JPH0138651Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、ダイクツシヨン、ダイバランサ等を
駆動するためのクツシヨンタンクの内圧力を制御
する圧力制御装置に関するものである。

［従来の技術］ 例えば、大型プレス機械におけるダイバランサ
及びダイクツシヨンのタンク内圧力は、ダイチエ
ンジを行う毎にダイに見合う圧力を再設定する必
要がある。

従来、これらのタンク内圧力の設定は、例えば
実開昭56−139002号公報及び同57−11624号公報
等に示されているように、多数の弁等を順次独立
に接続し、それらを手動操作することにより行つ
ていたため、操作が面倒でかなりの長時間を要し
ていた、しかしながら最近では、ユーザにおける
ダイチエンジの高頻度化に伴い、タンク内圧力の
設定を自動的且つ短時間に行うことが要求される
ようになつた。

また、例えば実開昭52−139419号公報に示され
ているように、減圧弁、バランスピストン、供給
弁及び排気弁を備え、タンクの内圧を減圧弁で減
圧した空気圧に設定する圧力制御装置が知られて
いる。

しかしながら、上記圧力制御装置は、タンクの
内圧を取換えたダイに見合う圧力に再設定するこ
とができないばかりでなく、バランスピストンに
よる調圧機能が常時作用しているために、ダイク
ツシヨン等の復帰時に一時的に昇圧するタンク内
の空気が排気弁から外部に排出されるので、省エ
ネルギー上問題がある。

［考案が解決しようとする課題］ 本考案が解決しようとする課題は、ダイチエン
ジに伴うタンクの内圧力の再設定を自動的且つ短
時間で行うとともに、タンク圧力の再設定後は、
減圧弁の調圧機能を停止させて省エネルギーを図
つた圧力制御装置を提供することにある。

［課題を解決するための手段］ 上記課題を解決するため、本考案は、ダイクツ
シヨン、ダイバランサ等を駆動するためのクツシ
ヨンタンクの内圧力を制御する圧力制御装置にお
いて、高圧空気をパイロツト室に加えたパイロツ
ト圧と等しい圧力まで減圧して上記クツシヨンタ
ンクに出力する減圧弁と、上記パイロツト室を減
圧弁の出力路と通電量に比例した出力圧が得られ
る電空圧力弁の出力路とに選択的に切換えるばね
復帰形の選択弁とを備え、該選択弁の切換を制御
する電気回路を、上記減圧弁の出力圧を所期の設
定圧にするための指令信号とその出力圧を圧力セ
ンサで検出してフイードバツクした圧力信号との
差に基づいて、電空圧力弁の出力圧を上記減圧弁
のパイロツト室に連通させるようにその選択弁を
切換える信号を出力するものとして構成すると共
に、電空圧力弁に通電する電気回路を、上記指令
信号と圧力信号との差に応じて電空圧力弁から所
期の出力圧が得られるような信号を出力するもの
として構成したことを特徴とするものである。

［作用］ 設定圧の指令信号とクツシヨンタンクの内圧力
をフイードバツクした圧力信号との間にずれがあ
る場合は、電気回路からの出力信号により、選択
弁が、電空圧力弁の出力路と減圧弁のパイロツト
室が連通する位置に切換えられる。

また、これと同時に、電気回路からの出力信号
により、電空圧力弁から出力されるパイロツト圧
が昇降し、このパイロツト圧が上記パイロツト室
に送られることにより減圧弁の出力圧が昇降し
て、クツシヨンタンクの内圧力が設定圧に再設定
される。

クツシヨンタンクの内圧力が所期の設定圧にな
ると、電気回路からの出力がなくなるため、選択
弁がばねにより復帰して、設定圧になつた減圧弁
の出力圧がパイロツト圧として自己のパイロツト
室に作用するので、減圧弁の圧力調整機能が停止
する。したがつて、クツシヨンタンクの内圧が変
動しても、選択弁は減圧弁の出力圧がそのパイロ
ツト室に作用する切換位置を保ち、これによりク
ツシヨンタンクの空気が不用意に、リリーフされ
ないので、空気の無駄な消費を防止することがで
きる。

