JPH0143824B2 - - Google Patents
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- JPH0143824B2 JPH0143824B2 JP6220287A JP6220287A JPH0143824B2 JP H0143824 B2 JPH0143824 B2 JP H0143824B2 JP 6220287 A JP6220287 A JP 6220287A JP 6220287 A JP6220287 A JP 6220287A JP H0143824 B2 JPH0143824 B2 JP H0143824B2
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- gold
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Landscapes
- Wire Bonding (AREA)
- Conductive Materials (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野)
本発明は、トランジスター、IC、LSIなどの半
導体素子上の電極と外部リードとの間を接続する
ボンデイング線に利用する耐熱性に優れた金合金
に関する。 (従来技術と問題点) 従来、ケイ素半導体素子上の電極と外部リード
との間を接続するポンデイング線としては、一般
に樹脂封止用では純金(99.99wt%以上)の細線
が、セラミツク封止用ではアルミ合金(Al−1
%Si)細線が使用されている。しかしながら金細
線の方が量産にも適し、且つ接続の信頼性および
工程上の問題から金細線が多く使用されている。
ケイ素半導体素子の電極に金細線を接続する方法
は、金細線の一定長の先端を高温で溶融してボー
ルを形成させ圧接する熱圧着法および接合部に超
音波振動を与えながら常温で接合する超音波法又
は、これらの両者を組合せたサーモソニツク法に
よつて行われる。 このようにケイ素半導体の電極と外部リードと
の接続に金細線が使用されるのは、金ボールの形
成が真円球状になり、形成された金ボールの硬さ
が適切であつて、接合時の圧力によつてケイ素半
導体素子を損傷することがなく、確実な接続が行
われ、その信頼性が極めて高いためである。しか
し、金細線を自動ボンダーにかけて接続を行なう
と、金細線は再結晶化温度が低く耐熱性を欠くた
めに、金ボール形成の直上部において引張力が低
下し断線を起すという問題がある。これを解決す
るために、接続時に形成させる金ボールの形状お
よび硬さを損わない程度に、純金に微量の添加元
素を加えて破断強度と耐熱性を向上させた種々の
金合金材料によるボンデイング線が公表されてい
る。 本発明者らも、この解決策として特開昭61−
110735号に耐熱性に優れた金合金を開示した。 一方、半導体生産技術の急速な革新は年を追う
毎に日に目ざましく進展し、その機能および形態
も多様化している。同一機能ならより薄形化、軽
量化、小型化する傾向にあり、同一容積ならシス
テムの複合化、多機能化する要求が強くなつてい
る。 又、トランジスター、IC、LSIなどの半導体素
子とボンデイング線をその後の取扱いから、又、
温度、湿気、汚染物質などの外部環境変化から保
護し、外部リードを個々に絶縁保持するために半
導体を封止用樹脂でパツケージされるが、薄形
化、小型化するに伴ない、使用されるボンデイン
グ線はより細径であつて、破断強度と耐熱特性に
優れた材質のものが要求されている。 具体的には次の要求を十分満足させる必要があ
る。 薄形のモールド工程に対応できること。 半導体の大部分を占めるプラスチツクパツケ
ージのモールド方法は、量産性のあるエポキシ
樹脂による低圧トランスフアー形成方式により
行われる。使用されるエポキシ樹脂は、デバイ
ス特性の変化を防止するために、溶融シリカ粉
を充填材として添加し、樹脂を低応力化させて
いる。そのため、モールド時の熱と圧力および
シリカ粉末の影響を受けて、接合されたボンデ
イング線がワイヤフローを呈し、ボンデイング
線の曲がりや線間短絡を起させるので、ボンデ
イング線はより耐熱性と破断強度を有する材質
にものとする必要がある。 薄形化パツケージ対応できること。 挿入型デバイスのDIPでは面積率が大きいた
め、薄形化、小型化の多ピン用として表面実装
用デバイスのSOP、FP、PLCCなどが急速に
普及しつつある。これらの薄形化に対応できる
ボンデイング線としては、ボール形状が真球で
あつて、且つ接合のループ形状が低く形状でき
