JPH0141709Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、感光シート等のシート状の搬送物を
搬送するための装置に関するもので、さらに詳し
くは、その搬送過程において搬送物がジヤミング
などを生じた場合に、これを簡単に修復すること
ができるようになつている感光シート搬送装置に
関するものである。

〔従来の技術〕

例えば、写真画像を原稿として、これを印刷用
の網点画像に変換するめのスキヤナは、写真画像
から読み取られた画像出力信号に応じて変調され
たレーザビームにより、感光シートに走査記録を
行つてゆくための装置である。従つてスキヤナか
らは、レーザビームにより記録された感光シート
が順次送り出されてくるが、こうして得られた記
録済みの感光シートには、次に現像処理が必要と
される。

ところで、最近では、上記したスキヤナと自動
現像処理装置（以下、自現機という）とを結合し
てシステム化し、その処理能力を向上させる試み
がなされたきている。この場合、スキヤナにより
記録された感光シートを、自現機まで搬送するた
めの搬送装置が必要とされるが、一般に、感光シ
ートは、スキヤナの遮光性のマガジン内に、連続
シートとして巻かれて収納されているため、例え
記録後に画面ごとに切断したとしても、感光シー
トはカールする習性をもつている。従つて、この
ような感光シートを自現機まで確実に搬送するた
めに、感光シートを両面から挟むようにして搬送
するように、搬送面が互いに密接された一対の搬
送ベルトを用いた搬送装置が利用されている。

しかし、このような搬送装置においては、前記
一対の搬送ベルトが密接して設けられているた
め、感光シートの搬送過程でジヤミングが生じた
場合にこれを取り除くことが非常に困難である。
従つて、これまでは、ジヤミングの修復に手間取
つており、その間にはスキヤナの作動も停止させ
ておかなくてはならないことから、搬送装置にジ
ヤミングが発生すると、極端に処理能力が低下し
てしまうという欠点があつた。

〔考案の目的〕

本考案は、上述の従来技術に鑑みてなされたも
ので、シート状の搬送物がその搬送過程において
ジヤミングを発生した場合に、これを短時間で簡
単に修復できるようにした感光シート搬送装置を
提供することを目的としている。

〔考案の構成〕 本考案は上記目的を達成するために、搬送面を
互いに接近、対向させた上下の搬送ベルト間に感
光シートを挟持して搬送するにあたり、上下いず
れかの搬送ベルトを搬送方向に分割して第１、第
２搬送ベルトとして構成し、これらの第１、第２
搬送ベルトが互いに連絡される側では、第１、第
２搬送ベルトを基板に対して着脱される従動ロー
ラに巻き掛けておき、これらの従動ローラの回転
軸間に巻き掛けたリング状コイルバネを取り外し
たときには、第１、第２搬送ベルトのそれぞれを
各々の従動ローラごと開放することができるよう
に構成したものである。

〔実施例の構成〕

第２図に示したように、本考案の搬送装置１
は、スキヤナ２に結合して利用される。スキヤナ
２は、周知のように、送りローラ３〜７、および
パルスモータ８によつて駆動される回転ドラム９
等を備え、これらによつて送られる連続した感光
シート１０に、レーザビーム１１で露光を与えな
がら記録を行つてゆく。記録済みの感光シート１
０は、排出口１２を経て搬送装置１に送り込ま
れ、搬送装置１により自現機１５まで搬送される
ことになる。なお、図中の符号１３は、記録済み
の感光シート１０を所定長に切断するためのカツ
タを、また符号１４は感光シート１０の切断部を
検出する検出器を示している。

搬送装置１は、第１図に示すように、記録済み
の感光シート１０を受け入れる開口２１を有する
導入ユニツト２０と、搬送ユニツト２５とからな
る。前記導入ユニツト２０は、搬送ユニツト２５
に対して着脱可能になつており、開口２１から送
り込まれた感光シート１０を、後述する搬送ベル
トまで所定の径路に従つて案内するためのガイド
板およびローラ（いずれも図示省略）等を内蔵し
ている。

搬送ユニツト２５の外装２６には、その上面に
開口２７、後部に排出口２８が設けられ、通常の
使用状態には、開口２７は取り外し自在の蓋２９
によつて光密に遮蔽されている。また、排出口２
８は、自現機１５に密着され、搬送ユニツト２５
は導入ユニツト２０に密着して使用されるので、
この搬送装置１は、明室での使用が可能となつて
いる。

外装２６に固定されている基板３０には、下側
搬送ベルト３２を駆動するための駆動ローラ３３
と、第１上側搬送ベルト３４を駆動するための駆
動ローラ３５、そして第２上側搬送ベルト３６を
駆動するための駆動ローラ３７が、それぞれ回転
自在に支持されている。さらに、基板３０には、
第１、第２の上側搬送ベルト３４，３６のそれぞ
れの従動ローラ３８，３９、そして下側搬送ベル
ト３２の従動ローラ４０〜４４が、回転自在に取
り付けられている。また、モータ４６によつて駆
動される駆動ローラ３３と第１上側搬送ベルト３
４の駆動ローラ３５、そして従動ローラ４４と第
２上側搬送ベルト３６の駆動ローラ３７とは、そ
れぞれ回転比が１対１となるようにギヤ結合され
ている。

第１、第２の上側搬送ベルト３４，３６のそれ
ぞれの従動ローラ３８，３９は、基板３０に形成
されているＬ字状のスロツト４７，４８にはめ込
まれており、リング状に形成されたコイルばね４
９が、それぞれのローラ回転軸に掛けられること
によつて、図示の使用状態に維持されている。な
お、このコイルばね４９は、従動ローラ３８，３
９の両端側に設けられている。