また、選択弁が、電空圧力弁の出力路を減圧弁
のパイロツト室を連通させる位置にある調圧動作
中に、事故等により電源が遮断されても、選択弁
がばねにより復帰して、減圧弁の出力圧が自己の
パイロツト室に作用するので、減圧弁の調圧機能
が停止し、それによりクツシヨンタンクの空気の
リリーフを防止することができる。

［考案の効果］ 本考案の圧力制御装置は、設定圧の指令信号と
クツシヨンタンクの内圧をフイードバツクした圧
力信号とのずれにより電気回路から出力する信号
が、選択弁を電空圧力弁の出力路が減圧弁のパイ
ロツト室に連通する位置に切換えるとともに、電
空圧力弁から出力するパイロツト圧を昇降させて
減圧弁の出力圧を昇降させるので、自動的且つ短
時間にクツシヨンタンクの圧力を所望の圧力に再
設定することができる。

また、タンクの内圧が再設定されると、減圧弁
の出力圧が自己のパイロツト室に作用して減圧弁
の調圧機能が停止するので、タンクの内圧が変動
してもタンク内の空気が外部にリリーフされるこ
とがなく、これによつて空気の無駄な消費を防止
することができる。

［実施例］ 以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳細に
説明する。

第１図は本考案の圧力制御装置の基本構成を示
すもので、主流路１及びパイロツト流路２を構成
する機器と電気制御回路３によつて構成されてい
る。

上記主流路１は、ダイクツシヨン６を接続した
クツシヨンタンク５にそれが予め定めた設定圧と
なるように給圧するもので、空気源７を主圧力制
御弁８を介して上記クツシヨンタンク５に接続し
ている。上記圧力制御弁８は、空気源７からの高
圧空気を自己に加えられるパイロツト圧と等しい
圧力まで減圧して出力する可変形減圧弁１０（第
２図）とそれに接続した選択弁１１とを備え、選
択弁１１により流路を切換えて、減圧弁１０のパ
イロツト室を上記パイロツト流路２と自己の出力
路１０ａとの一方に選択的に楼通させるようにし
たものである。

また、上記パイロツト流路２は、減圧弁１０の
パイロツト室に加えるパイロツト圧を増減調整す
るもので、空気源７を電空圧力弁１２（第３図）
を介して上記選択弁１１に接続することにより構
成され、空気源７からの高圧空気を電空圧力弁１
２への通電量に比例した圧力まで減圧して出力す
るように構成している。

上記電気制御回路３は、クツシヨンタンク５の
圧力を設定圧に維持するため、上記選択弁１１の
切換及び電空圧力弁１２への通電量を制御するも
ので、クツシヨンタンク５の圧力を設定圧とする
ための指令信号を加える指令入力端子１３と、圧
力センサで検出したクツシヨンタンク５の圧力信
号をフイードバツクするフイードバツク入力端子
１４とを備えている。フイードバツク入力端子１
４に接続した低域フイルタは、それに加えられる
圧力信号中の速い周期で変動する雑音を除去して
真のタンク圧力信号のみを通過させるもので、そ
の低域フイルタには増幅回路を介して電圧比較回
路を接続し、また該電圧比較回路の他方の入力端
子には上記指令入力端子１３を接続している。こ
の電圧比較回路は、上記両入力信号に差があると
きに信号を出力するもので、駆動回路を介して前
記選択弁１１に接続し、それにより指令信号と圧
力センサからの圧力信号とにずれがある場合、即
ちクツシヨンタンク５の圧力と設定圧力との間に
ずれがある場合に選択弁１１を切換えるようにし
ている。また、指令入力端子１３及びフイードバ
ツク入力端子１４に接続した補償入力回路は、減
圧弁１０に対するパイロツト圧を増減するための
信号を出力するもので、クツシヨンタンク５の圧
力が指令信号による設定圧より低い場合には、そ
の差に比例する増圧信号が出力され、逆にクツシ
ヨンタンク５の圧力が設定圧より高い場合には減
圧信号が出力される。この補償入力回路は増幅器
を介して上記電空圧力弁１２に接続し、上記増圧
信号または減圧信号を電空圧力弁１２に印加する
ものである。

