JPH0140284Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、制御スイツチによる制御によつて自
動車の電源（バツテリ、又は発電機）より通電さ
れる大電力及び小電力機器群を有する電力制御分
配システムを備えた自動車に関するものである。

従来の技術 一般に、従来のこの種制御分配システムは、各
種機器を自動車の電源部に個々に接続する多数の
電力供給リード線よりなり、各々の供給リード線
の導体の断面積は、対応する機器の電力定格に関
係している。上記電力供給リードへの通電は、自
動車の計器盤上に設けた制御スイツチにより制御
される。上記従来のこの種制御分配システムにあ
つては、多数本の供給リード線を必要とするの
で、多くの場合、特に乗客輸送用のバス等におい
ては、供給リード線は相当な長さとなる。従つ
て、この種システムは複雑高価となり、その設置
には長時間の複雑な肯定を必要とする。上述の如
き製造及び設置に要する費用を低減する為に、最
近、使用される供給リード線の全長を減じる様に
構成した電力制御分配システムが種々採用されて
いる。しかしながら、この種公知のシステムで
は、単一の太い心線導体を用いた供給ケーブル
を、電源から、自動車の共通部位に互に隣接して
配置した電気機器の各群へ配線し、上記各種電気
機器の供給ケーブルへの接続を多数の短い制御用
リード線により行うものであるので、製造コスト
の低減、設置の簡素化の点で未だ種々問題があ
る。

考案の目的 本考案は、上記従来の電力制御分配システムの
欠点に鑑みてなされたものであつて、必要とされ
る大断面積導体の長さを減じることにより製造コ
ストを低減すると共に、設置時の大巾な簡素化を
計り、運転時には一層の信頼性と安全性が得られ
る自動車用電力制御分配システムを備えた自動車
を提供することをその目的とするものである。

考案の構成および作用効果 すなわち、本考案は、制御スイツチの制御のも
とに、自動車の電源から通電される大電力及び小
電力の電気機器類を有する電力制御分配システム
を設けた自動車にして、自動車の電源から電気的
に通電されると共に、自動車の機能の各単位毎に
付設した論理回路を持つマイクロプロセツサから
なる電子処理ユニツトと、該電子処理ユニツトを
制御スイツチに接続する第１制御リード線と、上
記制御スイツチに応じて励磁するように上記電子
処理ユニツトを小電力機器類のそれぞれに接続す
る第１供給リード線と、上記電源に接続した分配
ユニツトと、該分配ユニツトを上記電子処理ユニ
ツトに接続する少なくとも１つの第２制御リード
線と、上記分配ユニツトを大電力機器類の夫々に
接続する第２供給リード線とよりなり、上記分配
ユニツトは上記電源を上記第２供給リード線の対
応線を介して大電力機器類の夫々に接続するよう
に上記電子処理ユニツトと第２制御リード線また
は該線群を介して上記制御スイツチの制御の下で
動作する多数の作動部を設けたことを特徴とする
電力制御分配システムを設けた自動車であつて、
該自動車は後部エンジン付大型バスであり、該自
動車の後部に設けた数個の大電力機器を制御する
後部分配ユニツトと、２個の分配ユニツトを設
け、その内の１個が、前記大型バスのキヤビン内
に設けた数個の大電力機器を制御する構成とした
ことを特徴とする自動車を新規に提案するもので
ある。上述の如き本考案にかかる自動車が備えた
電力制御分配システムの構成によれば、制御リー
ド線及び第１供給リード線は導体断面積の小さい
ものでよく、一方大きな導体断面積を有する第２
供給リード線は一般的に、その長さを減じること
ができるので、該システムを構成するに要する導
体材料の量を相当低減し得る。更に、本考案にか
かる上述のシステムを用いれば、結果的に、自動
車のコストを相当減少できるのみならず、該シス
テムを設置するために要求される自動車上のスペ
ースも実質的に減少し得るものである。又、本考
案にかかる上述のシステムを採用することによ
り、制御スイツチ類の統合及び簡素化が可能とな
り制御スイツチはすべてアース側へ切り換えでき
るので自動車の安全性が向上する。また、前記電
子処理ユニツトは、関連自動車の機能によつて数
枚のボード又はカードにまとめた関連論理回路を
有するマイクロプロセツサにより構成することに
より、処理ユニツトの設置、点検及び保守が簡素
化されるのみではなく、該システムの性格の変更
や新たな操作方法の追加等の目的で処理ユニツト
の論理を変更することが可能な自動車を提供する
ことができる。

