JPS5941032Y2 - 棚付パレツトの棚上げ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、計器等の部品或いはその他のパーツ等を棚
板に多数収納して輸送、荷役、保管する際に使用する棚
材パレットに係り、殊に棚材パレットの棚の少なくとも
最下段の棚板を所定の高さまで持ち上げ可能に構成した
棚材パレットの棚上げ装置に関するものである。

一般に、計器等のパーツは組立工場とは別の場所で製作
されることが多いので、これらのパーツは組立工場迄輸
送し、組立ライン近傍まで運搬する必要がある。

このため、従来から、包装したパーツ等を段ボール箱や
発泡スチロール箱に詰めたす、或いは棚材パレットに収
納して、組立工場等の目的地這輸送し、組立ラインまで
運んだ後に箱からパーツを取り出して使用していた。

このように、段ポール箱、発泡スチロール箱を使用する
場合は、包装シート、包装用品或いは包装装置が必要と
なると共に、包装して箱へ出し入れするための作業に手
間が掛り、非常に面倒で、能率も悪く、また輸送中等に
箱が変形したり、収納されているパーツ等が破損したり
する欠点があった。

また棚材パレットでも、パレットの各棚板にパーツを収
納したり、取り出したりするのに各棚板を取外し可能に
するなどの必要があり、また各棚板の手前側のパーツで
は出し入れも容易にできるが、各棚板が下段になるにつ
れて奥の部分は手を伸ばして行なわなければならず、手
が届かない最下段及び奥の方の取出作業が困難であるこ
とから作業性が悪く、棚板の奥行き寸法の制限を受げる
などの欠点があった。

この考案は上記欠点を改善するためになされたものであ
り、パレットの各棚板の後端部を枢支して棚板を手前側
から上方に開くようにすると共に、少なくとも最下段の
棚板を所定の高さまで持ち上げ可能に構成し、各棚板上
へのパーツ等の出し入れ作業が非常に容易、かつ能率的
にできると共に、殊に組立ライン等で最下段のパーツを
姿勢をかえることなく容易に取出せるようにした棚材パ
レットの棚上げ装置を提供しようとするものである。

以下、この考案を図面に示した一実施例にもとづいて詳
細に説明する。

図中符号１は箱体枠状の本体で、この本体１の底板下面
の各隅部寄りには４個のキャスター２が取付けられ、こ
れらキャスター２の下端は本体１の各隅部の４本の支柱
３の下端面より若干下方に突出している。

上記本体１の上部には蓋体４が手前側より上方に開閉可
能に取付ゆられ、この蓋体４の後方の両側部には第６図
に示すように支持棒５を取付け、これら支持棒５を本体
１の各支柱３の上端部に形成された各支持溝６にそれぞ
れ上方より出入可能かつ回動可能に係合させる。

また、上記蓋体４の略中央両側部に支持アームＩをそれ
ぞれピン８を介して枢支させると共に、これら支持アー
ム７の下部側を上記本体１の上側板９の中央に固着され
たストッパー１０の内方に挿入し、さらに第５図に示す
ように、上記支持アーム７の下端部に係止部１１を形成
し、この係止部１１をストッパー１０の側部１２に係止
させると、蓋体４を上方に開いた状態に保持させること
ができるようになっている。

上記本体１の内部には複数段の棚板１３を取付けるが、
これら各棚板１３は少なくとも最下段の棚板１４を除い
て、後部側端が後方両端支柱３に固着した軸１５を支点
として回動可能に枢着され、各棚板１３の手前側下部は
支柱３に固着したＬ形棚受げ金具１６上に載置され、水
平状態で支持されるようになっている。

このため複数段の棚板１３は最下段の棚板１４を除いて
、手前側上段からそれぞれ独立して上方に開くようにな
っている。

また、上記棚板１３の枢支点側の左右両側には長孔１７
を有する案内板１８を固定され、この長孔１Ｔに棚板１
３を上方に開いた位置で支持する突張棒１９の先端部を
摺動可能に係合すると共に、上記突張棒１９の丁部寄り
に突設されたピン２０を本体１０両側板２１に形成され
た小長孔２２に係合し、さらに、上記突張棒１９の下端
部と後方両端支柱３０間に調整ボルト２３を介して引張
りばね２４を介装する。

上記調整ボルト２３は引張りばね２４の強弱を調節する
ためのものである。

一方上記本体１の最下段の棚板１４は、本体１の底板２
５上に載置される。

上記底板２５（’）両側部で手前側及び略中間位置には
ブラケッ）２６ａ。

２６ｂ、また、最下段の棚板１４の両側部で底板２５の
ブラケツ）２６ａ、２６ｂより所定の間隔を有する位置
にはブラケツ）２７ａ、２７ｂが固着され、上記ブラケ
ット２６ａ、２６ｂ、および２７ａ、２７ｂ間にはアー
ム２８ａ、２８ｂが回動自在に枢着される。

また上記棚板１４のブラケソ）２７ｂには所定の長さを
有するアーム２９の一端がアーム２８ｂと共に枢着され
ており、このアーム２９の他端は、棚板１４の直上に位
置する棚板１３の所定位置において両側部に固着したブ
ラケツ）３０に枢着される。

