JPH0145328Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 技術分野 この考案は間仕切ドアの接床装置に関するもの
である。

従来技術 間仕切ドアの各パネルを床面に固定するための
接床装置は、従来パネル内にパンタグラフ機構を
内蔵し、パネル一側端からこのパンタグラフ機構
を回転操作してパネル下端の接床框を床面に圧接
させるようになつていた。

しかし、このような接床装置は構造が複雑とな
るとともにそのパンタグラフ機構の操作に比較的
大きな労力と時間を要するので、このような接床
装置を内蔵したパネルを召し合わせて間仕切ドア
を構成することは大変であつた。又、パンタグラ
フ機構はパネル内で大きな容積を占めるととも
に、パネルの重量を増加させる原因となつた。

目 的 この考案の目的は迅速かつ容易な操作でパネル
を床面に固定できるとともに小型軽量な接床装置
を簡便な構成で提供するにある。

考案の構成 この考案はパネル下端部に水平方向にワイヤを
スプリングで一方へ付勢し、そのワイヤの一端を
パネルに移動可能に支持した操作ノブに連結して
スプリングの付勢力に抗してワイヤを水平方向に
移動操作可能とし、パネル下端部に前記ワイヤの
水平移動を上下方向の駆動力に変換し接床框を上
下方向にのみ移動させる変換手段を設け、その変
換手段をパネル下端部に固定した一対の支持部材
と、同支持部材に対し前記ワイヤと連動して水平
移動可能に支持されかつ同支持部材間において側
方に係合凸部を備えた駆動部材と、前記接床框を
取着するとともに支持部材により左右方向に位置
決めされかつ前記係合凸部と係合し斜状部を含む
係合凹部を備えたガイド部材とから構成したもの
である。

実施例 以下、この考案を具体化した一実施例を図面に
従つて説明すると、第１図において間仕切ドア１
を構成する多数のパネル２は蝶番３により２枚ず
つ連結され、かつパネル２の上端にそれぞれ設け
られたランナー４により天井面等に固設されるハ
ンガーレール５に対し移動可能に吊下げられてい
る。そして、蝶番３により連結されたパネル２を
ハンガーレール５に沿つて直線状に開き、これら
の２枚ずつのパネル２を順次召し合わせることに
より間仕切ドア１を構成することができる。又、
蝶番３により連結されたパネル２をハンガーレー
ル５と直交する方向に平行に折畳み、これらをハ
ンガーレール５の一側に寄せることにより間仕切
ドア１を開放することができる。

第２図に示すように２枚ずつ連結されたパネル
２の下端にはパネル２両端近傍に設けられた変換
手段としての接床装置６により、接床框７がそれ
ぞれ上下動可能に設けられている。それらの接床
装置６は一方のパネル２側縁に設けられる操作ノ
ブ８により連動され、２枚のパネル２の接床框７
が同時に上下動されるようになつている。

次に、接床装置６の詳細な構造を第３図〜第７
図に従つて説明すると、パネル２下端の横枠９は
第３図及び第５図に示すように下方へ開口され、
その内部に接床装置６の主要部が配設されてい
る。その詳細な構造を次に説明すると、横枠９一
側において駆動部材としての駆動筒１０は上端が
横枠９に固定された一対の支持部材としての支持
金具１１に対し左右動可能に挿通されている。

その支持金具１１間において駆動筒１０の前後
には係合凸部としてのガイドローラ１２が左右２
箇所回転可能に支持されている。ガイド部材とし
てのスライド金具１３は前記支持金具１１間に挿
通しうる長さに断面溝型形状に形成され、両側辺
に前記ガイドローラ１２の間隔と同一の間隔を隔
てて斜状の係合凹部としての長孔１４が左右２箇
所設けられ、その長孔１４に前記ガイドローラ１
２が挿通されている。そして、スライド金具１３
は支持金具１１により左右方向に位置決めされて
いるので、駆動筒１０が第３図に示す状態から右
方へ移動されるとガイドローラ１２が長孔１４内
を移動するため、スライド金具１３が下方へ移動
されるようになつている。スライド金具１３の下
辺には接床框７が固定され、その接床框７の下端
部にはクツシヨンゴム１５が嵌合固定されてい
る。