実施例 以下に、本考案の構成を、一実施例について、
添付した図面にしたがつて説明する。

本考案にかかる電力制御分配システムを備えた
自動車は、必要に応じて、自動車の電源１０（第
１図）（例えば、バツテリ又は発電機）からの電
力を、自動車の各電気機器類２８及び３６に供給
する様になつている。上記電気機器は２つの群、
すなわち小電力定格機器群（機器類２８）および
大電力定格機器群（機器類３６）に分けられる。
上記小電力機器群２８は、例えば、自動車の計器
盤（図示せず）に設けた警告灯及び自動車の計器
類を照明する小電球等よりなる。一方、大電力機
器群３６は、例えば、自動車の電気起動モータ、
前照灯、方向指示器、及びブレーキ灯等を含む。
電源１０の正極は、供給ケーブル１１を介して、
電子処理ユニツト１２に接続される。

上記電子処理ユニツト１２は、各々が特定の機
能と関連着けられた数枚の回路板又はカード上に
公知の方法で配線した論理回路を有するマイクロ
プロセツサより構成する。上記構成は、処理ユニ
ツト１２の点検又は修理を容易にし、カード変換
により、該ユニツト１２の使用上大きな柔軟性を
与える。

又、上記電子処理ユニツト１２は、図番１４に
示す如く接地され、第１制御リード線１６を介し
て、開閉スイツチ１８及び切り換えスイツチ２０
に接続された数個の入力端子を設ける。上記スイ
ツチ１８及び２０は、各々部分２２及び２４で接
地され、自動車の計器盤上に設けられる。更に、
上記電子処理ユニツト１２は数個の出力端子を備
え、該出力端子のいくつかは、第１供給リード線
２６を介して、小電力機器類２８に接続される。
該処理ユニツト１２の残りの出力端子は、第２制
御リード線３０を介して、分配ユニツト３２の入
力端子に接続され、該分配ユニツト３２は、供給
ケーブル３３を介して、電源１０の正極に接続さ
れる。

分配ユニツト３２には、個々の大電力機器３６
を、第２供給リード線３８を介して、選択的に電
源１０に接続する為の数個の作動部３４を設け
る。

上記実施例においては、各作動部３４は、励磁
巻線４０と、一対の固定接点４４及び４６と協働
する可動接点４２とを有するリレーにより構成さ
れる。上記一方の固定接点４４は対応する第２供
給リード線３８に接続され、他方の固定接点４６
は、安全ヒユーズ４８を介して、供給ケーブル３
３に接続される。前記巻線４０は、固定接点４６
と第２制御リード線３０の内の適当なリード線と
の間に接続される。

機器３６の内の特定のものに通電するために
は、対応するスイツチ１８又は２０を操作し、処
理ユニツト１２により適当な第２制御リード線３
０をアース１４に接地せしめる。その結果、対応
する巻線４０が通電され、関連接点４２，４４及
び４６を閉とし、リード線３８を介して、選択さ
れた機器３６に通電する。

