JPH0144996Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は台所のレンジで調理時に発生する油
煙や蒸気、排気ガス等を屋外へ排出する換気扇に
関するものである。

［従来の技術］ 従来、この種の換気扇としては、レンジのほぼ
真上に吸込口を設け、レンジからの上昇気流を吸
引して屋外に排出する機構のものが一般的であつ
た。しかし、上記の換気扇は吸込口がレンジから
所定の高さを有するため、レンジから上昇する油
煙等が途中から広がりやすく、このような油煙を
排出するには大容量の送風機が必要であり、また
換気扇に用いられるフイルタの交換や清掃等も換
気扇が使用者の上部に位置するので非常に作業し
づらいものであつた。

また、第６図に調理台の後部に吸込口を設けた
例えば特開昭57−131949号公報に示す調理用排気
装置を示している。この排気装置は、調理台１の
上面にガスレンジ２を配置または配設した調理台
１の後部に立上り部３を形成し、この立上り部３
の上面に吸気口４をレンジ２側に向かつて傾斜さ
せ、立上り部３の後部に接して直立する壁５にレ
ンジ２の上方に前向気流誘導板６が設けてある。
上記吸気口４にはダクト７を接続し、ダクト７の
終端部の排気口８にブロワ９を設けて排気路を形
成し、調理時に発生する油煙等が排気口４から吸
込まれて排気口８より屋外へ排出されるようにな
つている。なお、図中１０は気流案内格子、１１
はレンジ２の下部に設けた天火、１２は天火強制
煙筒、１３はこの天火強制煙筒１２開口部であ
る。

［考案が解決しようとする問題点］ 上記のような従来の調理用排気装置は、調理時
に発生する油煙等が上方に拡散することなく吸引
されるものであるが、排気路が調理台１の背面に
形成されているため、この排気路をスペースのた
めに調理台１を手前に出さなければならないと共
に、調理台１の正面壁部の空間が有効に利用され
ない等の問題があつた。また排気流が下向きとな
るので、十分な排気を行なうには大型のブロワが
必要となる。

この考案は、かかる問題点を解決するためにな
されたもので、調理時に発生する油煙等を拡散さ
せずに上向きに吸引し、屋外へ効率よく排出する
ことができる換気扇を得ることを目的とする。

［問題点を解決するための手段］ この考案の換気扇は、レンジ上方に外気を吸込
む給気用フアンと下方へ外気を吹出す吐出口およ
び排気用フアンと吸込部をそれぞれ有する送風機
構部を備え、吸込部にはレンジに近接する位置に
レンジからの油煙等を吸引する吸気口を有するダ
クトを接続し、吸気口の上部には吐出口から流下
する外気を曲流して油煙等の上昇拡散を抑制する
外気流となすひさしを、上下方向への角度調節可
能に枢着したものである。

［作用］ この考案によれば、給気用フアンにより吐出口
から流下する外気がダクトに取付けたひさしに衝
突して曲流し、この外気により調理時に発生する
油煙等を包み込んで上昇拡散を抑制することによ
り、上記油煙等を拡散させずにダクトの吸込口か
ら吸込んで屋外へ排出することができるととも
に、ひさしの角度を調節して、ひさしの突出量の
調節と、外気の曲流範囲を状況に応じて変えるこ
とができる。

［実施例］ 第１〜４図はこの考案の一実施例を示すもの
で、第１図は換気扇の側断面図、第２図は正面
図、第３，４図は換気扇の分解斜視図である。図
において、１５は送風機構部の外箱で、この外箱
１５内は仕切板１６で区画されている。１７は一
方の箱内にインレツトプレート１８を介して収容
され、フアンケーシング１９に収納されている排
気用フアン、２０は外箱１５の正面カバー２１に
取付けた排気用フアンモータである。２２は他方
の箱内に収容され、フアンケーシング２３に収納
されている給気用フアン、２４は正面カバー２１
に取付けた給気用フアンモータである。２５は外
箱１５の天板２６に取付けた排気用エルボ、２７
は同じく給気用エルボである。２８はスイツチ取
付ケースで、このケースにスイツチ２９および照
明器具３０が備えられ、ケース２８の下面前方側
に給気用フアンからの外気を調理者の顔面に吹付
ける吹出口３１と、その後方に下方へ向かつて吹
出す吐出口３２を備えている。３３は上記のよう
に構成した送風機構部の外箱１５をレンジ台上方
の壁面３４へ固定する取付ねじ、３５は上記給排
気用エルボ２５，２７とそれぞれ接続した配管ダ
クトで、３６はこの配管ダクト３５の屋外側開口
部に取付けたベントキヤツプである。３８は送風
機構部の外箱１５の後部下面に形成した排気用フ
アン１７による吸込部３７に連結したダクトで、
壁面３４に沿つて垂下し、その下端にレンジ台３
９上のレンジ４０に向かつて斜めに開口する別部
材からなる吸気口４１が取付けてある。第５図は
ダクト３８の詳細図で、４２は上記吸気口４１の
下部に設けた油溜り、４３はダクト３８内に斜め
に配設したフイルターで、その上端はダクト３８
の後壁３８ａに取付けた掛け具４４に支持され、
下端は上記吸気口４１と共につまみねじ４５で固
定されている。これにより、つまみねじ４５を取
外すことによつて吸気口４１とフイルター４３と
が取外せる。４６はダクト３８の前壁３８ｂから
前方に張り出したひさしで、このひさし４６はダ
クト３８に回動自在に接続されさらに側面の円弧
状の長穴４７に挿通された調節ねじ５８でダクト
３８に側面部分を締めつけられている。すなわ
ち、ひさし４６は長穴４７に規定される範囲を垂
直方向に回動させうるものである。４８は防火シ
ヤツターで、その下端がダクト３８の後壁下端に
取付けた支承板４９に回動自在に支持されてい
る。５０は防火シヤツター４８に取付板５１を介
してねじ５２で固定したヒユーズで、このヒユー
ズ５０とダクト後壁３８ａに取付けた支持板５３
間にスプリング５４を張設して上記防火シヤツタ
ー４８を垂直に引上げている。５５は取付板５１
と支承板４９間に張設したスプリングで、上記ヒ
ユーズ５０の溶断時そのばね力で防火シヤツター
４８を回動して上記吸気口４１を閉止する。な
お、５６は送風機構部の左右に配設した吊戸棚、
５７はレンジ４０上の鍋を示している。