駆動筒１０の一端には端子金具１６を介してワ
イヤ１７の一端が連結されている。そのワイヤ１
７はパネル２一側の縦枠１８下端に回転可能に支
持された滑車１９を介して同縦枠１８内を上方に
導かれている。ワイヤ１７の他端は第６図及び第
７図に示す操作ノブ８の基端に連結されている。
その操作ノブ８は縦枠１８の上下方向中央部に固
定されたガイドプレート２０のガイド孔２１に沿
つて上下動可能に支持されている。従つて、操作
ノブ８をガイド孔２１に沿つて上方へ引上げると
ワイヤ１７により駆動筒１０を第３図左方へ移動
させることができる。ガイド孔２１は上端が側方
へ延長されて係止部２１ａが形成され、第６図に
鎖線で示すように操作ノブ８をその係止部２１ａ
に掛止めできるようになつている。なお、操作ノ
ブ８はパネル２側端から突出されているが、第７
図に示すように対応するパネル２の召し合わせ面
には操作ノブ８を回避する形状のクツシヨンゴム
Ｇが嵌合されているので召し合わせに支障を来た
すことがない。

第３図に示すように、駆動筒１０の他端近傍に
は、スプリング受２２が嵌合固定され、そのスプ
リング受２２と一方の支持金具１１との間にコイ
ルスプリング２３が配設されている。そして、支
持金具１１を支点としたコイルスプリング２３の
付勢力がスプリング受２２に作用して、常には駆
動筒１０が同図右方へ付勢されるようになつてい
る。

駆動筒１０の他端には端子金具２４を介してワ
イヤ２５の一端が連結され、そのワイヤ２５の他
端は蝶番３で連結されたパネル２の接床装置６に
連結されている。なお、蝶番３で連結されたパネ
ル２の接床装置６を連結するワイヤ２５にはコイ
ルスプリング（図示しない）が直列に連結され
て、各部品の寸法誤差、経年変化によるワイヤ２
５のたるみ、あるいはワイヤ２５の過度の緊張を
防止するようになつている。

次に、このように構成された間仕切ドアの接床
装置についてその作用を説明する。

駆動筒１０はコイルスプリング２３の付勢力に
より第３図及び第４図において右方へ付勢されて
いるので、操作ノブ８は常には第６図に鎖線で示
すようにガイド孔２１の最下端まで引下げられ、
その操作ノブ８と駆動筒１０との間でワイヤ１７
が緊張されている。この状態から、操作ノブ８を
コイルスプリング２３の付勢力に抗して上方へ引
上げると、駆動筒１０が左方へ移動される。その
駆動筒１０の移動に伴つて、ガイドローラ１２が
スライド金具１３の長孔１４内を移動するため同
スライド金具１３が上方へ移動され、これに伴つ
て接床框７が上方へ移動される。そして、第６図
に鎖線で示すように操作ノブ８をガイド孔２１の
係止部２１ａに掛止めすれば、第３図に示すよう
にコイルスプリング２３の付勢力に抗して接床框
７を上方へ引上げた状態に保持することができ
る。

又上記の状態から操作ノブ８を係止部２１ａか
ら外すと、コイルスプリング２３の付勢力により
操作ノブ８は自動的にガイド孔２１下端まで引下
げられ、これに伴つて接床框７が下方へ移動され
る。