上記アーム２８ａ、２８ｂおよびアーム２９は最下段の
棚板１４直上の棚板１３を上方に開くときに一体的に作
動して最下段の棚板１４を持ち上げるリンク機構となり
、アーム２８ａ、２８ｂの長さは、最下段の棚板１４を
水平状態のまま持ち上げ、且つ手前側に引き出す量によ
って決定され、アーム２９の長さは、アーム２８ｂと共
に棚板１３を上方に開いた状態を保持する長さに定めら
れる。

なお、上記蓋体４にカバー３１の上端部を蝶番３２によ
り枢支すると共に、カバー３１の下端部と本体底部２５
の側部との間にフック３３を介装する。

また図中符号３４は取手であり、さらに蓋体４の４隅部
には、本体１を積重ねたときに、本体１の下端部４隅が
係合する突起が立設されている。

以上のように構成された棚材パレットの使用状態を説明
すると、まず、物品やパーツを収納する場合には、第２
図のように蓋体４を手前側より持ち上げて開き、支持ア
ーム７の係止部１１を本体１に固定されたストッパー１
０の側部１２に引掛げる。

そして各棚板１３を最下段の棚板１４を除いて順次手前
側を上方に持ち上げる。

そうすると各棚板１３は軸１５を支点にして上方に回動
すると共に、突張棒１９の下端部が引張りばね２４によ
り引張られているので、この突張棒１９はピン２０を支
点として回動し、この突張棒１９の上端部が長孔１７に
沿って移動して各棚板１３を開いた状態に支持する。

そして最下段の棚板１４は、その直上の棚板１３を持ち
上げると同時にリンク機構を介して底板２５より水平状
態で持ち上げられ手前側にひき出される。

そして、最下段の棚板１４上に所定のパーツが収納され
たら、直上の棚板１３の前端を下方に引張ると、引張り
ばね２４が引かれなから突張棒１９が倒れながら棚板１
３が水平状態に戻り、棚板１３の先端部が棚受げ金具１
６により受ゆられるので、この棚板１３上にパーツが収
納される。

このようにして、各棚板１３にパーツが収納し終工て蓋
体４及びカバー３１を閉じて、所定の場所に輸送、荷役
、保管を行なうのである。

また、上記棚材パレットに収納されたパーツな取出す際
には、蓋体４、カバー３１を開き、上段の棚板１３上よ
り順次取出す。

棚板１３上のパーツがなくなれば、順次棚板１３を持ち
上げて取出すものであり、最下段の棚板１４の直上の棚
板１３上のパーツがなくなって、それを持ち上げると最
下段の棚板１４は、パーツを載置したままの状態で底板
２５より所定の高さまで持ち上げられると共に、手前側
に引き出される。

この考案は、以上詳述したように、下部にキャスターが
取付げられた箱体枠状の本体の上部に蓋体を開閉自在に
取り付けると共に、本体内に設けられた複数段の各棚板
は、最下段の棚板を除いて各端部を持ち上げれば上方に
開いて、しかも開いた状態に保持でき、さらには最下段
の棚板は、その直上の棚板を持ち上げることによって持
ち上げられ、手前側に引き出せるように構成したことを
特徴とするものである。

従って、作業者は各棚板のパーツの出し入れが容易であ
り、かつ能率的にできる。

しかも各棚板が上方に開いた状態に保持できるので、パ
ーツの出し入れに棚板が邪魔にならず、最下段の棚板上
のパーツは作業者の姿勢を大巾に変えることなく奥の部
分も楽に作業ができるものである。

また、多数のパーツを収納した棚材パレットがそのまま
目的地まで確実かつ安全に運搬できるので物流が非常に
有効にできるなど実用上の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面は、この考案に係る棚材パレットの一実施例を示し
たもので、第１図は全体の正面図、第２図は一部を破断
した側面図、第３図ないし第６図は構成の部分拡大図、
第７図はこの考案による要部の側面図、第８図は第７図
の作動状態を示す側崩図である。 １・・・・・・本体、４・・・・・・蓋体、１３・・・
・・・棚板、１４・・・・・・最下段の棚板、２５・・
・・・・底板、２’６ａ、２６ｂ・・・・・・ブラケッ
ト、２７ａ、２７ｂ・・・・・・ブラケット、２８ ａ
、 ２８ ｂ・・・・・・アーム、２９−・・・・・
アーム、３０・・・・・・ブラケット。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 本体内の一側に複数段の棚板のうち最下段の棚板を除く
   各棚板の左右側面に、長孔を設けた案内板を固定し、こ
   の長孔に一端を本体に枢支した突張棒の他端を係合させ
   、上記棚板を手前側より上方に持ち上げて開いた状態に
   保持させると共に、最下段の棚板は左右側面の所定位置
   にて本体底部に枢支したアームに回動自在に枢着させ、
   上記最下段の棚板側面に枢支した所定の枢支点から直上
   の棚板側面に所定のアームを枢着させ、上記最下段の棚
   板の直上棚板を持ち上げて開いたとき、最下段の棚板が
   水平状態でかつ手前側に一体的に棚上げされるように構
   成したことを特徴とする棚材パレットの棚上げ装置。