JPH0139824Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、トイレにおいて使用される人体局部
洗浄装置に関するものである。

一般にこの種洗浄装置においては、排便後の肛
門洗浄（以下、「シヤワー洗浄」という）と、女
性の陰部洗浄（以下、「ビデ洗浄」という）とが
できるような構成となつている。

従来のこの種洗浄装置は、便器壁に対して伸縮
自在な如くに設けられたノズルの前方端に小孔た
る噴出孔が穿設されているわけであるが、該噴出
孔から噴出される洗浄水は単純に噴き出されるも
のが多く、連続的に一定水圧の洗浄水が局部に噴
きつけられる構造となつていた。このため痔疾患
者や出産直後の女性が使用する場合には刺激が強
すぎるという欠点があつた。

本考案は上記従来の欠点に鑑み、従来の洗浄装
置の洗浄水供給系路に新規な多機能バルブ装置を
設置することによつてノズル先端部からの洗浄水
がパルス状に噴出するような構成とし、また従
来、電磁バルブの如き止水バルブをポンプの近傍
に設けていたのを前記多機能バルブが兼ね備える
ようにし、さらにノズルを先端部への洗浄水量の
調節やノズル先端外周部の洗浄をも可能とするよ
うな多機能なバルブ装置を有する人体局部洗浄装
置を提供せんとするものである。

以下、本考案の実施例を添付図面に基づいて説
明する。

第１図は本考案の一実施例を示す平面図であつ
て且つ洗浄水をノズル内の通路に導くための給水
手段を図示したものである。図中符号１は固定フ
レームであり他の固定フレーム２及びゴム製介在
部材３，４、ワツシヤ５、ノズルガイド６を介し
てナツト７により、便器壁Ｗに固定されている。
該固定フレーム１の下面には正逆転可能なパルス
モータM₁（図示せず）が固定され、プーリ８、ベ
ルト９を介して上方の他のプーリ１０に動力が伝
えられる。該プーリ１０はネジ棒１１の端部に固
定されているため、該プーリ１０の回転とともに
ネジ棒１１が回転し、これに螺合している可動体
１２がネジ棒１１の軸方向（ａ，a′矢印方向であ
つて、以下前後方向ともいう）に動き得る構成と
なつている。この軸方向への動きに際しては円滑
に動き得るようにするために、前記固定フレーム
１，２に両端が固定された２本のガイドロツド１
１Ａ，１１Ｂによつて可動体１２がガイドされる
構成となつている。

前記可動体１２にはモータ取付用保持フレーム
１５が固定され、該フレーム１５にパルスモータ
M₂が固定保持されている。該モータM₂の軸１６
にはプーリ１７が固定され、ベルト１８を介して
他のプーリ１９に動力が伝えられる。該プーリ１
９は、前記可動体１２を貫通する如くに装着され
ている内側ノズル２０（該ノズルは、前後方向に
可動体１２とともに往復動するのみで回転しない
外側ノズル２２の内部に設けられているノズルで
ある）をその軸心回りに回転もしくは回動せしめ
る働きをする。前記内側ノズル２０は、外側ノズ
ル２２と軸方向長さが略同長であつて、軸心部に
洗浄水流通用の通路２０ａが形成され、前方端に
は５個の小孔２０３が穿設されている。

前記洗浄水流通用通路２０ａは可動体１２内の
通路および導水パイプ取付用ニツプル２４を介し
て導水パイプ２７に連通しているため、該通路２
０ａに圧力水（洗浄水）が供給された場合、外側
ノズル２２前方端の３個の長孔２２１，２２２，
２２３と前記小孔２０３とが図示の如くに一致し
ているときには孔２０３，２２１，２２２，２２
３から前記洗浄水が勢いよく噴出する。

前記導水パイプ２７はその一端が前記ニツプル
２４に連結され他端は温水タンク２８の上方部に
連結されている。該タンク２８内にはヒータ２９
が設置されてタンク２８内の水が温められる。該
タンク２８の下方部には、給水タンク３０からの
水がポンプ３１を介して供給される。

前記温水タンク２８から内側ノズル２０内部の
洗浄水流通用通路２０ａに至る洗浄水供給系路の
途中、例えば第１図中に二点鎖線で示した位置に
は、洗浄水をパルス状にするなどの作用をなす多
機能バルブ装置Ｖが設けられている。

