JPH0136373Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の技術分野］ 本考案はインターホン用筐体に係り、特にスピ
ーカからマイクへの音響結合を低減するこの種筐
体に関する。

［考案の技術的背景］ 従来から拡声同時通話型のインターホンは、ス
ピーカとマイクとが分離されて適宜隔てられて配
置される。そして防じんおよび美感上から化粧パ
ネルで覆われている。即ち、第４図に示すよう
に、インターホンの本体１には適宜隔てられてス
ピーカ２、マイク３が取着され、それぞれ取着さ
れた本体１上には複数の孔４，５が穿設されてい
る。また、本体１の表面に化粧パネル６が被嵌さ
れ、本体１の孔４，５に対応して複数の孔７，８
が穿設されている。そして、本体１と化粧パネル
６との空間に、本体１に取着されたマイク３を隔
離すべくその周囲にパツキン９が設けられてい
る。

この場合において、スピーカ２から発せられた
音量はインターホン外はもちろん本体１、化粧パ
ネル６間にも及び、その音圧は化粧パネル前面よ
りも高い。したがつて、本体１、化粧パネル６間
の音量がマイク３に入つて音響結合が高くなり、
いわゆるハウリングを起す原因となるが、パツキ
ン９によりこれを低減している。また、本体１、
化粧パネル６間の音圧を上げないようにするため
に化粧パネル６に設けられた音抜きのための孔７
を大きくする必要がある。

［背景技術の問題点］ しかしながら、パツキン９だけでは本体１、化
粧パネル６間の音圧は防ぎきれず、また化粧パネ
ル６の孔７を大きくすることはデザイン処理上制
約があり、さらには化粧パネルをセラミツク等成
形性の悪いものを使用する場合音抜き用の孔を形
成できずハウリングが発生し易いという難点があ
る。

［考案の目的］ 本考案は上記従来の難点に鑑みなされたもの
で、本体のマイク部を化粧パネルより突出させる
と共に、該突出部の周囲に溝を設け、該溝に対応
して位置されるリブを化粧パネルに設けることよ
り、本体と化粧パネルとの空間よりマイクに侵入
する音量を低減しハウリングを起させないインタ
ーホン用筐体を提供せんとするものである。

［考案の概要］ このような目的を達成するために本考案によれ
ば、本体に、パネルの表面に位置してマイクが取
着される突出部と、突出部の周囲に一つの又は複
数個の溝とを設け、パネルに、該突出部を表出さ
せ溝に対応して位置される一つの又は複数個のリ
ブを設けたインターホン筐体を構成する。

このインターホン筐体によるスピーカからマイ
クへの音響結合を低下させる原理は、先ず、本体
におけるマイクの取着部をパネル位置まで突出さ
せてスピーカ位置と段差を設けることによりスピ
ーカの音量による音圧を緩和させることである。
次に、突出部の周囲に設けた溝にパネルのリブを
嵌合させ遮断或いは空間幅を狭くすることによ
り、パネルと本体間における音圧を低減させ、さ
らには、溝にリブを嵌合させることはパネル、本
体間の音量のマイクへ伝搬する距離がそれだけ長
くなり音圧の減衰が図られるものである。

［考案の実施例］ 以下、本考案の好ましい実施例を図面により説
明する。

本考案のインターホン筐体は、第１図に示すよ
うに、インターホンの本体１０にセラミツク等で
形成したパネル１１が被嵌される。本体１０には
スピーカ１２およびマイク１３が取着されてお
り、マイク１３の取着部分は突出して突出部１４
を形成する。その突出部１４はパネル１１の表面
に位置し、この突出部１４の周囲には溝１５が形
成されている。そして、本体１０のスピーカ１
２、マイク１３が取着された表面にはそれぞれ音
抜き用の孔１６，１７が設けられている。一方、
パネル１１には前記突出部１４の周囲に形成され
た溝１５に対応して、パネル１１が本体１０に被
嵌したときに嵌合して位置すべき筒状のリブ１８
が設けられる。

このような構成によるインターホン筐体は、ス
ピーカ１２からの音量は、パネル１１と本体１０
間を伝搬して被嵌されたパネル１１の側面から発
せられるわけであるが、マイク１３への音量は溝
１５とリブ１８とが嵌合されていることから、そ
の空間の狭さによつて音圧が減圧されると共に、
音量の伝搬する距離が従来のものより延長される
ことにより次第に音圧が減衰するものである。こ
のことによつて、スピーカ１２からマイク１３へ
の音響結合が小さくなりハウリングを防止するこ
とができるのである。この減衰量の周波数に対す
るグラフを第３図に示す（点線は従来の特性であ
る）。

なお、上記実施例では一つの溝と一つのリブに
ついて述べたが、第２図に示すように複数個の溝
１５′と複数個のリブ１８′を設けることにより、
以上の効果をさらに向上させることができる。

［考案の効果］ 以上の実施例からも明らかなように本考案によ
れば、本体のマイク部をパネルより突出させると
共に、該突出部の周囲に溝を設け、該溝に対応し
て位置されるリブをパネルに設けることにより、
スピーカからマイクへの音響結合を低減しハウリ
ング現象を防止できるため、成形性の悪いセラミ
ツク等でパネルを形成することも容易にできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のインターホン用筐体を示した
断面図、第２図は他の実施例を示した断面図、第
３図は本考案のインターホン用筐体におけるマイ
クへの音圧の減衰量を示したグラフ、第４図は従
来のインターホン用筐体を示した断面図である。 １０……本体、１２……スピーカ、１３……マ
イク、１４……突出部、１５，１５′……溝、１
８，１８′……リブ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. スピーカとマイクとが適宜配置される拡声同時
   通話型のインターホンの本体の表面にパネルを被
   嵌させるインターホン用筐体において、前記本体
   に、該パネルの表面に位置して前記マイクが取着
   される突出部と、該突出部の周囲に形成された溝
   とを設けると共に、前記パネルに、該突出部を表
   出させ前記溝に対応して位置されるリブを設ける
   ことを特徴とするインターホン用筐体。