る材質のものが前提要件となる。つまり、微小
電極の接合に信頼性があり、ベアチツプに近い
パツケージが成形できることである。 高速自動ボンダに対応できること。 自動ボンダーは近年より高速化されており、
その接合は金属のより微小領域と間隔で多回数
にわたるため、ボンデイング線はボール形成時
の熱の影響を連続的に受けて破断強度が低下
し、且つ接合キヤピラリーの高速移動で受ける
引張力も大きくなるので、これらの条件に十分
耐えることが要求されている。 前記の諸条件に適合するには、ボール形状が
真球で、より耐熱性に優れた金合金を供すべき
問題がある。 (発明が解決しようとする問題点) 本発明は、上記の課題に鑑みてなされたもので
あつて、薄形のプラスチツクパツケージに適合で
きる耐熱性と破断強度に優れたボンデイング線に
使用する金合金を提供することにある。 (問題点を解決するための手段) 本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭
意検討を行なつた結果、イツトリウムと鉛とカル
シウムとを特定割合で含有する金合金をボンデイ
ング線に使用すると、高温の破断強度にボンデイ
ング線に使用すると、高温の破断強度にすぐれた
ものとなり、ボール形状が真球形で、ループ高さ
が低く、ワイヤフローを生じないことを見出して
本発明を完成した。 本発明の構成は、イツトリウム3〜120重量
ppm、鉛3〜120重量ppm、カルシウム3〜50重
量ppmとを含有し、残部が不可避不純物と金とか
ら成ることを特徴とするものである。 以下、本発明の構成について更に詳細に説明す
る。 高純度金にイツトリウム3〜120重量ppmと鉛
3〜120重量ppmとカルシウム1〜50重量ppmを
それぞれの範囲に含有させると、前記三元素の相
剰作用によつて耐熱性が向上し、薄形化のパツケ
ージ形成に対応できるものとなる。これら三元素
の好ましい含有量は、イツトリウム20〜100重量
ppm、鉛10〜100重量ppm、カルシウム5〜45重
量ppmである。 イツトリウムの含有量が3ppm未満であるとき
は、耐熱性が向上せず、封止樹脂の影響を受けて
接合のボンデイング線がワイヤフローを呈するの
で好ましくない。逆に、120ppmを越えると、ボ
ール表面に酸化皮膜が形成され、ボール形状に歪
を生じるので、微小電極との接合の信頼性を著し
く低下させるものとなる。 鉛の含有量が3ppm未満であるときは、耐熱性
が向上せず、封止樹脂の影響を受けて接合のボン
デイング線が僅かながらワイヤフローを呈する。
逆に、120ppmを越えると、ボール形状に歪を生
じ、真球度が低下し、その含有量が多くなると金
に固溶しなくなり、線引き加工性を阻害する。 カルシウムの含有量が1ppm未満であるときは、
耐熱性が不足し、封止樹脂の影響を受けて接合の
ボンデイング線が僅かながらワイヤフローを呈す
る。逆に、50ppmを越えると、ボール表面に酸化
皮膜が形成され、ボール形状に歪を生じるので、
微小電極との接合の信頼性を著しく低下させるも
のとなる。 (実施例) 以下、実施例と比較例を対比させて本発明を更
に詳細に説明する。 金純度が99.999重量%以上の電解金を用いて第
1表に示す化学成分の金合金を高周波真空溶解炉
で溶解鋳造し、その鋳塊を圧延した後、常温で伸
線加工を行ない最終線径を25μmφの金合金細線
とし、大気雰囲気で連続焼鈍して伸び値が4%に
なるように半硬質に調質する。勿論、バツチ焼鈍
を施してもよい。 得られた金合金細線について、それぞれ常温引
張特性、高温引張特性、接合のループ高さ、モー
ルド時のワイヤフローおよびボール形状を調べた
結果を第1表に併記した。 常温引張特性は、室温で引張試験を行ないその
破断荷重を測定し、高温引張特性は250℃×20秒
の温度雰囲気で引張試験をしてその破断荷重と伸
びを測定する。 接合のループ高さは、高速自動ボンダーを使用
して半導体素子(IC、16p)上の電極と外部リー
ドとの間をサーモソニツク法で接合した後、形成
されるループの頂高とチツプの電極面とを光学顕
微鏡(×400倍)で観察した高低を測定する。 ワイヤフローは、高速自動ボンダーで半導体素
子(IC、16p)上の電極と外部リードとを接合
し、薄形モールドの金型内にセツトした固型樹脂
を溶融し、圧力にて金型内に注入し樹脂封止す
る。かく得られたパツケージをX線で観察し、封
止樹脂中のシリカ粉末によるボンデイング線の歪
み、すなわち、直線接合からの最大湾曲距離hと
接合スパン距離lとを測定し、歪=h/l×100
の値からワイヤフローの良否を評価した。 〇印:歪値3%未満(薄形パツケージに適合す
