓み取り装置Mは、インナワイヤ100に外嵌されその両端の小径部をアウタチューブ101にそれぞれ嵌挿する嵌合筒部102と、嵌合筒部102の両側の段状筒部103内に装着されるばね104と、インナワイヤ100を内嵌し嵌合筒部102内に収容され両ばね104で両端部を押圧される可変パイプ105とを備える。可変パイプ105は可撓性のパイプであり、その構成はワイヤを筒状に巻き、その表面を樹脂材で覆った中空筒状にしたもので、場合によってはそのワイヤ筒状部の内側に筒状のチューブ材を内嵌して、三層構造にして使用する場合も有る。同パイプ105は、嵌合筒部102内で左右のばね104により押圧され、湾曲し、これにより可変パイプ105内のインナワイヤ100を湾曲できる。このため、インナワイヤ100の引っ張り力が大きいと、2点鎖線で示すように可変パイプ105がインナワイヤ100に沿って直状に保持され、小さいと、実線で示すように可変パイプ105が湾曲してインナワイヤ100の撓みを吸収できる。この撓み取り装置Mを用いることにより、ドラムのワイヤ受け溝よりインナワイヤ100の基端部が外れ、乱巻きが生じるということを防止できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、図9に示したような撓み取り装置Mは、各インナワイヤ100と可変パイプ105とが常に圧接している。このため、同装置ではワイヤ巻取り、巻取り解除時にワイヤの摺動抵抗が比較的大きくなり、モータの負荷が増加し、エネルギロスを招き、モータ容量を大型化することとも成り、耐久性の点でも問題となっている。更に、図9に示したような撓み取り装置Mは、これが吸収する撓みの量は比較的小さく、場合によっては引き下げ用ワイヤの撓みを確実に吸収することは出来ず、ウインドウレギュレータでの乱巻きが生じることがある。
【0006】
本発明の目的は、ウインドウレギュレータのドラムの回転負荷を増加させること無く、ドラムに対するワイヤの乱巻きを確実に防止できるウインドウレギュレータを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、請求項1の発明では、
駆動軸と一体回転するドラムの外周壁にワイヤ受け溝を形成し、同ワイヤ受け溝にワイヤを巻取り、巻取り解除して上記ワイヤに連結されたドアガラスを昇降させるウインドウレギュレータにおいて、上記ドラム上に上記ワイヤの固定基端を取付け、しかもこのドラム上に、上記固定基端より延びて上記ワイヤ受け溝に達する弦月形の溝を形成し、上記弦月形の溝は同溝の底壁と上記ドラムの回転中心との間隔が、上記固定基端と上記ドラムの回転中心との間隔よりも小さく設定される。
【0008】
このように、ドラム上の弦月形の溝は同溝の底壁と上記ドラムの回転中心との間隔が、上記固定基端と上記ドラムの回転中心との間隔よりも小さく設定され、十分に深い溝として形成されるので、ワイヤの固定基端近傍部が比較的大きく撓んでも、この部位が弦月形の溝を離脱することを十分防止出来る。このため、ドラムに対するワイヤの乱巻きを確実に防止でき、窓ガラスを長期にわたり円滑に昇降操作できる。しかも、ワイヤに対して負荷が増加することも無く、エネルギロスを排除でき、このため、モータ容量を比較的小形化でき、耐久性も改善される。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1乃至図4には本発明の一実施形態例としてのウインドウレギュレータを示した。このウインドウレギュレータAは車両のドア2(図4参照)の窓ガラス3の開閉操作に用いられる窓ガラス昇降装置である。
