JPH0144429Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は折り畳み式コンテナに係り、特に天井
パネルの上面の四隅に脚受金具と把手金具とを兼
ねたコーナ金具を設けた折り畳み式コンテナに関
する。

（従来技術） 一般に折り畳み式コンテナは、物品の輸送の
際、各パネルを組立てて箱を形成し、内部に物品
を収納するが、輸送が終了した際には、各パネル
を床パネルの上に折り畳んで保管スペースをでき
るだけ小さくできるようにしている。

このような折り畳み式コンテナは、組立てられ
た箱の状態において上部開口が天井パネルで覆わ
れるようになつており、天井パネルの上面には天
井パネルを積み卸したり持ち運びに便宜なよう
に、数個の把手が装着されている。

また、これらのコンテナは、輸送効率を高める
ために同様なコンテナの上に積み重ねて段重ねの
状態で使用されることが多く、この場合、段重ね
された上段のコンテナは、その脚部が下段のコン
テナの天井パネル上の脚受金具によつて支承され
ることが多い。

〔考案が解決すべき課題〕

上述した把手は、コンテナを段重ねした際に上
段のコンテナと干渉しないようにするために脚受
金具よりも奥の方に取り付けられることになる。
そのために、高さの高いコンテナにおいては作業
者の手が把手に届きにくく天井パネルの着脱操作
が困難であるという欠点を有していた。さらに、
天井パネルの中ほどに数個の把手を取り付けた場
合、天井パネルの着脱の際に把手の取付け部に局
部的な負荷をかけることになり天井パネルを局部
的に変形させやすいという問題もあつた。

そこで本考案の目的は、天井パネルを着脱する
ときに把手に手が届きやすくすると共に段積みを
可能にした折り畳み式コンテナを提供することに
ある。

（問題点を解決する手段） 上記目的を達成するために、本考案は、矩形状
の床パネルの長辺側の相対向する側縁に側パネル
を枢着すると共に残りの短辺側の相対向する側縁
には台枠を介して妻パネルを枢着し、これらの側
パネルおよび妻パネルを起して箱を形成し、上部
開口を天井パネルで閉塞するようにしたコンテナ
において；上記天井パネルの上面の四隅にコーナ
金具を固着し、各コーナ金具は上記天井パネルの
各隅に固着されるほぼＬ字形の脚フランジと、こ
れらの脚フランジの内側縁より一体的に立上り内
方に向つて傾斜した横断面がＬ字形の側壁と、上
記脚フランジと平行になるように上記側壁に連接
され下方に手掛け凹部を形成するほぼＬ字形の頂
壁とによつて構成されている。

（実施例） 以下本考案による折り畳み式コンテナの一実施
例を図面を参照して説明する。

第１図は本考案による折り畳み式コンテナを組
立てた状態の外観を示し、図中符号１は矩形状の
床パネルを示し、この床パネル１はフークリフト
のパレツトを兼用できるようにフオークの差し込
み孔が形成されている。

上記床パネル１の長辺側の相対向する側縁には
一対の側パネル２，３がヒンジを介して折り畳み
可能に結合されている。また、上記床パネル１の
短辺側の相対向する側縁には台枠４，５が立設さ
れ、これらの台枠４，５の上にはヒンジを介して
妻パネル６，７が折り畳み可能に結合されてい
る。

これらの一対の側パネル２，３および妻パネル
６，７は、床パネル１の周りに起立させて箱を組
立てたときに上端面が斉一となるようにあらかじ
め高さが設定されている。

そして、上記起立して箱状に組立てられた側パ
ネル２，３および妻パネル６，７の矩形状の開口
を閉塞するように矩形板状の天井パネル８が上方
より宛がわれるようになつている。

上記天井パネル８の上面８ａの四隅には、第２
図からも明らかなように、本考案によるコーナ金
具１０が配置されている。これらのコーナ金具１
０は、上方に段重ねされる上段コンテナの脚受金
具の役目をすると共に、天井パネル８を着脱操作
するときの把手の役目をするように考案されてい
る。