第１、第２の上側搬送ベルト３４，３６のそれ
ぞれの下面は、下側搬送ベルト３２の上面と密着
状態になつている。そして、導入ユニツト２０か
ら送り込まれた感光シート１０は、その間に挟持
されて搬送されるようになつている。なお、それ
ぞれの搬送ベルト３２，３４，３６は、例えばポ
リエチレン製フイルムシートで作成され、また各
ローラ３３，３５，３７，３８，３９，４０〜４
４は、フエノール樹脂等によつて作成されてい
る。また、コイルばね５０は、従動ローラ４２に
適正なテンシヨンを与え、特に下側搬送ベルト３
２の上面が極端に下がることを防いでいる。

〔実施例の作用〕

上記構成をもつ搬送装置１の作用は、以下の通
りである。まず、スキヤナ２の排出口１２と開口
２１とが合致するように、搬送装置１の導入ユニ
ツト２０が、所定の位置決めおよびロツク機構を
介してスキヤナ２に固定される。その後、この導
入ユニツト２０に対して搬送ユニツト２５が固定
され、また搬送ユニツト２５の排出口２８と自現
機１５の入り口とが整合される。勿論、搬送ユニ
ツト２５の開口２７は、蓋２９によつて覆われて
いる。

こうして、スキヤナ２が記録動作を開始する
と、これに連動してモータ４６が駆動される。モ
ータ４６の駆動により、下側搬送ベルト３２は駆
動ローラ３３によつて搬送駆動され、従動ローラ
４４がこれに従動して回転する。また、第１上側
搬送ベルト３４は、駆動ローラ３３とギヤ結合し
ている駆動ローラ３５によつて搬送駆動され、第
２上側搬送ベルト３６は、従動ローラ４４とギヤ
結合している駆動ローラ３７によつて駆動され
る。各搬送ベルト３２，３４，３６の搬送速度と
しては、約8.6mm／秒速度で、スキヤナ２におけ
る感光シートの送り速度1.7mm／秒（記録動作時）
とは異なつているが、前記したように、搬送ベル
トがポリエチレンシート製であり、感光シート搬
送ベルトの搬送面、あるいは搬送ベルトと各ロー
ラの表面とが適当にスリツプするので支障はな
い。

感光シート１０が第１上側搬送ベルト３４と下
側搬送ベルト３２との間に送り込まれ、この間を
搬送されてゆく過程で、ジヤミングを発生した場
合には、搬送ユニツト２５の外装２６上面の蓋２
９を開放する。そして、第１、第２の上側搬送ベ
ルト３４，３６の従動ローラ３８，３９の軸に掛
けられているリング状のコイルばね４９を取り外
す。この結果、従動ローラ３８，３９のそれぞれ
を第１及び第２の上側搬送ベルト３４，３６とと
もにスロツト４７，４８から取り外しできるよう
になり、第３図に示したように下側搬送ベルト３
２の上面、すなち搬送面を露出させることが可能
となり、ジヤミングを起こしている感光シートを
容易に取り除けるようになるものである。この場
合、駆動ローラ３と駆動ローラ３５、および従動
ローラ４４ト駆動ローラ３７との結合は、結合状
態を維持しているので、ジヤミングの除去処理を
行つた後は、従動ローラ３８，３９をもとの搬送
位置に戻して、コイルばね４９をはめれば、すぐ
に使用状態に復元できることになる。なお、上記
実施例においては、上側の搬送ベルトを第１と第
２の搬送ベルトで構成してあるが、下側の搬送ベ
ルトを同じように２つの搬送ベルトで構成しても
同様な機能が得られる。

〔考案の効果〕

以上にのべたように、本考案によれば、密接さ
れている搬送ベルトの一側を互いに接続された第
１と第２の搬送ベルトで構成し、これらの搬送ベ
ルトのそれぞれを搬送位置から取り外しできるよ
うにしたので搬送ベルト間でシート状の搬送物が
ジヤミングを生じたとしても、これを簡単に排除
できるようになる。従つて、従来のようにジヤミ
ング処理に時間を浪費することがなくなり、搬送
効率を極端に低下させることがない。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例の斜視図である。
第２図は、本考案を適用した搬送装置をスキヤナ
に結合して使用する状態の概念図である。第３図
は、第１図に示した実施例において、搬送ベルト
を搬送位置から取り外した状態を示す要部側面図
である。 １…搬送装置、２…スキヤナ、１１５…自動現
像機、２０…導入ユニツト、２５…搬送ユニツ
ト、２９…蓋、３０…基板、３２…下側搬送ベル
ト、３３…駆動ローラ、３４…上側搬送ベルト、
３５…駆動ローラ、３６…上側搬送ベルト、３
８，３９…従動ローラ、４０〜４４…従動ロー
ラ、４６…モータ、４９…コイルばね。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 搬送面を互いに接近、対向させた上側搬送ベル
   トと下側搬送ベルトとを備え、受入側から挿入さ
   れた感光シートをこれらのベルト間に挟持して遮
   光状態で排出側まで搬送する感光シート搬送装置
   において、 前記搬送ベルトの少なくともいずれかを搬送方
   向に分割して受入側の第１搬送ベルトと排出側の
   第２搬送ベルトで構成し、第１搬送ベルトの受入
   側及び第２搬送ベルトの排出側を基板に回転自在
   に保持された各々の駆動ローラに巻き掛けるとと
   もに、第１搬送ベルトの排出側及び第２搬送ベル
   トの受入側を基板に回転自在かつ取り外し自在に
   支持された各々の従動ローラに巻き掛け、これら
   の従動ローラの回転軸相互間には取り外し自在の
   リング状コイルバネを巻き掛けたことを特徴とす
   る感光シート搬送装置。