JPH0144380Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は大型ダンプやトレーラ等の重量運搬車
に用いられる車両用ドラムブレーキに関する。

〔従来の技術〕

この種の重量運搬車では、ブレーキチヤンバに
圧縮空気を供給して該ブレーキチヤンバに連結さ
れたブレーキ軸を回転し、ブレーキ軸の先端に取
り付けられたカムを回動することにより、ブレー
キドラム内に配設されたブレーキシユーを作動さ
せるエア式のドラムブレーキが一般的に用いられ
ている。

例えば第１図に示される大型ダンプのリヤーホ
イールでは、タイヤ１を外周に装着するホイール
２のハブ３にブレーキドラム４をボルト５にて取
付け、車体中央部アクスル６にボルト７にて一体
に締結された端部アクスル８に、前記ホイール２
のハブ３を軸受９の，９を介して回転自在に支持
しており、端部アクスル８とブレーキドラム４と
の間からブレーキドラム４内に土砂・塵埃等が侵
入するのを防止するため、第２図に示されるよう
に、円板状の薄板をプレス加工にて外周部を折曲
した２つ割りの保護カバー１０を突き合わせて、
端部アクスル８のリブにボルト１１で締結して、
ブレーキドラム４と端部アクスル８との間を覆つ
ている。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかし、この様な構造では、保護カバーの突合
せ部分、ブレーキドラムやアクスルとの合せ目に
隙間ができ不整地やぬかるみを走行するとブレー
キドラム内に土砂や塵埃が侵入し、ブレーキ性能
の低下をきたす欠点があり改改善が望まれてい
た。

そこで本考案は、不整地やぬかるみを走行して
も土砂や塵埃が極力侵入しない車両用ドラムブレ
ーキを提供することを目的としている。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的達成のため本考案は、ブレーキドラム
を備えたホイールをアクスルに回転自在に設け、
前記ブレーキドラム内に配設されたブレーキシユ
ーを作動させるブレーキ軸をブレーキチヤンバー
に連結し、前記ブレーキドラムの開口部を覆う保
護カバーを前記アクスルに設けた車両用ドラムブ
レーキにおいて、前記アクスルの外周に周溝を形
成するとともに、前記ブレーキ軸を内挿する軸受
筒を前記周溝を跨いでアクスルのブラケツトに固
設し、前記保護カバーを２つ割りに分割して保護
カバー半体を形成し、両保護カバー半体で前記ア
クスルの周溝と軸受筒とを挾んで保護カバー半体
同士を締結してアクスルに取付け、該保護カバー
の外縁内面と前記ブレーキドラム外周端面との間
にラビリンスを形成せしめたことを特徴としてい
る。

〔作用〕

かかる構成により、保護カバーの内周側と外周
及び軸受筒の外周との間には隙間がなくなつて内
周側からブレーキドラム内に土砂や塵埃が侵入す
ることが防止され、また、保護カバーの外周側は
ラビリンスによりブレーキドラム内に土砂や塵埃
の侵入が防止される。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例を第３図乃至第５図に
基づいて説明する。

尚、従来例と同様のものは同一の符号を付して
説明する。

タイヤ１を外周に装着するホイール２のハブ３
にボルト５に取付けられるブレーキドラム４内に
は、ブレーキシユー１１が配設されている。

該ブレーキシユー１１は、ブレーキチヤンバ１
２に圧縮空気を供給して、ブレーキチヤンバ１２
に連結されたブレーキ軸１３を回転し、ブレーキ
軸１３の先端に取り付けられたカム１４を回動す
ることにより拡開されてブレーキドラム４のに摺
接して制動作用を行う。

上記ホイール２は、軸受９，９を介してアクス
ルの端部１５に回転自在に支持され、アクスルの
端部１５は、前記ブレーキチヤンバ１２よりも車
体中心寄りでアクスルの中央部１６に接合してい
る。

また、端部アクスル１５には、外周に周溝１７
が切削形成されるとともに、前記ブレーキ軸１３
の軸受筒１８が周溝１７を跨いでブラケツト１５
ａ，１５ａに固設されている。

