JPH0137045Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は外熱を遮断し、建築物を保護する等、
優れた断熱効果を発揮する断熱材を一体的に組み
込み、施工能力が極めて高い建築物構造壁体に関
する。

［従来の技術］ 従来、建築物の外壁工法としては専門職を多数
要し、しかもその工事が大がかりで広域な工事現
場面積を必要とし現場作業がその大半を占める仮
枠を用いての鉄筋コンクリート造工法、ふるいは
構造体としてのコンクリートブロツクを用いる組
積造工法がある。

前者にあつては前述した如く施工性が劣り、ま
た後者にあつては前者に比較すれば施工効率は高
くかつ、強度的にも充分な強度性を得ることがで
きるのであるが、ブロツクそのものが構造体であ
ることから各単一構造体ごとに一個づつ鉄筋を配
筋しつつ組積する作業を余儀なくされ、施工性の
面にあつても今一歩進んだ建築物構造壁体の開発
が待たれた。

また、従来これらの工法に断熱材を配備するこ
とはさらに一作業増えるとともに、その装着作業
も極めて困難で多くの取付部材と多大な労苦を要
する。

本考案にあつては、従来のコンクリートブロツ
クに比較し軽量で極めて大型の型枠を用い現場に
おいて鉄筋を配筋し、コンクリートを打設するこ
とにより即構造体に変化せしめることができ極め
て施工性の高い工法を基礎とし、さらに、この構
造体に対し断熱材装着のための作業あるいは取付
部材を要さずとも断熱材を容易に配備することが
できしかも構造体との一体かも充分に行うことの
できる好適な断熱効果をも発揮する建築物構造壁
体を提供することを第１の目的とする。

本考案の第２の目的は、この断熱材を容易に装
着することができ外装材とも一体化できる型枠は
工場生産が可能であり、仮枠等を使用しないため
大工及び従来のブロツク工法のような専門職の手
間等が省けさらに現場作業面積も狭少ですみ住宅
密集地等にあつても大掛りな機械を用いることな
く施工できる断熱効果を有する建築物構造壁体を
提供せんとすることにある。

［問題を解決するための手段］ 前述した問題点は、一定間隔を有してなる二枚
の平面板と、上下中央部分に凹欠部を有し、前記
二枚の平面板とはその方向を逆にし前記二枚の平
面板間を一体的に接続してなり、同じく一定間隔
を有してなる二枚の板体とからなる型枠が上下及
び左右方向に連接されるとともに、外壁方向の前
記平面板内面若しくは外面には断熱材が一体的に
装着されてなり、かつ前記型枠内の上下及び左右
方向には鉄筋が配筋され、コンクリートが打設さ
れてなることを特徴とする建築物構造壁体によつ
て解決される。

［実施例］ 第１図中１は本考案の建築物構造壁体に使用さ
れる型枠に係り、従来のブロツクに比較し軽量で
大型であり、この型枠１は一定間隔をおいて面対
向してなる二枚の平面板２ａ，２ｂと、この二枚
の平面板２ａ，２ｂとはその方向を逆にし二枚の
平面板間を一体的に接続してなり、同様に一定間
隔を有してなる二枚の板体３ａ，３ｂとから成
る。尚、二枚の板体３ａ，３ｂは上下に凹欠部４
ａ，４ｂを形成するとともに、二枚の板体３ａ，
３ｂは上方部分が二枚の平面板２ａ，２ｂの上縁
部より突出し、下方部分にあつては二枚の平面板
２ａ，２ｂの下縁部より一定間隔をおいて上方部
に位置すべくあらかじめ形成されている。この型
枠を利用した本考案の第１の実施例を第２図に示
す。

４は、二枚の平面板２ａ，２ｂの外壁方向の平
面板２ａ内面と一定間隔を有して介在してなる仕
切板であり、断熱材５は、仕切板４によつて形成
された断熱材収納部６内にセツトされるものであ
る。その工法について述べれば、まず型枠１を上
下方向及び左右方向に連接せしめた後断熱材収納
部６内に断熱材５を収納し、しかる後型枠内の中
空部縦方向及び凹欠部４ａ，４ｂを利用しての中
空部横方向に鉄筋を配筋した後、一体的にコンク
リートを打設するものである。

