JPH0141989B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 (1) 発明の目的 （産業上の利用分野） この発明は静電複写機、同プリンタなどの画像
形成装置、とくにその圧力定着装置に関するもの
である。

（従来技術と解決すべき課題） 像担持体表面に形成された可転写トナー像を紙
などの転写材に静電的に転写する画像形成装置に
おいては、転写材に担持されたトナー像は、静電
気力によつて転写材に付着しているだけであるの
で、これを転写材に強固に定着固定する必要があ
り、このための定着手段として、従来から、トナ
ー像を担持する転写材を、互いに圧接する一対の
ローラの間を通過させ、そのさいに受ける圧力に
よつて、トナー像を転写材に固定する圧力定着装
置が提案実用されている。

第１図はこのような圧力定着装置の一例を示す
要部側面図であつて、紙面に垂直方向に延びてい
るローラ１１，２１は、それぞれの両端部を支持
部材１０，２０によつて回転自在に支持されてお
り（図にはその一方のみが示してある）、前記支
持部材１０，２０はその一方の端部が符号５０の
位置で枢着されており、他方の端部には両部材を
貫通する棒体３０と、これに配設したばね４０、
該棒体に形成したねじに螺着するナツト３１が配
設してあり、これによつて前記ローラ１１，２１
の圧接力を調整し得るようになつている。

不図示の転写部位においてトナー像を担持した
転写材は、矢印Ａ方向に進行して前記ローラ対の
圧接部に供給され、該部を通過するさいに受ける
圧力によつて、トナー像が転写材に強固に固定さ
れるものとする。

このような圧力定着装置は、公知の加熱方式の
定着手段に比して、熱源を使用しないので電力を
節約でき、過熱による危険がなく、また、定着装
置が使用可能になるまでの待時間が不要であるな
どの利点があるが、反面、トナーを転写材に機械
的な圧接力によつて固着させるためにはきわめて
強力な圧力を必要とするので、ローラ対、これら
を支持する部分が頑強な構成となつて重量が大き
くなり、また、ローラ対の圧接部に進入した転写
材がこれから排出されるときに、急激にローラが
当接するので衝撃音を発生したり、振動を発生し
て装置内の他の部分に悪影響をあたえたりするお
それを免れなかつた。

このような欠点を解消すべく、例えば、実開昭
50−132043号公報などに見るように、互いに圧接
する一対の定着ローラを備え、それらの間に転写
材を通過させるように構成した定着装置におい
て、カム、カムフオロアを利用し、転写材の定着
ローラ対に対する位置を検知して、定着後も直ち
には定着ローラ対が圧接せず、カムの回動に伴つ
て次第に両ローラが当接するようなものが提案さ
れている。

このような手段によつて、定着ローラの衝撃的
な当接を防止することは可能であるが、このため
の機構がきわめて複雑になつて、そのためのスペ
ース、コストいずれの点からみても好適とは云い
難く、しかも、カムを利用しているために、定着
ローラ対の当接、離隔が、使用するカムの形状に
よつて支配されて、敏速には遂行され難く、これ
を迅速に行なおうとすれば、カム形状に無理が生
じ、定着ローラ対の接離が急激にならざるを得
ず、所期の目的を事実上達成できない。

本発明はこのような事態に対処すべく成された
ものであつて、上述のような定着装置において、
転写材の通過によつても、振動や衝撃音の発生を
可及的に阻止して、装置内各部の損傷や画質の劣
化を生ずることなく、簡単な構成によつて、迅速
な作用が可能であり、常時安定した定着を遂行で
きるような定着装置を提供することを目的とする
ものである。

(2) 発明の構成 （課題を解決する技術手段、その作用） 上記の目的を達成するため、本発明は、圧接す
る一対のローラの間でトナー像に圧力を加えてこ
れを転写材に定着する圧力定着装置において、一
方の定着用ローラに、ローラ対が当接するさい
に、弾性力によつて緩衝作用を奏するクツシヨン
ローラを配設したことを特徴とするものである。

このように構成することによつて、転写材が、
圧力定着装置の圧接ローラ対から排出されるとき
に、該ローラ対が騒音、振動などを発生すること
を阻止して、安定的に良好な定着作用を奏するこ
とが可能となる。

（実施例の説明） 第２Ａ図は、第１図と同様の支持機構をそなえ
た圧力定着装置の、ローラ対部分のみを示すもの
で、ローラ１１，２１が軸１２，２２に軸支され
て回転し、両者の圧接部を、紙面に垂直方向に転
写材が通過して定着が実行されるものとする。