次に、上記構成を有する装置の作用を説明す
る。

先ず、プレス加工を行うに先立つて、指令入力
端子１３に指令信号を入力し、クツシヨンタンク
５の圧力をその指令信号に対応した設定圧に調圧
する。即ち、クツシヨンタンク５の圧力と設定圧
との間にずれがある場合には、圧力センサで検出
したクツシヨンタンク５の圧力信号と予め設定し
た指令信号との間にずれが存在するため、電圧比
較回路からの圧力信号が選択弁１１に加えられ、
選択弁１１はパイロツト流路２を減圧弁１０に連
通させるように切換えられる。。これと同時に、
補償入力回路において上記圧力センサからの圧力
信号及び指令信号のずれに応じた信号が出力さ
れ、それに伴つて電空圧力弁１２から出力される
パイロツト圧が昇降し、それらのパイロツト圧が
選択弁１１を介して減圧弁１０のパイロツト室に
送られ、これにより減圧弁１０の出力圧が昇降し
てクツシヨンタンク５の圧力が設定圧と一致す
る。

このようにして、クツシヨンタンク５の圧力が
設定圧に一致すれば、電圧比較回路からの出力が
なくなるため選択弁１１が図示の位置に切換えら
れ、設定圧に調圧された減圧弁１０の出力圧がパ
イロツト圧として自己のパイロツト室に加えられ
ることになり、減圧弁１０の出力圧が設定圧に維
持される。

その後、プレス加工の実行に伴つてクツシヨン
タンク５の圧力が設定圧より漸次降圧すれば、上
記と同様の作用によつてその圧力が設定圧に一致
する。しかしながら、クツシヨンタンク５の圧力
が雑音的に短周期で変動しても、その雑音信号は
低域フイルタで除去されて電圧比較回路に送られ
ることはなく、そのため選択弁１１は図示した切
換位置を保ち、減圧弁１０の出力圧が不用意にリ
リーフされることはない。

また、上記選択弁１１が図示した位置から他の
位置に切換えられた調圧動作中において、事故等
により電源が遮断しても、選択弁１１は復帰ばね
１１ａの付勢力により図示した位置に切換えら
れ、それによりクツシヨンタンク５の圧力のリリ
ーフは防止されらる。

上記主圧力制御弁８としては種々の構造のもの
を用いることができるが、その減圧弁１０の一例
を第２図に示す。この減圧弁１０は、供給ポート
２１に供給した高圧空気をパイロツト室２２に加
えるパイロツト圧と等しい圧力まで減圧して出力
ポート２３から出力するように構成したものであ
る。即ち、出力ポート２３の出力圧をパイロツト
圧としてパイロツト室２２に導入すれば、ピスト
ン２４により区画したパイロツト室２２と出力ポ
ートに静圧通孔２６ａで連通するフイードバツク
室２６の圧力が等しくなるため、ピストン２４が
平衡状態を保ち、またパイロツト室２２にそれま
でよりも高いパイロツト圧あるいは低いパイロツ
ト圧を加えれば、上記平衡がくずれてピストン２
４及びロツド２７が下動あるいは上動し、下動時
にはロツド２７の突部２７ａが供給弁体２８をば
ね２９の付勢力に抗して押し下げ、供給弁座３１
を開放して出力圧をパイロツト圧に等しくなるま
で昇圧させ、また上動時にはロツド２７の突部２
７ｂが排気弁体３２を押し上げ、排気ポートに通
じる排気弁座３４を開放して、出力圧をパイロツ
ト圧に等しくなるまで降圧させる。

