JPH0126589Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は折畳み自在なボツクス型パレツト、
特に例えばみかん、玉ねぎ、馬れいしよ等の農産
物の運搬、保管等に用いられるボツクス型パレツ
トに関する。

従来の技術とその問題点 従来のこの種ボツクス型パレツトは、荷役パレ
ツトの四辺に側壁を構成する４枚の枠板が折畳み
自在に立設された構成を有するものであり（実公
昭53−1846）、使用時或いは戻し輸送、保管時の
不使用時において複数個のボツクス型パレツトを
上下に積重ねておく場合には、上段のボツクス型
パレツトのベースパレツトを、下段のボツクス型
パレツトの起立した四辺枠板の上端部よりなる方
形の開口縁上に載置するか、或いは折畳んだ四辺
の枠板の最上段の枠板上に載置して積重ねを行つ
ていた。このため、この種ボツクス型パレツト
は、多数個積重ね状とした場合に衝撃等によつて
位置ずれして崩れ落ちたりすることのないよう、
安定よく積重ね状態を保持できる構造を有するも
のであることが必要であつた。

この考案は、上記要請に応えるべくなされたも
のであり、周囲の四面の枠板を立ててボツクス型
に組立てた使用状態においては勿論、それらをベ
ースパネル上に重ねて折畳んだ状態においても、
複数個のボツクス型パレツトを上下に安定良く積
重ねることができる簡易な積重ね構造を付与した
ボツクス型パレツトを提供しようとするものであ
る。

問題点を解決する為の手段 上記目的においてこの考案は、ボツクス型パレ
ツトの底部を構成するベースパネルの両側縁上下
面にそれぞれ積重ね用支持枠と下面に嵌合溝を有
する支持脚を設け、前記支持脚の嵌合溝を、左右
両側の枠板の上縁と前記支持枠の上縁とのいずれ
にも嵌合可能なものとすることにより、組立て状
態における重ね時にも、また折畳み状態における
積重ね時にも前記支持脚を共通に利用してその溝
とこれに嵌合した枠板の上縁、或いは同溝とこれ
に嵌合した支持枠の上縁との係合により、複数個
のボツクス型パレツトを安定良く積重ねることが
できるようにしたことを要旨とするものである。

すなわちこの考案に係るボツクス型パレツト
は、方形のベースパネル１の四辺に沿つて、周壁
を構成する前後及び左右四面の枠板２，３，４，
５が起倒自在に枢着された折畳み式ボツクスパレ
ツトにおいて、前記ベースパネル１の両側縁部上
に積重ね用支持枠２０，２０が前記左右の枠板
４，５の外側に位置せしめられて固定状態に設け
られ、該支持枠２０，２０は前記枠板２，３，
４，５のすべてをベースパネル１上面に重畳的に
倒伏せしめた折畳み状態時におけるそれらの上面
より高さがやや高いものとなされると共に、前記
ベースパネル１の下面両側縁部には、下面に前後
方向の嵌合溝２３を有する複数個の支持脚２２，
２２が固着され、該支持脚２２の前記嵌合溝２３
が、平面からみて内外に位置を異にする前記左右
枠板４，５の上縁と積重ね用支持枠２０，２０の
上縁とのいずれにも係合可能な幅Ｗを有するもの
となされたことを特徴とするとするものである。

実施例 以下、これを更に図示実施例に基づいて説明す
る。

１は方形のベースパネルであり、角パイプをも
つて格子状に組んだフレーム１ａと、その上面に
重ねて固着された金属または合成樹脂製の網板１
ｂとで構成されている。このベースパネル１の下
面にはフオークリフトのフオーク挿入孔を形成す
るための１対のチヤンネル型材２１，２１が左右
方向に平行状に固着されると共に、同下面左右両
側縁部には、鋼板をプレス加工して形成された支
持脚２２，２２が前後に各１対づつ固着されてい
る。この支持脚２２は前記フオーク挿入用チヤン
ネル型材２１より下方に突出されており、その下
面には前後方向に向けて積重ね用の断面略凹状の
嵌合溝２３が設けられている。

２，３，４，５はベースパネル１の四辺に沿つ
てその上方に周壁を構成する前後および左右四面
の枠板であり、いずれも基本的にはパイプ製の周
枠の内側に所要メツシユの金網を張設し、適宜縦
横の補強桟で補強したものからなる。なお、これ
らの枠板は、みかん等の収容物をなるべく傷つけ
ないように、好ましくはその全体がクツシヨン性
を有する合成樹脂でコーテイングされる。