ローラ対の一方のローラ（図示のものにおいて
はローラ２１）の両端において、軸２２には、ゴ
ムなど適宜の弾性を備えた材料から成るクツシヨ
ンローラ２３，２４が取着してあり、軸１２の、
前記クツシヨンローラに対向する位置には、金
属、硬質プラスチツクなどからなる剛性ローラ１
３，１４が取着してある。

前記クツシヨンローラ２３，２４の自然状態に
おける直径はローラ２１のそれよりも若干大きく
なつており、両者の差異は、ローラ対を通過すべ
き転写材の厚みとほぼ同様に設定するのが好適で
あり、剛性ローラ１３，１４の直径はローラ１１
のそれと同様に構成してある。したがつて、クツ
シヨンローラ２３，２４と剛性ローラ１３，１４
とは、第２Ｂ図に示すように適宜のニツプを形成
して圧接している。

このように構成してあるから、両ローラ１１，
２１の間に転写材を進入させると、これらローラ
は第２Ｃ図に示すように、転写材の厚みにほぼ近
い間隔Ｄだけ離隔することになり、このとき、前
述のようにクツシヨンローラ２３等は転写材の厚
みに近く径が大きくなつているので、該ローラと
これに対向する剛性ローラ１３等との間隔ｄは、
きわめて小さい状態に維持されることになる。

ついで、転写材がローラ対１１，２１から排出
されると、これらローラはばね力Ｐによつて急激
に旧位に復しようとするが、クツシヨンローラ２
３，２４が剛性ローラ１３，１４とさきに接触し
て、クツシヨン作用を奏しながらローラ１１，２
１の衝撃的な接触を緩和して復帰するので騒音、
振動などの発生を防止することができる。

上記の装置においては、クツシヨンローラの径
を圧接用ローラ２１のそれよりも転写材の厚み程
度大きくしたが、両ローラの径の差異をこのよう
な値のみに限定する必要がないことはもちろんで
あり、圧接用ローラ対の圧接力、クツシヨンロー
ラの弾性などによつて適宜に設定することができ
る。

また、クツシヨンローラに対向する剛性ローラ
は、これを設けることなく、その厚みに相当する
分圧接用のローラの長さを延長しても良い。

第３Ａ図、第３Ｂ図は、クツシヨンローラを取
り付ける手段を示すもので、前者においては、内
輪２５にクツシヨンローラ２３を取着し、この内
輪２５を軸２２に装着するとともに、ねじ２６に
よつて固定するように構成してある。

また、後者にあつては、ローラ２１の両端外方
におねじを刻設した小径部２７を形成し、これに
クツシヨンローラを装着するとともに、その外方
からナツト２８で該ローラを固定して成るもので
ある。

このように、クツシヨンローラを着脱自在に取
着することによつて、摩耗、材料の劣化などの場
合、これを交換することができ、さらに、後者の
場合には、ナツトの締め具合によつて、クツシヨ
ンローラの外径を実質的に変化させて、衝撃、振
動などの阻止に最適な状態にこれを維持すること
ができる。

(3) 発明の効果 以上説明したように、本発明によるときは、画
像形成装置の圧力定着装置において、きわめて簡
単な構成によつて、転写材が通過するさいの衝撃
や振動の発生を有効に防止でき、騒音の発生、振
動による装置内各部の損傷や画質の劣化を阻止し
て良好な定着機能を維持し、作動が迅速で高速機
にも容易に適用可能で、良質の画像を得るのに資
するところが大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は公知の圧力定着装置の側面図、第２Ａ
図は本発明による定着装置のローラ対部分を示す
端面図、第２Ｂ図は同上側面図、第２Ｃ図はクツ
シヨンローラ対と圧接用のローラ対との間〓関係
を示す要部端面図、第３Ａ図、第３Ｂ図は圧接用
のローラの端部にクツシヨンローラを取着する態
様を示す要部断面図である。 １０，２０、……支持部材、１１，２１……圧
接用の定着ローラ、１３，１４……剛性ローラ、
２３，２４……クツシヨンローラ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 圧接する一対のローラの間でトナー像に圧力
   を加えてこれを転写材に定着する圧力定着装置に
   おいて、 一方の定着用ローラに、ローラ対が当接するさ
   いに、弾性力によつて緩衝作用を奏するクツシヨ
   ンローラを配設してなる圧力定着装置。 ２ クツシヨンローラの径が、これが配設される
   側の定着ローラの径よりも大きい特許請求の範囲
   第１項記載の圧力定着装置。 ３ クツシヨンローラが着脱自在である特許請求
   の範囲第１項または第２項のいずれか記載の圧力
   定着装置。