JPH0139726Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は織機における緯糸張力付与装置に関
するものである。

従来、この種の緯糸張力付与装置として、第４
図に示すように支持枠１の上面に円柱状をなす一
対の支柱２を回動位置調節可能に支承し、この支
柱２にはほぼ円弧状をなす張力付与プレート３を
ビスにより止着し、さらに、前記支持枠１の両端
に止着した糸ガイド１ａを通過する糸Ｙを前記張
力付与プレート３間に保持させていた。

ところが、上記従来の装置は糸Ｙに対する張力
を安定化するため１台の織機に２組以上使用する
必要があり、そのために設置スペースが広くな
り、部品点数も多くなつて製作及び組付が面倒で
あるという問題点があつた。

また特開昭51−133565号公報に示されるよう
に、多数の張力付与プレートを糸の進行方向に
徐々にその制動力を増加するように略平行状に配
置した装置が知られている。しかし、この装置で
は各張力付与プレートをそれぞれ取付けるホルダ
が必要となり、構造が複雑となる問題点があつ
た。

この考案はこれら問題点を解消するためになさ
れたものであつて、その目的は構造を簡素化して
製作及び組付を容易に行なうことができ、設置ス
ペースも小さくすることができる織機における緯
糸張力付与装置を提供することにある。

以下、この考案を具体化した一実施例を第１図
〜第３図に従つて説明する。図面中４は前後両端
部に垂立部４ａ，４ｂを折曲形成した支持枠、
５，６は前記支持枠１の上面に対しナツト７によ
り互いに平行に立設固定された支持ボルト、８，
９は前記支持ボルト５，６に回動可能に嵌装され
た可動取付筒であつて、その上下二か所には大径
の取付部８ａ，９ｂが形成され、この取付部には
ネジ孔８ｂ，９ｂが設けられ、さらに下端部には
ギヤ８ｃ，９ｃが取着されている。

１０，１１は弾性を有するステンレススチール
等によりなる張力付与プレートであつて、それぞ
れ二枚のプレートの端部を重ね、該端部を前記可
動取付筒８，９に対しＵ字状となるように巻き付
けてビス１２により止着して構成されている。こ
のため張力付与プレート１０，１１の内側端部１
０ａ，１１ａと外側端部１０ｂ，１１ｂとはそれ
ぞれ互いにラツプして保持されている。

１３は前記支持枠４の垂立部４ａと該支持枠４
の上面に止着したブラケツト１４に対し定位置に
おいて回動可能に支承したアジヤストボルトであ
つて、前記ギヤ８ｃ，９ｃに噛み合され、操作つ
まみ１５により該ボルト１３を回動すると、ギヤ
８ｃ，９ｃが回動されて可動取付筒８，９及び張
力付与プレート１０，１１がが第２図矢印方向に
往復回動されるようになつている。１６は前記垂
立部４ａとアジヤストボルト１３の外周に固着し
たフランジ１７との間に介装したコイルバネであ
つて、アジヤストボルト１３の回動を抑制してい
る。このようにこの実施例では、支持ボルト５，
６、取付筒８，９、アジヤストボルト１３等によ
り張力付与プレート１０，１１の回動位置を調節
することにより糸Ｙの張力を調節する調節機構１
８を構成している。

１９，２０は前記支持枠４の垂立部４ａ，４ｂ
に取付けた糸ガイドである。

次に前記のように構成した張力付与装置につい
てその作用を説明する。

織機の緯糸供給部（パツケージであるが図示
略）から巻き戻された糸は前記糸ガイド１９を通
つて張力付与プレート１０，１１の内側端部１０
ａ，１１ａ間及び外側１０ｂ，１１ｂ間を通過
し、さらに糸ガイド２０を経て、緯入機構部（図
示略）へ導かれる。このとき、糸Ｙには前記内側
端部１０ａ，１１ａと外側端部１０ｂ，１１ｂ間
の挟着力による張力が付与される。前記挟着力の
調節は操作つまみ１５を回動することによつて任
意に行なわれる。

さて、この考案の実施例においては、支持枠４
に対しアジヤストボルト１３、操作つまみ１５等
も一式で済み、特に２枚の張力付与プレート１
０，１１で構成することができ、構造を簡素化す
ることができる。さらに糸切れしたときに糸通し
を一度に行なうことができる。

また、この実施例では、それぞれ二枚からなる
プレートの一端部を可動取付筒８，９に重ね合せ
て巻き付けビス１２により止着して各張力プレー
ト１０，１１を構成しているが、これを一枚のプ
レートをＵ字状に曲げ、プレートの中間部をビス
１２により止着した構成の張力プレートとするこ
ともできる。

このようにこの考案は、前後両端部に糸ガイド
を有する支持枠に対し、左右両側に位置するよう
に一対の可動取付部材を立設し、該各可動取付部
材には弾性材よりなる張力付与プレートをそれぞ
れＵ字状に固定し、各張力付与プレートの各端部
を前後にそれぞれラツプして設け、さらに、前記
支持枠と可動取付部材との間には前記張力付与プ
レートを回動位置調節するための調節機構を設け
たことにより、構造を簡素化して製作及び組付け
を容易に行なうことができ、また、設置スペース
を小さくすることができ、さらに糸通しも容易に
行なうことができる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す正面図、第
２図は第１図の平面図、第３図は要部の拡大分解
斜視図、第４図は従来例を示す平面図である。 ４……支持枠、８，９……可動取付部材、１
０，１１……張力付与プレート、１８……調節機
構、１９，２０……糸ガイド。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前後両端部に糸ガイド１９，２０を有する支持
   枠４に対し、左右両側に位置するように一対の可
   動取付部材８，９を立設し、該各可動取付部材
   ８，９には弾性材よりなる張力付与プレート１
   ０，１１をそれぞれＵ字状に固定し、各張力付与
   プレート１０，１１の各端部１０ａ，１１ａ，１
   ０ｂ，１１ｂを前後にそれぞれラツプして設け、
   さらに、前記支持枠４と可動取付部材８，９との
   間には前記張力付与プレート１０，１１を回動位
   置調節するための調節機構１８を設けたことを特
   徴とする織機における緯糸張力付与装置。