る) △印:歪値3〜10% ×印:歪値11%以上 ボールの形状は、高速自動ボンダーを使用し、
電気トーチ放電によつて得られる金合金ボールを
走査電子顕微鏡(×500倍)で観察し、ボール表
面に酸化物が生ずるもの、ボールの形状がイビツ
になるもの、半導体素子の電極(100〜130μm
角)に良好な形状で接合できないものを×印で、
良好なものを〇印で評価した。 結果からわかるように、実施例1〜9は耐熱性
が適切に付与され、半導体素子上の電極と外部リ
ードとの接合の高さを低く形成することができ、
封止樹脂によるワイヤフローの影響を無視するこ
とができ、且つ形成されるボール形状が良好であ
るため、信頼性のある接合ができる。 比較例1は、イツトリウム量が不足するため、
ループ高さが高く、封止樹脂の影響を受けてワイ
ヤフローを呈するので好ましくない。 比較例2は鉛量が不足するため、ループ高さが
高くなり、僅かながらワイヤフローを呈する。比
較例3は、カルシウム量が不足するため、比較例
2と同様の挙動を示す。比較例4、5、6は、イ
ツトリウム、鉛、カルシウムのそれぞれの含有量
が多いため、ボール形状に歪が生じ、電極上に良
好な形状で接合できないので好ましくない。 (効果) 以上、説明した如く、本発明にかかる金合金を
ボンデイング線として用いると、高温の引張特性
が優れ、接合のループ高さが低く形成でき、封止
樹脂注入によるワイヤフローもなく、高速自動ボ
ンダーに十分対応できると共に形成されるボール
形状も真球であるので、急速に普及しつつある薄
形パツケージ用ボンデイング線として信頼性よく
実用に供せられる利点がある。従つて産業上に寄
与する点が多大である。 【表】
導体素子上の電極と外部リードとの間を接続する
ボンデイング線に利用する耐熱性に優れた金合金
に関する。 (従来技術と問題点) 従来、ケイ素半導体素子上の電極と外部リード
との間を接続するポンデイング線としては、一般
に樹脂封止用では純金(99.99wt%以上)の細線
が、セラミツク封止用ではアルミ合金(Al−1
%Si)細線が使用されている。しかしながら金細
線の方が量産にも適し、且つ接続の信頼性および
工程上の問題から金細線が多く使用されている。
ケイ素半導体素子の電極に金細線を接続する方法
は、金細線の一定長の先端を高温で溶融してボー
ルを形成させ圧接する熱圧着法および接合部に超
音波振動を与えながら常温で接合する超音波法又
は、これらの両者を組合せたサーモソニツク法に
よつて行われる。 このようにケイ素半導体の電極と外部リードと
の接続に金細線が使用されるのは、金ボールの形
成が真円球状になり、形成された金ボールの硬さ
が適切であつて、接合時の圧力によつてケイ素半
導体素子を損傷することがなく、確実な接続が行
われ、その信頼性が極めて高いためである。しか
し、金細線を自動ボンダーにかけて接続を行なう
と、金細線は再結晶化温度が低く耐熱性を欠くた
めに、金ボール形成の直上部において引張力が低
下し断線を起すという問題がある。これを解決す
るために、接続時に形成させる金ボールの形状お
よび硬さを損わない程度に、純金に微量の添加元
素を加えて破断強度と耐熱性を向上させた種々の
金合金材料によるボンデイング線が公表されてい
る。 本発明者らも、この解決策として特開昭61−
110735号に耐熱性に優れた金合金を開示した。 一方、半導体生産技術の急速な革新は年を追う
毎に日に目ざましく進展し、その機能および形態
も多様化している。同一機能ならより薄形化、軽
量化、小型化する傾向にあり、同一容積ならシス
テムの複合化、多機能化する要求が強くなつてい
る。 又、トランジスター、IC、LSIなどの半導体素
子とボンデイング線をその後の取扱いから、又、
温度、湿気、汚染物質などの外部環境変化から保
護し、外部リードを個々に絶縁保持するために半
導体を封止用樹脂でパツケージされるが、薄形
化、小型化するに伴ない、使用されるボンデイン
グ線はより細径であつて、破断強度と耐熱特性に
優れた材質のものが要求されている。 具体的には次の要求を十分満足させる必要があ
る。 薄形のモールド工程に対応できること。 半導体の大部分を占めるプラスチツクパツケ
ージのモールド方法は、量産性のあるエポキシ
樹脂による低圧トランスフアー形成方式により
行われる。使用されるエポキシ樹脂は、デバイ
ス特性の変化を防止するために、溶融シリカ粉
を充填材として添加し、樹脂を低応力化させて
いる。そのため、モールド時の熱と圧力および
シリカ粉末の影響を受けて、接合されたボンデ
イング線がワイヤフローを呈し、ボンデイング
線の曲がりや線間短絡を起させるので、ボンデ
イング線はより耐熱性と破断強度を有する材質