６はベースパネル１の四隅部分に上方突出状に
固着されたアングル材からなる枢支片であり、左
右の枠板４，５はその下端が第３図に示すように
前後に対位する枢支片６，６間に、また後枠板３
は第４図に示すように下端が後部の左右枢支片
６，６間に、それぞれ横軸棒７，８を以つて枢着
され起倒自在なものとなされている。かつ左右枠
板４，５と後枠板３とは前記軸棒７，８の高さ位
置を相互に異にしており、折畳み時において先ず
後枠板３をベースパネル１上に倒した上、左右の
枠板４，５を重畳的に折畳みうるものとなされて
いる。

一方、前枠板２は、第２図および第５図に示す
ように門型すなわち 状のパイプ製外枠９と、そ
の内側にはまり込む大きさの略方形のパイプ製内
枠板１０とで構成され、外枠９の両端、即ち下端
が前部左右の枢支片６，６に枢軸１１，１１を以
つて枢着されると共に、内枠板１０が、その上端
を外枠９の上端の横杆部９ａに左右１対のヒンジ
１２，１２により枢着されている。従つて、前枠
板２は、その全体を枢軸１１を中心にしてベース
パネル１上に折畳み可能である一方、外枠９を立
てた状態のままで、内枠板１０のみをヒンジ１
２，１２によつて外方に揺動させ、第６図に鎖線
で示すような下開き状態になしうるものとなつて
いる。前記枢軸１１の高さ位置は、後枠板３を折
畳んだその上に前枠板２をほぼ水平状に倒しうる
ように、後枠板３の軸棒７の位置よりも更に少し
高い位置に設定されている。かつ内枠板１０は、
その下部が外枠９よりも下方に突出してベースパ
ネル１上面に近接せられており、ベースパネル１
との間から収容物の荷こぼれを生じないように配
慮されている。

前枠板２の上記内枠板１０には、垂下状態時に
おいてその下部を外枠９に連結して自由な揺動を
阻止するための連結金具１３が具備されている。
該連結金具１３は、第２図に示すように水平に進
退作動して外枠９の左右垂直杆部９ｂ，９ｂに掛
け外しされる先端に鉤部を備えた１対の鉤杆１
４，１４を有し、該鉤杆の進退作動を、一端を支
点１６とする揺動レバー１５の昇降操作により、
連杆１７を介して昇降される単一の操作板１８に
よつて司るようになされたもので、その基本的な
構成は、例えば実公昭53−18146号公報等によつ
て既知のものである。

左右枠板４，５の前端部上部、及び後枠板３の
左右上端部には、各枠板２，３，４，５を起立さ
せた状態時においてそれらの相互を連結するため
の枠板連結金具１９がそれぞれ取付けられてい
る。この連結金具も進退作動鉤杆を備えた前記公
報等によつて既知の構成のものである。

ベースパネル１の両側縁部上には、左右枠板
４，５の外側に位置して、積重ね用支持枠２０，
２０が設けられている。この支持枠２０は、上端
のパイプ製横杆２０ａと、これをベースパネル１
に連結する複数本のパイプ製支柱２０ｂと、それ
らの内側面に当てがわれた鋼板２０ｃとよりなる
もので、両端部が第５図に示すように、前後枠板
２，３の枢着に支障とならない位置において前後
の枢支片６，６に溶接固着されている。かつこの
支持枠２０の高さは、前記２，３，４，５のすべ
てをベースパネル１の上面に重量的に倒伏させた
折畳み状態時におけるそれらの上面よりやや高い
ものとなされている。

左右の枠板４，５と、上記積重ね用支持枠２
０，２０とは、上述のように前者の外側に後者が
位置せられているので、枠板を立てた状態におい
て平面から見た場合、それらの上縁は内外に位置
を異にしている。これに対応して、前記支持脚２
２の下面の嵌合溝２３は、上記両部材４，５およ
び２０，２０の上縁のいずれにも係合可能である
ように、それらの両者の上縁の幅よりも広い幅Ｗ
（第８図）を有するものとなされている。従つて、
ボツクスパレツトを上下に複数個積重ねる場合、
枠板２，３，４，５を立てた使用状態時において
は、第２図に鎖線で示すように上段のパレツトの
前記嵌合溝２３の内側寄りの位置に下段のパレツ
トの左右枠板４，５の上縁が嵌合せられ、また第
８図に示すように枠板２，３，４，５を折畳んだ
状態時においては、嵌合溝２３の外側寄りの位置
に下段のパレツトの積重ね用支持枠２０の上縁が
嵌合せられるものとなされている。

