JPH0141783Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は土留擁壁或は護岸擁壁等の擁壁を施工
するのに用いて有用なコンクリート積ブロツクに
関するものである。

［従来の技術］ 土留擁壁或は護岸擁壁等には現場打ちのコンク
リート擁壁や玉石、間知石、雑割石等の天然石を
用いた石積擁壁、或は小型のコンクリート積ブロ
ツクを用いたブロツク擁壁等が施工されている。

［考案が解決しようとする問題点］ 而して、上記擁壁等の施工に際しては、現場に
おける築畳作業はすべて手作業によつて行われて
いるが、最近頓に現場作業員が高齢化して作業能
率が低下する傾向を示しているという問題点があ
る。

［問題点を解決するための手段］ 本考案は上記の問題点を解決するため、擁壁の
施工が容易で然も完成した擁壁が擁壁として効用
の高いものとなる大型のコンクリート積ブロツク
を提供することを目的としてなされたもので、そ
の構成は、矩形判状の鏡部の上縁に、二股状で先
端部を折曲した吊鉄筋を係止する鍵型係止部を、
その両端部付近にそれぞれ１箇所、中央部付近に
２箇所凹設し、該鏡部の横手方向両側から４分の
１の点の背面にそれぞれ後端を拡大部に形成した
矩形版状の控材を突設すると共に控材の前記拡大
部の背面から複数個の平面□状の係止溝を鏡部の
上縁に平行に且つ左右同位置に設け、前記控材の
背面にネツト等を係止するフツクを適宜数設ける
一方、該控材の上に突部を、下面に前記突部に嵌
合する凹部をそれぞれ設けて成ることを特徴とす
るものである。

［作用］ 即ち、本考案はブロツクを大型に形成し、これ
を擁壁の施工に用いた場合、施工が容易であるば
かりでなく、適宜横鉄筋、縦鉄筋、吊鉄筋を配す
ることが出来、完成した擁壁が強固のものとなる
ようにしたものである。

［実施例］ 次に本考案の実施例を図に拠り説明する。

Ａは本考案コンクリート積ブロツクの一例で、
鏡部１は矩形版状をなし、その上縁２の裏側寄り
に、二股状で先端部を折曲した吊鉄筋Ｃの先端部
を嵌合係止する円形小孔３ａとこれに連通し前記
吊鉄筋Ｃ腕部の厚みと同深の断面半円形の溝３ｂ
とから成る鍵型係止部３を、両端部近傍にそれぞ
れ１箇所、中央部に２箇所凹設し、また、鏡部１
の横手方向両端からそれぞれ４分の１の位置から
後端を拡大背部４ａに形成した矩形版状の控材
４，４を突設すると共に、前記背部４ａにその背
面から複数の平面□状で控材４を横に貫通する段
溝５ａを形成した係止溝５を前記上縁２に平行に
且つ左右の控材４，４の同位置に穿設し、背部４
ａの背面には係止用のフツク６を二列に複数個植
設する一方、左右の控材４，４の上端で鏡部１と
の接合部付近に突部７を設け、また、控材４，４
の下端には前記突部７に嵌合する凹部８を設けて
構成され、全体として恰も下駄状をなすものであ
り、その大きさは、例えば、鏡部１は縦800mm、
横1250mm、厚さ120mmの矩形状で、控材４の奥行
は230mmとする。

尚、Ｂは前記ブロツクＡを縦半切したものであ
り、このブロツクＢにおいて控材４は鏡部１の背
部中央に位置し、また、鍵型係止部３は上縁２の
両端から同距離離隔したところに設けられてい
る。

従つて、ブロツクＡの上縁２の中央部に２箇所
設けられる鍵型係止部３，３の間隔は両端部に設
けられるそれの端部からの距離の２倍になるよう
にするものとする。

次に本考案ブロツクを用いて擁壁を施工する例
について説明する。

現場施工に際しては、予めコンクリートにより
形成した基礎２１の上に所要の法勾配に合わせて
ブロツクＡをその鏡部１を表にした状態で第１段
目をＡ１１，Ａ１２，Ａ１３…と順次配設し、横
鉄筋２２を控材４の背面から係止溝５に嵌め込む
と共に段溝５ａに係止させ、縦鉄筋２３の下端を
基礎２１に埋設すると共に該縦鉄筋２３を横鉄筋
２２の裏側に配し、その後からブロツクＡ１ｉの
上縁２の鍵型係止部３に吊鉄筋Ｃを係止して、該
吊鉄筋Ｃにより縦鉄筋２３を支持させる。

