JPH0141533Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、プリント基板の反り矯正装置に関
し、更に詳しくは、プリント基板を一定方向に移
送させながら、その下面に突出しているリード線
を高速回転している円板状カツターにて切断する
リード線切断装置に付設して、プリント基板の下
方向への反りを矯正する装置と併用し、プリント
基板の上方向への反りを矯正する装置に関するも
のである。

〔従来の技術〕

プリント基板に取り付けた電子部品のリード線
を切断するには、プリント基板を一定方向に移送
させながら、その下面に突出しているリード線を
高速回転している円板状カツターにて切断するの
が一般的である。

ところで、この場合において、移送されてきた
プリント基板が下向きに反つている場合には、高
価なプリント基板自体をカツターで切断し、ある
いはプリント基板に損傷を生ぜしめるという問題
点があつた。

そこで、この問題点を解決するため、例えば実
公昭58−7660号公報や特開昭53−20568号公報に
開示の装置が提案されている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、前記いずれの装置もプリント基板の下
方向への反りを矯正するには効果を有するも、プ
リント基板の上方向への反り矯正効果は期待でき
ないものである。

周知のように、リード線の切断は1/100mmを争
う寸法の正確さが要求されており、リード線切断
面が均一にして安定していなければ接触不良を生
じて高品質の製品を得ることができないものであ
る。

本考案は、プリント基板の下方向への反り矯正
装置と併用してプリント基板の上方向への反りを
矯正し、以つて、プリント基板のリード線を寸法
正確にして、かつ均一に切断し、高品質の製品を
得るようにしたものである。

〔問題点を解決するための手段〕

この目的のため、本考案は、プリント基板Ｐを
一定方向に移送させながら、その下面に突出して
いるリード線を高速回転している円板状カツター
にて切断するリード線切断装置に付設して、前記
プリント基板Ｐの下方向への反り矯正装置３０と
併用してプリント基板Ｐの上方向への反りを矯正
する装置であつて、前記リード線切断装置に取り
外し可能として取り付けられる支柱１１と、該支
柱１１の上部に支柱１１と直交状に回動可能とし
て連結された腕杆１５と、該腕杆１５の先端部に
垂下固着された軸杆１６と、該軸杆１６にその中
心を回転自在として軸支され、かつその外周端面
のＵ溝１９内には弾性力を有する樹脂環２０が巻
着された反り矯正円板１７と、該反り矯正円板１
７のプリント基板Ｐに対する押圧力を一定ならし
めるため、前記腕杆１５との直交杆２２に移動可
能として挿着された重錘２３とを具備した構成を
特徴とするものである。

〔作用〕

本案装置１０は第１図に示すように、リード線
切断装置における一方のガイドレール４０に対す
る挟持体１２の取着と螺子杆１３の先端抑支板１
４との圧着によつて固定し、かつ直交杆２２を腕
杆１５と直交水平状態となしてリード線カツター
に近接した所定の部位に装置する。

この状態において、プリント基板Ｐが自動移送
されてくると、プリント基板Ｐは、その下面両端
部位が下側の反り矯正装置３０のニードル３２の
先端によつて押圧されると共に、上面移送方向の
略中央部位が薄い反り矯正円板１７の外周端面に
よつて押圧され、プリント基板Ｐはその上下方向
への反りが確実に矯正されて水平状態を保持しな
がら、かつ円板１７とニードル３２とを回転させ
ながら移送され、これら装置１０，３０との近接
部位において高速回転している円板状カツターに
よつて下面に突出しているリード線が寸法正確に
して、かつ均一に切断される。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図は本考案の一実施例を示す正面図、第２
図は側面図である。

本案装置１０は、第１図に示すように、リード
線切断装置における円板状カツター（図示しな
い）に近接させて配設されているプリント基板Ｐ
の下方向への反り矯正装置３０と併用して、プリ
ント基板Ｐの略中央部位を上方より押えて上方向
への反りを矯正し、上下に全く反りのない水平な
状態にてリード線の切断を寸法正確にして、かつ
均一に行うようにしたものである。