にものとする必要がある。 薄形化パツケージ対応できること。 挿入型デバイスのDIPでは面積率が大きいた
め、薄形化、小型化の多ピン用として表面実装
用デバイスのSOP、FP、PLCCなどが急速に
普及しつつある。これらの薄形化に対応できる
ボンデイング線としては、ボール形状が真球で
あつて、且つ接合のループ形状が低く形状でき
る材質のものが前提要件となる。つまり、微小
電極の接合に信頼性があり、ベアチツプに近い
パツケージが成形できることである。 高速自動ボンダに対応できること。 自動ボンダーは近年より高速化されており、
その接合は金属のより微小領域と間隔で多回数
にわたるため、ボンデイング線はボール形成時
の熱の影響を連続的に受けて破断強度が低下
し、且つ接合キヤピラリーの高速移動で受ける
引張力も大きくなるので、これらの条件に十分
耐えることが要求されている。 前記の諸条件に適合するには、ボール形状が
真球で、より耐熱性に優れた金合金を供すべき
問題がある。 (発明が解決しようとする問題点) 本発明は、上記の課題に鑑みてなされたもので
あつて、薄形のプラスチツクパツケージに適合で
きる耐熱性と破断強度に優れたボンデイング線に
使用する金合金を提供することにある。 (問題点を解決するための手段) 本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭
意検討を行なつた結果、イツトリウムと鉛とカル
シウムとを特定割合で含有する金合金をボンデイ
ング線に使用すると、高温の破断強度にボンデイ
ング線に使用すると、高温の破断強度にすぐれた
ものとなり、ボール形状が真球形で、ループ高さ
が低く、ワイヤフローを生じないことを見出して
本発明を完成した。 本発明の構成は、イツトリウム3〜120重量
ppm、鉛3〜120重量ppm、カルシウム3〜50重
量ppmとを含有し、残部が不可避不純物と金とか
ら成ることを特徴とするものである。 以下、本発明の構成について更に詳細に説明す
る。 高純度金にイツトリウム3〜120重量ppmと鉛
3〜120重量ppmとカルシウム1〜50重量ppmを
それぞれの範囲に含有させると、前記三元素の相
剰作用によつて耐熱性が向上し、薄形化のパツケ
ージ形成に対応できるものとなる。これら三元素
の好ましい含有量は、イツトリウム20〜100重量
ppm、鉛10〜100重量ppm、カルシウム5〜45重
量ppmである。 イツトリウムの含有量が3ppm未満であるとき
は、耐熱性が向上せず、封止樹脂の影響を受けて
接合のボンデイング線がワイヤフローを呈するの
で好ましくない。逆に、120ppmを越えると、ボ
ール表面に酸化皮膜が形成され、ボール形状に歪
を生じるので、微小電極との接合の信頼性を著し
く低下させるものとなる。 鉛の含有量が3ppm未満であるときは、耐熱性
が向上せず、封止樹脂の影響を受けて接合のボン
デイング線が僅かながらワイヤフローを呈する。
逆に、120ppmを越えると、ボール形状に歪を生
じ、真球度が低下し、その含有量が多くなると金
に固溶しなくなり、線引き加工性を阻害する。 カルシウムの含有量が1ppm未満であるときは、
耐熱性が不足し、封止樹脂の影響を受けて接合の
ボンデイング線が僅かながらワイヤフローを呈す
る。逆に、50ppmを越えると、ボール表面に酸化
皮膜が形成され、ボール形状に歪を生じるので、
微小電極との接合の信頼性を著しく低下させるも
のとなる。 (実施例) 以下、実施例と比較例を対比させて本発明を更
に詳細に説明する。 金純度が99.999重量%以上の電解金を用いて第
1表に示す化学成分の金合金を高周波真空溶解炉
で溶解鋳造し、その鋳塊を圧延した後、常温で伸
線加工を行ない最終線径を25μmφの金合金細線
とし、大気雰囲気で連続焼鈍して伸び値が4%に
なるように半硬質に調質する。勿論、バツチ焼鈍
を施してもよい。 得られた金合金細線について、それぞれ常温引
張特性、高温引張特性、接合のループ高さ、モー
ルド時のワイヤフローおよびボール形状を調べた
結果を第1表に併記した。 常温引張特性は、室温で引張試験を行ないその
破断荷重を測定し、高温引張特性は250℃×20秒
の温度雰囲気で引張試験をしてその破断荷重と伸
びを測定する。 接合のループ高さは、高速自動ボンダーを使用
して半導体素子(IC、16p)上の電極と外部リー
ドとの間をサーモソニツク法で接合した後、形成
されるループの頂高とチツプの電極面とを光学顕
微鏡(×400倍)で観察した高低を測定する。 ワイヤフローは、高速自動ボンダーで半導体素
子(IC、16p)上の電極と外部リードとを接合
し、薄形モールドの金型内にセツトした固型樹脂
