JPH0145283Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔技術分野〕 この考案は、プレハブ住宅等の建物の壁構造に
関するものである。

〔背景技術〕

従来のプレハブ住宅における間仕切壁は、第１
図に示すように、各間仕切壁パネル１，２，３の
壁芯を柱４の柱芯にそれぞれ揃えて施工してい
る。ところが、同図に示すように、両間仕切壁パ
ネル１，２の壁厚が異なると、両壁面１ａ，２ａ
間に段差が生じるため、柱４前面の被覆は塩ビ鋼
板等で構成した略溝形の柱カバー５により行なわ
ねばならず、この柱カバー５が壁面１ａ，２ａか
ら飛び出して美感を損うという問題を有してい
た。

〔考案の目的〕

この考案の目的は、厚みの異なる壁材を用いな
がら一方の壁面を面一に形成できて美感に優れる
壁構造を提供することである。

〔考案の開示〕

この考案の壁構造は、柱の両側方にそれぞれ柱
の前面より表面材の厚さ分だけ前方に位置させて
薄形壁パネルと厚形壁パネルを設け、かつ柱の後
方に表面材の厚さ分だけ薄形壁パネル側に位置さ
せて壁パネルを設けたものである。柱と薄形壁パ
ネル間には薄形補助材を挿入し、柱と厚形壁パネ
ル間には厚形補助材を挿入し、柱と壁パネル間に
は補助材を挿入する。さらに、柱と薄形補助材な
らびに厚形補助材の前面を柱目板で覆い、かつ補
助材と柱の側面を柱目板で覆う。

この考案の一実施例を第２図ないし第６図を用
いて説明する。すなわち、この壁構造は、第２図
に示すように、柱６と、間仕切壁パネル７，８，
９と、補助材１０，１１，１２と柱目板１３，１
４で構成する。

詳説すると、柱６は、角形鋼や木製柱等で構成
する。

間仕切壁パネル７，８，９は、それぞれ木製ま
たは金属製パネル枠７ａ，８ａ，９ａの両面に表
面材となる内装材７ｂ，８ｂ，９ｂを貼着して構
成する。この場合、両間仕切壁パネル７，９は、
その厚みを柱６の厚みにほぼ等しく設定する。ま
た、他方の間仕切壁パネル８は、その厚みを柱６
の厚みよりも大きく設定し、さらに言えば、パネ
ル枠８ａの厚みを柱６の厚みとほぼ等しく設定す
る。

このうち、一方の薄形壁パネル７は、その壁芯
７ｃを、柱６の両側方向に延びる柱芯６ａよりも
前方にずらせた状態で柱６の左側方に所定間隔を
あけて配置して、その壁前面７ｄを柱６前面より
も前方に位置させる。また、厚形壁パネル８は、
その壁芯８ｃを、柱６の両側方向に延びる柱芯６
ａに揃えた状態で柱６の右側方に所定間隔をあけ
て配置し、その壁前面８ｄを上記薄形壁パネル７
の壁前面７ｄと同一平面上に配置する。さらに、
他方の薄形壁パネル９は、その壁芯９ｃを、柱６
の前後方向に延びる柱芯６ｂよりも左方にずらせ
た状態で、柱６の後方に所定間隔をあけて配置
し、左側壁面６ｄを柱６の左側面よりも左方に位
置させる。

薄形補助材１０は、第３図に示すように、内装
材７ｂ，８ｂ，９ｂと同一材料で構成した化粧材
１０ａの裏面側に一対の補強桟１０ｂを貼着した
もので、第２図に示すように柱６と薄形壁パネル
７間に挿入して接着剤等で固定する。この場合、
化粧材１０ａの後面を薄形壁パネル７の壁後面と
同一平面上に揃える。

もう一方の厚形補助材１１も、第４図に示すよ
うに化粧材１１ａと一対の補強桟１１ｂで構成す
る。この厚形補助材１１が、第３図の薄形補助材
１０と相違する点は、補強桟１１ｂの寸法が大き
く、かつ化粧材１１ａの左側１１ｃが補強桟１１
ｂよりも左方へ突出している点である。この厚形
補助材１１は、第２図に示すように、柱６と厚形
壁パネル８間に挿入して接着剤等で固定し、化粧
材１１ａの後面を厚形壁パネル８の壁後面と面一
に揃えるとともに、化粧材１１ａの左側１１ｃを
柱６の後面に沿わせる。

第２図に示す補助材１２は、第３図の薄形補助
材１０と同一構成であり、柱６と薄形壁パネル９
間に挿入して接着剤等で固定する。この場合、化
粧材１２ａの右面を薄形壁パネル９の壁右面と面
一に揃え、かつ化粧材１２ａを上記厚形補助材１
１の化粧材左側１１ｃに対接する。

柱目板１３は、第５図に示すように平板状に形
成し、内装材７ｂ，８ｂ，９ｂと同一材料を用い
て形成するのが望ましい。この柱目板１３の取付
けは、柱６の前面側を被覆するように、両壁パネ
ル７，８の対向端部間に嵌合して、両側裏面を補
強桟１０ｂ，１１ｂへ接着剤またはビスで固定
し、柱目板１３の前面１３ａを両壁パネル７，８
の壁前面７ｄ，８ｄと面一に揃える。

