JPH0146968B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は消弧機構を備えた電磁接触器等の開
閉器の改良に関するものである。一盤にこの種の
開閉器は三相誘導電動機などを始動、停止させる
運転、制御に用いられるものであるが、近頃は自
動化、省力化装置などを駆動する電動機の運転制
御機器としてその用途が拡大するのに伴い上記電
動機の始動、停止が頻繁に繰り返される、いわゆ
る寸動運転に対応できるようにその接点消耗が低
減される消弧機構とすることが要求されている。

第１図はこの種従来の電磁接触器を示すもの
で、図において１は鋼板製の取付台、２は絶縁ケ
ースで上記取付台１上にネジにより結合されてい
る。３は固定鉄心で操作コイル４が装着されてい
る。５は上記固定鉄心３に対設に対設された可動
鉄心で上記操作コイル４に通電されると固定鉄心
３に吸着される。６は絶縁材から成るクロスバー
で可動鉄心５をその下端に固着している。７は上
記クロスバー６の下端と操作コイル４との間に張
架された引外しばねで常時開閉器の主回路が開路
されるようクロスバー６を押圧している。８は接
点９を両端下面に備えた可動接触子で上記クロス
バー６に開設した窓穴１０内に貫挿され、その上
部に設けた加圧ばね１１によつて常時下方に向つ
て加圧されている。１２は上記可動接触子８の接
点９と対向する接点１３を備えた固定接触子で、
この固定接触子１２はネジ等により上記ケース２
上に固定されており、かつこれは電流端子板の役
目も果している。１４は耐熱絶縁材料から成るア
ークボツクスでネジ等により上記ケース２上に固
定されており、かつその周壁には窓穴が設けら
れ、そしてこの窓穴には上記固定接触子１２と電
気的に接続された遮蔽板１５が挿入されている。
１６はこの遮蔽板に設けたアークボツクス１４内
からのガス放出穴を示す。

上記構成において第１図の主回路が開路されて
いる状態で上記操作コイル４に電圧を印加すると
固定鉄心３と可動鉄心５との間に磁束が発生し、
引外しばね７の力に抗して上記可動鉄心５が固定
鉄心３に吸着される。これと同時に可動鉄心５と
連結されたクロスバー６も同様に動作し可動接触
子８の接点９が固定接触子１２の接点１３と接触
すると共に、加圧ばね１１により所定の圧力が加
えられた状態で主回路が閉路される。反対に上記
操作コイル４を消勢すると引外しばね７の力によ
り可動鉄心５が固定鉄心３から開離し、クロスバ
ー６もこの可動鉄心５と連動して移動する。これ
によつてクロスバー６が第１図の状態に復帰する
と共に固定接触子１２の接点１３と可動接触子８
の接点９とが開離する。

この開離に際して接点１３と接点９との間には
アークが生成するがこれは交流電流の電流雰点に
おいて消弧される。ところで上記アークの生成に
伴つてホツトガスが発生し、これがアークボツク
ス１４の内部に充満するが、上記遮蔽板１５に設
けた放出穴１６より逐次外部に放出されるように
なつている。

従来の電磁接触器は以上のように動作するので
あるが、アークの陰極点と陽極点が接点上に比較
的長く滞留するため高価なこの種接点の消耗が大
きくなるという欠点があつた。この発明はこの点
に鑑み高価な接点の消耗をできるだけ低減するこ
とを目的としたものである。

すなわち以下第２図に示す本発明の一実施例に
ついて説明するが第１図のものと同一個所は同一
符号で示しており、本発明のものの特徴としては
遮蔽板１５からの延長腕部１５ａと可動接触子８
にそれぞれアーク転流部Ａ，Ｂを付設した点であ
り、他は第１図のものと同一構成になつている。
またその動作についても両接点９，１３間へのア
ーク生成後の当該アークの動きが異なる点を除く
と他は同一であるので、このアークの動きについ
て特に説明する。

すなわち通電状態で接点９と接点１３とが開離
する時その間にアークが生成し、アークボツクス
１４の内部には導電性は低いが電離された高温ガ
スが充満する。その後両接点９，１３の開離が進
み、可動接触子８の先端に設けたアーク転流部Ｂ
と遮蔽板１５の延長腕部１５ａに設けたアーク転
流部Ａの間の距離Ｙが両接点９，１３間の距離Ｘ
より小さくなると両転流部Ａ，Ｂ間で絶縁破壊が
起り、これら両転流部Ａ，Ｂ間にアークが生成
し、両転流部Ａ，Ｂ間の距離Ｙと両接点９，１３
間の距離Ｘとの関係がＹ＜Ｘの状態で両接点９，
１３間のアークは消滅し、その後アークは両転流
部Ａ，Ｂ間に移り、該部で最終的に消弧されるも
のである。

なお延長腕部１５ａを含めた上記遮蔽板１５と
して磁性体を用いた場合は両接点間のアーク（特
に陽光性）がこの遮蔽板に強く引付けられるので
当該アークの各転流部Ａ，Ｂ間への転位がいつそ
う早く行われ、これによつて各接点９，１３の消
耗をいつそう低減することが可能となる。さらに
固定接触子１２の形状を第３図の他の実施例に示
すようにコの字状とした場合は固定接触子１２と
可動接触子８に流れる電流により生じる磁場によ
つて生成アークに対する駆動力がいつそう増強さ
れるので上記転流部Ａ，Ｂ間へのアークの転位が
著しく早められ、それだけ接点消耗が低減される
ことになる。

以上は可動接触子が電磁石により駆動される開
閉器すなわち電磁接触器について説明したが、手
動で開閉される例えば配線用遮断器のような開閉
器にも本発明が適用され得ることはいうまでもな
いことである。

この発明の開閉器は以上のようにアークボツク
スの周壁に設けられ固定接触子と同一電位の遮蔽
板の延長腕部にアーク転流部を形成し、可動接触
子の両端部をコ字状に屈曲してアーク転流部を形
成し、両接触子開路時のこれら両アーク転流部間
の距離を両接触子接点間の最大開離距離よりも小
としたので、それだけ当該接点の消耗を低減する
ことができると共に、転流アークによる接点接合
部の温度上昇が抑制され、接点はく離等の悪影響
を防止することができる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の電磁接触器を示す断面図、第２
図はこの発明の開閉器の一実施例を示す断面図、
第３図は第２図のものにおけるアーク転流手段の
他の実施例を示す図である。なお図中８は可動接
触子、Ｂはそのアーク転流部、１２は固定接触
子、１４はアークボツクス、１５はその周壁窓穴
に設けた遮蔽板、１５ａはその延長腕部、Ａはこ
の腕部に設けたアーク転流部を示す。その他図中
同一符号は同一または相当部分を示すものとす
る。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ アークボツクス内に設けられ接点を有する固
   定接触子と、これに対向して設けられ接点を有す
   る可動接触子と、上記アークボツクスの周壁に設
   けられ上記固定接触子に電気的に接続されその延
   長腕部が上記可動接触子の上部に位置して固定ア
   ーク転流部を形成する遮蔽板とを配置し、上記可
   動接触子の両端部をコ字状に屈曲して上記固定ア
   ーク転流部と対向する可動アーク転流部を形成
   し、上記両接触子開路時の上記両アーク転流部間
   の距離を上記両接触子接点間の最大開離距離より
   も小としたことを特徴とする開閉器。