次いで、鉄線製又は合成樹脂製等でブロツクＡ
の短辺長と同幅の網２４を連続する控材４の背面
のフツク６に係止した後、網２４の裏側に裏込栗
石２５を充填し、更に、鏡部１の背面と控材４，
４及び網２４で囲まれた空洞部２６に生コンクリ
ート２７を充填して第１段目の施工を終了する。

而して、第２段目は、ブロツクＡ２１はブロツ
クＡ１１とＡ１２に均等に跨がらせて配すること
により、ブロツクＡ２１の控在４，４の下端の凹
部８，８をそれらに対応するブロツクＡ１１とＡ
１２の控材４，４の突部に嵌合載置する。このよ
うにしてブロツクＡ２２，Ａ２３…を第１段目の
ブロツクＡ上に順次載置した後、横鉄筋２２を縦
鉄筋２３をかわして係止溝５から嵌め込んで段溝
５ａに係止させ、前記と同様に吊鉄筋Ｃをブロツ
クＡ２ｉの上縁２の鍵型係止部３に係止して縦鉄
筋２３を支持させる。後は第１段目と同様にして
網２４をフツク６に係止し、裏込栗石２５を充填
し、空洞部２６に生コンクリート２７を充填す
る。

以下、同様に第３段目、第４段目と築畳するこ
とにより、布積で大型な鉄筋補強されたコンクリ
ート積ブロツク擁壁が形成されるのである。

尚、ブロツクＢは、上記積ブロツク擁壁が布積
であるため、その端末に１段置きに該ブロツクＢ
分だけの凹部が形成されるので、該凹部を処理す
るためのものである。

［効果］ 本考案ブロツクを用いて構築される擁壁は上述
の通りであるが、ブロツクの構造が前述の通り、
矩形判状の鏡部の上縁に、二股状で先端部を屈曲
した吊鉄筋を係止する鍵型係止部を、その両端部
付近にそれぞれ１箇所、中央部付近に２箇所凹設
し、該鏡部の横手方向両側から４分の１の点の背
面にそれぞれ後端を拡大部に形成した版状の控材
を突設すると共に控材の前記拡大部の背面から複
数個の平面□状の係止溝を鏡部の上縁に平行に且
つ左右同位置に設け、前記控材の背面にネツト等
を係止するフツクを適宜数設ける一方、該控材の
上面に突部を、下面に前記突部に嵌合する凹部を
設けて成るものであるから、大型のブロツクに形
成でき、従つてこれを用いて擁壁を施工する際、
横鉄筋を係止溝に係止させて横設できると共に縦
鉄筋を吊鉄筋により支持することができるので、
設計の条件に応じた補強が可能であるばかりでな
く、上下のずれのない布積が可能であり、然も背
面に網を係止できるので、裏込栗石の充填区切が
でき、胴込コンクリートと栗石との接着が良好と
なつて、擁壁背面の摩擦抵抗を増大せしめ、安定
した強固な大型のコンクリート積ブロツク擁壁を
容易且つ経済的に構築することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案ブロツクの一例の前側からの斜
視図、第２図は同後側からの斜視図、第３図は側
面図、第４図は本考案ブロツクを用いて擁壁を構
築する際に使用する補助のブロツクの斜視図、第
５図は吊鉄筋の斜視図、第６図は本考案ブロツク
を用いて擁壁を構築している状態の斜視図、第７
図は擁壁の側面図である。 Ａ…ブロツク、１…鏡部、２…上縁、３…鍵型
係止部、４…控材、５…係止溝、６…フツク、７
…突部、８…凹部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 矩形判状の鏡部の上縁に、二股状で先端部を折
   曲した吊鉄筋を係止する鍵型係止部を、その両端
   部付近にそれぞれ１箇所、中央部付近に２箇所凹
   設し、該鏡部の横手方向両側から４分の１の点の
   背面にそれぞれ後端を拡大部に形成した矩形版状
   の控材を突設すると共に控材の前記拡大部の背面
   から複数個の平面□状の係止溝を鏡部の上縁に平
   行に且つ左右同位置に設け、前記控材の背面にネ
   ツト等を係止するフツクを適宜数設ける一方、該
   控材の上面に突部を、下面に前記突部に嵌合する
   凹部をそれぞれ設けて成ることを特徴とするコン
   クリート積ブロツク。