このウインドウレギュレータAを装備するドア2は、図示しない車両に設けたドア開口を閉鎖するもので、インナパネル4と図示しないアウタパネルとを接合し、これにより、図4に示すようにドアパネル部201とその上のドアサッシュ部202とを形成している。ここで、ドアパネル部201及びドアサッシュ202との両側部には上下に連続して前後ガイドレール5,6が設けられ、ここに両側端を支持される窓ガラス3が摺動自在に支持され、その窓ガラス3と一体の取付片7には引き上げ用及び引下げ用のワイヤW1,W2がそれぞれ連結され、両ワイヤW1,W2の基端側がウインドウレギュレータ駆動部1に連結される。なお、ここでの引き上げ用及び引下げ用のワイヤW1,W2はそれぞれパイプ状のアウタワイヤm1,m2内に摺動自在にインナワイヤn1,n2を嵌挿するという構成を採る。
【0010】
図3に示すように、窓ガラス3と一体の取付片7はその中央がガイドレール8に摺動自在に支持される。即ち、この取付片7の摺動部はその中央に互いに向かい合って突設される鉤状の係止爪701を備え、この複数の係止爪701で中央レール8をがた無く挟持し、取付片7をレール長手方向に向けて摺動自在に取付けている。ここでのガイドレール8はその複数個所に設けたブラケット801を介しインナパネル4の内壁面に接合され、その上下端に上下一対のプーリ9,10を枢支する。この上プーリ9には取付片7の上部p1に結合される引き上げ用のインナワイヤn1が、下プーリ10には取付片7の下部p2に結合される引下げ用のインナワイヤn2が係止される。これにより引き上げ用のインナワイヤn1が窓ガラスを上端位置H1(図4に示す全閉位置)に、引下げ用のインナワイヤn2が下端位置H2(図4に示す全開位置)に窓ガラス3を引っ張り移動できるように構成される。
【0011】
引き上げ用及び引下げ用のワイヤW1,W2は共にウインドウレギュレータ駆動部1に連結される。図1乃至図4に示すように、ウインドウレギュレータ駆動部1は、ドアのインナパネル4に複数の図示しないボルトにより締付固定されるケーシング12と、ケーシング12内に枢支される駆動軸13と、この駆動軸に図示しないウォーム/ウォームホイールから成る減速機構を介し回転力を加えるモータ14と、駆動軸13の他端に一体的に結合されるドラム15と、ドラム15を覆いケーシング12に一体的に結合される樹脂製のカバー16とを備える。モータ14と電源側との間に配備される図示しない駆動回路は図示しない開閉スイッチを備え、同開閉スイッチが切換え操作されることにより、モータ14を正転及び逆転方向に選択的に駆動でき、しかも、ドア全開、全閉時に、負荷抵抗の急増に応じて周知のサーキットリミッタとしての機能を働かせ、駆動電流をカットできるように構成される。
【0012】
図1、図2に示すように、ドラム15はその中央に回転中心線Lに沿った矩形穴hを形成され、しかも、その一側端(図2において上側)中央よりボス部150を突設し、同部を樹脂カバー16の小径の筒状部162に内嵌する。一方、駆動軸13はモータ14により図示しない減速機構を介し回転駆動される。この駆動軸13は減速機構の配備される部位(図2において下側)以外の部位が矩形断面部131として形成され、同部131は矩形穴hに密に嵌挿され、しかもその矩形断面部の先端で筒状部150と対向する部位にはナットNが螺着され、これによりドラム15と駆動軸13とが互いに一体回転可能に結合される。
【0013】
図2に示すように、ドラム15はその外周壁上に回転中心線Lの方向に沿って、螺旋状にワイヤ受け溝151を一定ピッチpで連続して形成され、回転中心線Lの方向における両端部に受け溝の無い円筒部152を形成される。図2において、ドラム15のワイヤ受け溝151の内で下側に配備されているものには引下げ用ワイヤW2のインナワイヤn2が、上側に配備されているものには引き上げ用ワイヤW1のインナワイヤn1が巻き取られている。なお、図1に示すように、ドラム15に巻き付く両インナワイヤn1,n2はカバー16に形成された開口161を通過し、上述のプーリ9,10側に延出する。