従つて、接床框７下端のクツシヨンゴム１５の
移動ストロークの範囲内に床面Ｆが位置するよう
にパネル２を吊下げれば、操作ノブ８を係止部２
１ａに掛止めした状態では第３図に示すように接
床框７が上方へ引上げられているので、同パネル
２をハンガーレール５に沿つて移動させることが
でき、操作ノブ８を係止部２１ａから外せば、第
４図に示すようにコイルスプリング２３の付勢力
で接床框７を床面Ｆに圧接して、パネル２を同床
面Ｆに固定することができる。このように、接床
状態を解除するには操作ノブ８を上方へ引上げれ
ば良いし、接床させるためには操作ノブ８を係止
部２１ａから外すだけでよいので、接床操作は容
易かつ簡単である。

しかも、接床框７を取着したスライド金具１３
は支持金具１１により左右方向に位置決めされ上
下方向にのみ移動するので接床框をパネル２の下
端部と同一の長さとしても接床框７が持ち上げら
れたとき同パネル２の下部側端かはみ出したりす
ることはない。

さらに、この接床装置６はコイルスプリング２
３の付勢力による駆動筒１０の左右動をスライド
金具１３で上下動に変換して、接床框７を上下動
させ、コイルスプリング２３で駆動筒１０を付勢
することにより接床框７を床面Ｆに圧接する構成
であるので、その構造は簡便でかつパネル２下端
の横枠９内に収納し得るほど小型であるのでパネ
ル２の軽量化を図ることができる。

効 果 以上詳述したように、この考案による変換手段
６は迅速かつ容易な操作でパネル２を床面Ｆに固
定することができるとともに、接床框７は左右方
向に位置決めされ上下方向にのみ移動するので接
床框７をパネル２の下端部と同一の長さとしても
接床框７が持ち上げられたとき同パネル２の下部
側端からはみ出したりすることはなく、また両側
に扉枠等のないパネル単体の場合でも使用でき、
さらにその構造が簡便かつ小型軽量化であるの
で、パネル２の軽量化を図ることができる優れた
効果を発揮する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に関する間仕切ドアの平面
図、第２図は間仕切ドアを構成するパネルの正面
図、第３図は接床装置の主要部を示す正面図、第
４図は接床框が床面に圧接された状態を示す正面
図、第５図は接床装置の縦断面図、第６図は操作
ノブの取付部分を示す正面図、第７図は同じくそ
の部分の横断面図である。 １……間仕切ドア、２……パネル、６……変換
手段としての接床装置、７……接床框、８……操
作ノブ、１０……駆動部材としての駆動筒、１１
……支持部材としての支持金具、１２……係合凸
部としてのガイドローラ、１３……ガイド部材と
してのスライド金具、１４……係合凹部としての
長孔、１７……ワイヤ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ パネル２下端部に水平方向にワイヤ１７をス
   プリング２３で一方へ付勢し、そのワイヤ１７
   の一端をパネル２に移動可能に支持した操作ノ
   ブ８に連結してスプリング２３の付勢力に抗し
   てワイヤ１７を水平方向に移動操作可能とし、
   パネル２下端部に前記ワイヤ１７の水平移動を
   上下方向の駆動力に変換し接床框７を上下方向
   にのみ移動させる変換手段６を設け、その変換
   手段６をパネル２下端部に固定した一対の支持
   部材１１と、同支持部材１１に対し前記ワイヤ
   １７と連動して水平移動可能に支持されかつ同
   支持部材１１間において側方に係合凸部１２を
   備えた駆動部材１０と、前記接床框７を取着す
   るとともに支持部材１１により左右方向に位置
   決めされかつ前記係合凸部１２と係合する斜状
   の係合凹部１４を備えたガイド部材１３とから
   構成したことを特徴とする間仕切ドアの接床装
   置。 ２ 変換手段６はワイヤ１７に連結されかつ一対
   の支持部材１１に水平方向に移動可能に支持さ
   れた駆動部材１０と、一対の支持部材１１間に
   上下動可能にのみ支持され側辺に設けられた斜
   状の係合凹部１４に駆動部材１０外側部の係合
   凹部１２が挿通されたガイド部材１３とからな
   る実用新案登録請求の範囲第１項に記載の間仕
   切ドアの接床装置。