JPH0141875Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、一対のシリンダをクランク軸軸心
方向に沿つて前後直列状に配置するとともに、シ
リンダ列の横一側脇に給排気弁を配設し、シリン
ダ周囲の冷却水ジヤケツトとシリンダヘツドの冷
却水ジヤケツトとをシリンダ周囲に配置してある
連通孔群で連通接続してある水冷式２シリンダ側
弁型エンジンの冷却装置に関し、シリンダ周囲及
びシリンダヘツドへの合理的な冷却水流動によつ
て、両シリンダ及びシリンダヘツドの温度分布の
均一化を図り、両シリンダでの燃焼特性を安定維
持できるようにすることを目的とする。

以下、この考案の実施例を図面に基づいて説明
する。

図面は、クランク角を180゜に設定して一対の縦
形シリンダ１，２をクランク軸３の軸心方向に沿
つて前後直列に配置するとともに、シリンダ列の
横一側脇に２組の給排気弁４，５を配設した水冷
式２シリンダ側弁型エンジンを示し、図中の符号
６はクランクケース、７はシリンダヘツド、８，
９はピストン、１０，１１は点火プラグ、１２は
動弁用カム軸、１３はクランクケース上部の横一
側面に取付けた吸排気マニホールド、１４，１４
はこのマニホールド１３に接続された一対の気化
器、１５はこれら気化器１４，１４に共用のエヤ
ークリーナ、１６はマフラー、１７はクランク軸
後端に連結されたフライホイール、１８はクラン
ク軸前部に取付けられたカム軸駆動用ギヤ、１９
はクランクケース前面に取付けられたギヤケー
ス、２０はクランクケース前方に設けられたラジ
エータ、２１はクランク軸前端にベルト連動され
たラジエータフアン、２２はクランクケース後端
面に取付けたリヤエンドプレート、２３はこのプ
レート２２に取付けられたセルスタータである。

次に上記エンジンの冷却装置について説明す
る。

シリンダ１，２の周囲及び給排気ポート２４，
２５の周囲には互いに連通する冷却水ジヤケツト
２６が形成されるとともに、シリンダヘツド７の
内部にも冷却水ジヤケツト２７が形成され、クラ
ンクケース上端面には第４図に示すように、シリ
ンダ側冷却水ジヤケツト２６とヘツド側冷却水ジ
ヤケツト２７を連通する連通孔２８群が両シリン
ダ１，２をとり囲んで適当に配置されている。

尚、シリンダ側冷却水ジヤケツト２６は、ギヤ
ケース１９の壁面内に形成されたジヤケツト２９
に連通接続されていて、ギヤケース１９内で発生
するギヤ咬合音のケース外への伝播を抑制してい
る。

そして、クランクケース６の給排気弁設置側と
反対側となる横側面の前端近くには、前側シリン
ダ１の冷却水ジヤケツト２６部分の下部に連通す
る冷却水流入口３０が設けられ、この流入口３０
がラジエータ２０のロアタンクに配管流路３１で
接続されている。

又、シリンダヘツド７の後部上面で、後側シリ
ンダ２の真上位置に、冷却水排出口３２が設けら
れ、この排出口３２とラジエータ２０のアツパー
タンクとが配管流路３３で接続されている。

更に、第１図中に示すように、給排気ポート２
４，２５の周囲の冷却水ジヤケツト２６が、マニ
ホールド１３の内部に形成したジヤケツト３４に
連通接続されている。

本考案の冷却装置は以上のように構成されたも
のであつて、冷却水流入口３０からシリンダ側ジ
ヤケツト２６の前端に入つた冷却水の一部は前側
シリンダ１の前側を通つてこれの給排気弁４，５
周囲に流動し、一部は前側シリンダ１の横一側を
通つて後方に流れ、又、他の一部は前側シリンダ
１に近い連通孔２８を通つてヘツド側ジヤケツト
２７へも流入する。