もう一方の柱目板１４も、第６図に示すように
同じく平板状に形成し、補助材１０と薄形壁パネ
ル９間に挿入するようにして、裏面を補強桟１２
ｂおよび柱６へ接着剤またはビスで固定する。こ
の場合、柱目板１４の左面１４ａを薄形壁パネル
９の壁左面９ｄと面一に揃える。１５は必要に応
じ取付けるコーナ化粧板である。

このように、薄形壁パネル７の壁芯７ｃを柱芯
６ａよりも前方へずらせて、両壁パネル７，８の
壁前面７ｄ，８ｄを柱６の前面よりも前方に位置
させたため、柱６の前面を平板状の柱目板１３で
被覆して、柱目板１３の前面１３ａを両壁パネル
７，８の壁前面７ｄ，８ｄと面一に揃えることが
でき、すなわち前側壁面をすつきりとした平坦面
に仕上げることができて、美感を向上できる。ま
た、他の薄形壁パネル９の壁芯９ｃを柱芯６ｂよ
りも左方へずらせて、壁左面９ｄを柱６の左側面
よりも左方へ位置させたため、壁パネル９と薄形
補助材１０間に柱目板１４を取付けて、柱目板１
４の左面１４ａを壁パネル９の壁左面９ｄと面一
に揃えることができ、すなわち左側壁面をすつき
りとした平坦面に仕上げることができて、ここで
も美感を向上できる。しかも、柱目板１３，１４
および化粧材１０ａ，１１ａ，１２ａを内装材７
ｂ，８ｂ，９ｂと同一材料で構成すれば、柱目板
１３，１４や化粧材１０ａ，１１ａ，１２ａが目
立たなくなつて、一層美感を向上できる。

なお、上記実施例においては、間仕切壁構造に
ついて説明したが、この考案は外壁構造にも適用
可能である。

〔考案の効果〕

この考案の壁構造によれば、厚みの異なる壁材
を用いながら一方の壁面を面一に形成できて美感
に優れるという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例の水平断面図、第２図はこの考
案の一実施例の水平断面図、第３図および第４図
は補助材の水平断面図、第５図および第６図は柱
目板の水平断面図である。 ６…柱、７…薄形壁パネル、８…厚形壁パネ
ル、９…壁パネル、７ａ，８ａ，９ａ…パネル
枠、７ｂ，８ｂ，９ｂ…表面材（内装材）、１０
…薄形補助材、１１…厚形補助材、１２…補助
材、１０ａ，１１ａ，１２ａ…化粧材、１０ｂ，
１１ｂ，１２ｂ…補強桟、１３，１４…柱目板。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 柱６と、 パネル枠７ａの両面に表面材７ｂを貼着してな
   り前記柱６の側方に前面７ｄを前記柱６の前面よ
   り前記表面材７ｂの厚さ分だけ前方に位置させて
   設けた薄形壁パネル７と、 パネル枠８ａの両面に表面材８ｂを貼着してな
   り前記柱６の前記薄形壁パネル７とは反対側の側
   方に前面８ｄを前記柱６の前面より前記表面材８
   ｂの厚さ分だけ前方に位置させかつ前記薄形壁パ
   ネル７の前面７ｄと同一平面上に設けた厚形壁パ
   ネル８と、 パネル枠９ａの両面に表面材９ｂを貼着してな
   り前記柱６の後方に側面９ｄを前記柱６の側面よ
   り前記表面材９ｂの厚さ分だけ前記薄形壁パネル
   ７側に位置させて設けた壁パネル９と、 化粧材１０ａの裏面に補強桟１０ｂを貼着して
   なり前記柱６と前記薄形壁パネル７との間に化粧
   材１０ａを後側に位置させて挿入した薄形補助材
   １０と、 化粧材１１ａの裏面にこの化粧材１１ａの一側
   縁を側方に突出させて補強桟１１ｂを貼着してな
   り前記柱６と前記厚形壁パネル８との間に化粧材
   １１ａを後側に位置させかつ化粧材１１ａの前記
   突出縁を前記柱６の後面に沿わせて挿入した厚形
   補助材１１と、 化粧材１２ａの裏面に補強桟１２ｂを貼着して
   なり前記柱６と前記壁パネル９との間に化粧材１
   ２ａを前記厚形壁パネル８側に位置させて設けた
   補助材１２と、 前記柱６の前面ならびに前記薄形補助材１０と
   厚形補助材１１の各補強桟１０ｂ，１１ｂを覆つ
   て前記薄形壁パネル７と厚形壁パネル８の各前面
   側の表面材７ｂ，８ｂ間に設けた柱目板１３と、 前記補助材１２の補強桟１２ｂならびに前記柱
   ６の側面を覆つて前記壁パネル９の表面材９ｂと
   前記薄形補助材１０の化粧材１０ａとの間に設け
   た柱目板１４ とを備えた壁構造。