上記分配ユニツト３２の作動部３４には、リレ
ーを用いる代りに、拘置の方法で配置した電力用
トランジスタを用いてもよい。

上記実施例から明らかな如く、第１図のシステ
ムの作動においては、処理ユニツト１２は、スイ
ツチ１８及び２０の適当な操作に応じて、供給リ
ード線２６を介して、小電力機器２８に直接通電
する構成となつている。更に、上記ユニツト１２
は、第２制御リード線３０を介して作動部３４の
操作を制御することにより、スイツチ１８及び２
０の一に依存して大電力機器３６への通電を間接
的に制御する。

上述の本考案にかかる制御分配システムの自動
車への接地は迅速かつ簡単で、第１及び第２制御
リード線１６及び３０を、各々端部にコネクタを
設けた２本の平らな組立式リボン状ケーブルとす
ることにより、更に容易となる。更に、本考案に
かかる上記システムに於いては、リード線１６，
２６及び３０（その断面積はリード線１１，３３
及び３８により実質的に小さい）の長さは長くな
るにもかかわらず、大電力導体、すなわち、ケー
ブル１１，３３及びリード線３８等の全長が相当
減少するので材料費の節約が可能となる。上述の
如く、本考案によると、電力制御分配システムを
備えた自動車の全体的製造及び設備費を低減し得
る。

前記電子処理ユニツト１２は、自蔵ユニツトと
しても、自動車計器盤又は分配ユニツト３２のい
ずれかに組み込む様に構成してもよい。

更に本考案にかかる制御分配システムは、１つ
以上の分配ユニツト３２より構成してもよい。例
えば、２つの分配ユニツト３２を設けて、それぞ
れ自動車の全部及び後部近傍に配置する様にして
もよい。

図示しないが、本考案にかかる制御分配システ
ムの変形例として、電子処理ユニツト１２から分
配ユニツト３２への制御信号の伝達を、分配ユニ
ツト３２中に設けられ、作動部３４に接続された
デコーダユニツトに至る単一小断面積制御導体上
で信号を多重化することにより行つてもよい。第
２図は、相当な車長を有する自動車、例えば後部
エンジン付大型バス等に於ける、本考案にかかる
制御分配システムの配列の一例を示すもので前記
処理ユニツト１２は、自動車の計器盤と一帯部分
として構成し、第１制御リード線１６を介して計
器盤５０の２つの制御盤５２上に設けたスイツチ
及び制御部材と、自動車のかじ取柱上に設けた方
向指示スイツチ５４に接続される。

更に、第２図の実施例では上記処理ユニツト１
２は数本の第１供給リード線２６を介して、全て
計器盤５０に設けられた制御警告灯５６、計器モ
ジユール５８、速度計６０及び回転計６２を含む
小電力機器群に接続される。更に上記処理ユニツ
ト１２には、ケーブル３３を介して自動車の電源
に接続され、第２の制御リード線３０を介して処
理ユニツト１２に接続される。３個の分配ユニツ
ト３２ａ，３２ｂ及び３２ｃを設ける。

上記分配ユニツト３２ａ及び３２ｂは自動車の
前部に配置され、第２供給リード線３８を介し
て、それぞれ自動車のキヤビン内及び自動車車体
の前部内に設けた大電力機器３６ａ及び３６ｂに
接続される。一方、分配ユニツト３２ｃは自動車
の後部に配置され、第２の供給リード線３８を介
して、自動車車体の後部に配置された数個の大電
力機器３６ｃに接続される。上記分配ユニツト３
２ｃは、自動車後部に配設した単一電源から直接
受電する様にして、ケーブル３３が自動車前部の
電源から配線される構成に比べて、ケーブル３３
の長さを相当減少し得る様にしてもよい。

前記処理ユニツト１２と各分配ユニツト３２
ａ，３２ｂ及び３２ｃ間の接続は、関連分配ユニ
ツト３２ａ，３２ｂ及び３２ｃ内の単一デコーダ
ユニツトに給電する小断面積の１本の単一制御リ
ード３０によつて行なわれる。