図2に示すように、上下の各円筒部152にはそれらの側方よりドラム内側に向けて嵌合穴17が凹設される。各嵌合穴17には引下げ用のインナワイヤn2の係止片c2と、引上げ用のインナワイヤn1の係止片c1が嵌合される。なお、図5に示すように、各係止片c1,c2は円柱状の短ピンであり、それらの中央部にインナワイヤn1,n2の固定基端n1−a、n2−aを一体結合し、更にこれらに続く後述の固定基端近傍部n1−b、n2−bを連結している。
【0014】
ここで、図1において手前側で、図2において下側となる引下げ用のインナワイヤn2の固定基端n2−aの係止片c2が嵌合される嵌合穴17を拡大して図6に示した。ここで嵌合穴17は円筒部152の側面f1上であって、円筒部152の外周面f2より所定量gだけドラムの回転中心側にずれた位置に凹設される。嵌合穴17の外周面f2との対向部にはこの嵌合穴17より外周面f2に達するスリット状の取付穴18aがドラム内側(図6では下方側)に向けて形成され、その取付穴18aの先端は一番外側のワイヤ受け溝151が形成される位置に達している。取付穴18aの先端にはこれに連続し、この位置で屈曲した係止側取付穴18bがワイヤ受け溝151の底壁に沿って所定の長さd(図1参照)だけスリット状に連続形成される。ここで屈曲して連結されるスリット状の取付穴18a及び係止側取付穴18bはその幅がインナワイヤの固定基端n2−a側の直径とほぼ同等に設定される。このため、図6に示すように、取付穴18a及び係止側取付穴18bは、嵌合穴17に軸方向Sから嵌合された係止片c2より延びるインナワイヤn2の移動を許容できる。
【0015】
図1、図2に示すように、嵌合穴17に引下げ用のインナワイヤn2の係止片c2を嵌合している部位と対向しているワイヤ受け溝151は、同溝の底壁に沿って係止側取付穴18bを所定幅dで形成し、それに続いて、ワイヤの直径より大きいd’の幅の弦月形の溝20を連続形成している。図1に示すように、この弦月形の溝20は係止片c2と結合されるインナワイヤの固定基端n2−aより延びてワイヤ受け溝151に達する直状の底壁rを備え、特に、底壁rとドラムの回転中心Oとの間隔L2が、固定基端n2−aとドラムの回転中心Oとの間隔L1よりも小さく設定される。即ち、底壁rが固定基端n2−aより延びて、ドラムの回転中心Oの近くに達した上でワイヤ受け溝151に達するように形成され、十分に深い溝として形成される。
【0016】
なお、上述のところでは、図1に実線で示すように、ドラムの一端側(図2において下側)の円筒部152に続くワイヤ受け溝151に巻き取られる引き下げ用のインナワイヤn2の係止片c2を嵌合穴17に係合する構成を説明したが、図1に破線で示すように、ドラムの他端側(図2において上側)の円筒部152に続くワイヤ受け溝151に巻き取られる引き上げ用のインナワイヤn1の係止片c1を嵌合穴17に係合する構成もほぼ同様構成(図6の斜視図において同一)であり、ここでは重複説明を略す。
【0017】
このようなウインドウレギュレータ駆動部1では、図5に示すように、ドラムの両側面f1側の各嵌合穴17に引き上げ用のインナワイヤn1の係止片c1と、引き下げ用のインナワイヤn2の係止片c2をそれぞれ押し込む。この場合、同時に係止片c1、係止片c2の各固定基端n1−a、n2−aが各円筒部152と干渉しないよう、各取付穴18a及び各係止側取付穴18bに沿って押し込み操作される。これにより、各固定基端n1−a、n2−aを各嵌合穴17及び各係止側取付穴18bの底部に位置させ、各固定基端n1−a、n2−aに続く固定基端近傍部n1−b、n2−bを各弦月形の溝20の底壁rに位置させ、それに続き溝20より延出する部位をドラムの一端側及び他側端側の各ワイヤ受け溝151に順次巻き付ける。なお、引き上げ用及び引下げ用の各インナワイヤn1,n2はワイヤ受け溝151の中央側に達した上で同溝より離れ、プーリ9,10側に延出される。
【0018】
図1乃至図4に示したウインドウレギュレータAは、操作者が図示しない開閉スイッチを切り換え操作することによりモータ14を介し駆動軸13と一体のドラム15を正逆回転駆動する。