次に動作について説明する。まず、スイツチ２
９を始動して排気用フアン１７および給気用フア
ン２２を回転させる。そしてレンジ４０で鍋５７
により調理を行なうと、油煙や廃気ガスは吸気口
４１からダクト３８内に吸込まれ、フイルター４
３を通過してダクト３８内を上昇し排気用フアン
１７を経て排気用エルボ２５を通り配管ダクト３
５から屋外へ排出される。また、給気用フアン２
２の回転により屋外から給気用エルボ２７を通つ
て吸込まれた外気はスイツチ取付ケース２８の吐
出口３２から下向きに吹出され、ひさし４６に当
たつて矢印方向に曲流する。この際、鍋５７から
の油煙等はひさし４６によつて曲流した外気流に
よつて包み込まれ上昇と拡散が抑制される。した
がつておおむね全部の油煙が吸気口４１から吸込
まれることになる。なお、ひさし４６での空気流
速は0.5〜0.9m／Ｓにおいて最も効率よくひさし
の角度は使用中の鍋５７の直径が大きい場合は水
平、もしくは水平より上向きに5゜傾けることによ
り広い範囲の油煙等の上昇拡散を規制しうる。た
だし、この場合曲流した外気が作業中の人に直接
当たる場合があり冬期においてはかなりの寒さを
感じる為、直径の小さな鍋５７においてはひさし
４６の角度を水平より下向き５〜10゜に傾け、外
気を曲流させる。

また、給気用フアン２２による一部の給気は吹
出口３１から吹出されて調理者の顔面に吹付けて
調理中の熱気を緩和させることができるので、調
理の作業条件を大幅に改善することができる。た
だし、冬期においては吹出口３１は閉じるか、あ
るいは風向きを顔面以外に変えて冬場にあつても
支障ないようにすることが好ましい。

一方、ダクト３８内に吸込まれた油煙は、フイ
ルター４３で大部分が捕集されるので排気空気は
浄化して屋外へ排出されるが、長時間の使用中に
はダクト３８の内壁に油が付着し、これが壁面を
流れ落ちて油溜り４２に溜まる。したがつて油の
処理はつまみねじ４５を外せば吸気口４１とフイ
ルター４３が同時に取外せるので、油溜り４２内
の油の排出と、フイルター４３の清掃あるいは交
換を行なえばよい。

また、防火シヤツター４８は、吸気口４１から
高温空気あるいは炎が吸引された時、ヒユーズ５
０が溶断され、これによりスプリング５５のばね
力で防火シヤツター４８が支承板４９を支点とし
て第５図の仮想線で示すように回動して吸気口４
１を閉止するのでダクト３８内に炎の流入が防止
できる。なお、防火シヤツター４８の再セツト
は、吸気口４１を外してヒユーズ５０を交換し、
ヒユーズ５０をスプリング５４に掛止めすればよ
い。

［考案の効果］ この考案は、以上実施例に基づいて説明した様
にレンジに近接する位置にまで上方の送風機構部
から延びたダクトの吸気口に対し、その上部に送
風機構部の吐出口から流下する外気を曲流して吸
気口の上方及び外方への油煙等の上昇拡散を抑制
する外気流となすひさしを、上下方向への角度調
節可能に枢着した換気扇であるから、油煙等をそ
の上昇する方向に沿つて上向きに吸引して排気す
ることができるうえ、外気によつて油煙等を包み
拡散させずに捕集することができる。そして、ひ
さしの角度を必要に応じ変えることができるの
で、外気の曲流範囲を状況に応じて変化させ、効
率のよい油煙等の排出を行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す換気扇の側
断面図、第２図は同じくその正面図、第３図及び
第４図はそれぞれ換気扇の分解斜視図、第５図は
ダクトの詳細な拡大断面図、第６図は従来例とし
ての調理用排気装置の断面図である。 図において、１７は排気用フアン、２２は給気
用フアン、３１は吹出口、３２は吐出口、３７は
吸込部、３８はダクト、４０はレンジ、４１は吸
気口、４６はひさし、４７は長穴、５８は調節ね
じである。なお、図中同一符号は同一又は相当部
分を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 台所のレンジ上方に取付けられ、外気を吸込む
   給気用フアンと、室内の空気を吸込む排気用フア
   ンと、この排気用フアンに連絡した吸込部と、こ
   の吸込部の前側に開設され、上記給気用フアンか
   らの外気を下方へ向けて吹出す吐出口とを有する
   送風機構部を備えるとともに、上記吸込部にはレ
   ンジに近接する位置にレンジからの油煙等を吸引
   する吸気口を有するダクトを接続し、このダクト
   の上記吸気口の上部には上記送風機構部の吐出口
   から吹出される外気を上記吸気口の直上において
   前方へ曲流し、レンジから立ち昇る油煙等の上昇
   拡散を抑制する外気流となすひさしを、上下方向
   への角度調節可能に枢着したことを特徴とする換
   気扇。