ところで、上記のボツクスパレツトは、第１図
ないし第６図に示すような組立状態において、そ
の内部にみかん等の収容物を入れて運搬等に供さ
れるものであるが、この収容物を排出する場合に
は、例えばフオークリフトトラツクにより全体を
持ち上げると共に、連結金具１３による前枠板２
の内枠板１０の固定を解いたのち、フオークを傾
動操作してベースパネル１を前端が下方になるよ
うに傾ける。すると収容物の重量によつて前記内
枠板１０が第６図に鎖線で示すように揺動し、ベ
ースパネル１との間に口を開いて該開口部分から
収容物が自然流下排出されるものである。

空になつたボツクスパレツトを戻し輸送したり
保管するような場合には、第７図に示すように各
枠板２，３，４，５を所定の順序で重畳的にベー
スパネル１上に折畳み、これを適宜積み重ねて運
搬、保管するものである。

考案の効果 この考案は上述のように、ベースパネル１の四
辺に沿つて四面の枠板２，３，４，５が起倒自在
に枢着されて折畳み自在となされたボツクス型パ
レツトにおいて、ベースパネル１の左右両側縁部
上に積重ね用支持枠２０，２０が前記左右の枠板
４，５の外側に位置せしめられて設けられ、かつ
ベースパネル１の下面に左右枠板４，５の上縁と
上記支持枠２０，２０の上縁とのいずれにも係合
可能な幅Ｗの嵌合溝２３を有する支持脚２２が設
けられたものとなされているから、枠板を立てた
ボツクス状の使用状態時において複数個のボツク
ス型パレツトを上下に積重ねた際は、第２図に示
すように上段のボツクス型パレツトの嵌合溝２３
に下段のボツクス型パレツトの枠板４，５の上縁
が嵌合し、また枠板２，３，４，５をベースパネ
ル１上に倒した折畳み状態時において積重ねた際
は、第８図に示すように上段のボツクス型パレツ
トの嵌合溝２３に下段のボツクス型パレツトの支
持枠２３の上縁が嵌合する結果、衝撃等によつて
上下段のボツクス型パレツトが相互に位置ずれし
て崩れ落ちるようなことがなく、支持脚２２を共
通に利用して複数個のボツクス型パレツトを上下
に安定良く積重ねることができる。特に積重ね用
支持枠２０の存在は、これによつて折畳み時の積
重ね状態を整然と安定的なものとするのに役立つ
と共に、該支持枠２０と、左右枠板４，５とは内
外に位置を異にしているに拘わらず、支持脚２２
をそのいずれにも嵌合可能なものとしたことによ
り、組立使用時用と折畳み時用の積重ね用嵌合部
材を各別のものとしてベースパネルに付設するよ
うな場合に較べ、構造の簡素化をはかり得て製作
上も有利である。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示すもので、第１図
は平面図、第２図は正面図、第３図は側面図、第
４図は後面図、第５図は前面部の一部斜視図、第
６図は第５図−線の断面図、第７図は折畳み
途上の状態の斜視図、第８図は第７図−線の
断面図である。 １……ベースパネル、２……前枠板、３……後
枠板、４，５……左右枠板、６……枢支片、７，
８……軸棒、９……外枠、９ａ……外枠の横杆
部、９ｂ，９ｂ……外枠の垂直杆部、１０……内
枠板、１１……枢軸、１２……ヒンジ、１３……
連結金具、２０……積重ね用支持枠、２２……支
持脚、２３……嵌合溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 方形のベースパネル１の四辺に沿つて、周壁を
   構成する前後及び左右四面の枠板２，３，４，５
   が下端を枢着して起倒自在に設けられたボツクス
   型パレツトにおいて、ベースパネル１の両側縁部
   上に積重ね用支持枠２０，２０が前記左右の枠板
   ４，５の外側に位置せしめられて固定状態に設け
   られ、該支持枠２０，２０は前記枠板２，３，
   ４，５のすべてをベースパネル１上面に重畳的に
   倒伏せしめた折畳み状態時におけるそれらの上面
   より高さがやや高いものとなされると共に、前記
   ベースパネル１の下面両側縁部には、下面に前後
   方向の嵌合溝２３を有する複数個の支持脚２２，
   ２２が固着され、該支持脚２２の前記嵌合溝２３
   が、平面からみて内外に位置を異にする前記左右
   枠板４，５の上縁と積重ね用支持枠２０，２０の
   上縁とのいずれにも係合可能な幅Ｗを有するもの
   となされたことを特徴とするボツクス型パレツ
   ト。