第３図は、上記電空圧力弁１２の一構造例を示
すものであり、ソレノイド４１への通電量に比例
した出力圧を出力ポート４２から出力するように
構成している。即ち、ソレノイド４１に通電すれ
ば、その通電量に比例する電磁力により可動鉄心
４３が固定鉄心４４に吸引され、その吸引力によ
りスプール４７がばね４８の付勢力に抗して駆動
され、供給ポート４９を出力ポート４２及びフイ
ードバツク室５０に連通させ、あるいは出力ポー
ト４２を排出ポート５１に連通させ、これにより
スプール４７を上記電磁力とばねの付勢力及びフ
イードバツク室の圧力の合力とが平衡する位置に
変位させ、通電量に比例した出力圧を得るように
構成したものである。

また、第４図は圧力センサとして歪ゲージを用
いた場合における上記電気制御回路の一例を示す
ものである。同図において、補償入力回路は、電
空圧力弁１２に接続した増幅器への入力信号を指
令信号とフイードバツク圧力信号に基づいて発生
させるものである。これは、クツシヨンタンク５
の圧力が増加した場合と減少した場合とにおける
ヒステリシスが大きく、即ち同一圧力における圧
力信号が大きく異なることが少なくないため、選
択弁１１をタンク圧力が増加していく場合に所定
電圧V₂でオンするように設定しても、タンク圧
力が減少していく場合にはその電圧V₂でオンし
ないという誤動作が考えられ、その誤動作を防止
するため付加したものである。

また、演産増幅器A₅によつて指令信号に基づ
く電圧V₁と圧力信号に基づく電圧V₂との差が増
幅されるが、その出力電圧V₃は、 V₃＝−Ａ（V₁−V₂） Ａ≒20 として表わされる。この値が次段の電圧比較回路
で設定電圧V₄と加算され、これによる演算増幅
器A₇からの出力電圧はV₃＜V₄のときにはoV，
V₃＞V₄のときは演算増幅器A₇の飽和電圧までス
イングされる。なお、設定電圧V₄は、電空圧力
弁１２の最小感度電圧の20倍程度に設定するのが
好ましい。また、電圧比較回路出力によつてトラ
ンジスタT_rがスイツチングしてSSR（固体化リレ
ー）に約15mAの電流を流し、SSR内部のトライ
アツクにより選択弁が駆動される。上記SSRは、
入力された電気的信号が発光ダイオードにより光
学的信号に変換され、受光素子により受光された
光学的信号はもとの電気的信号に変換され、さら
に非ゼロ電圧時点弧抑制回路により交流信号のゼ
ロ電圧付近でトリガし、トライアツクをオンにし
て負荷に電流を流すものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例の構成図、第２図及び
第３図はその減圧弁及び電空圧力弁の一構造例の
断面図、第４図はその電気制御回路の一構成例を
示す回路図である。 １０……減圧弁、１０ａ……出力路、１１……
選択弁、１２……電空圧力弁、２２……パイロツ
ト室。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ダイクツシヨン、ダイバランサ等を駆動するた
   めのクツシヨンタンクの内圧力を制御する圧力制
   御装置において、 高圧空気をパイロツト室に加えたパイロツト圧
   と等しい圧力まで減圧して上記クツシヨンタンク
   に出力する減圧弁と、上記パイロツト室を減圧弁
   の出力路と通電量に比例した出力圧が得られる電
   空圧力弁の出力路とに選択的に切換えるばね復帰
   形の選択弁とを備え、該選択弁の切換を制御する
   電気回路を、上記減圧弁の出力圧を所期の設定圧
   にするための指令信号とその出力圧を圧力センサ
   で検出してフイードバツクした圧力信号との差に
   基づいて、電空圧力弁の出力圧を上記減圧弁のパ
   イロツト室に連通させるようにその選択弁を切換
   える信号を出力するものとして構成すると共に、
   電空圧力弁に通電する電気回路を、上記指令信号
   と圧力信号との差に応じて電空圧力弁から所期の
   出力圧が得られるような信号を出力するものとし
   て構成したことを特徴とする圧力制御装置。