上記各コーナ金具１０は、第３図および第４図
から明らかなように、ほゞＬ字形の脚フランジ１
１を有し、この脚フランジ１１の内周縁には、上
方に向つて一体的に立ち上がつた側壁１２が形成
されている。この側壁は１２は脚フランジ１１の
上面に対して鈍角をなすように傾斜して設けられ
ている（第４図参照）。また、上記側壁１２の上
端より天井パネル８の内方に向つて頂壁１３が一
体的に張り出し形成されている。この頂壁１３
は、上記天井パネル８とほぼ平行に張り出され、
頂壁１３と天井パネル８との間に手掛け凹部１４
が形成されている。また、上記頂壁１３はその平
面の輪郭部形状がほゞＬ字状となるように構成さ
れている。

さらに、上記脚フランジ１１の外周縁より下方
に向つて固定壁１５が延設されており、これらの
固定壁１５は、脚フランジ１１に対して直角に下
方へ折曲され、天井パネル８の角部の側面に宛が
われるようになつている。そして、固定壁１５
は、天井パネル８の側面に対してボルト止めした
りあるいは溶接結合することにより天井パネル８
に対して一体結合されるようになつている。

このような構成を有するコーナ金具１０の４個
を天井パネル８の四隅に固着するようにしたか
ら、本考案によれば、従来のような把手金具を天
井パネル８に対して別に設ける必要は全くなくな
る。

すなわち、天井パネル８を着脱するときには、
天井パネル８の四隅に固着したコーナ金具１０の
頂壁１３の下方の手掛け凹部１４に側方より指を
差し入れて天井パネル８を持ち上げることが可能
となる。

さらに、本考案による折り畳み式コンテナを段
重ねする必要のあるときには、下段のコンテナの
コーナ金具１０の上に上段コンテナのＬ字状の脚
金具を当接させるようにして積重ねれば良い。こ
のときに、上段コンテナの脚金具をコーナ金具の
傾斜した側壁１２の外側に当接させるようにすれ
ば、輸送中の上段コンテナの前後左右へのずれを
効果的に防止することができる。

（考案の効果） 以上述べたように、本考案による折り畳み式コ
ンテナによれば、コーナ金具の頂壁の下方に手掛
け凹部を形成したので、可搬できる天井パネルを
着脱するときには、手掛け凹部に側方より指を差
し込んで天井パネルを容易に持ち上げたり移動さ
せることができ天井パネルの着脱作業を容易に行
なうことができる。また、コンテナを上下に段積
みするときには、上段のコンテナの脚金具をコー
ナ金具の傾斜した側壁で支持するようにしたので
輸送時の上段のコンテナの横ずれを防ぐことがで
きると共にコンテナ搭載時におけるコンテナの位
置調整をも容易にできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による折り畳み式コンテナの一
実施例を示した斜視図、第２図は天井パネルを示
した平面図、第３図はコーナ金具を示した平面
図、第４図は同コーナ金具を示した側面図、第５
図はコーナ金具の手掛け凹部に指を差し込んだ状
態を示した図である。 １……床パネル、２，３……側パネル、６，７
……妻パネル、１０……コーナ金具、１１……脚
フランジ、１２……側壁、１３……頂壁、１４…
…手掛け凹部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 矩形状の床パネルの長辺側の相対向する側縁に
   側パネルを枢着すると共に残りの短辺側の相対向
   する側縁には台枠を介して妻パネルを枢着し、こ
   れらの側パネルおよび妻パネルを起して箱を形成
   し、上部開口を天井パネルで閉塞するようにした
   コンテナにおいて；上記天井パネルの上面の四隅
   にコーナ金具を固着し、各コーナ金具は上記天井
   パネルの各隅に固着されるほぼＬ字形の脚フラン
   ジと、これらの脚フランジの内側縁より一体的に
   立上り内方に向つて傾斜した横断面がＬ字形の側
   壁と、上記脚フランジと平行になるように上記側
   壁に連接され下方に手掛け凹部を形成するほぼＬ
   字形の頂壁とによつて構成したことを特徴とする
   折り畳み式コンテナ。