したがつて、本考案は、上記実施例に詳記した
如き構成によりなり、所期の目的を達成し得るも
のである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の自動車に組み込んだ電力制
御分配システムの構成を示すブロツク図で、第２
図は、本考案にかかる電力制御分配システムを長
車体自動車に組み込んだ場合の配置を示すブロツ
ク図である。 １０……電源、１１……供給ケーブル、１２…
…電子処理ユニツト、１４……接地、１６……第
１制御リード線、１８……開閉スイツチ、２０…
…切り換えスイツチ、２２，２４……接地、２６
……第１供給リード線、２８……小電力定格機器
群、３０……第２制御リード線、３２，３２ａ，
３２ｂ，３２ｃ……分配ユニツト、３３……供給
ケーブル、３４……作動部、３６，３６ａ，３６
ｂ，３６ｃ……大電力定格機器群、３８……供給
リード線、４０……巻線、４２，４４，４６……
接点、５０……計器盤、５４……方向指示スイツ
チ、５６……制御警告灯、５８……計器モジユー
ル、６０……速度計、６２……回転計。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 自動車の電源１０から電気的に通電されると共
   に、自動車の機能の各単位毎に付設した論理回路
   を持つマイクロプロセツサからなる電子処理ユニ
   ツト１２と、該電子処理ユニツト１２を制御スイ
   ツチ１８，２０に接続する第１制御リード線１６
   と、上記制御スイツチ１８，２０に応じて励磁す
   るように上記電子処理ユニツト１２を小電力機器
   類２８の夫々に接続する第１供給リード線２６
   と、上記電源１０に接続した分配した分配ユニツ
   ト３２と、該分配ユニツト３２を上記電子処理ユ
   ニツト１２に接続する少なくとも１つの第２制御
   リード線３０と、上記分配ユニツト３２を大電力
   機器類３６の夫々に接続する第２供給リード線３
   ８とよりなり、上記分配ユニツト３２は上記電源
   １０を上記第２供給リード線３８の対応線を介し
   て大電力機器類３６の夫々に接続するように上記
   電子処理ユニツト１２と第２制御リード線または
   該線群３０を介して上記制御スイツチ１８，２０
   の制御の下で動作する多数の作動部３４を設け、
   かつ前記処理ユニツト１２は、自動車の計器盤と
   一体部分として構成し、第１制御リード線１６を
   介して、計器盤５０の２つの制御盤５２上に設け
   たスイツチ及び制御部材と、自動車のかじ取柱上
   に設けた方向指示スイツチ５４に接続されると共
   に、制御スイツチ１８，２０の操作に応答して、
   第１供給リード線２６を介して、小電力機器類２
   ８の通電を直接制御すると共に、１本又は複数の
   第２制御リード線３０を介して前記作動部３４の
   制御動作により、間接的に大電力機器類３６の通
   電を制御し、さらに、前記分配ユニツト又は各分
   配ユニツト３２が各々、制御する大電力機器類の
   為の複数の安全ヒユーズ４８を設けてなる電力制
   御分配システムを設けた自動車であつて、該自動
   車は、後部エンジン付大型バスであり、該自動車
   の後部に設けた数個の大電力機器３６ｃを制御す
   る後部分配ユニツト３２ｃと、２個の分配ユニツ
   ト３２ａ及び３２ｂを設け、上記分配ユニツト３
   ２ａ及び３２ｂは自動車の前部に配置され、第２
   供給リード線３８を介して、それぞれ自動車のキ
   ヤビン内及び自動車車体の前部内に設けた大電力
   機器３６ａ及び３６ｂに接続される一方、分配ユ
   ニツト３２ｃは自動車の後部に配置され、第２の
   供給リード線３８を介して、自動車車体の後部に
   配置された数個の大電力機器３６ｃに接続される
   と、上記分配ユニツト３２ｃは、自動車後部に配
   設した単一電源から直接受電する様に構成したこ
   とを特徴とする自動車。