この場合、ドラム15が引上げ用のワイヤW1のインナワイヤn1を巻取り、同時に引き下げ用のワイヤW2のインナワイヤn2を巻取り解除すると、プーリ10に掛け廻されるインナワイヤn2とプーリ9に掛け廻されるインナワイヤn1の各先端に結合される窓ガラス3が前後レール5,6に沿って上昇する。この場合、窓ガラス3が上端位置H1に達すると、操作者により開閉スイッチのオン操作が戻され、あるいは駆動回路により電流断処理によりモータ14が停止し、窓ガラス3が上端位置H1に保持される。この時、ドラム15には引上げ用のインナワイヤn1が巻き取られ、一方、引き下げ用のインナワイヤn2はドラム15より巻取り解除されている。即ち、引き下げ用のインナワイヤn2の固定基端近傍部n2−bは弦月形の溝20に嵌着し、この固定基端近傍部に続く部位はワイヤ受け溝151に一部を巻き付けただけで、その先をワイヤ受け溝151より離脱し、プーリ10に延出する状態にある。
【0019】
この場合、引き下げ用のインナワイヤn2は窓ガラス3より引っ張り力を受けておらず、撓み状態にある。この撓みは深底の弦月形の溝20内での固定基端近傍部n2−bの湾曲変位(図1の2点鎖線参照)として吸収される。このため、ドラム15の外周面においてインナワイヤn2が隣側のワイヤ受け溝151にずれることを確実に防止でき、再度のモータ駆動によりインナワイヤn2が巻き取られる場合でも、このワイヤがワイヤ受け溝151より外れ、乱巻きが生じることを確実に防止できる。
【0020】
同様に、ドラム15が引下げ用のワイヤW2のインナワイヤn2を巻取り、同時に引き上げ用のワイヤW1のインナワイヤn1を巻取り解除すると、インナワイヤn1とインナワイヤn2の各先端に結合される窓ガラス3が降下する。この場合、窓ガラス3が下端位置H2に達し、モータ14が停止し、窓ガラス3が下端位置H2に保持される。この時、ドラム15には引下げ用のインナワイヤn2が巻き取られ、引き上げ用のインナワイヤn1はドラム15より巻取り解除されている。即ち、引き上げ用のインナワイヤn1の固定基端近傍部n1−b(図1の破線参照)が弦月形の溝20に嵌着し、この固定基端近傍部に続く部位はワイヤ受け溝151に一部を巻き付けただけで、その先をワイヤ受け溝151より離脱し、プーリ9に延出する状態にある。この場合、引き上げ用のインナワイヤn1は窓ガラス3より引っ張り力を受けておらず、インナワイヤn1は撓むが、この撓みは深底の弦月形の溝20内での固定基端近傍部n1−bの湾曲変位(図1の2点鎖線と同様の変位)として吸収される。このため、インナワイヤn1が隣側のワイヤ受け溝151にずれ、再度のモータ駆動時にこのインナワイヤn1が巻き取られる場合にワイヤ受け溝151より外れ、乱巻きが生じるということを防止できる。
【0021】
以上のように本発明のウインドウレギュレータAは、窓ガラス3が上端位置H1にあるときの引き下げ用のインナワイヤn2の固定基端近傍部n2−bの湾曲変位、及び、窓ガラス3が下端位置H2にあるときの引き上げ用のインナワイヤn1の固定基端近傍部n1−bの湾曲変位をドラム15上のそれぞれの弦月形の溝20により吸収でき、再度のモータ駆動時に各インナワイヤn1,n2が巻き取られる場合における乱巻きを確実に防止でき、窓ガラス3を長期にわたり円滑に昇降操作できる。
【0022】
上述のところにおいて、ドラム15に形成される弦月形の溝20は直状の底壁rを備えていたが、場合により、図7に示すように、特に、直状の底壁rに代えて、湾曲した底壁r’を有する弦月形の溝20’を設けても良い。この場合も、底壁r’とドラムの回転中心Oとの間隔L2’が、固定基端n3−aとドラム15の回転中心Oとの間隔L1よりも小さく設定され、図1乃至図4に示すウインドウレギュレータAと同様の作用効果を得られる。特に、この変形例ではインナワイヤn3の内、弦月形の溝20’内の固定基端近傍部n3−bが湾曲し、このインナワイヤn3の内でワイヤ受け溝151に巻き付く部位との間での湾曲変形をゆるやかにでき、しかも固定基端近傍部n3−bをスムーズに湾曲変形させることが出来る。