該バルブ装置Ｖは第２図〜第５図の如くに構成
されている。これらの図において、符号４１はハ
ウジングであり入水口４１ａ、出水口４１ｂ及び
凹部４１ｃ並びに他の出水口４１ｄが形成され
（入水口４１ａ、出水口４１ｂは前記導水パイプ
２７のタンク２８に近い部分２７ａ及びニツプル
２４に近い部分２７ｂにそれぞれ連結されてい
る）、該凹部４１ｃ内にはロータ４２が軸心Ｏ回
りに回転もしくは回動自在な如くに装着されてい
る。該ロータ４２には、互いに直角な方向であつ
て連通した孔４２ａ，４２ｂが穿設され、また前
記入水口４１ａの反対側に相当する位置には突端
部４２ｃが形成されている。該突端部４２ｃには
プーリ４３が小ネジ４４によつて固定され、該プ
ーリ４３にはベルト４５、他のプーリ４６を介し
てパルスモータM₃からの減速された回転力が伝
達される。前記ハウジング４１にはボルト４７に
よつてプレート４８が固定され、このプレート４
８に前記モータM₃が固定されている。

前記プーリ４３には環状デイスク４９が固定さ
れ、このデイスク４９を跨ぐ如くにフオトセンサ
５０が設置されている。該センサ５０は小ネジ５
１により前記プレート４８に固定されている。

前記ハウジング４１に設けられた出水口４１ｄ
は、第６図の如く他の導水パイプ２７Ａを介し
て、便器壁Ｗの前記ナツト７の近傍に取付けられ
た洗浄用パイプ２７Ｂに通じている。このため、
ロータ４２が回転して孔４２ｂが前記出水口４１
ｄと通じたときには温水タンク２８からの洗浄用
温水がパイプ２７Ｂの先端から落下し、ノズル２
２の外周が洗浄される。

次に作用について述べる。トイレ使用者が排便
終了しシヤワー洗浄する場合は、付設のシヤワー
洗浄用スイツチ（図示せず）を押すとモータM₁
が回転しネジ棒１１の回転により可動体１２が最
後方位置から“一定距離”だけ前方（ａ方向）へ
移動して、内側及び外側ノズル２０，２２が“シ
ヤワー洗浄位置”となる。前記“一定距離”は使
用者の着座位置を割出して定める。本実施例では
モータM₁（図示せず）はパルスモータであり、一
定回転後に自動的に停止せしめることができ、従
つて前記可動体１２を前記一定距離進行せしめた
のち停止させることができる。また、モータの回
転数制御により前記一定距離を適宜変更設定する
ことができる。前記シヤワー洗浄位置となつた状
態で（別段、該位置となる前でもよいが）、別の
スイツチを押すとモータM₂が始動し内側ノズル
２０が軸心回りに回転して、５つ孔２０３が長孔
２２１，２２２，２２３に一致する。また前記モ
ータM₂のON作動と同時にポンプ３１が作動し
始め、温水が内側ノズル２０内の通路２０ａに圧
送されるため、孔２０３が長孔２２１，２２２，
２２３と一致した状態で温水が勢いよく噴出する
（尚、長孔２２１，２２２，２２３に一致する内
側ノズル２０の孔を多種用意して手動又は自動
で、一致する孔の数を変えうるようにしてもよ
い）。

そしてタイマ作用によりモータM₂が一定回転
したのちは逆回転しまたモータM₁も逆回転する
ことによつてノズル２０，２２は第２図の最後方
位置まで戻る。

ところで、上記のように孔２０３，２２１，２
２２，２２３から洗浄水たる温水が噴出するわけ
であるが、本実施例装置にはバルブ装置Ｖが装着
されているため噴出する温水はサインカーブに近
似したパルス状となる。つまり、時間ｔ（横軸）
に対する温水の噴出高さｈ（縦軸）の関係は、第
７図ａや第７図ｂの如くになる。これは、第８図
のようにロータ４２がパルスモータM₃の作動時
に出水口４１ｂの軸心O′を中心としてθの範囲
で左右に回動（揺動）するためである。孔４２ｂ
と出水口４１ｂとの連通面積が第８図のように零
に近い場合には噴出高さは第７図ｂのh₁となり、
もう少し回動角θが大きくて前記連通面積が零と
なる場合は第７図ａのように噴出高さｈが零とな
りうる。零となる時間や１周期の長短の調節は、
モータM₃がパルスモータゆえ回転数を制御する
ことにより可能となる。しかも、かなり速い、左
右への回動運動をさせることができる。