を溶融し、圧力にて金型内に注入し樹脂封止す
る。かく得られたパツケージをX線で観察し、封
止樹脂中のシリカ粉末によるボンデイング線の歪
み、すなわち、直線接合からの最大湾曲距離hと
接合スパン距離lとを測定し、歪=h/l×100
の値からワイヤフローの良否を評価した。 〇印:歪値3%未満(薄形パツケージに適合す
る) △印:歪値3〜10% ×印:歪値11%以上 ボールの形状は、高速自動ボンダーを使用し、
電気トーチ放電によつて得られる金合金ボールを
走査電子顕微鏡(×500倍)で観察し、ボール表
面に酸化物が生ずるもの、ボールの形状がイビツ
になるもの、半導体素子の電極(100〜130μm
角)に良好な形状で接合できないものを×印で、
良好なものを〇印で評価した。 結果からわかるように、実施例1〜9は耐熱性
が適切に付与され、半導体素子上の電極と外部リ
ードとの接合の高さを低く形成することができ、
封止樹脂によるワイヤフローの影響を無視するこ
とができ、且つ形成されるボール形状が良好であ
るため、信頼性のある接合ができる。 比較例1は、イツトリウム量が不足するため、
ループ高さが高く、封止樹脂の影響を受けてワイ
ヤフローを呈するので好ましくない。 比較例2は鉛量が不足するため、ループ高さが
高くなり、僅かながらワイヤフローを呈する。比
較例3は、カルシウム量が不足するため、比較例
2と同様の挙動を示す。比較例4、5、6は、イ
ツトリウム、鉛、カルシウムのそれぞれの含有量
が多いため、ボール形状に歪が生じ、電極上に良
好な形状で接合できないので好ましくない。 (効果) 以上、説明した如く、本発明にかかる金合金を
ボンデイング線として用いると、高温の引張特性
が優れ、接合のループ高さが低く形成でき、封止
樹脂注入によるワイヤフローもなく、高速自動ボ
ンダーに十分対応できると共に形成されるボール
形状も真球であるので、急速に普及しつつある薄
形パツケージ用ボンデイング線として信頼性よく
実用に供せられる利点がある。従つて産業上に寄
与する点が多大である。 【表】
Claims (1)
- 1 イツトリウム3〜120重量ppm、鉛3〜120重
量ppm、カルシウム1〜50重量ppmとを含有し、
残部が不可避不純物と金とから成ることを特徴と
する耐熱性に優れた金合金。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6220287A JPS63227733A (ja) | 1987-03-16 | 1987-03-16 | 耐熱性に優れた金合金 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6220287A JPS63227733A (ja) | 1987-03-16 | 1987-03-16 | 耐熱性に優れた金合金 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63227733A JPS63227733A (ja) | 1988-09-22 |
JPH0143824B2 true JPH0143824B2 (ja) | 1989-09-22 |
Family
ID=13193324
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6220287A Granted JPS63227733A (ja) | 1987-03-16 | 1987-03-16 | 耐熱性に優れた金合金 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS63227733A (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH02205641A (ja) * | 1989-01-31 | 1990-08-15 | Tatsuta Electric Wire & Cable Co Ltd | ボンディング用金合金細線 |
CN106298720B (zh) * | 2016-08-01 | 2019-05-14 | 江苏天康电子合成材料有限公司 | 一种封装键合用银合金丝及其制备方法 |
-
1987
- 1987-03-16 JP JP6220287A patent/JPS63227733A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63227733A (ja) | 1988-09-22 |
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