そして、前側シリンダ１及びこれの給排気弁
４，５周囲を冷却した冷却水は引続き後側シリン
ダ２の周囲及びこれの給排気弁４，５周囲に流動
するとともに、後側の連通孔２８を通つて上部ジ
ヤケツト２７に流入してゆく。

又、給排気弁４，５周囲に流動した冷却水は、
マニホールド１３のジヤケツト３４にも流れ込ん
で、排気熱によるマニホールド１３の過熱を抑制
する。

そして、前後シリンダ１，２の周囲及び給排気
弁４，５群の周囲、並びにマニホールド１３を冷
却した冷却水はヘツド側ジヤケツト２７に流動し
て燃焼室周囲及び点火プラグ取付部周囲を冷却し
たのち排出口３２からラジエータ２０に送り出さ
れてゆくのである。

以上の説明から明らかなように、この考案に係
る水冷式２シリンダ側弁型エンジンの冷却装置に
よれば、クランクケース横一側面の前端近くに設
けた冷却水流入口から導入した冷却水の一部を、
前側のシリンダ及びこれの給排気弁周囲に流動さ
せつつ、他の一部を後側シリンダ周囲に導き、か
つ、この後側シリンダの真上位置にあるシリンダ
ヘツド上面に設けた排出口への流動によつてシリ
ンダ側ジヤケツト内の冷却水及びヘツド側ジヤケ
ツトの冷却水を全体的に前部から後方に流すこと
ができ、その結果として、前後シリンダのみなら
ず、これらの側脇に設けた吸排気弁周囲にも冷却
水を良好に流動させて、シリンダ及びヘツドの温
度分布を比較的に均一に保つことが可能となつ
た。

特に、後側シリンダの真上位置にあるシリンダ
ヘツド上面に冷却水排出口を設けたので、冷却水
排出口に流入する冷却水により、後側シリンダの
上側で冷却水がたえず流動することになり、後側
シリンダを強力に冷却できる。従つて、新鮮な冷
却水で冷却される前側シリンダと後側シリンダと
の温度分布を十分均一に保つことができる。

つまり、水冷式２シリンダ側弁型エンジンにお
いて、前後直列状のシリンダ配列及び給排気弁設
置位置に対して冷却水流入口及びシリンダヘツド
側の冷却水排出口を合理的に設置した結果、両シ
リンダの燃焼特性の均一安定化を図ることができ
たのである。

尚、実施例で示したように、給排気兼用型のマ
ニホールドを利用する場合に、給排気ポート周囲
の冷却水ジヤケツトに連通するジヤケツトをマニ
ホールドに形成すれば、マニホールド温度が安定
し、混合気温度の変動が少くなつて燃焼が一層安
定する効果が期待できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は水冷式２シリンダ側弁型エンジンの全
体を示す一部切欠き平面図、第２図はエンジン本
体の縦断側面図、第３図はエンジン本体の縦断正
面図、第４図はクランクケース上端の平面図であ
る。 １，２……シリンダ、４……給気弁、５……排
気弁、６……クランクケース、７……シリンダヘ
ツド、２６……シリンダ側冷却水ジヤケツト、２
７……ヘツド側冷却水ジヤケツト、２８……連通
孔、３０……冷却水流入口、３２……冷却水排出
口。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 一対のシリンダ１，２をクランク軸軸心方向に
   沿つて前後直列状に配置するとともに、シリンダ
   列の横一側脇に給排気弁４，５を配設し、 シリンダ周囲の冷却水ジヤケツト２６とシリン
   ダヘツド７の冷却水ジヤケツト２７とをシリンダ
   周囲に配置してある連通孔２８群で連通接続して
   ある水冷式２シリンダ側弁型エンジンにおいて、 給排気弁設置側と反対側となるクランクケース
   ６横側面の前端近くに、シリンダ冷却水ジヤケツ
   ト２６の下部に連通する冷却水流入口３０を設け
   るとともに、後側シリンダ２の真上位置にあるシ
   リンダヘツド７上面に冷却水排出口３２を設けて
   ある水冷式２シリンダ側弁型エンジンの冷却装
   置。