JPH0144272Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はパイプの切断装置、特に電縫管等の製
造ラインに設けた切断装置に関するものである。

電縫管等の製造設備に設置されているパイプ切
断機は、一般にパイプの製造速度と等しい速度で
走行可能な台車上に設置されたデイスクカツター
等で、製造されたパイプを走行中に次々と切断す
る。上記走行切断機の移動する距離は、製造する
パイプの製造スピードおよびパイプの切断される
長さによつて決定される。しかし切断されるパイ
プの長さはパイプ使用者側の要求によつて変るた
めに、切断完了したパイプの中には後面テーブル
に達せず、走行切断機の走行ストローク内に落下
するものが生じる。切断されたパイプをすべて後
面テーブルに送り込むためには、走行切断機〜後
面テーブル間に、パイプを支持しながら走行切断
機および後面テーブル間を移動する台車が必要と
なる。上記台車は走行切断機によるパイプ切断中
は後面テーブルの方向に移動し、切断が完了する
と走行切断機と共にもとの位置に復帰する。

本考案は上記走行切断機と後面テーブル間に設
置されるパイプ支持台車に関するものである。以
下本考案の具前例について図面に従つて説明す
る。

第１図は走行切断設備の全体を示しており、３
台のパイプ支持台車を動かす場合である。１は走
行切断機で、一般に走行切断機１は直流電動機等
によつて駆動されている。第１図は開始位置に復
帰した状態を表わす。２，３，４はパイプ支持台
車を表わし、まず支持台車２は上記走行切断機１
の走行速度の3/4倍の速度、支持台車３は2/4倍の
速度、支持台車４は1/4倍の速度でそれぞれ移動
する。５は上記走行切断機１および上記パイプ支
持台車２，３，４が移動するためのレールであ
る。６は切断されたパイプを搬送する後面テーブ
ル、７は切断されたパイプを前記後面テーブルへ
送り込むピンチロールである。８はパイプ支持台
車２，３，４を移動さすためのビームであり、パ
イプ支持台車２，３，４に設置されているピニオ
ンと噛み合つている。ビームとピニオンのかわり
にチエーンとピン歯車を使用することも可能であ
る。

上記ビーム８は、その一端を走行切断機に取付
けられ一緒に移動する。このビーム８は第１図で
は作業側および駆動側の両側に設置されている
が、中央に１本ビームを設置してパイプ支持台車
を動かすことも可能である。走行切断機１が後面
テーブル６側へ移動すると、ビーム８の先端は走
行切断機ピツトを越えるが、この状態のビーム８
を保持するためテーブル９を設けておく。

第２図はこのパイプ支持台車の構造の１例を表
わす。１０はパイプを支持するための台車中央部
に設けたローラーであり、パスラインの変動に対
応できるようにスクリユージヤツキ１１で台車に
対し昇降可能に取付けられている。又、上記パイ
プ支持台車２，３，４は、上記走行切断機にとり
つけられたビーム８を支持するが、該ビーム８に
はラツク１２が固着され、該ラツク１２は支持台
車側のピン歯車１３と噛み合つている。ビーム８
の移動（切断機１の移動）によつてピン歯車１３
が回転すると、この回転はピン歯車１３と同一の
軸１４に取付けられたスプロケツト１５に伝達さ
れ、該スプロケツト１５とチエーン１７を介して
噛み合うスプロケツト１６に伝えられる。また、
スプロケツト１６は、各々駆動側で車輪１８およ
び作業側で車輪１９と同一軸となつており、上記
ラツク１２の動きを車輪に伝える。

パイプ支持台車２，３，４において、各ピン歯
車１３は同一の大きさである。しかしスプロケツ
ト１５およびスプロケツト１６の歯数比を変える
ことにより、車輪１８，１９の回転を変えるこ
と、即ちパイプ支持台車２，３，４の移動速度を
変えることができる。図示の例の場合、パイプ支
持台車２においてはスプロケツト１５とスプロケ
ツト１６の歯数比は３：１であり、パイプ支持台
車３においては歯数比は１：１、パイプ支持台車
４においては歯数比は１：３である。第３図にビ
ーム８と支持台車２，３，４の各歯車１３および
スプロケツト１５，１６等の関係を、歯数比を変
えてわかり易く模式図で示す。

上記機構においてはラツク１２とピン歯車１３
が噛み合うことが必須条件である。この噛み合い
を確実にするため、ビーム８はテーパー状の面を
もつラツク支持ローラー２０で支持される。この
テーパー状のローラーによりビーム８は常に正確
な位置に保たれる。レールの凹凸等の外乱が走行
切断機１あるいはパイプ支持台車２，３，４の動
きに影響する場合、ビーム８の振動によるラツク
１２とピン歯車１３の噛み合いのはずれを防ぐた
め、ビーム８はラツク押えローラー２１で、ビー
ムを下側におしつける構造となつており、押え力
はばね２２によつて与えられる。上記構造により
ラツクは正確に保持され、ピン歯車１３と確実に
噛みあわすことができる。

上記は本考案の具体例として３台のパイプ支持
ローラーを動かす場合について説明したが、本考
案の構造を応用すれば、走行切断機の入り側およ
び出側に、１台以上のパイプ支持台車を走行させ
ることも可能である。

以上説明したように本考案のパイプ切断装置に
よれば、切断後のパイプを、その長さの如何にか
かわらず、安定して後面テーブルに送り込むこと
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図イ，ロは本考案切断装置の具体例を示す
平面図と正面図、第２図は本考案の要部をなすパ
イプ支持台車の詳細を示す正面図、第３図は支持
台車のそれぞれの速度を変えるための機構を示す
模式図である。 １……パイプ切断機、２，３，４……パイプ支
持台車、５……レール、６……後面テーブル、８
……ビーム、１０……パイプ支持ローラ、１２…
…ラツク、１３……ピン歯車、１５，１６……ス
プロケツト、１８，１９……車輪。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 走行切断機と後面テーブル間にビームを配置
   し、該ビームの一端を走行切断機に取付けて走行
   切断機と共にビームを水平方向へ移動自在とし、
   該ビームに設けたラツクを複数のパイプ支持台車
   に設けた歯車に噛み合わせ、各パイプ支持台車に
   移動車輪と駆動輪とを配設すると共に、該各パイ
   プ支持台車に配設した移動車輪と駆動輪のそれぞ
   れ同軸上にスプロケツトを配設し、各パイプ支持
   台車相互のスプロケツトの歯車比に差を設けるこ
   とによつて、それぞれ複数のパイプ支持台車の移
   動速度を変えパイプを後面テーブルへ送り込むよ
   うにしてなるパイプ切断装置。