さらに、アクスルの端部１５には、ブレーキド
ラム４の開口部を覆う保護カバー１９が設けられ
ている。この保護カバー１９は、２つ割りに分割
形成される上半体１９ａと、下半体１９ｂとから
なり、上半体１９ａと下半体１９ｂとで前記端部
アクスル１５の周溝１７と軸受筒１８とを挾み、
ボルト２０にて上半体１９ａと下半体１９ｂとを
締結してアクスルの端部１５に取付けられてい
る。

また、保護カバー１９の上半体１９ａと下半体
１９ｂの外縁部１９ｃは、90度折曲され、該外縁
部１９ｃ内面と、ブレーキドラム４の外周端面４
ａには、両者間にラビリンスを形成するための複
数の段部が切削加工等によりそれぞれ形成されて
いる。

したがつて、上半体１９ａと下半体１９ｂ同士
を締結することにより、両者の突合せ面は隙間が
なくなり、また、保護カバー１９の上半体１９ａ
と下半体１９ｂの内縁部とアクスルの端部１５の
周溝１７との間及び保護カバー１９と軸受筒１８
の外周との間には隙間がなくなり、ブレーキドラ
ム４内への土砂や塵埃の侵入を防止できる。ま
た、保護カバー１９の上半体１９ａと下半体１９
ｂの外縁部内面１９ｃとブレーキドラム４の外周
端面４ａとの間もラビリンスが形成されるので、
ブレーキドラム４内への土砂や塵埃の侵入を防止
できる。

〔考案の効果〕

本考案は以上のように、ブレーキドラムの開口
部を覆う保護カバーを、２つ割りに分割して保護
カバー半体を形成し、両保護カバー半体でアクス
ルの外周に形成された周溝と、アクスルのブラケ
ツトに固設したブレーキ軸の軸受筒を挾んで保護
カバー半体同士を締結してアクスルに取付け、該
保護カバーの外縁部内面と前記ブレーキドラム外
周端面との間にラビリンスを形成したので、保護
カバー半体同士の突合せ部、保護カバーの内縁部
とアクスルの周溝及び保護カバーと軸受筒の外周
との間には隙間がなくなり、保護カバーとブレー
キドラムとのラビリンスと相俟つてブレーキドラ
ム内に土砂や塵埃が侵入することを極力防止でき
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は大型ダンプのリヤーホイールの従来例
を示す断面正面図、第２図は従来の保護カバーの
斜視図、第３図乃至第５図は本考案の一実施例を
示すもので、第３図はホイール部全体を示す断面
正面図、第４図はドラムブレーキの断面図、第５
図は端部アクスルと保護カバーの取付け状態を示
す斜視図である。 １１……タイヤ、２……ホイール、３……ハ
ブ、４……ブレーキドラム、１１……ブレーキシ
ユー、１２……ブレーキチヤンバ、１３……ブレ
ーキ軸、１４……カム、１５……アクスルの端
部、１６……アクスルの中央部、１７……アクス
ルの端部の周溝、１８……軸受筒、１９……保護
カバー、１９ａ……保護カバーの上半体、１９ｂ
……保護カバーの下半体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ブレーキドラムを備えたホイールをアクスルに
   回転自在に設け、前記ブレーキドラム内に配設さ
   れたブレーキシユーを作動させるブレーキ軸をブ
   レーキチヤンバーに連結し、前記ブレーキドラム
   の開口部を覆う保護カバーを前記アクスルに設け
   た車両用ドラムブレーキにおいて、前記アクスル
   の外周に周溝を形成するとともに、前記ブレーキ
   軸を内挿する軸受筒を前記周溝を跨いでアクスル
   のブラケツトに固設し、前記保護カバーを２つ割
   りに分割して保護カバー半体を形成し、両保護カ
   バー半体で前記アクスルの周溝と軸受筒とを挾ん
   で保護カバー半体同士を締結してアクスルに取付
   け、該保護カバーの外縁内面と前記ブレーキドラ
   ム外周端面との間にラビリンスを形成せしめたこ
   とを特徴とする車両用ドラムブレーキ。