【0023】
図1、図7に示した各ドラム15には矩形穴hが形成され、ここに駆動軸13の矩形断面部131が密に嵌挿されていたが、これらに代えて、図8に示すように、ドラム15’に山形穴h’を形成し、ここに駆動軸13の山形断面部131’が密に嵌挿されるという構成を採っても良い。特に、山形穴h’を有するボス部材Pを樹脂で成形し、このボス部材Pをゴム等の弾性材から成る中間ボス部材Qを介しドラム15’の本体に一体結合するという構成を採っても良い。この場合、窓ガラスの全閉時に、中間ボス部材Qの弾性変形により、駆動軸13及びボス部材Pに対しドラム15’側を相対的にねじり状態(記号q1,q2参照)に保持出来る。このため、ここでは窓ガラスを引き上げるワイヤ側に弾性的な引上げ力を付与し、その状態を保持することが出来、窓ガラス閉鎖時の窓ガラスのずれを確実に防止出来、しかも、窓ガラス閉鎖時の衝撃音を低減出来る。
【0024】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、ドラム上に設ける弦月形の溝は同溝の底壁とドラムの回転中心との間隔が、固定基端とドラムの回転中心との間隔よりも小さく設定され、十分に深い溝として形成されたので、ワイヤの固定基端近傍部が比較的大きく撓んでも、この部位が弦月形の溝を離脱することを十分防止することができる。
このため、ドラムに対するワイヤの乱巻きを確実に防止でき、窓ガラスを長期にわたり円滑に昇降操作できる。しかも、ワイヤに対して負荷が増加することも無く、エネルギロスを排除でき、このため、モータ容量を比較的小形化でき、耐久性も改善される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の適用されたウインドウレギュレータのドラム部の要部拡大断面図である。
【図2】図1のウインドウレギュレータのドラム部の拡大側面図である。
【図3】図1のウインドウレギュレータの拡大側面図である。
【図4】図1のウインドウレギュレータを装備する車両のドアの内壁側の概略側面図である。
【図5】図1のウインドウレギュレータのドラム部の概略斜視図である。
【図6】図1のウインドウレギュレータのドラム部に形成される嵌合穴17の要部切欠拡大斜視図である。
【図7】本発明の適用されたウインドウレギュレータの変形例で用いるドラムの要部拡大断面図である。
【図8】本発明の適用されたウインドウレギュレータの他の変形例で用いるドラムの概略斜視図である。
【図9】従来の窓ガラス昇降装置に装備される撓み取り装置の概略断面図である。
【符号の説明】
1 ウインドウレギュレータ駆動部
3 ドアガラス
13 駆動軸
15 ドラム
151 ワイヤ受け溝
17 嵌合穴
18b 係止側取付穴
20,20’ 弦月形の溝
n1−a 引き上げ用のワイヤの固定基端
n2−a 引下げ用のワイヤの固定基端
n1−b 引き上げ用のワイヤの固定基端近傍部
n2−b 引下げ用のワイヤの固定基端近傍部
A ウインドウレギュレータ
O ドラムの回転中心
W1 引き上げ用のワイヤ
W2 引下げ用のワイヤ
Claims (1)
- 駆動軸と一体回転するドラムの外周壁にワイヤ受け溝を形成し、同ワイヤ受け溝にワイヤを巻取り、巻取り解除して上記ワイヤに連結されたドアガラスを昇降させるウインドウレギュレータにおいて、
上記ドラム上に上記ワイヤの固定基端を取付け、
上記固定基端より延びて上記ワイヤ受け溝に達する上記ワイヤの固定基端近傍部を収容する弦月形の溝を形成し、
上記弦月形の溝は同溝の底壁と上記ドラムの回転中心との間隔が、上記固定基端と上記ドラムの回転中心との間隔よりも小さく設定されることを特徴とするウインドウレギュレータ。
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