なお、第１図に例示した下側の反り矯正装置３
０は、ニードルホルダー３１の両端に多数本のニ
ードル３２を植設して、該ニードルホルダー３１
を軸３３を介して一対の軸受３４間に回転自在に
軸支し、ニードル３２の先端にて下方向への反り
を押圧矯正する公知の装置であるため、詳しい説
明は省略する。

本案装置１０は大別して支柱、腕杆、軸杆、反
り矯正円板及び重錘を有している。

支柱１１は所定の高さを有する帯状板であつ
て、その下部面にはコ字形挟持体１２が溶接等に
て固着されると共に、挟持体１２には、抑支板１
４を有する螺子杆１３が縦設され、挟持体１２を
リード線切断装置におけるガイドレール４０に取
着して、螺子杆１３の先端抑支板１４によつて固
定するようになつている。

支柱１１の最上部には所定の長さを有する腕杆
１５が、その一端部を支柱外方（挟持体１２の反
対側）にやや突出させて直交状に、かつ回動可能
として水平に連結されると共に、支柱内方に長く
延びている腕杆１５の他端部には、所定の長さを
有する軸杆１６の一端部が支柱１１と平行に垂下
固着され、軸杆１６の自由端には、所定の口径を
有する薄い反り矯正円板１７がその中心軸１８に
て回転自在として軸支されている。

円板１７は第１図に示すように、移送されてく
るプリント基板Ｐの移送方向の略中央部位を上方
より押圧して反りを矯正するもので、その外周端
のＵ溝１９内には、第３図に示すように、弾力性
を有する樹脂環２０が巻着されてプリント基板Ｐ
を損傷等しないように考慮されている。

また、支柱１１より外方に突出している腕杆部
にはスリーブ２１が固着され、このスリーブ２１
には、重錘２３を移動可能として挿着している直
交杆２２が、第４図に示すように、その一端螺子
部の螺着をもつて水平に連結され、該腕杆１５と
直交状に水平に連結された直交杆２２の重錘２３
によつて、矯正円板１７のプリント基板Ｐに対す
る押圧力がバランスされて常に一定の押圧力にな
るようになつており、また重錘２３を第２図に示
す実線矢印方向に移動させて矯正円板１７のプリ
ント基板Ｐに対する押圧力を可変調整できるよう
になつている。

なお、矯正円板１７のプリント基板Ｐに対する
押圧力のバランスは重錘２３に代え、特に図示し
ないが、支柱１１と直交杆２２の間にスプリング
を張設して、該スプリングの作用によつてバラン
スを保持するように構成することも可能である。

〔考案の効果〕

しかして、本考案によれば、プリント基板Ｐの
上下方向への反りは確実に矯正されて水平状態を
保持するため、従来のようなプリント基板の切断
や損傷等の問題点は除去されると共に、プリント
基板のリード線は常に寸法正確にして、かつ均一
に切断される結果、切断面が安定していて接触不
良を生じることがない高品質の製品を得ることが
できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す正面図、第２
図は側面図、第３図は中間省略の反り矯正円板の
拡大断面図、第４図はスリーブに対する直交杆の
螺着状態を示す説明図である。 １１……支柱、１５……腕杆、１６……軸杆、
１７……反り矯正円板、１９……Ｕ溝、２０……
樹脂環、２２……直交杆、２３……重錘、３０…
…下側の反り矯正装置、Ｐ……プリント基板。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ プリント基板を一定方向に移送させながら、
   その下面に突出しているリード線を高速回転の
   円板状カツターにて切断するリード線切断装置
   に付設して、前記プリント基板の下方向への反
   り矯正装置と併用してプリント基板の上方向へ
   の反りを矯正する装置であつて、前記リード線
   切断装置に取り外し可能として取り付けられる
   支柱と、該支柱の上部に支柱と直交状に回動可
   能として連結された腕杆と、該腕杆の先端部に
   垂下固着された軸杆と、該軸杆にその中心を回
   転自在として軸支された反り矯正円板と、該反
   り矯正円板のプリント基板に対する押圧力を一
   定ならしめるため、前記腕杆との直交杆に移動
   可能として挿着された重錘とを具備して成るプ
   リント基板の反り矯正装置。 ２ 前記反り矯正円板の外周端面のＵ溝内に弾性
   力を有する樹脂環が巻着されている実用新案登
   録請求の範囲第１項記載のプリント基板の反り
   矯正装置。