ここで、前記ロータ４２の回動角θの回動中心
O′を割出すために既述のフオトセンサ５０が設
けてある（フオトセンサの代りにマイクロスイツ
チを設けてもよい）。

このように、ロータ４２の左右への回動（揺
動）運動を生ぜしめることにより、第７図ａの如
きサインカーブに近似したパルス状の洗浄水が噴
出されるわけであるが、第７図ｂの如く噴出高さ
ｈを零としないこともできる。またロータ４２を
回転させて孔４２ｂと出水口４１ｂとの連通面積
を調節することにより流量制御弁の役目をバルブ
装置Ｖがなすことも可能となる。

また第６図の如く、汚物などが付着し易いノズ
ル２２の外周部（特に先端の）を洗浄すべく、バ
ルブ装置Ｖからの洗浄水がパイプ２７Ａ，２７Ｂ
に導かれるからノズル洗浄バルブとしての役目も
果す。

さらに、ロータ４２の孔４２ｂがハウジング４
１の出水口４１ｂ，４１ｄのいずれいも通じてい
ない状態で該ロータ４２を停止させれば洗浄水は
ノズル２２方向へも、又パイプ２７Ｂ方向へも流
れないこととなり、該バルブ装置Ｖは止水バルブ
の役目を果す。

ビデ洗浄する場合は、使用者がビデ洗浄用スイ
ツチを押すと上記シヤワー洗浄位置よりもさらに
一定距離（具体的には４cmくらい）だけノズル２
０，２２が前方に移動した“ビデ洗浄位置”とな
り、その後の作用は上記シヤワー洗浄の場合と同
様である。

尚、上記実施例においては、ロータ４２の半径
方向に穿設した孔を１個４２ｂとしているが、別
段２個以上設けてもよい。またハウジング４１に
設けた出水口は２個４１ｂ，４１ｄであるが、３
個以上設けることにより他の用途として洗浄水を
利用することができる。

このように本考案は、先端部に噴出孔が形成さ
れ、使用時には前記先端部が便器内部に位置する
ノズルと、洗浄水を蓄えるタンクと、前記ノズル
と連通する出水口４１ｂおよび前記タンクと連通
する入水口４１ａが形成されたハウジング４１な
らびに前記入水口４１ａと常時連通する通路４２
ａが形成され且つ軸芯回りに往復運動するロータ
４２を備え、前記ロータ４２の軸芯回りの往復運
動時に前記出水口４１ｂが前記通路４２ａと断続
的に連通するようにしたバルブ装置と、前記タン
ク内の洗浄水を前記バルブ装置の入水口４１ａに
供給する供給手段３２とを有することを特徴とし
ている。このため、ノズル前方端からの洗浄水が
サインカーブに近似したパルス状に噴出されるこ
ととなり、洗浄効果の向上及びマツサージ効果の
増大を図ることができる。また、多機能バルブ装
置を有することにより、前記パルス状の噴出水が
得られるだけでなく、流量制御バルブ、ノズル洗
浄バルブ、止め水バルブとしての機能をも果すこ
とができ、種々のバルブを別個に設置しなくてよ
いから装置のコンパクト化、軽量化、低コスト化
を達成することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す平面図、第２図
は第１図の二点鎖線位置に設置するバルブ装置Ｖ
の正面図、第３図は第２図の−線矢視断面
図、第４図は第２図の平面図、第５図は第２図の
右側面図、第６図は第１図のバルブ装置Ｖ近傍の
部分概略図、第７図は噴出洗浄水の噴出高さｈと
時間ｔとの関係を示す説明図、第８図はロータ４
２の回動作用を示す部分断面図である。 ２０，２２……ノズル、Ｖ……多機能バルブ装
置、M₁，M₂，M₃……モータ、４１……ハウジ
ング、４２……ロータ、５０……フオトセンサ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 先端部に噴出孔が形成され、使用時には前記
   先端部が便器内部に位置するノズルと、 洗浄水を蓄えるタンクと、 前記ノズルと連通する出水口４１ｂおよび前
   記タンクと連通する入水口４１ａが形成された
   ハウジング４１ならびに前記入水口４１ａと常
   時連通する通路４２ａが形成され且つ軸芯回り
   に往復運動するロータ４２を備え、前記ロータ
   ４２の軸芯回りの往復運動時に前記出水口４１
   ｂが前記通路４２ａと断続的に連通するように
   したバルブ装置と、 前記タンク内の洗浄水を前記バルブ装置の入
   水口４１ａに供給する供給手段３２とを有する
   ことを特徴とする人体局部洗浄装置。 (2) 前記バルブ装置のロータ４２の軸芯回りの往
   復運動の駆動源はパルスモータである実用新案
   登録請求の範囲第１項記載の人体局部洗浄装
   置。