したがつて、この実施例によれば断熱材装着の
ための特別な工事等を要せずとも断熱材はきわめ
て容易に配設することができるとともに構造体と
一体化した断熱材装備の外壁体を容易に得ること
ができる。

第３図に示す第２の実施例にあつては、外壁方
向の内面板２ａの外面と一定間隔を有してなる断
熱収納部６を形成したものであり、前記した二枚
の板体３ａ，３ｂの延長方向に形成された仕切部
材６ａにより複数個の室に区切られた断熱材収納
部６内にはそれぞれ断熱材５が配設されるもので
ある。

第４図に示す実施例は第２図に示す実施例と同
形状の型枠１を用いるものであるが断熱材５は外
壁外向の平面板２ａの外面に配設されるととも
に、この断熱材５外周にはレンガ、タイル等の化
粧材７を外面に装着したモルタル８が位置するも
のである。

［効果］ しかして本考案によれば、既に構造体であると
ころのコンクリートブロツクを鉄筋を配筋しつつ
一個づつ慎重にかつ多大の手間をかけつつ組積す
る工法と異なりコンクリートブロツクに比較し軽
量で極めて大型の型枠を連接した後コンクリート
を打設するという工法により型枠は構造体と即一
体化し、従来工法に比べ極めて迅速に施工性良
く、所要の建築物構造壁体を得ることができると
ともに、特に本考案にあつては断熱材をも容易に
配設しかつ構造体と一体化させることができるこ
とから、従来の如く断熱材を装着するための特別
の施工工程あるいは取付部材等を要さずとも容易
にしかも施工性良く好適な断熱効果を有する建築
物構造壁体を得ることができる。また工場生産が
可能であることから、施工現場においては鉄筋の
配筋作業及びコンクリート打設作業のみでよく、
仮枠工事は不要で大工等の専門職の手間は減少す
るとともに住宅密集地等狭少な施工現場において
も容易に断熱効果を有する好適な建築物を建てる
ことができる等幾多の有用な効果を発揮するもの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の建築物構造壁体に使用される
型枠を示す斜視図、第２図は本考案の建築物構造
壁体の一実施例を示す平面図、第３図及び第４図
はそれぞれ本考案の建築物構造壁体の他の実施例
を示す平面図である。 １……型枠、２ａ，２ｂ……二枚の平面板、３
ａ，３ｂ……二枚の板体、４ａ，４ｂ……凹欠
部、５……断熱材、６……断熱材収納部、６ａ…
…仕切部材、７……化粧材、８……モルタル。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 一定間隔を有してなる二枚の平面板と、上下
   中央部分に凹欠部を有し、前記二枚の平面板と
   はその方向を逆にし前記二枚の平面板間を一体
   的に接続してなり、同じく一定間隔を有してな
   る二枚の板体とからなる型枠が上下及び左右方
   向に連接されるとともに、外壁方向の前記平面
   板内面若しくは外面には断熱材が一体的に装着
   されてなり、かつ前記型枠内の上下及び左右方
   向には鉄筋が配筋され、コンクリートが打設さ
   れてなることを特徴とする建築物構造壁体。 (2) 実用新案登録請求の範囲第１項記載の断熱材
   は型枠の外壁方向の平面板内面と一定間隔を有
   して介在してなる仕切板により仕切られてなる
   断熱材収納部内に装着されることを特徴とする
   建築物構造壁体。 (3) 実用新案登録請求の範囲第１項記載の断熱材
   は型枠と一体的に形成され、外壁方向の平面板
   外面と一定間隔を有してなる断熱材収納部内に
   装着されることを特徴とする建築物構造壁体。 (4) 実用新案登録請求の範囲第１項記載の断熱材
   は型枠の外壁方向の平面板外面と一定間隔を有
   して位置するレンガ等化粧材を装着してなるモ
   ルタル間に形成された断熱材収納部内に装着さ
   れることを特徴とする建築物構造壁体。